生体応用を目指した超短パルスレーザーの小型化のための - 福井大学

福井大学生命科学複合研究教育センター
「平成20年度学内共同研究等」
生体応用を目指した超短パルスレーザーの小型化のための要素技術の研究開発
研究代表者:川戸
栄(工学研究科ファイバーアメニティ工学専攻、准教授)
電話:0776-27-8564 メールアドレス:[email protected]
共同研究者:浜松ホトニクス中央研究所
概
要
非線形レーザー顕微鏡は生きた状態の生体内部を実時間・3 次元・細胞
レベルの高空間分解能で計測できる装置である。従来、この光源にはチタンサファイア
超短パルスレーザーが利用されてきたが、固体レーザー励起のために価格が 4000 万円程
度と非常に高価であり、非線形レーザー顕微鏡の普及はそれほど進んでいない。これに
対して申請者らは、安価なレーザーダイオード励起の超短パルスレーザーの研究開発を
進めている。
ここでは、超短パルスイッテルビウムレーザーのパルス幅の先鋭化及び小型試作機作
成のための要素技術の研究開発を行った。まず、共振器内に非線形媒質を挿入した超短
パルスレーザーの研究開発により、パルス幅 72 fs という特性を得た。このレーザーの
利得スペクトルのフーリエ限界は 120 fs であるが、これを大幅に凌ぐ極短パルス化に成
功した。また、損失が大きいために超短パルス化が困難であるが、安定度が高く試作機
や製品開発に有用な半導体過飽和吸収ミラーを用いたレーザーにおいても、110 fs の短
パルス化に成功した。非線形レーザー顕微鏡の励起光源としては、パルス幅数十 fs~
100fs 程度の超短パルスレーザーが有用であり、現在、メーカーと組んで試作機・製品開
発を進めつつある。
関連キーワード
非線形レーザー顕微鏡、超短パルスレーザー、レーザーダイオード励起、イッテル
ビウムレーザー、利得スペクトル幅、フーリエ限界