早期パーキンソン病では重度の非運動症状が 多く認められる By Eleanor McDermid, Senior medwireNews Reporter Eur J Neurol. 2015 May 15. 早期パーキンソン病(PD)患者のほぼ全例で非運動症 NMSは、 ドパミン作動薬の投与よりも疾患の経過に関 状(NMS)が認められ、その3分の1以上は症状が重度 連している可能性が極めて高い」 と結論づけている。 で あることが、K a l l o l R a y C h a u d h u r( i King's College Hospital NHS Foundation Trust, なお、未治療患者群では57.8%の患者で悲しみの訴 London, UK) らの研究から明らかとなった。研究者ら えが認められ、気 分 障 害 / 無 気 力 のスコアが不 良で は本研究結果をEuropean Journal of Neurology あった一方で、不安症状およびうつの自己報告スコア 誌に発表し、 「 早期PD患者では治療歴の有無にかかわ は治療歴を有する患者群の方が悪かった。研究者らは、 らずNMSが多く認められるものの、その症状は重度で これは医師による評価か患者による自己評価かの違い はないと一般的に考えられていることから、今回の結果 が原因である可能性があり、治療歴を有する患者は自 は臨床的に重要な意味を持つ」 と述べている。 身の症状に対してより悲観的な見方をする一方で、未 治療患者は「疾患が“良性”だという希望を持ち続けて 研究者らは、治療歴を有する早期PD患者(診断から5 いる」 ことに因る可能性もあると示唆している。 年以下)170例におけるNMSの負荷について、軽度が 29.4%、中等度が34.1%、重度が21.2%、極めて重 最後に、研究者らは次のように締めくくっている。 「この 度が15.3%であったと報告している。また、未治療の ような早期の段階では、運動症状よりも非運動症状の 早期PD患者64例におけるNMSの負荷はそれぞれ 負荷が大きいと考えられることから、今回得られた結果 28.1%、29.7%、21.9%および18.8%であり、残り は臨床的に重要であり、PDのサブタイプに関する研究 の1.6%はNMSを認めなかったという。 への道を開く可能性がある。」 NMSの評価にはNMS尺度(NMSS)を用い、症状の 重症度と頻度の複合スコアで示した。治療歴を有する 患者群および未治療患者群ともNMSSの全9領域(ド メイン)のスコアは同程度であり、NMS発現傾向が同 様で あることが示された。最も発 現 頻 度 の 高かった NMSのうち、疲労は治療歴を有する患者群および未治 療患者群でそれぞれ57.6%および57.8%、記憶困難 は51.2%および48.4%、尿意切迫は57.1%および 46.9%に認められた。研究者らは、両群の傾向が同様 であったことから、 「このような早期PD患者における Medwire Newsは、Springer Healthcareが運営している医療業界者向けの独立性の高いニュースサイトです。2000年からサービスを開始し、注目すべきニュースを1日平均20本配信してい ます。Medwire News編集部では、国際的に認知されているジャーナル(学術誌)の論文、国際学会の速報、医療基礎研究の報告を情報ソースとしています。 これらのニュースは、急速に発展を する医療開発や臨床試験の現場に向けて最新の研究結果をお伝えすることを目的に、経験豊かなメディカル・エディターによって最新かつ信頼できるニュースを配信しています。 掲載されたニュースには海外で実施された試験が含まれており、本邦で承認されている効能・効果および用法・用量とは異なる場合があります。掲載の情報は第3者機関により提供されており、 情報 確性、通用性、完全性 て グラクソ・スミスクライン株式会社が内容について関与するものではありません。 日本語レビューの精度については細心の注意を払っておりますが、 その情報の正確性、 完全性について は、 いかなる責任を負うものではなく、保証するものではありません。
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