29P-pm247 アミロイド β の産生を抑制するヘリカルな γ セクレターゼ阻害剤の開発 ◯今村 優希 1 , 大沢 智子 2 , 渡邊 直登 2 , 梅澤 直樹 1 , 富田 泰輔 2 , 岩坪 威 2 , 1 1 2 加藤 信樹 1 , 樋口 恒彦( 名市大院薬, 東大院薬) 【緒言】Ȗセクレターゼはアミロイドȕ (Aȕ)のC末端を切断するプロテアーゼである。Aȕ の蓄積はアルツハイマー病(AD)の発症に深く関与すると考えられており、Ȗセクレター ゼ阻害剤(GSI)はAD治療薬として期待されている。しかし、多くのGSIはAȕの産生を抑 制するだけではなく、Notchの切断も阻害するため、Notch切断阻害に起因する副作用 が問題となっている。筆者らは、ヘリックス構造をとるフォルダマー(自発的にフォ ールディングする非天然型ポリマー)が、GSIとして働くことをす でに明らかとしている。1本発表では、1)ヘリックス構造をとるこ とが知られているポリプロリンがGSIとなるか、2)フォルダマーに 官能基を導入することでAȕ産生を優位に阻害する選択性を獲得で きるか、について、研究を進めた。 【方法】ポリプロリンは、市販のFmoc-L-Pro-OH及びFmoc-D-Pro-OH を用いて固相合成した。フォルダマーとして、2-Aminocyclopentanecarboxylic acid (ACPC)からなるȕペプチドに着目した。これらは強固にフォールドし、Įヘリックスに 近い構造をとる。筆者らは、Figure 1 に示すフォルダマー、特に 12merが強いGSIであ ることを明らかとしている。1この 12merに、側鎖官能基をもつβアミノ酸を導入した フォルダマーを設計した。合成は、通常のFmoc固相合成法を用いて行った。 【結果と考察】合成したポリプロリン及び ȕ ペプチドは、CD スペクトルからヘリック ス構造であることが明らかとなった。In vitro で活性を検討したところ、ポリプロリン は全く活性を持たなかった。フォルダマーは、側鎖官能基の導入位置により、GSI 活 性が異なり、Figure 1 の 12mer と同等以上の活性をもつフォルダマーの開発に成功した。 これらフォルダマーの Aȕ/Notch 選択性についても報告する予定である。 1) Y. Imamura et al. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 7353
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