マーカーを用いてレム睡眠行動異常患者の パーキンソン病リスクを明確化 By Eleanor McDermid, Senior medwireNews Reporter Neurology. 2015 Mar 17. 予測マーカーを用いて、 レム睡眠行動異常(RBD)患 らに明確になった:高齢、嗅覚機能障害、色覚異常、お 者のうちパーキンソニズムまたは認知症の短期発症 よび4つのうち2つ以上の検査で運動機能障害の所 リスクが 非 常 に 高 い 患 者 を 特 定 で き ることを 、 見が認められること。一方で、抗うつ薬を服用している J a c q u e s M o n t p l a i s i r( U n i v e r s i t é d e 患 者は神 経 変 性 疾 患 へ の 移 行リスクが著しく低かっ Montréal, Québec, Canada)らが明らかにし、 た。 Neurology誌に公表した。RBD患者を年齢、嗅覚機 能 、運 動 機 能 などのマーカーで層 別 化することによ なお、RBD患者全体での3年移行率は30%であった り、60%超の確率で3年の間にパーキンソニズムま が、年齢55歳超で抗うつ薬を使用していない患者群 たは認知症に移行する患者を特定することができた に限定すると35%に上昇し、さらに、この条件に加え という。筆者らは、 「 本研究の結果から、RBD患者を神 て嗅覚機能障害、色覚異常または運動機能障害が認 経保護薬の試験の対象に含めることは、可能であるだ められる患者群に限定すると、それぞれ44%、49% けでなく現実に即していることが示唆された」と述べ および65%に上昇した。このような層別化により、中 ている。 程度の有効性を持つ薬剤の試験では1群当たりの必 要症例数を134例から72例にまで減らすことが可 本研究で対象としたRBD患者89例のうち、41例が 能であることが示された。 平 均 5 . 4 年 の 追 跡 期 間 中に神 経 変 性 疾 患を発 症し た。このうち20例は英国Brain Bank基準で原発性 筆者らは、 「これまでシヌクレイノパチーに対する神経 パ ー キ ンソ ニ ズ ム と 診 断 さ れ た 。残 りの 2 1 例 は 保 護 療 法 の 開 発がうまくいかなかった主 な 原 因 は 、 Movement Disorder Society基準で認知症と診 パーキンソニズムまたは認知症の臨床症状が出現す 断され、このうち18例は1つ以上のパーキンソニズ る何年も前からすでに疾患が存在していたため、すな ム主要徴候を有し、11例はパーキンソニズムの全基 わち、単に介入の時期が遅過ぎたためかもしれない」 準を満たしていた。 と考察している。RBD患者を治療対象に選択すれば、 解析の結果、RBD患者の神経変性疾患への移行リス きる可能性があり、さらに、今回特定されたマーカー クは3年後が30%、5年後が47%、7.5年後が66% に基づいて患者を層別化することで、有効性の証明に であることが示された。筆者らは、 「 実際のところ、基 必要な症例数を減らすことができると説明した。 神経変性が進行して手遅れになる前に治療を開始で 礎に神経変性プロセスが認められない患者はごく少 数のようである」と指摘している。この疾患移行リスク は、次の有意なリスク上昇因子を用いることにより、さ Medwire Newsは、Springer Healthcareが運営している医療業界者向けの独立性の高いニュースサイトです。2000年からサービスを開始し、注目すべきニュースを1日平均20本配信してい ます。Medwire News編集部では、国際的に認知されているジャーナル(学術誌)の論文、国際学会の速報、医療基礎研究の報告を情報ソースとしています。 これらのニュースは、急速に発展を する医療開発や臨床試験の現場に向けて最新の研究結果をお伝えすることを目的に、経験豊かなメディカル・エディターによって最新かつ信頼できるニュースを配信しています。 掲載されたニュースには海外で実施された試験が含まれており、本邦で承認されている効能・効果および用法・用量とは異なる場合があります。掲載の情報は第3者機関により提供されており、 情報 確性、通用性、完全性 て グラクソ・スミスクライン株式会社が内容について関与するものではありません。 日本語レビューの精度については細心の注意を払っておりますが、 その情報の正確性、 完全性について は、 いかなる責任を負うものではなく、保証するものではありません。
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