アークランドサカモト(9842)

岡三にいがた
県内企業レーティング情報
アークランドサカモト(9842
東証1部)
2015年10月13日
外食事業は好調も、HC既存店売上高の回復がカギに
<<アナリストの視点>>
レーティング
16年2月期第2四半期累計の連結業績は外食事業が好調に推移した
円 ( 10/08 )
ものの、天候不順や消費増税の反動減の影響でホームセンター
(HC)事業が苦戦したことで減益となった。上期は会社計画を下
回る着地となったものの、外食事業の好調維持が見込まれること
に加え、通期計画に対する進捗率は概ね50%程度であること、前
下期の既存店売上高は総じて弱含みの結果となりハードルが低い
ことなどを考慮すると16年2月期通期の会社計画に届く可能性は
あるとみる。
年初来高値 =
3,195 円 ( 08/06 )
<<レーティングの根拠>>
年初来安値 =
2,052 円 ( 01/21 )
中立
(前回:強気 )
目標株価
-円 (前回:3,000 円)
株価 =
2,584
予想PER (連結) =
9.9 倍 (
16/2 )
予想PER (連結) =
9.3 倍 (
17/2 )
実績PBR (連結) = 0.99 倍
予想ROE (連結) =
<<16年2月期第2四半期は主力のHC事業が苦戦>>
9.2 %
時価総額
524 億円
発行済株式数
20,279 千株
16年2月期の予想PER10.0倍は同業他社と比較して割安感のある水
準といえる。ただ、HC事業は天候要因や消費者のマインド低下が
下振れリスクとして意識されることから既存店の動向を見極める
必要があると考え、レーティングを「強気」から「中立」に引き
下げる。
2016年2月期第2四半期累計の連結業績の売上高は516億46百万
円(前年同期比0.1%増)とほぼ横ばいとなった。とんかつ専門
店「かつや」が好調に推移した一方、前年同期にあった消費増税
の駆け込み需要の反動でHC事業が苦戦した。HC事業の減収に加え、
外食事業の新規出店増で販管費が増加したことで営業利益は46億
16百万円(同4.5%減)、経常利益は49億79百万円(同3.3%減)
となった。前年同期に子会社の増資に伴う持分変動利益及び関係
会社株式売却益があったことにより四半期純利益は26億61百万円
(同39.2%減)となった。
セグメント別では、主力のホームセンター部門は前年度3月に
オープンしたホームセンタームサシ新津店及び10月にオープンし
たホームセンタームサシ美原店が寄与したものの、既存店売上高
の落ち込みによって売上高が328億59百万円(前年同期比5.0%
予想配当利回り = 1.39 %
エクイティ情報部
仲野 惠理佳
<<業績推移>> 日本基準
決算期(年/月)
2013/02
2014/02
2015/02
会社
2016/02(予)
弊社前回
弊社今回
弊社前回
2017/02(予)
弊社今回
売上高
97,084
99,244
101,690
104,000
104,500
104,200
108,000
107,000
営業利益
8,223
8,758
8,790
9,250
9,400
9,330
9,700
9,600
経常利益
8,935
9,473
9,645
10,000
10,100
10,020
10,400
10,300
当期純利益
4,568
5,292
5,828
5,300
5,400
5,310
5,700
5,650
一株純利益
225.24
260.95
287.40
261.35
266.28
261.84
281.07
278.61
一株配当金
33.00
36.00
36.00
36.00
36.00
36.00
36.00
36.00
単位:百万円、一株純利益・配当は円
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
1
岡三にいがた県内企業レーティング情報
アークランドサカモト(9842東証1部)
減)となった。その他小売部門は前年度10月にオープンしたアークオアシスデザイン上越店、11月にオー
プンしたミートプロ三条店及び今年度3月にオープンしたアークオアシスデザイン長岡店が寄与したことで
売上高30億89百万円(前年同期比5.8%増)となった。その結果、小売事業の売上高は359億48百万円(前
年同期比4.2%減)、営業利益は22億29百万円(前年同期比9.0%減)となった。
卸売事業は、全国のホームセンターも厳しい状況が続く中、卸売事業の売上高は43億9百万円(同4.3%
減)、営業利益は4億30百万円(同21.1%減)となった。
外食事業は、主力のとんかつ専門店「かつや」のFCを含む店舗数が18店舗純増の320店舗と積極的な事業
展開により、売上高は99億70百万円(前年同期比20.9%増)と大幅増収となったが、出店費用がかさんだ
ことで営業利益は13億24百万円(前年同期比6.2%増)となった。
不動産事業の売上高は14億18百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益は6億21百万円(前年同期比7.3%
増)となった。
(%)
15
<<消費増税や天候不順の影響でHC既存店が苦戦>>
HC既存店売上高(前期比増減率)
9.9
10
16年2月期第2四半期累計の既存店売上高は消費増税の反動減の影
5
響が会社の想定を上回ったことや天候不順などの影響で前年同期比
0
▲5
7.4%減となり、期初計画の同4.0%減を下回った。客数は同4.4%減、
▲ 10
客単価は同3.2%減となり、客数・客単価ともに落ち込んだ。第1四 ▲ 15
半期は、前年同期に消費税増税の駆け込み需要や春先の低温等の影 ▲ 20
響で前年同期比11.9%減となった。第2四半期は、前年同期に消費税
増税に伴う駆け込み需要の反動があったが、個人消費の回復の遅れ
9.1
3.1
▲ 2.3
▲ 0.9
▲ 4.9
▲ 8.7
▲ 9.4
▲ 5.8
▲ 12.3
▲ 18.8
▲ 25
