Title Author(s) Citation Issue Date 遠赤外線の加熱特性 (第3報) : 熱移動解析 韓, 忠洙; 夏賀, 元康; 伊藤, 和彦 北海道大学農学部邦文紀要, 17(2): 137-150 1990-08-31 DOI Doc URL http://hdl.handle.net/2115/12125 Right Type bulletin Additional Information File Information 17(2)_p137-150.pdf Instructions for use Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP 北大農邦文紀要 1 7 ( 2 ): 137~150 , 1 9 9 0 遠 赤 外 線 の 加 熱 特 性 ( 第 3 報〉 一一熱移動解析 韓忠沫・夏賀元康・伊藤和彦 (北海道大学農学部農畜産加工機械学教室〉 (平成 2年 5月 3 1日受理) StudiesontheHeatingCharacteristicsof FarInfraredRays CPart 3 ) A n a l y s i so fHeatT r a n s f e r ChungSuHAN,MotoyasuNATSUGAandKazuhikoITOH a c u l t yo fA g r i c u l t u r e, ( L a b o r a t o r yo fA g r i c u l t u r a lP r o c e s sE n g i n e e r i n g,F HokkaidoU n i v e r s i t y,S a p p o r o,] a p a n ) 1.緒言 Thermocouple 遠赤外線による伝熱が対流伝達および近,中赤外 十1 5 線による放射伝熱よりも優れているとする理由に, 遠赤外線が被加熱体の内部深くに直接浸透し,内部 において熱エネルギに交換されることが上げられて いる。しかし,この考え方に対し遠赤外線の物体内 部への浸透は,表面からごく浅い部分に限られてい るとする説もあり,現在は定説がないは)。前報 3, 4) ま " ' ' 一 一 一 Temperaturer e c o r d e r でに,遠赤外線の加熱特性として材料の色と吸収熱 量の関係および遠赤外線加熱による色素の分解度に ついて述べた。 本報では,遠赤外線の熱移動状態を可視化する方 法として,常温下でデンプンの糊液がヨード反応で 青紫色を呈し, 6 0 ' C以上の温度に加熱すると透明に なる性質を利用し,これを数値化し 5) さらに材料内 F i g .1 . S chematic diagram f o r t e m p e r a t u r e m e a s u r i n ga p p a r a t u s 部の温度変化を測定して遠赤外線放射体から放射さ れるエネルギの伝熱過程を理論的に究明することを 図に示すように,スチロール角型ケース ( 215X 目的とした。 5 5x1 5 5x3 3mm)にアグリル板(厚 1 3 6x2 8m m,1 1 1 . 実験方法 さ 1mm)を用いて 4本の柱を製作しこれをケース A . 実験装置および供試材料 の中央部分に取り付けた。 この柱の上に銅・コンスタンタン熱電対 C c t0 . 2 1.実験装置 熱移動距離測定に用いた実験装置および熱源は前 mm)を貼り被加熱物表面と表面から 2 ,4 ,6m mの 報 4) で、述べたものと同じである。 F i g . 1に被加熱物 深さの温度を測定した。温度変化は自動温度記録計 CEKO,SOLACI I I ) を用いて測定した。 内部の温度測定部分の概略図を示す。 1 3 7 1 3 8 北海道大学農学部邦文紀要第 1 7巻 第 2号 遠赤外線の熱移動状態を可視化するための実験に 2 . 供試材料 供試材料はデンプンと寒天を用いた。試料の墨色 E 試料の調整法 U 試薬としてヨウ素とヨウ化カリウムを用いた。 B . F北福市﹃ E 斗 十 一 土 , 一 十 一 は上記の 4本の柱を取り付けていない角型ケースを 用いた。 