ハードオフコーポレーション(2674

岡三にいがた
県内企業レーティング情報
ハードオフコーポレーション(2674
東証1部)
2015年11月18日
今期、売上高・営業利益・経常利益は過去最高を更新へ
<<アナリストの視点>>
レーティング
強気
今期は、次の成長のための踊り場として位置付けており、人財育
成を最優先課題としている。また、業態のシンカ(進化・深化・
新化)により高付加価値を追求することで、2020年の東京五輪ま
(前回:中立 )
でに1000店舗(年40店舗の出店ペース)の達成を目指していく。
利益面では、販管費のコントロールに加え、不採算店舗の早期改
目標株価
1,680 (前回: - 円)
善や、330万を超えるアイテムのデータベースから適正な価格を
算出することで利益率が改善している。積極的に施策を打ってい
円 ( 11/17 )
くことで今後も成長が期待できる。
年初来高値 =
1,698 円 ( 08/10 )
<<レーティングの根拠>>
年初来安値 =
920 円 ( 01/06 )
株価 =
1,497
予想PER (連結) = 15.9 倍 (
16/3 )
予想PER (連結) = 13.9 倍 (
17/3 )
実績PBR (連結) = 1.69 倍
予想ROE (連結) = 10.2 %
時価総額
202 億円
発行済株式数
(除く自己株)
13,484 千株
も上期は会社計画を上回って推移しており、会社計画からの上振
れが期待できる。同社の直近の1年間のPERは概ね10倍~18倍の間
で推移しており、同業他社のPER平均(22.7倍)や中期数値目標
を含めた今後の成長性を加味すれば、レンジの上限である18倍程
度までの評価が可能とみる。レーティングを「強気」に引き上げ、
目標株価を1,680円に設定する。
<<売上高・全ての利益で過去最高更新>>
2016年3月期第2四半期の連結売上高は、各セグメントで既存店
が好調に推移し、売上高が前年同期比5.1%増となったことに加え、
前期出店した19店舗がフル寄与したことで、同10.1%増の87億82
百万円と会社計画(86億50百万円)を上回って着地した。
利益面では、330万を超えるアイテムのデータベースから適正な
売値・買値を算出することで売上総利益率が同0.4ポイント改善し
た。販管費は出店などの費用が増加したものの、広告宣伝費を抑
予想配当利回り = 2.34 %
エクイティ情報部
原田 俊介
え全体では会社計画の範囲内に収まったことで営業利益は同
46.1%増の8億90百万円となった。経常利益は買い取った品物を他
の業者に売り渡すリサイクル収入が増加し同39.7%増の10億12百
万円、四半期純利益は同28.5%増の6億13百万円となった。結果、
売上高・営業利益・経常利益で過去最高を更新した。
<<業績推移>> 日本基準
決算期(年/月)
2013/03
2014/03
2015/03
会社
2016/03(予)
弊社前回
弊社今回
弊社前回
2017/03(予)
弊社今回
2016年3月期は、前期出店した19店舗のフル寄与に加え、既存店
売上高
12,025
14,214
16,825
18,000
18,500
18,500
20,000
20,300
営業利益
1,385
1,532
1,609
2,000
2,050
2,050
2,260
2,330
経常利益
1,431
1,700
1,773
2,100
2,150
2,150
2,360
2,430
当期純利益
794
1,202
1,318
1,250
1,270
1,270
1,400
1,450
一株純利益
58.88
89.16
97.75
92.70
94.18
94.18
103.83
107.53
一株配当金
25.00
30.00
35.00
35.00
35.00
35.00
35.00
35.00
単位:百万円、一株純利益・配当は円
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
1
岡三にいがた県内企業レーティング情報
ハードオフコーポレーション(2674東証1部)
同社が、重要視している売上高経常利益率は、第2四半期時点
で11.5%と同業他社6社(買取王国、コメ兵、ゴルフ・ドゥ、ト
レジャー・ファクトリー、パシフィックネット、ブックオフ
コーポレーション)の平均を大きく上回っている。
上期の出店は、直営店が4店舗、フランチャイズ(FC)が12店の
計16店舗。閉店はFCが3店舗。9月末時点での店舗数は直営275店
舗、FC527店舗の802店舗。なお、今期の出店計画は直営店が14
(百万円)
10,000
9,000
8,000
686、(7.8%)
707、(8.9%)
7,000
6,000
2,935、(33.4%)
FC事業
3,227、(35.2%)
その他直営事業
5,000
4,000
3,000
オフハウス
2,305、
(31.8%)
2,861、(32.6%)
1,741、
(24.1%)
2,299、(26.2%)
2014年9月期
2015年9月期
ハードオフ
2,000
1,000
店舗、FC25店舗を目標に掲げている。
セグメント売上構成別
0
決算発表資料より作成、( )内は構成比率
<<出店戦略>>
出店政策としては、中期ビジョンの2020年度に店舗数1000店、長期ビジョンでは2030年度までに1500店舗
の達成を掲げている。長期ビジョンの1500店舗は海外店舗も視野に入れており、出店する地域を検討してい
るようだ。今後は、首都圏エリア、関西エリアのウェートを高め、全国の拠点確保を図る。郊外型店舗では
大型・多業態複合店の出店に積極的に取り組み、都市型店舗では首都圏や関西エリアを中心に100坪以内で
駅前や商店街等の商業地における小型店舗(モードオフ・ホビーオフ、リカーオフ)の物件開発を強化し、
出足好調となったホームセンターとのコラボ店の出店も検
討する。
こうした取組を強化していくことで、年40店舗の出店
ペースを維持し、規模の拡大による売上高の増加に加え、
売上総利益率70%以上の維持とコストコントロールを徹底
していくことで中期目標数値の達成は可能とみる。