3月
▲ 20.4
4月
前期
今期
5月
6月
7月
8月
出所:会社資料より岡三にいがた証券作成
や6月の天候不順等で前年同期比2.6%減となった。
品目別の増減率
<<品目別売上高はペット部門が好調>>
第2四半期累計のホームセンターの品目別の売上高増減率は総
じて前年同期を下回り、ホームセンター全体で前年同期比5.0%
減となった。第2四半期は全体的に改善したものの、第1四半期
は消費増税の反動減の影響でDIY関連用品や家庭用品が想定以上
品目
DIY関連用品
家庭用品
カー・レジャー用品
園芸用品
HC合計
増減
1Q
増減
2Q
▲ 9.2 ▲ 0.8
▲ 13.0
0.6
▲ 13.0 ▲ 2.1
▲ 5.9
2.0
▲ 9.9
0.3
増減
構成比
2Q
27/2期 28/2期
累計 2Q累計 2Q累計
▲ 5.2
26.5
26.4
▲ 6.2
33.5
33.1
▲ 8.1
11.6
11.2
▲ 2.2
28.2
29.0
▲ 5.0
出所:会社資料より岡三にいがた証券作成
に落ち込み、全体の下押し要因となった。園芸用品は春先の低温によって出だしは厳しかったものの、第2
四半期間に2.0%増へ持ち直したことで、第2四半期累計の減収幅が2.2%減と相対に小さくなった。園芸用
品に含まれるペット部門が第2四半期累計で前年比4.9%増と好調に推移したことが寄与した。
<<16年2月期の見通し>>
16年2月期上期は期初予想を下回ったものの、会社側は国内消費の回復に勢いが出れば挽回できるとして
会社側は16年2月期通期計画を据え置いた。ただ、セグメント別の売上高・利益計画は変更しており、小売
事業は下方修正、不動産事業を上方修正し、ホームセンターの既存店売上高も期初計画の3.5%減から
4.2%減へ下方修正した。会社側は下期の既存店売上高は0.7%減を計画するが、前下期の既存店売上高は
5.3%減と12月を除いて総じて弱含みで推移しており、前下期のハードルは決して高くないといえる。個人
消費の持ち直しや降雪時期が前倒しになるなどのプラス材料があれば、業績面の追い風となりそうだ。
プロ向けに工具などを取り扱うムサシプロ3店舗は前年比で2ケタ増収となっており、下期もムサシプロ
は前年を上回ることが予想される。天候要因や消費マインド低下などが下振れリスクとして意識されるも
のの、外食事業の好調維持に加え、HC既存店売上高が回復することによって通期の会社計画は達成できる
可能性はあると考えている。岡三にいがた証券では、16年2月期の業績は会社計画並みの水準になると予想
し、売上高1042億円(前期比2.4%増)、営業利益93億30百万円(同6.1%増)、経常利益100億20百万円
(同3.8%増)、前期に計上したアークランドサービスの公募増資に伴う持分変動利益などがなくなること
で当期純利益53億10百万円(同8.8%減)に変更する。
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
2
岡三にいがた県内企業レーティング情報
レーティングの基準など
強 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上上回ると判断される銘柄
中 立:今後6ヵ月以内の目標株価と現在の株価の差が±10%未満と判断される銘柄
弱 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上下回ると判断される銘柄
目標株価の定義と未達成リスクについて
目標株価は、アナリストによる当該企業の業績予想を基に、マルチプル法やDCF法等の岡三にいがた証券
エクイティ情報部が妥当と考える方法により算出したもので、対象期間は6 ヵ月以内です。目標株価達成を
阻むリスク要因としては、当該企業の主要市場における競合状況(企業買収・訴訟なども含む)、製品・商品・
サービス需要の変動、原材料及び燃料価格の変動のほか、当該企業を取り巻く経済状況、為替相場の変動、
国内外の金融・不動産市場の状況、各種規制変更、事故・災害(人災含む)、社会的責任などが考えられま
す。なお、これらの要因以外にも、現時点で予想できないリスクが将来的に発生し、その結果として目標株価
達成が妨げられるおそれがあります。
本資料における個別銘柄に関する注記事項
・個別銘柄のレーティングについては、執筆アナリストの変更があった場合でも、岡三にいがた証券として
の個別銘柄のレーティングの継続性を保つため、前任者の付与したレーティングを「前回」レーティングと
して記載しています。
・株価は日付日の終値。年初来高値・安値は権利落ち修正後で、各取引所の立会市場の売買立会時
(前場・後場)における約定値段を用いています。
・上場市場は東京証券取引所の場合、記載せず、複数市場上場の場合は売買高の多い市場を記載して
います。
・時価総額など、特に日付を記していない場合は、個別銘柄の株価日付に同じです。
・PBRの根拠となるBPSは直近決算期末時点の会社公表数値を用いていますが、必要に応じて岡三にい
がた証券が算出しています。
・ROEの根拠となる自己資本は必要に応じて純資産から新株予約権と少数株主持分の金額を控除した金額
を用いています。
・予想EPSは当期利益(会社計画、前回予想を含む)を記載の発行済株式数で除して計算しています。なお、
払い込み前の公募、権利落ち前の株式分割等は考慮しておりません。
・時価総額は記載の株価と発行済株式数で計算しています。
・発行済株式数は自己株を含んでおりません。株式数は直近決算期末時点の会社公表数値を原則として用
いておりますが、株式分割、公募増資、自己株買入れなど必要に応じて岡三にいがた証券の推定による試
算値を用いる場合があります。
・日本基準の連結当期利益は、親会社株主に帰属する当期純利益です(平成27 年4月1日以後開始する連
結会計年度の期首から適用)。
・米国会計基準の当期利益は、当社株主に帰属する当期純利益です。
