ハードオフコーポレーション(2674

岡三にいがた
県内企業レーティング情報
ハードオフコーポレーション(2674
東証1部)
2015年5月26日
2016年3月期は次の成長に向かう踊り場
<<アナリストの視点>>
レーティング
中立
ハードオフ事業、オフハウス事業、その他直営事業、FC事業の売
上高はバランスの取れた構成比となっており、一つの事業の落ち
込みを他事業でカバーできる。売上高経常利益率は10.5%と同業
(前回:強気 )
目標株価
- (前回:1,000 円)
他社(5.3%)の約2倍と高い。新業態のリカーオフやハードオフ
オーディオサロンなどの新事業や、市場規模の大きいモードオフ
などの事業展開にも積極的。人材教育も充実しており、今後の成
長が期待できる。
1,304
円 ( 05/22 )
<<レーティングの根拠>>
年初来高値 =
1,350 円 ( 05/22 )
2016年3月期を会社側は、次の成長のための踊り場と位置付けて
年初来安値 =
920 円 ( 01/06 )
株価 =
予想PER (連結) = 13.8 倍 (
16/3 )
予想PER (連結) = 12.6 倍 (
17/3 )
いる。しかし、個人消費の拡大が見込まれることから、会社計画
は保守的と思われ、業績は上振れが期待できる。ただ、株価も上
昇しており、レーティングは中立とする。
<<売上高・全ての利益で過去最高更新>>
実績PBR (連結) = 1.48 倍
2015年3月期の連結売上高は、既存店売上高が前期比0.9%増
予想ROE (連結) = 10.3 %
となったことに加え、前期出店した16店舗、前第4四半期より連
結開始した子会社(株)ハードオフファミリーの寄与により、前
時価総額
176 億円
発行済株式数
(除く自己株)
13,486 千株
期比18.4%増の168億円となった。売上高が計画(170億円)に届
かなかったのは、既存店売上高を前期比2.5%~3%増と計画し
ていたが、電子書籍の普及などからブックオフが前期比5.7%減
となり、ブックオフを除く既存店が2.3%増となったがカバーし
きれなかったことが要因のようだ。
利益面では、販管費が新店や子会社(株)ハードオフファミ
リーの上乗せにより前期比20.9%増加したものの、増収効果に
より営業利益は前年同期比5.0%増の16億円、経常利益は同
4.3%増の17億円となった。当期純利益は関係会社株式の売却益
(1.1億円)、フランチャイズ加盟契約の解約に伴う契約解約益(3
億円)の4.1億円を特別利益として計上したことで、同9.6%増の
13億円となった。
予想配当利回り = 2.68 %
エクイティ情報部
小森 卓
<<業績推移>> 日本基準
決算期(年/月)
2013/03
2014/03
2015/03
会社
2016/03(予)
弊社前回
弊社今回
弊社前回
2017/03(予)
弊社今回
売上高
12,025
14,214
16,825
18,000
18,500
18,500
-
営業利益
1,385
1,532
1,609
2,000
2,050
2,050
-
20,000
経常利益
1,431
1,700
1,773
2,100
2,200
2,150
-
2,260
当期純利益
794
1,202
1,318
1,250
1,300
1,270
-
2,360
一株純利益
58.88
89.16
97.75
92.70
96.40
94.17
-
1,400
一株配当金
25.00
30.00
35.00
35.00
30.00
35.00
-
103.81
35.00
単位:百万円、一株純利益・配当は円
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
1
岡三にいがた県内企業レーティング情報
ハードオフコーポレーション(2674東証1部)
売上高は19期連続増収で過去最高を更新。利益も全て
過去最高を更新した。売上高経常利益率は10.5%と同業
他社(日本リユース業協会加盟の上場企業)6社の5.3%を
大きく上回っている。
期中の出店は、直営店が22店舗、フランチャイズ(FC)
が32店の計54店舗。閉店は直営店2店舗、FC12店舗。期末
の店舗数は直営271店舗、FC518店舗の789店舗。
<<今後の施策>>
出店政策としては、中期ビジョンの2020年度に店舗数1000店を達成し、「お客様満足度・収益性共に
圧倒的なリユース業界のリーディングカンパニーになる」ことを目指している。
首都圏エリア、関西エリアを中心として全国の拠点確保を図り、郊外型店では大型・多業態複合店舗
の出店に取り組み、首都圏・関西エリアでは駅前や商店街などの商業地における小型店舗(モードオフ・
ホビーオフ・リカーオフ)の物件開発を強化する。ホームセンター内に今期オープンした2店舗が好調な
ため今後もコラボ出店を検討する。
アパレルは新品市場規模約9.6兆円(ハードオフコーポレーション調べ)と市場規模も大きいため、モー
ドオフは2015年5月21日現在28店舗(新潟1、長野1、東京16、神奈川5、埼玉3、千葉2)であるが早期に全
国100店舗体制を目指している。酒類のリユースを行う新業態であるリカーオフは、直営2店(東京)、FC
が愛知県に1店舗あるが、今後はFCを含め全国100店舗を目指す。
中期の目標数値は2018年3月期の売上高210億円、経常利益25億円(売上高経常利益率11.9%)、チェー
ン全体の売上高590億円、店舗数902店としている。
2016年3月期は『守りを磨く』~for the NEXT~をテーマに次の成長のための本社体制づくりの時と位
置付け、人材育成の強化(東京オフィスの最大活用)、1000店舗体制に耐えうる強固な内部体制の構築、
高付加価値の追求(ハードオフの「進化、深化、新化」をキーワード)を重点項目としている。
