⑨ 羽咋市青年団協議会

平成26年度「家庭・地域でのいじめ・不登校等対策事業」
団体名
事業実施報告書
羽咋市青年団協議会
1
応募理由
社会情勢・家庭環境の変化により、子どもたちは、地域の人々・同世代以外の人々と
の関わりが希薄になっている。
この状況の中、市青年団協議会が子どもと大人との間の橋渡し役としての役割を担う
ことにより、地域全体の交流が深まることを目的として本事業の開催を企画した。
今回、この通学合宿の実施により、地域の大人たちが子どもに関心を持つとともに、
青年団員や地域の大人たちとの交流により、自分たちが地域全体で育てられているとい
うことを実感することで、いじめ・不登校・ひきこもりの防止につなげたい。
2 事業内容
(1)講座・セミナー等の実施内容
11月5日(水)14:50~
羽咋小学校は市内最大の小学校であり、学校教育に対する関心も高い。11月1日からの教
育ウィークの一環として学校公開を実施するため、それに合わせて通学合宿の参加者も多い当
校で講演会を開催することとした。
参加人数 児 童
保護者
教 員
167名(5年生88名、6年生79名)
55名
10名
講師に永村幸治先生を迎え、「人生を変えた津軽三味線」という演題で実施した。
ご自身が、中学校2年生の時に受けた、クラスメイトから無視されることに始まった
“いじめ”により不登校になった体験を津軽三味線で表現したり、そのいじめを克服で
きたのも津軽三味線だったという実体験に基づいた講演であった。
プロの津軽三味線奏者である永村先生の演奏とともに語られる講演は、児童の集中力
も切れることなく傾聴できた。
特に、いじめから抜け出すために「津軽三味線という一つのことに集中して取り組む
ことで苦しい環境を乗り越えることができた。」「津軽三味線の大会で東北にいった時
に、普通に友達ができた。」など飾らないエピソードは、多くの児童・保護者にも自身
に重ね合わせて共感できた内容であった。
講演後、アンケートを実施したが、回答者36名のうち
・大変良かった
35名
・どちらかというと良かった
1名という結果であった
主な意見
・つらい経験を乗り越えられた方の言葉は強く心に響きました。
・プラス思考に転じる前向きな心が大切だと強く感じました。夢を持つことの大切さ
と、実現させる心の強さの必要性を感じました。
・演奏を交えながらの体験談は、聞きやすくてとてもよかったです。
・日本の伝統文化の津軽三味線の演奏に触れることで、話がよく理解できました。
(2)通学合宿実施状況
9月28日(日)より、6泊7日の日程で事業を実施。市内6校中4校から、4年生6
名を含む14名の参加があった。
9月28日(日)
開校式
オリエンテーション・永光寺の歴史
食育改善羽咋市食生活改善推進協議会講習
座禅
※協議会指導の下、子どもたちが夕食を調理した。
29 日(月)
通学・写経
※写経の最後に願いを書き込み、毎日お参りした。
30 日(火)
通学・教育長と語ろう・手紙作成
※教育長を囲んで学校や生活などについて
語り合った。
また、家族にあてた手紙を書いて、
家族の大切さを学んだ。
10 月 1 日(水)
通学・茶道体験
※地域のボランティアの方から茶道の作法を学んだ。
2 日(木)
通学・座禅
3 日(金)
通学・青年団との交流
※アイスブレイクに肝試しを行った。肝試し後、交流会を実施した。
4 日(土)
10月27日(月)
通学合宿レポート提出・閉校式
参加者・各校へ合宿の文集・活動写真を送付。
永光寺通学合宿参加者延べ数
9 月 9 月 9 月 10 月 10 月 10 月 10 月 延べ
28 日 29 日 30 日 1 日 2 日 3 日 4 日 数
永光寺指導僧
参加児童
宿泊育成
夕食作り(保護者)
宿泊事務局
宿泊青年団
交流青年団
食育改善指導
2
14
1
2
4
2
14
1
2
1
2
2
14
1
2
1
2
2
14
1
2
1
2
2
14
1
2
1
2
2
14
1
2
1
2
4
2
14
14
98
6
10
7
10
4
4
3 事業実施の工夫点や特記事項
・合宿所を市内の古刹永光寺とし、自分たちの住む地域を再認識できるようにした。
・5時起床から始まる、規則正しい生活を1週間の長期にわたり行うことで、生活リズムの改
善を行った。
・夕食作りは、羽咋市子ども会育成会より数名ずつが交替でおこない、自分たちが通学合宿を
行えるのも、家族は勿論、たくさんの大人たちが協力してからこそだということを実感でき
るようにした。
・食育改善推進協議会の協力を得て、栄養価を考えた夕食作りを行った。
・羽咋市青年団協議会のメンバーとの交流を深めるために、肝試しを企画することでお
互いの存在を確認しあい、これまで以上に打ち解けあうことができた。
4
関連する取組
(1)いじめ防止講座の実施(児童・生徒対象)
(2)子ども会育成会主催の小学生相撲大会の運営協力
(3)市主催の文化祭等に大人も子どもも参加できる企画展を実施
5 事業の評価・検証
・通学合宿を通じての心境の変化・家族のありがたさ・友人とのことについて800字程度の
レポートを提出した。
・提出されたものと、通学合宿の事業内容をまとめて冊子とし、各小学校の図書館で閲覧でき
るようにした。
・講演会で保護者を対象としたアンケートを実施した。
6 成果と課題
・お寺という普段の生活習慣と違う環境の中で、当初は細やかな生活指導が必要であっ
たが、短い期間でお寺の習慣に合わせた規則正しい生活を送ることができた。
・寝食を共にすることによる軋轢が生じたが、自分たちで解決するよう促し、上級生が
中心となって解決できた。大人は助言する程度であり、学齢を超えた絆ができた。
・家では行わない食事の配膳、片付け・洗濯などを自分で行うことにより、家族のあり
がたさを実感できた。
・6泊7日の長期の合宿では、数名の女子児童で精神的・体力的にもたない様子があっ
た。途中「帰りたい」などの場面もあったが、何とか乗り切った。参加者全員が全日
程を終えることができ、事業に携わった関係者全体としての達成感が生まれた。最後
まで意欲的に参加できるようなプログラムとサポート体制を検討する必要がある。