試料の調整はまず可溶性デンプン 5 0gに蒸留水 750mlを加え,弱火で溶かして糊化した。その後, 寒天 20gを蒸留水 750mlに溶かしたものを加えた。 混合液の温度が室温まで‘下がった後,ヨード液 4 0 ml(ヨウ素:0.2%. ヨウ化カリウム:2.0%)を入 C o l o r e dp a r t T r a n s p a r e n tp a r t れながらよく混ぜると青紫色に発色する。この液を スチロール角型ケースに注ぎ,室温まで冷却して固 めた。これを試料として下記の条件で加熱した。 C . 実験条件 加熱方法として面状遠赤外線放射体,棒状遠赤外 線放射体および近赤外線ランプによる放射加熱法と オーブンを用いた熱風加熱法を採用した。遠赤外線 放射体への供給電圧は 100V. 加熱時聞は 2 0分と し,近赤外線ランプの加熱時聞は 8分とした。熱風 協協mム~努 加熱は 1 0 0 ' Cで 4 0分間行った。 実験条件を Table1に示した。 b D . 熱移動距離の測定方法 加熱が終了した後,試料を直ちに水道水によって F i g .2 . M巴a s u r i n g methods o fh e a tt r a n s f e rd i s . t a n c e 冷やし次のように測定を行った。 Fig.2aに加熱された試料のスライス方法を示し T こ 。 試料に対してそれぞれ 12mm間隔で 1 0箇所,近赤 外線ランプの場合は 1 0等分した試料に対して 1 0 Fig.2aに示すように遠赤外線放射体により加熱 m m間隔で 1 2箇所において試料の透明になった部 された試料の場合は透明になった部分の中心から左 分の深さをノギスで測った。実験は同一条件で 2回 右をそれぞれ 10mmずつ 1 0等分した。 反復した。 Fig.2bは 1 0等分した試料の熱移動距離の測定方 I I I . 熱移動の解析法 法を示した。 図のように,薄い刃物で透明になった部分を分離 する。遠赤外線放射体で加熱した場合は 1 0等分した 遠赤外線放射体を用いて被加熱物を加熱する際, 放射体から放射されるエネルギが被加熱物体の表面 から内部へ移動するメカニズムを理論解析する。 T a b l e1 . E x p e r i m e n t a lc o n d i t i o n s Heats o u r c e Fig.3は遠赤外線放射体と被加熱物の間との熱移 H e a t i n g S e r v i c e D 巴 i s t a n c v o l t a g e ( V ) (mm) t i m e ( m i n ) Fari n f r a r e d p a n e lh e a t e r Fari n f r a r e d t u b u l a rh e a t e r l OO 7 5 2 0 l OO 7 5 2 0 I n f r a r e dlamp 1 0 0 1 0 0 8 Heateda i r lWC 4 0 動のメカニズムを示したものである。 A . 遠赤外線放射体の熱損失 熱が移動するには伝導,対流,放射三つの伝熱方 式がある。遠赤外線放射体へ供給されたエネルギは 全て放射エネルギに変換されて被加熱物に伝達され るのではなく,周囲の雰囲気の条件により放射体の 各表面からの対流による損失もある 6, 7刻 。 1 3 9 韓・夏賀・伊藤:遠赤外線の加熱特性(第 3報 〕 Nu h c A k L o s so fn a t u r a lc o n v e c t i o n Q c v 熱伝導率 [一] [W/m2oK] 2 [m ] [W/moK] 対流伝熱量 [W] ヌセルト数 対流熱伝達係数 伝熱面積 制調 ω ω るものを求めた。空気物性値は次の式を利用して求 めた 10)。 )X μ=1 .7 5 8X10-6X380/(380+ tA [ C 2 7 3+t A ) / 2 7 3 ]1.5 )にり ω ω M W﹀ω 岡 山 一 切 口ω判伺︻口。円相吋い。a 、 同 H。 。 m。 ロ 。5 υ ω ﹀口。u ロ パE ωい 、 同 CL-。ω 上式に用いた空気物性値は平均境膜温度的に対す )XP/760 ρ=0.13186X2 7 3 /( 2 7 3+t A . . . . . . . . . . ・ ・ ・ ( 7 ) ν=μ/ρ...