中期目標数値
2015年3月期 2016年3月期 2017年3月期 2018年3月期
売上高
前期比
経常利益
経常利益率
チェーン全体売上高
【直営+FC】
店舗数
(実績)
16,825
1,773
10.5%
18,000
7.0%
2,100
11.7%
会社計画
19,500
8.3%
2,300
11.8%
21,000
7.7%
2,500
11.9%
49,175
52,000
55,500
59,000
789
822
862
902
決算説明会資料より岡三にいがた証券作成
<<人財育成の強化>>
今期は今後大きく飛躍するための踊り場と位置付けており、人財の育成の強化を最優先課題として取り
組んでいる。人財育成の基地である東京オフィスを最大限活用し、正社員・パート社員のスキルアップに
加え、海外研修なども積極的に行うことで、1000店舗体制に耐えうる強固な内部体制を構築していく。
<<高付加価値の追求(進化・深化・新化>>
同社は高付加価値の追求として、業態のシンカ(進化、深化、新化)を進めていく。「進化」では、ソ
ムリエの資格保有者を店長とした酒類のリユースを行うリカーオフは、FCを含め全国50店舗を目指す。
「深化」では、昨年オープンしたハードオフオーディオサロンのエッセンスを抽出した「ハードオフ
オーディオセレクションコーナー(5~10坪)」を今後既存店50店舗への導入を図る。
「新化」では、ハードオフグループ専用のネットモールを独自に構築し、今期末の売上1億円を目指し
ていく。現在は全店の半分程度が出店しており、早期に全店舗での取り扱いをしていく。
<<2016年3月期の見通し>>
2016年3月期の会社計画では、既存店売上高102%を前提に売上高は前期比7%増の180億円と20期連続増
収。利益面では、販管費のコントロールに加え不採算店舗の早期改善、330万を超えるアイテムのデータ
ベースから適正な価格を算出することで売上総利益率70%以上を確保することで営業利益は同24.3%増の
20億円、経常利益は同18.4%増の21億円、純利益は前期の契約解約益がなくなるため同5.2%減の12億50
百万円を見込んでいる。
上期の既存店売上高が前期比5.1%増と好調に推移していることに加え、売上総利益率の改善、前期に
出店した19店舗の寄与、堅調な個人消費等を考慮すれば会社計画は十分可能であり、業績の上振れが期待
できる。よって、岡三にいがた証券では、売上高18億50百万円、営業利益20億50百万円、経常利益21億50
百万円、当期純利益12億70百万円の前回予想を据え置く。
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
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岡三にいがた県内企業レーティング情報
レーティングの基準など
強 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上上回ると判断される銘柄
中 立:今後6ヵ月以内の目標株価と現在の株価の差が±10%未満と判断される銘柄
弱 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上下回ると判断される銘柄
目標株価の定義と未達成リスクについて
目標株価は、アナリストによる当該企業の業績予想を基に、マルチプル法やDCF法等の岡三にいがた証券
エクイティ情報部が妥当と考える方法により算出したもので、対象期間は6 ヵ月以内です。目標株価達成を
阻むリスク要因としては、当該企業の主要市場における競合状況(企業買収・訴訟なども含む)、製品・商品・
サービス需要の変動、原材料及び燃料価格の変動のほか、当該企業を取り巻く経済状況、為替相場の変動、
国内外の金融・不動産市場の状況、各種規制変更、事故・災害(人災含む)、社会的責任などが考えられま
す。なお、これらの要因以外にも、現時点で予想できないリスクが将来的に発生し、その結果として目標株価
達成が妨げられるおそれがあります。
本資料における個別銘柄に関する注記事項
・個別銘柄のレーティングについては、執筆アナリストの変更があった場合でも、岡三にいがた証券として
の個別銘柄のレーティングの継続性を保つため、前任者の付与したレーティングを「前回」レーティングと
して記載しています。
・株価は日付日の終値。年初来高値・安値は権利落ち修正後で、各取引所の立会市場の売買立会時
(前場・後場)における約定値段を用いています。
・上場市場は東京証券取引所の場合、記載せず、複数市場上場の場合は売買高の多い市場を記載して
います。
・時価総額など、特に日付を記していない場合は、個別銘柄の株価日付に同じです。
・PBRの根拠となるBPSは直近決算期末時点の会社公表数値を用いていますが、必要に応じて岡三にい
がた証券が算出しています。
・ROEの根拠となる自己資本は必要に応じて純資産から新株予約権と少数株主持分の金額を控除した金額
を用いています。
・予想EPSは当期利益(会社計画、前回予想を含む)を記載の発行済株式数で除して計算しています。なお、
払い込み前の公募、権利落ち前の株式分割等は考慮しておりません。
・時価総額は記載の株価と発行済株式数で計算しています。
・発行済株式数は自己株を含んでおりません。株式数は直近決算期末時点の会社公表数値を原則として用
いておりますが、株式分割、公募増資、自己株買入れなど必要に応じて岡三にいがた証券の推定による試
算値を用いる場合があります。
・日本基準の連結当期利益は、親会社株主に帰属する当期純利益です(平成27 年4月1日以後開始する連
結会計年度の期首から適用)。
・米国会計基準の当期利益は、当社株主に帰属する当期純利益です。
・指定国際会計基準(IFRS)の当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。
(平成27年5月改訂)
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
岡三にいがた 県内企業ウオッチ38
