贈与早わかり―特に贈与に伴う非課税制度

贈与早わかり―特に贈与に伴う非課税制度
H27.5.19
美坂佳助
1. 贈与とは
贈る人ともらう人の合意があり、もらう人が自由に使えないと認められず、基礎控除内の贈与の積
りでいても否認され、相続として相続税を課せられる場合がある。
例 1―定額贈与――毎年 100 万円 10 年間渡していた場合,1000 万円を 10 年分割で贈与し
ていたとして、1000 万円の贈与と見做されてしまう。
例 2―名義預金――受贈者が名義人になっていても、贈与者(親)が主体で通帳や印鑑を管理
している場合、親が死んだ時相続財産に含められてしまう。
確実に実施する為には、贈与契約書の存在が必要で、受贈者自身が所有・管理がしていなければなら
ない。対象は現金・株式・土地・建物・会員権であり、お金以外は評価額に課税される。
2. 贈与税
① 暦年課税――受贈者は基本的には一年毎の暦年贈与・暦年課税で納付する。
基礎控除は 110 万円。税額は(Σ受増額-110 万円)×税率-速算控除額である。
② 相続時積算課税制度――相続財産の前渡しであり、累計 2500 万円内までなら贈与税が
免除される (超えたら超えた分に対し一律 20%の税がかかる)
例えば、父が死んで相続が発生した場合、既に受贈した累計額を
相続財産に加算して相続額を計算するが、相続額が少なく相続税
がかからない人なら、非課税で早めに財産を受け取れるのが利点。
3. 贈与に伴う非課税制度
① 贈与税の配偶者控除(最高 2000 万円)を利用して、
妻(20 年婚姻)に居住用の不動産等を贈与する。
② 住宅取得等資金の贈与の特例を利用して、一人当たり 2000 万円迄無税で子や孫(直系)に贈与可。
③ 非課税制度を利用した教育資金一括贈与の場合、一人当たり 1500 万円迄非課税となる。
④ 前述の「相続税積算課税制度」は、無税で 2500 万円迄の財産を前渡しできる。
参考
マイナンバーについて――ある資料からの転記
■平成27年10月にマイナンバーを通知。
■平成28年1月からマイナンバーを利用。
国の行政機関や地方公共団体などにおいて、マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の分野
で利用されることとなります。 このため、国民の皆様には、年金・雇用保険・医療保険の手続、
生活保護・児童手当その他福祉の給付、確定申告などの税の手続などで、申請書等にマイナンバー
の記載を求められることとなります。
また企業や団体にお勤めの方や金融機関とお取引がある方は、勤務先や金融機関にご本人やご
家族のマイナンバーを提示する必要があります。
H27.5.19 美坂佳助
相続税早わかり
1. 財産リスト作成
1.1 不動産
所在地
1.2 金融資産
区分
家屋
土地
計
固定資産評価額
被相続人持分
1/2
1/3
被相続人名義資産額
A1
金融機関名
支店
商品内容
現預金
国債
投信
株式
被相続人名義資産額
計
2. 相続税計算手順 ( 前提
No
1
2
3
4
5
手順
被相続人→相続人
相続財産の総額
死亡保険金
債務・葬式費用
課税価格
保険金の控除
基礎控除額
課税遺産総額
同上を各自へ配分
取敢えずの
各自の納税額
そして
6
各自が納めるべき
相続税額
7
各自の相続資産額
3. 図示
A2
: ①配偶者、子供 2 人
②法定配分
)
解説
計算
美坂佳助→配偶者(T)、長女(K)、長男(M)
プラス財産
A12
( A1+A2 )
みなし相続財産
a1
(一人当たり 500 万円以上とする)
マイナス財産
a2
以上 3 点を合算
A=A12+a 1-a 2
相続人一人 500 万円
1,500 万円 (3 相続人)
(3 千+6 百×相続人数)万円
4,800 万円 (3 相続人)
B
(A-1,500 万円-4,8000 万円)
配偶者 B/2、 子供 B/4
B > 0 なら各自には納税義務発生
それぞれの配分額に対応す T’:
(B/2) ×税率-控除
る率と控除額によって、各自 K’:
(B/4) ×税率-控除
の納税額を仮決めする
M’:
(B/4) ×税率-控除
仮の総納税額を算出
Σ=T’+K’+M’
配偶者の税額軽減制度あり
T”=0 ( 特別のケースを除いてゼロ)
子供はΣを実際の相続割合 K”=Σ×1/4
で按分して支払う
M”=Σ×1/4
TT=A/2 、
KK=A/4 - K” 、
MM=A/4 - M”
(横軸=課税価格 A 億円、縦軸=相続税総額 (K”+M”) 万円)
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5