・ ・ . . . . . ・ ・ ・・ . . . . . ・ ・ ・ ・..……… ( 8 ) H H H H H H H . . … . . . ・ ・..………… ( 9 ) tA=(to-t1 ) / 2 ……...・ ・ H H a=k/Cp・7・ 1 0 ) . . . . . . . . . . … ・ … ・ ・ ・ ・ ・ … … ・ ・ ・ ・ … ・ ・ ・ ・ ・ ・ …( F ig .3 . H e a tt r a n s f e rp r o c e s s i n gb e t w e e nf a ri n f r a . r e dh e a t e ra n ds a m p 1 e . ここで 粘性係数 放射エネルギの被加熱物の内部への熱移動を分析 ρ 密度 するためには,まず放射体の熱損失を求め,正味放 P 射エネルギを計算する必要がある。 本実験は常温の実験室で行ったので,自然対流に hkG μ よる熱損失が生じる。そこで理論式によってこれを r 求め,正味放射エネルギ量を算出した。 自然対流の過程は次の三つの無次元数の関係で表 す日, 8, 9 ) ことができる。 Gr=gβ1 3 ( To-T1) /ν ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . …( 1 ) Pr=ν/a… . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . ( 2 ) H H H H H H H H N u = h c l / k . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .・ ・ ・ ・( 3 ) この三つの式を用いて対流熱伝達係数を見いだ 2 [kgos/m ] 2 [ k g o s/m4 ] 圧力 [mmHg] 平均境膜温度 [ O c ] 熱伝導度 定圧比熱 [W/moK] 口/kgoK] 空気の比重量 3 [kg/m ] 式( 4 )の Nuの計算は面状遠赤外線放射体の場合, 放射体が直方体であるため各面に適応する式が違 い,また無次元数 GrXPrの値により境界層の流体 の流れが層流と乱流に区別され,求める式も異な る6, 7 . 8 . 9, 1 1, 1 2 )。 F i g . 3に示す A面のように水平平板(遠赤外線放 し,対流伝熱量を求めた。 射体〉が下向きの場合, GrXPr の値が 3XI05~3x 式( 3 )は hc=Nuk / l…...・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . … ( 4 ) 1 010範囲であれば層流となる。本装置の場合,A面に おける GrxPr値 が 4 .226X107であるため層流と で整理できる。従って対流伝熱量は次式で表される。 判断した。適応する式は次のとおりである。 H H H H Q c v = h c A C t o t l )… . . . ・ ・ . . … … . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . ( 5 ) H H H gβfTT Gr ν Pr a Nu=O.27CGrxP r ) 1 1 4・・……-・・………………・( 1 1 ) グラスホフ数 B面のように水平平板が上向きの場合, GrxPr の値が 105~2X 1 07範囲であれば層流となる。 B面 重力加速度 の GrXPrの値が 5 .704X107であり,乱流と判断し ここで? [一] [ m / s e c2] l /K] 平均体積膨張係数 [ m ] 放射体の平均長さ [ , ] t o :[ o CJ 放射体の表面温度 [K : [ K , ] t [ o C ] 周囲空気温度 1 2 [m/ s ] 動粘性係数 プラントル数 [一] 2 / s ] 空気の温度伝導率 [m た。適応する式は次のとおりである。 Nu=0.14CGrXP r )1I3 …・・………………...