岡三にいがた 県内企業レーティング情報 ポラテクノ(4239 東証JASDAQスタンダード) 2015年5月18日 低採算品の整理や高付加価値品の伸長と新製品・新製品開発に期待 <<アナリストの視点>> レーティング 光学フィルム事業では車載用途や産業用途で高品位品の出荷が伸 強気 (前回:中立 ) 目標株価 1,100円 (前回:- 円) 株価 = 947 円 ( 05/14 ) 年初来高値 = 1,181 円 ( 01/30 ) 年初来安値 = 939 円 ( 02/16 ) 予想PER (連結) = 10.1 倍 ( 16/3 ) 予想PER (連結) = 17/3 ) 9.6 倍 ( 実績PBR (連結) = 1.25 倍 393 億円 発行済株式数 (除く自己株) 41,450 千株 <<レーティングの根拠>> 16年3月期も利益率の高い製品の販売の伸長やコスト削減により 増収増益が見込まれる。同社の過去1年間の予想PERは平均11.5倍、 過去5年でも11倍程度であることから、レーティング「強気」、 目標株価を1,100円とする。 <<15年3月期は最高益更新>> 予想ROE (連結) = 11.8 % 時価総額 びたほか、楕円偏光板も単価の高いVA用楕円が伸びている。精密 部品事業は無機偏光板ProFluxが液晶プロジェクター向けに単価 が下がったが出荷は伸びている。車載カメラ向けに増加している。 新塗工工場の稼働でコストも削減されている。反射型LCD用無彩 色偏光板など新製品の投入も続いているうえ、米国で生産拠点の 増強も行っており、同社事業の先行きに期待が持てる。 景気の面では、先進国及び中国経済が底固く推移したことや、 円安(期中平均109円、前期末100円)が寄与した。世界自動車生 産が増加したことが、車載用途の部材が多い同社の追い風に なった。一方、液晶プロジェクター生産は前年並みとなった。 こうした外部環境の中、連結の売上高は254億円(前年同期比 2.4%増)、営業利益は53億円(同4.1%増)、経常利益は56億円(同 4.3%増)、当期純利益は36億円(同6.0%増)となった。3期連続増 収、4期連続の経常増益で最高益となった。 売上高は下半期に減少する傾向があるが、2015年3月期は第3 四半期まで好調だったため、業績を上方修正したが、中国の春 節の前倒し需要であったため、2月は客先が半分しか稼働せず、 伸び悩んだ。 予想配当利回り = 1.58 % エクイティ情報部 小森 卓 <<業績推移>> 日本基準 決算期(年/月) 2013/03 2014/03 2015/03 会社 2016/03(予) 弊社前回 弊社今回 弊社前回 2017/03(予) 弊社今回 売上高 22,894 25,367 25,441 26,500 26,900 26,700 28,000 営業利益 4,801 5,408 5,337 5,700 6,100 5,850 6,150 経常利益 4,802 5,441 5,631 5,700 6,100 5,850 6,150 当期純利益 3,043 3,507 3,686 3,800 4,000 3,900 4,100 一株純利益 73.43 84.62 88.94 91.67 96.50 94.09 98.91 一株配当金 12.50 14.00 15.00 15.00 14.00 15.00 15.00 単位:百万円、一株純利益・配当は円 巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。 1 岡三にいがた県内企業レーティング情報 ポラテクノ(4239東証JASDAQ) <<セグメント別の状況>> 光学フィルム事業は、産業用や車載用LCDパネル 向け染料系偏光フィルムや楕円偏光フィルムの出荷 が伸びたものの、温度追従型楕円偏光フィルム (TEP)の出荷が減少したことで売上高は141億円と前 期比0.2%減となった。しかし、利益面では、低採算 品の整理や高付加価値品の増加に加え、塗工工程の 内製化促進により、営業利益は27億円(同3.3%増)と なった。 精密部品事業は、無機偏光板(ProFlux)に競業が 出たことで液晶プロジェクター向けに単価が低下し たものの、出荷数が伸びたことや、X線分析装置部 材も増加したこと、基板フィルム貼合品は液晶プロ ジェクター向けは減少したものの、車載カメラ向け 光学フィルム事業 (億円) 160 140 120 8 7 40 38 TEP 100 は増加したこともあり、売上高は113億円(同5.9% 増)となった。利益面では、液晶プロジェクター用 の部材が基板フィルム貼合品からより付加価値の高 いProFluxへの移行が進んだことやX線分析装置部材 も増加したことでセグメントの営業利益は26億円 (同4.9%増)となった。 <<2016年3月期の見通し>> 他光学材料 26 28 59 62 9 7 2014年3月期 2015年3月期 80 楕円偏光板 60 40 20 染料系 沃素系 0 説明会資料より作成 精密部品事業 (億円) 120 100 25 27 X線分析装置 部材 80 ProFlux 60 52 54 40 基板フィルム 貼合品 20 30 33 2014年3月期 2015年3月期 0 説明会資料より作成 光学フィルム事業は、染料系偏光フィルムが高光学特性品や高耐久製品の出荷が増加し、楕円偏光フィ ルムはVA方式用楕円偏光フィルムの出荷が増加する見通し。