嗅球体積変化はPDの画像マーカーとして不適格 By Eleanor McDermid, Senior medwireNews Reporter Eur J Neurol 2015 Apr 23. パーキンソン病(PD)患者における嗅球の機能的・病理 著者らは、PD患者では嗅球体積と嗅覚機能との間に相 組織学的変化は磁気共鳴画像法(MRI)で検出される 関が認められなかったことから、 「 嗅覚体積に依存しな 嗅 球 体 積 変 化 に 一 致して い な いとの 研 究 結 果 を 、 い」嗅覚機能障害があることが示唆されると考察して K a r s t e n W i t t( U n i v e r s i t y H o s p i t a l いる。また、今回の研究結果から、MRIはPDの「診断を S c h l e s w i g - H o l s t e i n , K i e l , G e r m a n y )らが 裏付ける十分なツールではないようである」 と結論して European Journal of Neurology誌に報告した。 いる。 PD患者では嗅覚機能が障害されることが多く、 これま での研究で、嗅覚機能は嗅球体積に相関することが示 唆されている。このことは本研究に組み入れられた健 康対照31例にも当てはまり、この対照群において、ス ティック型嗅覚検査(Sniffin’Sticks Test)の総合ス コアならびにDiscrimination(識別)に関する下位項 目スコアは、MRI検査で求めた嗅球体積に有意に相関 していることが認められた。さらに、 このような嗅球体積 と嗅覚識別能との有意な相関は、重相関分析でも維持 されることが認められた。 一方、PD患者では、52例中10例が無嗅覚症(総合ス コア<16)、35例が嗅覚異常(総合スコア<31) と判 定されたにもかかわらず、 このような相関は認められな かった(対照群では無嗅覚症に該当する者はおらず、8 例が嗅覚異常と判定)。PD患者において、嗅球体積は 罹病期間またはUPDRSスコアとも相関を示さなかっ た。なお、平均嗅球体積は、PD患者群の左側および右 側がそれぞれ41.5 mm³および42.1 mm³、対照群 の左側および右側がそれぞれ41.0 mm³および46.6 mm³であり、両群間で有意差はなかった。 Medwire Newsは、Springer Healthcareが運営している医療業界者向けの独立性の高いニュースサイトです。2000年からサービスを開始し、注目すべきニュースを1日平均20本配信してい ます。Medwire News編集部では、国際的に認知されているジャーナル(学術誌)の論文、国際学会の速報、医療基礎研究の報告を情報ソースとしています。 これらのニュースは、急速に発展を する医療開発や臨床試験の現場に向けて最新の研究結果をお伝えすることを目的に、経験豊かなメディカル・エディターによって最新かつ信頼できるニュースを配信しています。 掲載されたニュースには海外で実施された試験が含まれており、本邦で承認されている効能・効果および用法・用量とは異なる場合があります。掲載の情報は第3者機関により提供されており、 情報 確性、通用性、完全性 て グラクソ・スミスクライン株式会社が内容について関与するものではありません。 日本語レビューの精度については細心の注意を払っておりますが、 その情報の正確性、 完全性について は、 いかなる責任を負うものではなく、保証するものではありません。
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