アレルギー性喘息にはICS/LABA配合剤が有効である Allergy 2013; 68: 1136–1142 By Kirsty Oswald, medwireNews Reporter フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF) とビラ ンテロール(VI)の配合剤の1日1回投与は、各成分 の単剤より高い有効性を示し、アレルギー性喘息の 即 時 性 喘 息 反 応( E A R )および 気 道 反 応 性 亢 進 (AHR)の予防を助ける可能性があることが、研究 から明らかとなった。 4-wayクロスオーバー試験である本試験には、空中 アレルゲンの皮膚プリックテストで陽性反応を示し、 アレルゲン誘発試験で即時性喘息反応(EAR)およ び遅発性喘息反応(LAR)の両方を示した軽度喘息 患者27例を登録した。患者にはFF/VI 100/25 µg、FF 100 µg、VI 25 µgまたはプラセボをド ライパウダー吸入器により1日1回投与する4種類 の治療(各21日間)を実施し、最終投与の1時間後 にアレルゲン誘発試験、および24時間後にメサコリ ン誘発試験を実施した。 著 者 の J a n L ö t v a l l( U n i v e r s i t y o f Gothenburg, Sweden) らは、吸入配合剤の両成 分がアレルギー 反 応に影 響を及ぼすことを確 認し た。 FF単剤は、プラセボと比較してEARを減少させ(ア レルギー誘発試験の0∼2時間後)、FEV1減少率 の平均値はプラセボの28.1%と比較して22.3% であった。VI単剤ではプラセボと比較してEARへの 影響は有意ではなかった。 両成分はLARに有意な影響を及ぼし (誘発試験の4 ∼10時間後)、プラセボのFEV1低下率の平均値 は21.1%、FFでは5.0%、VIでは14.3%であっ た。また、FFはAHRに有意な影響を及ぼし、メサコ リン 誘 発 試 験 の P C 2 0 は プ ラ セ ボ で 0 . 1 9 1 m g / m L で あ っ た の に 対 し 、F F で は 0 . 5 8 5 mg/mLに増加した。 しかしながら、患者が吸入配合剤(FF/VI)を使用し た場合、EARおよびAHRにおいてより大きな利益 が認 められ、即 時 性( 0 ∼ 2 間 後 )の F E V 1 変 化は 1 6 . 1 % の 低 下まで 減 少し、メサコリンP C 2 0 は 1.028 mg/mLに増加した。LARはFF単剤の結 果と同程度であった。 Allergyで著者らは、吸入配合剤の成分である吸入 ステロイド薬(ICS)および長時間作用性β2刺激薬 (LABA)が、FFが炎症を抑制し、VIが気管支拡張作 用を誘発するなど、アレルギー反応の種々の局面に おいて異なる作用を示すことを示唆している。 「さらに、 [ VI]および[FF]のAHRに対する複合的 な予防効果は、両剤の薬理学的な要素により配合剤 の利益がもたらされるという考えを支持している」 と著者らはコメントしている。 著者らは、これらの結果から、感作された喘息患者 のアレルゲン曝露による有害作用を吸入配合剤が 制限する可能性があると示唆している。 しかし次の ようにも付け加えている。 「この1日1回の投与方法 により服薬遵守が向上し、より優れた有効性が得ら れるかどうかは、実生活における前向き試験で証明 する必要がある。」 © Springer Healthcare Ltd; 2013. ここに掲載されている記事は、medwireNews( www.medwireNews.com) が独自に作成している喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する研究論文リストからグラクソ・スミスク ライン株式会社が選出しています。 Medwire Newsは、Springer Healthcareが運営している医療業界者向けの独立性の高いニュースサイトです。2000年からサービスを開始し、注目すべきニュースを1日平均20本配信してい ます。Medwire News編集部では、国際的に認知されているジャーナル(学術誌)の論文、国際学会の速報、医療基礎研究の報告を情報ソースとしています。 これらのニュースは、急速に発展を する医療開発や臨床試験の現場に向けて最新の研究結果をお伝えすることを目的に、経験豊かなメディカル・エディターによって最新かつ信頼できるニュースを配信しています。 掲載されたニュースには海外で実施された試験が含まれており、本邦で承認されている効能・効果および用法・用量とは異なる場合があります。掲載の情報は第3者機関により提供されており、 グラクソ・スミスクライン株式会社が内容について関与するものではありません。 日本語レビューの精度については細心の注意を払っておりますが、 その情報の正確性、通用性、完全性について は、 いかなる責任を負うものではなく、保証するものではありません。
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