・ ・ ( 1 2 ) H 04 C面と D面は垂直平板で、あり, GrXPrの値が 1 ~109 範囲であれば層流となる。 C , D面の GrXPr の値がそれぞれ 3 . 0 9 1X1 05 ,3 . 3 6 8X1 05であるため 層流と判断した。適応する式は次のとおりである。 Nu=O.59CGrXP r ) 1 1 4・・………………………・(1) 3 1 4 0 北海道大学農学部邦文紀要第 従って遠赤外線放射体の 6面から自然対流によっ 1 7巻 第 2号 Hs て損う熱量は Nuと式 ( 4 ),( 5 )を用いて求められる。全 被加熱物の表面温度における飽和絶対湿 [ k g / k g ' ] [ k g / k g ' ] 度 Ha 空気中の絶対湿度 c vは 体の対流損失熱量 Q QCV=qA十 qB+2qc+2q n… ・ ・ … . . . . . . . ・ ・・・ . . ( 1唱 H H H ここで物質伝達率は熱伝達係数を求める際と同じ 方法で、求めた。ただし,プラントル数の代わりにシュ となる。 ここで、 Q c v 放射体の全体対流損失熱量 [W] q A :F i g . 3のA面からの対流損失熱量 [W] q B :F i g . 3のB面からの対流損失熱量 [W] 2q c:F i g . 3の C面およびこれに対面する面か [ W ] らの対流損失熱量 2q n:F i g . 3のD面およびこれに対面する面か [W] らの対流損失熱量 B . 正味放射エネルギの理論解析 ミット数, ヌセルト数の代わりにシャーウット数を 1 6, 1 7 )。 それぞれ利用し,物質伝達率を求めた 6削 5, Sc=l ノ/ D . . .・・・・ . . … … … . . . ・ ・..…………… ( 1 7 ) S h = a n l/D. ・ ・・・ . . … . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . ( 1 8 ) H H H H H H H H H H [一] [一] S c S h シュミット数 D 空気中における水蒸気の拡散係数 シャーウット数 [ m ' / s e c J ここで拡散係数 Dは 正味放射エネルギとは被加熱物体の温度上昇に利 用されたエネルギすなわち,顕熱と定義する。従っ て,正味放射エネルギは入力エネルギから前述した 対流伝熱損失量および被加熱物表面からの損失と被 加熱物の表面水分蒸発に必要な蒸発潜熱量を除いた 熱量である。 被加熱物の表面に到達した放射エネルギは吸収, 透過され,一部は空気中へ反射される。なお,遠赤 外線の透過力は弱く,従って透過は無視することと した。 D=DoCT/ 2 7 3 ) m O . 0 3 3 / P ). ・ ・・・ . . . . . ・ . ・. ( 1 9 ) H H H H として求められる。ここで D o :O ' C大気圧下で空気中における水蒸気の [ 0 . 2 2 0X 1 0 4 m '/ s ] 拡散係数 T 境界層の絶対温度 [ K ] m :0 " H, Oの場合 1 . 7 5,他の気体では 2 . 0 圧力 [ k g / c m ' J P シャーウット数は自然対流の場合, ScxGr~2x 1 07 であれば S h=0. 1 6 C S cXG r ) 1 1 3 .・ ・ ・ ・ … ・ ・ ・ ・ … ・ ・ . . . . . . . . . . ・ ・ … ・( 2 0 ) 1 . 被加熱物表面からの蒸発潜熱損失 であり,式 1 (副との関係から整理すると物質伝達率は 正味交換放射エネルギ(以下,交換エネルギで、示 次式から求めることができる。 す〉のうち,一部は被加熱物の表面から水分を蒸発 させる時使われる。 実験試料は水分が 96%であり,自由水と仮定し, ・ . . … … . . . ・ ・ . . … … ・( 1 5 ) H H ただし, 蒸発速度 L 被加熱物の表面温度における蒸発潜熱 表面からの水分蒸発に必要な潜熱量 [W] [ k g / s e c ] m [ k J / k g ] Am 被加熱物の表面積 蒸発速度 wは次の式で表せる。 w=a n/CHs-H a )X3 6 0 0・・・ . . . . . ・ ・・・ . . …( 1 6 ) H H H H H ただし, I H 2 . 