高付加価値の追求の一つとして、ハードオフグループ専用のネットモールを独自に構築している。
2015年3月期の取扱店舗はFC加盟店16法人354店舗、掲載商品数は9万9000点。2016年3月期末月間売上1億
円(2015年3月期末月間売上4600万円)を目指している。
<<配当政策>>
配当性向30%以上を基本とした安定的な配当を継続する方針で、2015年3月期は特別配当金5円を含む
35円、2016年3月期は普通配当金35円の計画。
<<2016年3月期の見通し>>
2016年3月の会社計画は、直営店14店舗(エコモード、ハードオフファミリー含む)、FC25店舗の新規出
店し、期末店舗数はFC538店舗、直営284店舗の合計822店舗を計画。既存店売上高前期比2%増を前提に
前期比7%増の180億円、利益面では売上高総利益率70%以上を維持し、経費削減も引き続き行うことで
営業利益は前期比24.3%増の20億円、経常利益は同18.4%増
の21億円(売上高経常利益率11.7%)、当期純利益は、前期の
契約解約益などがなくなるため同5.2%減の12.5億円を計画
している。今期は次の成長への踊り場と位置付けられている
ものの、ベースアップや賞与など所得の賃金の増加や配当金
の増加などによる所得増による個人消費拡大も見込まれるこ
とから、岡三にいがた証券では売上高18.5億円、営業利益
20.5億円、経常利益21.5億円、当期純利益12.7億円を見込む。
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
ハードオフ
オフハウス
モードオフ
ガレージオフ
ホビーオフ
ブックオフ
総合計
チェーン店売上高
2015年3月期 2016年3月期
前期比
(実績)
(会社計画)
18,183
18,700
2.8%
22,405
24,200
8.0%
1,784
1,920
7.6%
598
620
3.6%
3,156
3,600
14.0%
3,046
2,960
-2.8%
49,175
52,000
5.7%
決算説明会資料より岡三にいがた証券作成
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岡三にいがた県内企業レーティング情報
レーティングの基準など
強 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上上回ると判断される銘柄
中 立:今後6ヵ月以内の目標株価と現在の株価の差が±10%未満と判断される銘柄
弱 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上下回ると判断される銘柄
目標株価の定義と未達成リスクについて
目標株価は、アナリストによる当該企業の業績予想を基に、マルチプル法やDCF法等の岡三にいがた証券
エクイティ情報部が妥当と考える方法により算出したもので、対象期間は6 ヵ月以内です。目標株価達成を
阻むリスク要因としては、当該企業の主要市場における競合状況(企業買収・訴訟なども含む)、製品・商品・
サービス需要の変動、原材料及び燃料価格の変動のほか、当該企業を取り巻く経済状況、為替相場の変動、
国内外の金融・不動産市場の状況、各種規制変更、事故・災害(人災含む)、社会的責任などが考えられま
す。なお、これらの要因以外にも、現時点で予想できないリスクが将来的に発生し、その結果として目標株価
達成が妨げられるおそれがあります。
本資料における個別銘柄に関する注記事項
・個別銘柄のレーティングについては、執筆アナリストの変更があった場合でも、岡三にいがた証券として
の個別銘柄のレーティングの継続性を保つため、前任者の付与したレーティングを「前回」レーティングと
して記載しています。
・株価は日付日の終値。年初来高値・安値は権利落ち修正後で、各取引所の立会市場の売買立会時
(前場・後場)における約定値段を用いています。
・上場市場は東京証券取引所の場合、記載せず、複数市場上場の場合は売買高の多い市場を記載して
います。
・時価総額など、特に日付を記していない場合は、個別銘柄の株価日付に同じです。
・PBRの根拠となるBPSは直近決算期末時点の会社公表数値を用いていますが、必要に応じて岡三にい
がた証券が算出しています。
・ROEの根拠となる自己資本は必要に応じて純資産から新株予約権と少数株主持分の金額を控除した金額
を用いています。
・予想EPSは当期利益(会社計画、前回予想を含む)を記載の発行済株式数で除して計算しています。なお、
払い込み前の公募、権利落ち前の株式分割等は考慮しておりません。
・時価総額は記載の株価と発行済株式数で計算しています。
・発行済株式数は自己株を含んでおりません。株式数は直近決算期末時点の会社公表数値を原則として用
いておりますが、株式分割、公募増資、自己株買入れなど必要に応じて岡三にいがた証券の推定による試
算値を用いる場合があります。
・日本基準の連結当期利益は、親会社株主に帰属する当期純利益です(平成27 年4月1日以後開始する連
結会計年度の期首から適用)。
・米国会計基準の当期利益は、当社株主に帰属する当期純利益です。
・指定国際会計基準(IFRS)の当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。
(平成27年5月改訂)
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
岡三にいがた 県内企業ウオッチ38
銘柄コード 2674
東証 1部
エクイティ情報部
小売業
(株)ハードオフコーポレーション
≪会社概要≫
新発田市に本社を置く。中古品リサイクル販売業を直営店またフランチャイズ方式で全国展開。ハードオフ
事業、オフハウス事業、その他直営事業、FC事業の売上高がバランスの取れた構成比となっており、一つの事