また、汎用品の整理が進んだヨウ素系偏光 フィルムは高品位品の出荷増が見込まれる。 精密部品事業は、液晶プロジェクター部材はProFluxの新製品を投入することでシェアの拡大を図る。ま た、X線分析装置部材は新製品の上市が予定されている。 こうしたことから岡三にいがた証券では、売上高は前年同期比5.0%増の267億円を見込む。利益面では、 次世代製品の開発のため研究開発投資を継続するが、新塗工工場の稼働拡大や原材料費の低減を図ること で、営業利益は同9.6%増の58.5億円、経常利益は同3.9%増の58.5億円、当期純利益は同5.8%増の39億円と 予想する。 <<米国生産拠点の増強>> 既存品の用途展開による需要増加に対応するため米国でProFluxの生産設備の増設をする。2015年4月に 着工し、2016年12月に完成予定。 <<反射型LCD用無彩色偏光板の進捗状況>> 無彩色偏光板は、反射型LCDで、着色のない、明るい白・黒表示を可能にする。新二色性色素により、 平行及び直交透過率が各波長で一定な特性を実現する。反射型LCDはバックライトが不要なため、低消費 電力、軽量薄型が長所であるが、バックライトによる表示調整が出来ないこと、従来の偏光板では黄緑が かった白、青みがかった黒になってしまう短所があった。反射型LCD用無彩色偏光板はこの短所を改善し ている。量産化技術は完成しており、2016年3月期に製品を出荷予定。 また、現在、安価で高性能な染料系偏光板を開発中。 巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。 2 岡三にいがた県内企業レーティング情報 レーティングの基準など 強 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上上回ると判断される銘柄 中 立:今後6ヵ月以内の目標株価と現在の株価の差が±10%未満と判断される銘柄 弱 気:今後6ヵ月以内の目標株価が現在の株価を10%以上下回ると判断される銘柄 目標株価の定義と未達成リスクについて 目標株価は、アナリストによる当該企業の業績予想を基に、マルチプル法やDCF法等の岡三にいがた証券 エクイティ情報部が妥当と考える方法により算出したもので、対象期間は6 ヵ月以内です。目標株価達成を 阻むリスク要因としては、当該企業の主要市場における競合状況(企業買収・訴訟なども含む)、製品・商品・ サービス需要の変動、原材料及び燃料価格の変動のほか、当該企業を取り巻く経済状況、為替相場の変動、 国内外の金融・不動産市場の状況、各種規制変更、事故・災害(人災含む)、社会的責任などが考えられま す。なお、これらの要因以外にも、現時点で予想できないリスクが将来的に発生し、その結果として目標株価 達成が妨げられるおそれがあります。 本資料における個別銘柄に関する注記事項 ・個別銘柄のレーティングについては、執筆アナリストの変更があった場合でも、岡三にいがた証券として の個別銘柄のレーティングの継続性を保つため、前任者の付与したレーティングを「前回」レーティングと して記載しています。 ・株価は日付日の終値。年初来高値・安値は権利落ち修正後で、各取引所の立会市場の売買立会時 (前場・後場)における約定値段を用いています。 ・上場市場は東京証券取引所の場合、記載せず、複数市場上場の場合は売買高の多い市場を記載して います。 ・時価総額など、特に日付を記していない場合は、個別銘柄の株価日付に同じです。 ・PBRの根拠となるBPSは直近決算期末時点の会社公表数値を用いていますが、必要に応じて岡三にい がた証券が算出しています。 ・ROEの根拠となる自己資本は必要に応じて純資産から新株予約権と少数株主持分の金額を控除した金額 を用いています。 ・予想EPSは当期利益(会社計画、前回予想を含む)を記載の発行済株式数で除して計算しています。なお、 払い込み前の公募、権利落ち前の株式分割等は考慮しておりません。 ・時価総額は記載の株価と発行済株式数で計算しています。 ・発行済株式数は自己株を含んでおりません。株式数は直近決算期末時点の会社公表数値を原則として用 いておりますが、株式分割、公募増資、自己株買入れなど必要に応じて岡三にいがた証券の推定による試 算値を用いる場合があります。 ・日本基準の連結当期利益は、親会社株主に帰属する当期純利益です(平成27 年4月1日以後開始する連 結会計年度の期首から適用)。 ・米国会計基準の当期利益は、当社株主に帰属する当期純利益です。 ・指定国際会計基準(IFRS)の当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。 (平成27年5月改訂) 巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。 岡三にいがた 県内企業ウオッチ38 銘柄コード 4239 エクイティ情報部 東証 JASDAQスタンダード 化学 (株)ポラテクノ ≪会社概要≫ 上越市に本社、工場を置く。日本化薬系。15年3月期は世界自動車生産の増加が追い風となり、3期連続増 収、4期連続経常増益で最高益更新。16年3月期も利益率の高い製品の伸長やコスト削減により増収増益が見込 まれる。反射型LCD用無彩色偏光板など新製品の投入も続いているうえ、米国で生産拠点の増強も行っており、 同社事業の先行きに期待が持てる。 ≪週足チャート≫ 947 現在値 13週移動平均線 1900 05/14 (月/日)現在 円 26週移動平均線 ① 1700 1500 1300 1100 900 ④ ③ ② 700 500 05/02 月/日 04/11 03/21 02/28 02/07 01/17 12/27 12/06 11/15 10/25 10/04 09/13 08/23 08/02 07/12 06/21 05/31 05/10 04/19 03/29 03/08 02/15 01/25 01/04 12/14 300 〔テク二カルコメント〕 14年3月第1週に高値1,768円①を付けて以降下落していたが、5月第3週に下ヒゲの長い陽線が出現し② 調整局面は終了した。その後、②の安値819円を起点として、8月第1週の安値848円③、10月第2週の安値 861円④、とわずかづつであるが下値を切り上げており、緩やかな上昇トレンドが続いていると考えられ る。 〔参考指標〕 年初来高値 1,181 円 年初来安値 PER(会社予想) 10.33 倍 PBR(実績) 信用買い残 貸借倍率 213 千株 939 円 1.25 倍 0倍 単元株数 100 株 ROE(実績) 12.64 % 発行済株式数 41,450 千株 最低購入代金 配当利回り 時価総額 94,700 円 1.58 % 39,253 百万円 〔業積推移〕 決算期 売上高 経常利益 2014/03 25,367 5,441 2015/03 25,441 5,631 2016/03 26,500 5,700 2016/03 は予想 単位:百万円 税引利益 3,507 3,686 3,800 EPS(円) 84.62 88.94 91.67 配当(円) 14 15 15 〔株主優待情報〕 ※株主優待は現在行っておりません。 巻末に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。 4 手数料およびリスクについての重要な注意事項 ・ この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特 定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。また、過去の実績は必ずしも将来の成果 を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願 いします。 ・ 株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による株価の変動によって損 失が生じるおそれがあります。また、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外 部評価の変化等により、株価が変動することによって損失が生じるおそれがあります。 ・ 本資料は、岡三にいがた証券が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものです が、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。企業が過去の業績を訂正する等により、 過去に言及した数値等を修正することがありますが、その責を負うものではありません。また、本資料に記 された意見や予測等は、資料作成時点での岡三にいがた証券の判断であり、今後予告なしに変更される ことがあ ります。なお、本資料は、日本証券業協会「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則」のアナ リスト・レポートとして審査されたものです。 ・ 岡三にいがた証券およびその関係会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品につい て、自己売買または委託売買取引を行う場合があります。 ・ 自然災害等不測の事態により金融商品取引市場が取引を行えない場合は売買執行が行えないことがあり ます。 ・ 金融商品取引のご契約にあたっては、あらかじめ当該契約の「契約締結前書面」(もしくは目論見書及びそ の補完書面)または「上場有価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、ご理解いただいたうえでご契 約ください。 ・ 株式の売買取引には、約定代金(単価×数量)に対し、最大1.242%(税込み)(手数料金額が2,700 円を 下回った場合は2,700 円(税込み))の売買手数料をいただきます。ただし、株式累積投資は一律1.242% (税込み)の売買手数料となります。国内株式を募集等により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払 いいただきます。 ・ 本資料は岡三にいがた証券が発行するものです。本資料の著作権は岡三にいがた証券に帰属し、その目 的のいかんを問わず無断で本資料を複写、複製、配布することを禁じます。 岡三にいがた証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第169号 加入協会:日本証券業協会 (平成27年5月改訂)
© Copyright 2024 ExpyDoc