被加熱物表面からの対流熱損失 損失熱量の計算は前述した放射体の上向き面の損 失熱量計算と同じ式を用いた。 被加熱物表面からの時間 θにおける対流損失熱 量は次式から求められる。 q v w 偽 H 従って ( 1 5 ),( 1 6 ),( 21)式により蒸発潜熱が求められる。 蒸発潜熱量と水分蒸発速度との関係は次の式で表わ 3, 1 4 ) 。 せる 1 。 =0.28wLA . .… . . . . . ・ m. 1 a n = 0 . 1 6 C S cX G r ) 13 D/l… . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . … … 白 1 ) :物質伝達率 境膜層の温度における比重量 [ m / s e c ] 3 [kg/m] Qk=h A m [ t m ( 8 )一t l J… … . . . ・ ・ . . … . . . ・ ・ . . . . ( 2 2 ) c H H ここで、 t m C θ ) :時問。における被加熱物の表面温度 [ ' C ] [ ' C ] h c 対流熱伝達係数 [ W / m '・ ' C ] Am 被加熱物面積 [ m ' J Qk 被加熱物表面からの対流損失熱量 [WJ 3 . 放射体と被加熱物との交換エネルギ t 1 周囲空気温度 放射体と被加熱物との聞の交換エネルギは次式に より求めることができる 8 , 1 8, 1 9, ' 0, ' 1 )。 1 4 1 韓・夏賀・伊藤:遠赤外線の加熱特性(第 3報 〕 8 )J … ' " ・ ・..……側 QR=Feσ[AoToCAmTm4( 供給して加熱する場合を考える。被加熱物の表面か ただし, ら深さ xにおける温度分布は時間の関数として表 H e=l/[ ( 1 ε /。 ) +C1/em)一1]….......…・…・…… ( 2 4 ) され,まず一定温度で加熱される場合,温度分布 t ここで、 (x, θ) に対する熱伝導微分方程式は QR [WJ ルギ F 遠赤外線放射体と被加熱物との形態係数 [一] 白 。 2T 1oT o x2 αδ0 遠赤外線放射体と被加熱物との交換エネ .放射体の放射率 [一] 22mo である 8, 初期条件と境界条件は ;(x)=t;-tl と定義すると T=tー t l, T θ =0;0 三五 X~玉 L σ :ステファン・ボルツマンの定数 Ao 放射体の表面積 . . . . ( 21 ) 2 [ 5 . 6 7X 1 0 -8W /m . k 勺 [m2] で、 . . . . . ・ ・ . . . ・ ・ .. ( 2 8 ) T=T , (x) … H H . . . ・ ・ . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . , … ・0 的 x=O;8>0で T=O… . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . …( 3 0 ) x=L;θ>0で'T=O ・・ ・ H H H H H H H である。 To 放射体の表面温度 [ K ] e m 被加熱物の放射率 [一] ここで 被加熱物の表面積 [ mJ t ; 被加熱物の初期の表面温度 [ ' c ] t l 一定加熱温度 [ ' c J t こ 経 時 変 化 θによる被加熱物の深さ xi Am 2 Tm(8):時問。における被加熱物の表面温度 [ k ] [ ' c J おける温度 形態係数 Fは次式により求めた 15)。 F=2/πXY{ Jn[c1+X2 )c1十 Y2 ) / ( 1+X2 +y2)J同 十 2 x行 平 子 tan-1(X/';1+y )+Y . ;1+ X2 t a n -1 (Y/、庁工玄2)_Xt a n -1 X-Yt a n -1 Y } . . . .・ ・ . . .. ( 25 ) x [mm] 被加熱物の深さ θ :被加熱物の加熱時間 [ s e c ] 7 )の解を求めるため変数分離法 ( S e p a r a t i o no f 式( H ここで、 一] X=a/b,Y=c/b a 放射体の長さ [mJ b 放射体と被加熱物との距離 [mJ c 放射体の幅 [mJ v a r i a b l e smethod) を利用し,熱伝導微分方程式の 解を次のように仮定する。 