業の落ち込みを他事業でカバーできることも強み。売上高経常利益率も10.5%と同業他社(5.3%)の約2倍と高
い。新業態のリカーオフやハードオフオーディオサロンなどの新事業や、市場規模の大きいモードオフなどの
事業展開にも積極的。人材教育も充実しており、今後の成長が期待できる。
≪週足チャート≫
1,299
現在値
13週移動平均線
05/25 (月/日)現在
円
26週移動平均線
1,400
1,300
1,200
1,100
1,000
①②
③
⑤
④
900
800
05/16
月/日
04/25
04/04
03/14
02/21
01/31
01/10
12/20
11/29
11/08
10/18
09/27
09/06
08/16
07/26
07/05
06/14
05/24
05/03
04/12
03/22
03/01
02/08
01/18
12/28
700
〔テク二カルコメント〕
14年に入り、1月第1週の930円①、同じく第3週の930円②、7月第1週の908円③、9月第4週の916円④と
900円を超えた水準には厚い壁がありなかなか上抜け出来なかったが、15年1月第1週⑤に上抜け、上昇ト
レンドが確認された。現状は13週、26週移動平均線の向きが上方向を示しており、トレンドに変化の兆
しは見当たらない。⑤以降の13週線(1229円、5月25日現在)を下支えとした上昇トレンドが続こう。
〔参考指標〕
年初来高値
1,350 円
年初来安値
PER(会社予想) 14.01 倍
PBR(実績)
信用買い残
貸借倍率
50 千株
920 円
1.47 倍
1.73 倍
単元株数
100 株
ROE(実績)
11.62 %
発行済株式数
13,954 千株
最低購入代金
配当利回り
時価総額
129,900 円
2.69 %
18,126 百万円
〔業積推移〕
決算期
売上高
経常利益
2014/03
14,214
1,700
2015/03
16,825
1,773
2016/03
18,000
2,100
2016/03 は予想
単位:百万円
税引利益
1,202
1,318
1,250
EPS(円)
89.16
97.75
92.70
配当(円)
30
35
35
データ出所:Astra
〔株主優待情報〕
※株主優待は現在行っておりません。
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
4
手数料およびリスクについての重要な注意事項
・ この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特
定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。また、過去の実績は必ずしも将来の成果
を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願
いします。
・ 株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による株価の変動によって損
失が生じるおそれがあります。また、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外
部評価の変化等により、株価が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
・ 本資料は、岡三にいがた証券が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものです
が、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。企業が過去の業績を訂正する等により、
過去に言及した数値等を修正することがありますが、その責を負うものではありません。また、本資料に記
された意見や予測等は、資料作成時点での岡三にいがた証券の判断であり、今後予告なしに変更される
ことがあ ります。なお、本資料は、日本証券業協会「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則」のアナ
リスト・レポートとして審査されたものです。
・ 岡三にいがた証券およびその関係会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品につい
て、自己売買または委託売買取引を行う場合があります。
・ 自然災害等不測の事態により金融商品取引市場が取引を行えない場合は売買執行が行えないことがあり
ます。
・ 金融商品取引のご契約にあたっては、あらかじめ当該契約の「契約締結前書面」(もしくは目論見書及びそ
の補完書面)または「上場有価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、ご理解いただいたうえでご契
約ください。
・ 株式の売買取引には、約定代金(単価×数量)に対し、最大1.242%(税込み)(手数料金額が2,700 円を
下回った場合は2,700 円(税込み))の売買手数料をいただきます。ただし、株式累積投資は一律1.242%
(税込み)の売買手数料となります。国内株式を募集等により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払
いいただきます。
・ 本資料は岡三にいがた証券が発行するものです。本資料の著作権は岡三にいがた証券に帰属し、その目
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岡三にいがた証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第169号
加入協会:日本証券業協会
(平成27年5月改訂)