・指定国際会計基準(IFRS)の当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。
(平成27年5月改訂)
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
岡三にいがた 県内企業ウオッチ38
銘柄コード 9842
東証 1部
エクイティ情報部
小売業
アークランドサカモト(株)
≪会社概要≫
三条市に本社を置く。巨大ホームセンター「ムサシ」、外食店「かつや」などを展開。16年2月期第2四半期累計の連結
業績は外食事業が好調に推移したものの、天候不順や消費増税の反動減の影響でホームセンター(HC)事業が苦
戦したことで減益となった。上期は会社計画を下回る着地となったものの、個人消費の持ち直しや降雪時期が
前倒しになるなどのプラス材料があれば業績面の追い風となろう。外食事業の好調維持に加え、下期もムサシ
プロは前年を上回ることが予想されることから16年2月期通期の会社計画は達成できると考える。
≪週足チャート≫
2,584
現在値
13週移動平均線
10/08 (月/日)現在
円
26週移動平均線
3,400
④
3,200
⑤
3,000
2,800
2,600
2,400
③
2,200
2,000
②
10/10
(月/日)
09/12
08/15
07/18
06/20
05/23
04/25
03/28
02/28
01/31
01/03
12/06
11/08
10/11
09/13
08/16
07/19
06/21
05/24
①
03/29
03/01
02/01
1,600
04/26
1,800
〔テク二カルコメント〕
①(14年2月安値1,584円)、②(15年1月安値2,052円)、③(9月安値2,404円)を結ぶトレンドライ
ンに沿った動きであり現時点では上昇トレンドに変化がないと考えられるが、直近8月第1週に3,195円の
高値④を付けたあと下落し、第3週には13週、26週の両移動平均線を下回った⑤。しばらくは両移動平均
線に上値が押さえられ、上値の重い展開が続こう。
〔参考指標〕
年初来高値
3,195 円
年初来安値
2,052 円
単元株数
PER(会社予想)
9.89 倍
PBR(実績)
0.99 倍
ROE(実績)
11.57 %
発行済株式数
20,690 千株
信用買い残
19 千株
貸借倍率
1.52 倍
100 株
最低購入代金
配当利回り
時価総額
258,400 円
1.39 %
53,465 百万円
〔業積推移〕
決算期
売上高
経常利益
2014/02
99,244
9,473
2015/02
101,690
9,645
2016/02
104,000
10,000
2016/02 は予想
単位:百万円
税引利益
5,292
5,828
5,300
EPS(円)
260.95
287.40
261.35
配当(円)
36
36
36
〔株主優待情報〕
※株主優待は現在行っておりません。
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
4
手数料およびリスクについての重要な注意事項
・ この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特
定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。また、過去の実績は必ずしも将来の成果
を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願
いします。
・ 株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による株価の変動によって損
失が生じるおそれがあります。また、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外
部評価の変化等により、株価が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
・ 本資料は、岡三にいがた証券が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものです
が、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。企業が過去の業績を訂正する等により、
過去に言及した数値等を修正することがありますが、その責を負うものではありません。また、本資料に記
された意見や予測等は、資料作成時点での岡三にいがた証券の判断であり、今後予告なしに変更される
ことがあ ります。なお、本資料は、日本証券業協会「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則」のアナ
リスト・レポートとして審査されたものです。
・ 岡三にいがた証券およびその関係会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品につい
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約ください。
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下回った場合は2,700 円(税込み))の売買手数料をいただきます。ただし、株式累積投資は一律1.242%
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いいただきます。
・ 本資料は岡三にいがた証券が発行するものです。本資料の著作権は岡三にいがた証券に帰属し、その目
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岡三にいがた証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第169号
加入協会:日本証券業協会
(平成27年5月改訂)