T=XYここで X=X(x),Y=Y(θ〉 . . . . . ・ ・ . . … …( 3) T(x, 8)=X(x)Y(8) … 1 ' " ・ ・ H 従って,被加熱物へ伝達される真の正味放射エネ この仮定は境界条件を満足する解が存在する時だ 31)を微分すると け成り立つ。式 ( θ 2T ~;" oT ~~ ; 一 一 =XY : -=Xy, ox o8 “ ルギ(顕熱)は遠赤外線放射体と被加熱物との交換 v エネルギ QRから被加熱物表面からの蒸発潜熱 q および被加熱物表面からの対流損失熱量 Qkを除い たもので次式に示す。 QTR=QR-qv-Qk… . . , ・ ・ . . … … . . . ・ ・ ・・ . . 一 位 。 H H H H ここで Q T R 初加熱物へ伝達される放射エネルギの中 での顕熱 [ W ] C . 試料内部の熱エネルギの移動解析 遠赤外線放射エネルギによって被加熱物が加熱さ れる場合,エネルギは表面から内部へ移動し,内部 H 21)へ代入すると これを式 ( XY=YX・1 / α になり,両辺を整理すると X Y XαY となる。ここで左辺は Xのみの関数であり,右辺は θのみの関数になる。すなわち Xと Oが独立変数で あるため両辺は独立的で、あり,これは両辺が任意の 常数 A 2 と同じであることを意味する。従って上式は X Y _1 2 . XαY の温度が経時的に変化するため非定常の熱伝達とし となり,次のように 2つの線形微分方程式が得られ て解析を行った。 る 。 温度が t ,で維持されている場合,急に表面を一定温 ・ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ ・. 12X=0・ ( 3 2 ) X -, . . . . . ・ ・・・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ 12y=O・ ・・ 3 3 ) Yー α, ・( 度で加熱する場合,または急に表面へ一定な熱量を 3 2 ),( 3 3 )の解 X,Y を求めると T=XYは時間 θに 式( まず被加熱試料を半無限個体と仮定し,初期表面 H H H H H H H 1 4 2 北海道大学農学部邦文紀要第 1 7巻 第 2号 対して式( 2 8 )を満足する。 る。一般解は Y=e-θ λ' aである。 T=XYであり,式 すなわち 倒 , ( 3 3 )の一般解を代入すると T(O,θ)=X(O)・ Y(θ)=0 T =(Acost l x +Bs i nt l x ) e θAa . . .・・..………側 T(L, θ)=X(L)・ Y(B)=O となり,式聞の解になる。式闘は境界条件式 ( 2 9 )によっ 2 H Y三 Oなら T=Oであり,従ってこれは無意味であ 3 0 )によって て T=Oになり, A=Oである。そして式 ( る 。 T=Oになり, θ 2 である。 T =(Bs i nt lL)e→A'aα ' t l Y辛 Oなら X(O)=0,X(L)=0… … … . . . ・ ・ .. ( 3 4 ) H T三 Oであるため B宇 Oの条件を選択する必要があ になる。 3 3 )の解は,1'の符号によって変わる。 従って式問, ( 正確な解を求めるためには境界条件を用いて可能な 解をすべて求めた後適当な解を選ぶ。 解を求める方法は l t2の符号によって次のように 三つの方法がある。 2 l=0の場合 ①t 式聞は X=Oとなり,積分すると X=a,X=aX +bとなり,式。4 )のX(O)=Oにより b=O, a=Oとなる。 従って X三 Oであるため T=Oは無用解である。 2 ②t l>0の場合 式。) 2はそのまま X-tl2 X=0となり,この 2階斉次 微分方程式の一般解は次の特性方程式により求めら x2t l2=0の根は x=: t t Iであり,基本系は X1= eAX,X1= e -AX となる。 