情報論

情報論 2014

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

1言葉としての情報
2情報の概念1
①データと情報と知識の概念的把握
3情報の概念2
②情報と知識構造
4 情報の基本的性質1
5情報の基本的性質2
6情報の基本的性質3
7人の行為と情報 ①意志的行為と身体的行為
8
②意志、意図、企図と情報
9
③意思決定、行動と情報
1
 10 情報の活用
①目的、目標の確認~情報の収集段階の問題点と対応
 11
②選択、整理、加工、分析~行動段階の問題点と対応
 12情報社会の概念
 13情報社会と情報の価値
 14知識基盤社会と個人による情報の利用1
 15知識基盤社会と個人による情報の利用2
2
授業の目的と評価
 情報を効果的に活用できるようになるための
考え方について学ぶ。
 情報の概念、人の行為と情報の関係の理解
を通して、情報活用の基礎概念を学ぶ。
 情報を柔軟に受け入れることができるように
なるように多くの考え方を紹介する。
 成績は学期末の定期試験で行う。

資料はWeb上にアップする。
3
講義の到達目標

1-3回



情報という言葉の意味と概念を理解できること
4-8回

35%
報の基本的性質を理解し、人の行為と情報の関係を
理解できること(4~8)
35%
9-14回

30%
35%
情報の活用の問題点と対応を理解し情報の価値を
認識できること
4
1.言葉としての情報
 1-1情報の原語
 1-2情報という言葉の誕生
 1-3 民主主義社会と情報
 1-4 冷戦の始まりと情報
 1-5 情報の自由法
 1-6 情報の記事件数
5
「情報」の件数
朝日・日経新聞「見出し中」
6
1-1情報の語源
 英語のインフォメーション(Information)が語源





Informationの語源はラテン語のインフォマーレInformare
形づくる,形式)から派生した名詞形(対格)14世紀後期
Infomare(動詞)→informatio(名詞)→informationem
(単数対格:をに相当)
もともと「形の定かでないものや形になる以前の状態の
ものに形を(対格)与える」ことを意味する
日本科学技術情報センター、1995
 情報とは、知識や認識そのものをいうのではなく、
それに形を与える材料や素材を意味する
7
1-2 情報と いう 言葉の誕生
(第二次世界大戦以前)
 1862 information


英和対訳袖珍辞書(シュウチン:ポケット辞典)
教エ、告知、手術、了解、訴ル事
 1873(明6) information


附音挿図英和字彙
消息、教諭、報告、訴訟、知識
 1876(明9) 情報



キテン
仏国歩兵陣中要務実地演習軌典(酒井忠恕)
renseignement(フランス語:案内,情報,照会,諜報)を
情報 小野 厚夫 1991
敵状、敵情の報知、報告、状報が情報に統一
8
 1879(明12)
民情一新(福沢諭吉)
 インフォルメーション
 1894(明27)


日清戦争の新聞記事
 1901(明34)


大戦原理(戦争論(森鴎外)
nachricht(通知、報告)を情報
 1904(明37)

日露戦争の新聞記事
 1916(大4)


熟語本位英和中辞典
intelligenceを情報
 1921(大10)

大英和辞典,informationを情報
9
「通知」から「諜報」へ
 情報は、戦争の時代を背景に参謀本部情
報課,内閣情報局など、軍事用語として使
われた
 情報という言葉は、戦争や諜報に関連する
言葉として使用されてきた

ちょうほう:敵の情勢などをひそかに探って知ら
せること、intelligence
10
「諜報」から現在の「情報」へ
 第二次大戦終了まで情報は諜報の意味を
持つ

情報から受けるイメージは良くなかった
 情報理論Information Theory, shannon,
(1948)の紹介で情報を使用 関英男,1954

現在の情報という言葉の始まり
11
1-3 民主主義社会と情報
 1930年代



全体主義、専制国家
政府、一部の人が情報を独占(ナチス、ソ連、日)
世論操作、市民を知らない状態にする
12
 1941.8.14 大西洋憲章(大西洋会議)


ルーズベルト(米)、チャーチル(英) 民主主義陣営
Free from fear and want恐怖と欠乏からの自由(8項の6
番)
 第6に、ナチ暴政の最終的破壊の後、両者は、すべ
ての国民に対して、各自の国境内において安全に居
住することを可能とし、かつ、すべての国のすべての
人類が恐怖及び欠乏から解放されて、その生命を
全うすることを保証するような平和が確立されること
を希望する。

http://www.cc.matsuyamau.ac.jp/~tamura/eibeikyoudousenngenn.htm
13
4つの自由
the Four Freedoms Speech

