学長挨拶 - 福井大学工業会

ご 挨 拶
福井大学長 眞 弓 光 文
今年は福井大学にとって法人化後 12 年目、平成 22 年から始まった第 2
期中期目標・中期計画期間 6 年の最後の年にあたります。旧福井大学と福
井医科大学が統合して誕生した新福井大学の開学 10 周年にあたる 2014 年
に、学生に優れた学びの場を提供するために「福井大学基金」を設立し、関
係各位にご寄付をお願いしたところ、工業会の多数の皆様から多大なご厚
志を賜りました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。しかし、基金は
まだまだ目標とする金額に届いておりません。もしまだご寄付いただいて
いない方がおられましたら、どうかよろしくご支援の程、お願い申し上げ
ます。
さて、来年度から第 3 期中期目標・中期計画期間が始まります。日本の 18 歳人口が今後 30 年で
現在の 60%近くにまで減少するという状況のもと、
「国立大学は多すぎる。十分に使命を果たすため
の改革を実施しない国立大学は退場させる」と言われており、これを受けて、第 3 期には国からの基
本的支援である一般運営費交付金の 30%程度が評価に基づいて配分されるなど、国立大学に対して
厳しい競争原理が導入されようとしています。この第 3 期に向けて、昨年度と今年度は改革加速期間
と位置づけられており、国立大学は必要な大学改革を実施し、機能を強化して、国立大学としての使
命をしっかりと果たすことが求められています。
このような状況のもと、本学では、教員養成系学部に設置されている「新課程」の第 3 期中の廃止
を国が決定したことを受けて、教育地域科学部の地域科学課程の学生募集を平成 27 年度で終了させ
る一方、新たに、グローバル社会で活躍できる人文社会科学・学際系の人材を育成する「国際地域学
部(仮称)」の平成 28 年度開設に向けた取り組みが進められています。現在、この新学部の開設を国
と協議していますが、これが認められれば、福井大学はこれまでの工・医・教の 3 学部体制から、人
文社会科学・学際系の国際地域学部(仮称)を含む 4 学部体制となり、総合大学として更に機能強化
されます。
工学部・工学研究科も、研究科の再編や学部編入学定員増などの改革に引き続き、平成 28 年度に
学科の再編を計画しています。厳しい財政状況のもとでも、これまで以上に優れた工学人材の育成と
科学的価値の創出を可能とすべく、より適切な組織へと改革を進めていく所存です。
少子高齢化と人口減少が進む中で、これからも首都圏一極集中の社会構造が続けば、多くの地方が
「消滅する」と危惧されています。それを回避し、地方創生を可能にするために、地方の国立大学の
役割は極めて重要です。18 歳人口がすさまじい勢いで減少する中、福井大学が 20 年、30 年後にも
地方創生の中心として社会から必要とされる優れた国立大学であり続けるために、教職員一同、力を
合わせて前に進みたいと思います。
工業会の皆様の一層のご支援をお願い申し上げます。
4 巻頭言
(平成 27 年 4 月発行 工業会誌より)