従って一般解は X+Be-A Xであり,ここに式倒を代入する X=AeA と A=-Bになるため X三 Oが得られる o しかし境 界条件が満足できなし、。 ③t l2<0の場合 式闘は X+tl2 X=0となり,一般解を求めるため の特性方程式で直すと X A'as T =~ B( A)e-8 i nt l xとなり,この式は にB(tl)e-8A sintlxdtl T= + t l=0であり,根は x=: tt l iであり, 2 基本系は となる。そして式仰は初期条件である式側 (T=Ti (x), θ=0) により T i (か l~oB(仇削'a sint l xd t l E u l e r公式により X, ! X2 は次のように表される。 X1=cost l x + s i nt l x,X2 =COSt l x s i nt l x 従って一般解は X=Acost l x +Bs i nt l xである。 3 4 )の条件により X(O)=Aであり, X(L)= Bs i nt l 式( i nl tL=Oまたは Lである。また条件 X(L)=Oは s 1 : 0T おs i nl tx dxで置換できる。従って式(酬は i( のように示すことができる。 山 主 。 Ti(土) [ 1 : 0e 削 ' a叫 まず Aに対する積分を行い,整理すると 局りこ。 T (幻[e T = 1/2 十 げ/48α- i e-(x+x)'/48 α ,J d土 ・ H ・・ . . . . . ・ ・ . . … … ・ … . . . ・ ・ . . …( 3 8 ) H H H ここでト 平2 =(士平 x)2/4B α 土= 21 五 百 万: tx,d土=2f ( i t id7 } 土=0の場合平=平 x / 2f ( i t i 士=∞の場合7}=∞ この条件を式 ( 3 8 )へ代入すると 日=U T 巴 T〆 /而 ι ι L λ ν d E 〆 百E ム ん / レ . ; 百 ( レ 二 与 } 一 e [ 山 丈 l に〆 什2仔 尻 B尚 d7 断 X/ H z 庁 7 [ [ 山 l 丈 に : : ; ; 乙 ; 〉 乙eFf 吋, dl となり, T 引 i =巴 T ; 〆 / / , f 戸パ一→ 4ηH 甲 r I"x/2/a百 T/Ti=2,(7r1 ) 0 1 e . 'd7 }l=erf(X) ・ ・( 3 9 ) となる。 2 式闘も t l<0の場合 Y+α, l t2 y=0となり, dY/dθ=一 副 2yと整理でき 士s i nt lxdt l ] d土 tl=nπ/Lであり,式。4 )を満足する式( 3 2 )の解を得られ る 。 聞 o u r i e rs i n級数であり, B( A )=2/ 7 r この式は F であり, X1=eλぺ X2=eλi Xとなる。 側 ' a T= れる。 2 i nt lL=O結局 tlL=nπ である。これを る。従って s 級数解で表すと ここで T=t-tl,Ti(x)=ti一t 1 であり, 1 4 3 韓・夏賀・伊藤.遠赤外線の加熱特性(第 3幸 匠 〉 X=x/2f(i8である. e r f ( X )は誤差関数で数表8) か 赤外線加熱による被加熱物の深さ x における温度 ら求めることができる。 が推測可能である。 すなわち,一定な加熱温度 t l (本実験では熱風温 I V . 実験結果および考察 度〉で初期表面温度 tiである被加熱物を加熱すると き時間の変化による表面からの距離 xにおける温 A . 遠赤外線面状放射体の加熱による熱移動距離 度変化 tは側式を整理すると の可視化 t(x, θ )=erf(X)x( ti一t )+t1・ ・・ -( 4 0 ) . . . . . ・ ・ 1 H H H なお,均一な温度分布の被加熱物に対して急に表 面へ一定な熱流速を供給して加熱する場合を考え F i g . 4に面状遠赤外線放射体を用いて加熱時聞を 2 0分間とした場合の試料内部への熱移動状態を示 す 。 る。前述したように被加熱物の表面からの距離 x に 本図に示すように,試料両端の部分である Y方向 よる温度分布を時間の関数として表される。