銘柄コード 2674
東証 1部
エクイティ情報部
小売業
(株)ハードオフコーポレーション
≪会社概要≫
新発田市に本社を置く。中古品リサイクル販売業を直営店またフランチャイズ方式で全国展開。同社は今後
大きく飛躍するため、人財育成の強化を最優先課題として取り組んでいる。また、高付加価値の追求として、
業態のシンカ(進化・深化・新化)を進め、2020年の東京五輪までに1000店舗の達成を目指していく。利益面で
は、販管費のコントロールに加え、不採算店舗の早期改善や、330万を超えるアイテムのデータベースから適正
価格を算出することで利益率が改善している。積極的に施策を打っていくことで今後も成長が期待できる。
≪週足チャート≫
1,497
現在値
13週移動平均線
11/17 (月/日)現在
円
26週移動平均線
②
1,700
1,500
1,300
③
①
1,100
900
月/日
11/07
10/17
09/26
09/05
08/15
07/25
07/04
06/13
05/23
05/02
04/11
03/21
02/28
02/07
01/17
12/27
12/06
11/15
10/25
10/04
09/13
08/23
08/02
07/12
06/21
700
〔テク二カルコメント〕
昨年7月以降上値を押さえられていた900円処の水準を1月第1週①に上抜け、上昇トレンドが確認され
た。①以降、13週線を下支えとしての上昇が続いたが、8月高値1,698円②を付けた後、一旦三角形型の
持ち合いに入った。ただ、8月後半から9月にかけての下落では26週線が下支えとなり反発しているうえ
③、長期での相場の方向性を示す同線の向きは、現在も上方向を示している。長期の上昇トレンドが続
いていると言えよう。
〔参考指標〕
年初来高値
1,698 円
年初来安値
PER(会社予想) 16.15 倍
PBR(実績)
信用買い残
貸借倍率
52 千株
920 円
1.69 倍
3.77 倍
単元株数
100 株
ROE(実績)
11.62 %
発行済株式数
13,954 千株
最低購入代金
149,700 円
配当利回り
2.34 %
時価総額
20,889 百万円
〔業積推移〕
決算期
売上高
経常利益
2014/03
14,214
1,700
2015/03
16,825
1,773
2016/03
18,000
2,100
2016/03 は予想
単位:百万円
税引利益
1,202
1,318
1,250
EPS(円)
89.16
97.75
92.70
配当(円)
30
35
35
データ出所:Astra
〔株主優待情報〕
※株主優待は現在行っておりません。
巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
4
手数料およびリスクについての重要な注意事項
・ この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特
定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。また、過去の実績は必ずしも将来の成果
を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願
いします。
・ 株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による株価の変動によって損
失が生じるおそれがあります。また、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外
部評価の変化等により、株価が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
・ 本資料は、岡三にいがた証券が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものです
が、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。企業が過去の業績を訂正する等により、
過去に言及した数値等を修正することがありますが、その責を負うものではありません。また、本資料に記
された意見や予測等は、資料作成時点での岡三にいがた証券の判断であり、今後予告なしに変更される
ことがあ ります。なお、本資料は、日本証券業協会「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則」のアナ
リスト・レポートとして審査されたものです。
・ 岡三にいがた証券およびその関係会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品につい
て、自己売買または委託売買取引を行う場合があります。
・ 自然災害等不測の事態により金融商品取引市場が取引を行えない場合は売買執行が行えないことがあり
ます。
・ 金融商品取引のご契約にあたっては、あらかじめ当該契約の「契約締結前書面」(もしくは目論見書及びそ
の補完書面)または「上場有価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、ご理解いただいたうえでご契
約ください。
・ 株式の売買取引には、約定代金(単価×数量)に対し、最大1.242%(税込み)(手数料金額が2,700 円を
下回った場合は2,700 円(税込み))の売買手数料をいただきます。ただし、株式累積投資は一律1.242%
(税込み)の売買手数料となります。国内株式を募集等により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払
いいただきます。
・ 本資料は岡三にいがた証券が発行するものです。本資料の著作権は岡三にいがた証券に帰属し、その目
的のいかんを問わず無断で本資料を複写、複製、配布することを禁じます。
岡三にいがた証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第169号
加入協会:日本証券業協会
(平成27年5月改訂)