1941.1.6 アメリカ連邦会議 年頭教書

ルーズベルト
 民主主義陣営の原則

①言論と表現の自由


②信仰の自由


freedom of every person to worship God in his own way–everywhere
in the world.
③欠乏からの自由


freedom of speech and expression—everywhere in the world.
freedom from want
④恐怖からの自由

freedom from fear
1回目 9/30
14
日本国憲法と4つの自由
 ①言論と表現の自由 日本国憲法第二十一条
 freedom of speech and expression
 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、
これを保障する。
 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵し
てはならない。
15
 ②信仰の自由 日本国憲法第二十条
 freedom of every person to worship God in his own way
 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる
宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使
してはならない。
 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加するこ
とを強制されない。
 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動
もしてはならない。
16
 ③欠乏からの自由 freedom from want 前文
 ④恐怖からの自由freedom from fear
前文
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支
配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛す
る諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を
保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷
従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる
国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われ
らは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、
平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
17
「表現の自由」
「Freedom of expression」
 「言論・出版の自由」


「Freedom of Speech or of the Press」
意見を表現する権利(最初に考えられた表現の自由)
 「報道の自由」


「Freedom of Press」
事実を表現する権利
 「情報の自由」


「Freedom of information」
情報を受け取る権利(知る権利)



情報収集権、情報伝達(提供)権、情報受領権
情報の開示をもとめる権利(情報公開請求権)
2012/09/22
18
1-4冷戦の始まりと情報
 1945

情報は冷戦の戦略の手段、諜報となる
 1949

情報理論の紹介(関英男)
 1950年代


情報が世界、市民をつなぐという理想と異なる
米ソ宇宙開発戦争



軍事的に重要:偵察衛星による情報収集
技術の総合力が求められる:通信技術、コンピュータ技術など
科学技術情報の増加:データベースの発展
19
軍事技術の社会への還元
情報通信技術








1945
1952
1953
1959
1959
1967
1968
1972
テレビ
テープレコーダ
マイクロフィルム
テレックス
ファクシミリ
コンピュータ
ゼロックス複写機
マイクロフィッシュ
 国際電話
 (飛行機)
20
1-5 情報の自由法
 米の情報公開制度



アメリカ情報の自由法:Freedum of information act
1966年
政府の情報は一般市民がshearすべきもの、しうるもの
 日本の情報公開制度


1999年
行政機関の保有する情報の公開に関する法律
21
改正情報の自由法
 Freedom of Information Act (FOIA) as amended
in 1996


電子情報の公開
Electronic Freedom of Information Act
 Web上で殆どの情報を公開

公文書の一般公開


自治体及びその出先機関(公務員が構成員になっていたり、税金によ
る補助金が歳入を構成している法人を含む)により作成・受領・保管さ
れている全ての行政記録
会議の公開

地方自治体及びその出先機関(非営利団体で歳入の3分の1以上が
税金からの収入によるものを含む)の会議とその議事録
22
1-6 情報記事件数とキーワード
 情報は第二次世界大戦後の概念
 1940-70年代


軍事技術の社会への還元
情報関連機器・通信
 1980-1990年代


情報社会の進展
コンピュータ・インターネット
 2000
情報の国/企業から個人の利用へ
2回目
23
「言葉としての情報」 まとめ
 1.Informationは14C後期にラテン語のInfomareか
ら成立

形のないものに形を与えるもの(こと)
 2.日本で情報は諜報の意味で使用された


1876年(明9)頃にinformationの訳語として登場
軍事(戦争)と密接な関係を持っていた
24
 3.情報の自由は民主主義社会の重要な要素

4つの自由





①言論と表現の自由
②信仰の自由
③欠乏からの自由
④恐怖からの自由
言論出版の自由
報道の自由
情報の自由
情報の自由法・改正情報の自由法


情報を受け取る権利(知る権利)
情報の開示をもとめる権利(情報公開請求権)
25
 4.情報は新しい言葉


軍事技術が情報通信技術を発展させた ~1960
コンピュータの発展が社会に情報を認知させる 1970~




コンピュータで扱うデータを情報と呼ぶ
メディアのコンテンツを情報と呼ぶ
パソコンにより身近な存在となる1990~
インターネットでだれもが利用できるものとなる 2000~
 5.情報技術が情報社会を実現した

人工衛星などの軍事技術が基礎になっている
26
問題
1.Informationの語源であるInfomareは、「_の定かでないものや_になる以前
の状態のものに_を与える」ことを意味する
1.意味 2.知識 3.認識 4.形 5.概念
2.日本語に情報という言葉が登場した時期を選択しなさい。
1.江戸末期 2.明治初期 3.明治中期 4.昭和初期 5.大戦後
3.4つの自由に該当しないものを選択しなさい。
1.言論と表現の自由 2.信仰の自 3.欠乏からの自由
4.恐怖からの自由 5.政治体制選択の自由
4.表現の自由に該当しないものを選択しなさい。
1.言論の自由 2.出版の自由 3.報道の自由 4.情報の自由
5.通信の自由
5.情報という言葉が社会に認知されるために最も大きな役割を果たしたものを選
択しなさい。
1.テレビ 2.コンピュータ 3.インターネット 4.飛行機 5.複写機

①言論と表現の自由

freedom of speech and expression
28