第3回 東大本番レベル模試(2012 年 1 月)英語採点基準

第3回 東大本番レベル模試(2012 年 1 月)英語採点基準
客観問題(記号,単語記入,整序)は部分点なし。
記述問題の採点は問われた内容にほぼ正しく答えているかどうかで判断することを原則とし,表記上の些細な
ミス(例えば,句点やピリオドの欠落,i の点や t の棒の脱落など)は減点しない。
配点表
大問
1
2
3
4
5
配点
小問数
小計
大問ごと
A
10
1
10
B
2
3
6
C
2
3
6
A
5
2
10
B
12
1
12
A
2
5
10
B
2
5
10
C
2
5
10
A
2
5
10
B(1)
4
1
4
B(2)
4
1
4
B(3)
4
1
4
(1)a~e(完答)
3
1
3
(2)整序
3
1
3
(3)(4)(5)(6)(7)(8)
2
6
12
(9)説明
3
1
3
(10)和訳
3
1
3
合計
22
22
30
22
24
120
4A は部分点なし
5(1)は部分点なし(完全解答で 3 点)
5(2)は部分点なし(完全解答で 3 点)
1
【1】-A(10 点満点)
【例1】
カリキュラムの内容が薄くなったせいで言語能力の成績が低迷しているが,これを改善するためには幼児期の言語
学習が重要で,幼稚園時代から話の要点を理解する教育が有効となる。 (83 字)
【例2】
最近は言語運用能力の成績が低下しているが,言語運用能力にとっては幼児期の言語学習が大切であり,幼児期か
ら要点を理解して言葉の意味を習得するような教育に変えれば成績は改善するだろう。 (90 字)
①「SAT の読み書きの得点が下がった」または「高校生の言語能力が落ちた」
reading and writing scores on the SAT have once again declined
The language competence of our high schoolers fell steeply
*「読み書きの得点」または「言語能力」に相当する内容がないものは2点減点。
*「下がった/落ちた」に相当する内容がないものは2点減点。
得点配分
(10 点)
②「幼児期の言語学習が後の言語能力にとって決定的だ」
early childhood language learning is critical to later verbal competence
*early childhood language learning に相当する内容がないものは2点減点。
③「要点を理解するようにすれば言語能力の成績は改善するだろう」
we understand the overall main point of what we are hearing or reading
every student ... understands the point of what is heard or read
the results show up ... in significantly improved verbal scores
*「要点を理解する」に相当する内容がないものは 2点減点。
*improved (verbal scores) に相当する内容がないものは2点減点。
① 内容の不足は上記配分で減点。内容の順序は問わない。
② その他、誤訳、不適切な表現は程度に応じて1~2点減点。
③ 指定字数(80~90 字)を満たしていないものは 0 点。
2
【2】-A(10 点満点)
(1)
I prefer to travel at my own pace and visit the sites that I want to visit
(自分のペースで旅行して自分が行きたい場所に行く方が好きなんだ)
I don’t have to care about other people, and I can go anywhere I want to at any time
(他の人にいろいろ気を使わなくてすむし,いつでも好きな所へ行けるからね)
I think traveling solo makes me stronger. I will arrange my airline tickets and hotel rooms by myself
(一人旅は自分を強くしてくれると思うんだ。飛行機のチケットもホテルの部屋も自分で手配するつもりだよ)
(2)
even after you return home, you can enjoy talking about your travels with the others who traveled with you
(帰ってきた後でも,一緒に旅をした人たちと旅のことを話して楽しめるよ)
traveling in a group would be less risky when something happens. Moreover, it would be less expensive than
traveling alone
(グループで旅行した方が何かあった時に危険が少ない。それに一人旅より安上がりだよ)
you can feel safe, save money, and have people to share the joys of travel with
(安心感があるし,お金が節約できて,旅の喜びを人と共有できるよ)
① 指定語数(15~20 語)を満たしていないものは 0 点。
② 文法・語法・綴りの軽微な誤りは1点減点(重大な誤りは2点減点)
。
③ その他、不適切な表現は程度に応じて1~2点減点。
(1) 5 点
ポイント1 一人で旅行することの利点(これがないものは3点減点)
※一人で旅行せざるを得ない理由あるいは複数で旅行することの短所でもよい。
ポイント2 That doesn’t sound too bad「それも悪くない」にうまく続くか(うまく続かないものは2点減点)
(2) 5 点
ポイント グループ旅行の利点の具体例(これがないものは5点減点)
3
【2】-B(12 点満点)
[例1]
I think the statement is true. Our history has been, in a sense, a struggle to gain freedom. If we didn’t have
freedom of speech, faith, and career choice, we would live a more frustrated life. There are some countries and
areas that have little freedom, and people are suffering. Freedom enables us to live happily.
(私はその意見が正しいと思います。私たちの歴史は,ある意味で,自由を獲得するための闘争でした。もし言論や
宗教や職業選択の自由がなければ,私たちはずっと窮屈な生活をしているでしょう。自由がほとんどない国や地域
もあり,人々が苦しんでいます。自由のおかげで私たちは幸せに暮らせるのです)
[例2]
I don’t agree with the idea. It is true that we feel comfortable when we have some degree of freedom. But
suppose we were completely free to do anything. Some might play around all the time and others might steal
things. The world would fall into disorder without any regulation. I think too much freedom makes us unhappy.
(私はその考えに賛成しません。たしかにある程度の自由があると私たちは心地よく感じます。しかし何でも完全に
自由にできるとしたらどうでしょう。四六時中遊ぶ人もいるかもしれませんし,物を盗む人もいるかもしれません。
何の制約もなければ世界は無秩序になるでしょう。自由が多すぎると私たちは不幸せになると思います)
[例3]
I disagree with the statement. Happiness consists in contentment. The more freedom we have, the more likely
we are to regret that we should have done this or that. In fact, freedom takes contentment away from us. In
other words, it is inconvenience that gives us satisfaction. So I don’t think it is always good to have freedom.
(私はその意見に賛成ではありません。幸せは満足にあります。自由があればあるほど,こうすればよかった,ああ
すればよかったと余計に後悔するものです。実際のところ,自由は私たちから満足を奪うのです。言い換えれば,
私たちに満足を与えてくれるのは不自由さなのです。したがって,私は自由があることが必ずしもいいわけではな
いと思います)
① 指定語数(50~60 語)を満たしていないものは 0 点。
② 文法・語法・綴りの軽微な誤りは1点減点(重大な誤りは2点減点)
。
③ その他、不適切な表現,説明不足等は程度に応じて1~2点減点。
賛成意見 自由のおかげで人々が幸せになった事例(フランス革命以降の欧米,戦後の日本,現在のカンボジアなど)
自由がないと幸せになれない理由や事例
個人的自由(職業選択,結婚,移動,服装の自由など)が幸福につながる理由や事例
拘束されていた人が解放された時の気持ちあるいは自由だった人が拘束された時の気持ちの説明
反対意見 自由があっても必ずしも幸せではない理由や事例
[例]
「自由が増すと制約がなくなり,人は易きに流れ怠惰になる」
「何をするのも自由となると何をしたらよいか分からなくなる」
「自由が増すほど選択肢も増えて欲望が膨らみ,結果として不満が増大する」
*与えられた英文が読めていないもの(自由と幸福の関係にまったく触れていないもの)は 0 点(12 点減点)
*自分の考えを述べず,ただ賛成論と反対論を並列して説明しただけのものは 0 点(12 点減点)
。
*与えられた英文 the more freedom we have, the happier we become をそのまま引用したものは6点減点。
*与えられた英文 The more freedom we have, the happier we become.「自由が増すほど幸福になる」について自分が
思うところを正面から論じていないものは6点減点。
例「自由と幸福は無関係である」
「自由と幸福の関係には関心がない」など
4
【4】-B (1)(4点満点)
<問題部分>
The situation was a painful reminder that abused and neglected children who overcome tremendous
challenges and manage, against all odds, to survive the group home, still end up without a home.
<解答例>
この状況は,虐待され育児放棄された子供たちが,大きな試練を乗り越え,逆境にもめげず,養護施設をなんとか
生き抜いたのに,彼らには結局家庭がないということを思い出させる辛いものだった。
<別解例>
その状況は,すさまじい試練を克服し,あらゆる障害に立ち向かってなんとか養護施設を生き抜く,いじめられ無
視された子供が,それでも結局は家庭を持てないという辛い事実を思い出させるものであった。
① 次の区分に分けて配点する。
区分
配点
訳例
The situation was a painful reminder that ...
1点
その状況は…ということを思い出させるつらいもの
だった
abused and neglected children who ~
1点
~虐待され育児放棄された子供
overcome tremendous challenges and manage,
against all odds, to survive the group home
1点
すさまじい試練を克服して,あらゆる障害に立ち向か
い,なんとか養護施設を生き抜く
still end up without a home
1点
[子供(に)は]それでもなお結局は家庭がない
・各区分の配点を超えて減点しない。
② 語句の誤訳,訳漏れ,英語のまま,不自然なカタカナ書きは減点。
③ 構文を理解した上での意訳と認められるものは減点しない。
5
【4】-B (2)(4点満点)
<問題部分>
Because they valued education, they laid out the welcome mat, and I jumped at the opportunity.
<解答例>
彼らは教育の価値を尊重していたので,私を大いに歓迎してくれて,私はその機会に飛びついた。
<別解例>
彼らは教育を高く評価していたので,私を大歓迎してくれ,私もその機会に飛びついた。
① 次の区分に分けて配点する。
区分
配点
Because they valued education
1点
彼らは教育を評価していたので
they laid out the welcome mat,
2点
彼らは[私を]歓迎するための玄関マットを広げ[るように歓
迎してくれ]た
and I jumped at the opportunity
1点
そして私はその機会に飛びついた
訳例
・各区分の配点を超えて減点しない。
② 語句の誤訳,訳漏れ,英語のまま,不自然なカタカナ書きは減点。
③ 構文を理解した上での意訳と認められるものは減点しない。
【4】-B (3)(4点満点)
<問題部分>
Gradually, the sick feeling I got every semester break when friends would start talking about their families
began subsiding.
<解答例>
友人たちが家族について話し始める学期休暇のたびに私が感じていた嫌な気分は,次第に治まるようになった。
<別解例>
次第に,学期休暇のたびに友達が自分の家庭について話し始めると私が抱いた不愉快な感情は消えていった。
① 次の区分に分けて配点する。
区分
配点
訳例
the sick feeling I got
1点
私が抱いた不快感
every semester break when ~
1点
~学期休暇のたびに
friends would start talking about their families
1点
友人が家族について話し始めた[ものだった]
Gradually, ... began subsiding
1点
次第に…は治まっていった
・各区分の配点を超えて減点しない。
② 語句の誤訳,訳漏れ,英語のまま,不自然なカタカナ書きは減点。
③ 構文を理解した上での意訳と認められるものは減点しない。
6
【5】-(9)(3点満点)
<問題>
下線部(9)のように Mrs. Jones が行動したのはなぜだと思われるか,50 字程度の日本語で説明せよ。
(9) did not ask the boy anything about where he lived, or his family, or anything else that would embarrass him
<解答例>
自分の若いころと同様家庭環境に恵まれていないに違いない少年に,余計な質問をしても困らせるだけだから。
(50
字)
<別解例>
自分も同じように貧しい境遇で育ったので,家庭に関する質問は相手の嫌がる質問だと知っていたから。
(47 字)
① 指定字数(50 字程度)大きく逸脱するもの(30 字以下または 70 字以上)は 0 点。
② 次の2つの要素に得点を配分。
1)「自分も同じような境遇だった」
(これに相当する内容がないものは2点減点)
*「ひったくりをした/盗みを働いた」だけでは「同じような境遇だった」と認めない。
2)「[相手が]嫌がる(から)/[少年を]困らせる(から)
」
(これに相当する内容がないものは1点減点)
*「少年の気持ちがよく分かる」はこの内容として認めない。
【5】-(10)(3点満点)
<問題>
下線部(10)を和訳せよ。
he barely managed to say, “Thank you”
<解答例>
彼はかろうじて「ありがとう」というのが精一杯だった
<別解例>
彼はかろうじて何とか「ありがとう」と言った
① 次の区分に分けて配点する。
区分
he (manage)d to say, “Thank you”
barely manage(d)
配点
訳例
1点
彼は「ありがとう」と言った
2点
「かろうじて(言った)
」
「やっと[のことで](言った)
」
「
(言えた)
だけだった」
「
(言うのが)精一杯(だった)
」など
*「何とか言った」だけでは barely の訳抜けとする。
・各区分の配点を超えて減点しない。
② 語句の誤訳,訳漏れ,英語のまま,不自然なカタカナ書きは減点。
③ 構文を理解した上での意訳と認められるものは減点しない。
7