式仰の の 1 , 2 ,9 ,1 0の位置より中央部分である Y方向の 熱伝導微分方程式に対して被加熱物を一定な熱流速 4, 5, 6の位置において 6 0 ' C以上の温度を示す部 で加熱するとき,初期条件と境界層の条件は 分(加熱されて透明になった部分)が深くなった。 θ=0; 0三 五 x三 五 Lで t =ti(x). . . . . . . . . . . . ・ ・ ・ …・ ・4 ( 1 ) θ孟o ;X=Oで QTR=- k ( J t /Jx) … . . . ・ ・ . . . . ω ) 被加熱物を 2 0分加熱した場合,放射体中心部に対 H H となる。この条件により式仰の解を求めると一定な 応する試料中央部分の 6 0 ' C以 上 を 示 す 部 分 は 3.0~4.5mm であった。一方放射体の両端に対応す 表面熱流速で初期表面温度しである被加熱物を加 る試料両端の部分における 6 0 ' C以上を示す部分は 熱する時深さ x における温度変化 tは 1. 5~3.0 t(x, θ)-t ; m mであった。 以上のように, ヨード・デンプン反応を利用して =2QTRf ( i 8 7 7 rXexp[-(x引 a8)]/k1A-QTR土 × [ l e r f ( 土/ 2f(i8)]/klA … . . . ・ ・ . . . . . ・ ・・・ . . 附 遠赤外線の放射エネルギの伝達される過程を可視化 ここで 被加熱物の各部分の熱移動距離に差が生じたことに H QTR H H H 被加熱物へ伝達される放射エネルギの中 での顕熱量 k1 被加熱物の熱伝導率 σ :被加熱物の温度伝導率 正 :被加熱物の任意の深さ および数値化することができた。そして,加熱した 対しては次のことが考えられる。遠赤外線放射体の [W] 2 ・ [W/m K] 表面温度分布は中央部分と端の部分との温度差が 2 物との聞の交換エネルギに影響を及ぼすためであ [m/ s e c ] [mJ θ :被加熱物の加熱時間 [ s e c ] は そして k1 A ndersenの式を利用し, αは次式を 70~100'C ぐらいあり,この温度差が放射体と被加熱 る 。 放射体の温度むらに関しては遠赤外線放射体の製 tlmm 制4 叫} 利用して求めた 2 lOmm"",-20mm k1=MKw十 ( α 1 恥心 4 )Ksx0. 5 7 7 9 ", … . . . … . 日 . . . … . 日. . い . …. … . 口 . . ( 住4 的 α=k1/ C Y ♂ P. M 被加熱物の全量を 1としたときの含水率 [小数表示] 2 [W/m . K ] 2 [W/m . K ] Kw 水の熱伝導率 Ks 固形物の熱伝導率 Cp 被加熱物の比熱 Y 被加熱物の比重量 e(6 ω 詰 喜 ~4 匂 [ J/kg.K] [kg/m3] ち Cp は S i e b e lの式を利用して求めた 24)。 Cp=0.008M十 0 . 2 0 0・ … … . . , ・ ・……'"・ ・ ・ … ・ 血 砂 H M 湿量基準含水率 H [%] 以上の結果,式 4 (伽ミら熱風加熱による被加熱物の 深さ x における温度が推測可能であり,式仰)から遠 9¥ 斗/<p 1 0T . F ig .4 . V i s i b i l i t yo fs a m p l eb yf a ri n f r a r e dh e a t . i n g .C P a n e lh e a t e r ,H e a t i n gt i m e2 0m i n . ) 1 4 4 北海道大学農学部邦文紀要 第 1 7巻 第 2号 EA " ロ U 喜 1 .4 て コ 同 ‘ ω ω :Hz h ω " ' 出し日 ノー¥ J J " y _ . S C / i r o L'. ? L Y : t i o n ・ 8 9 Jo F ig .5 . V i s i b i l i t yo fs a m p l e byf a ri n f r a r e dh e a t - F ig .6 . V i s i b i l i t yo fs a m p l ebyf a ri n f r a r e dh e a t . e a t i n g t i m e 2 0 i n g .C T u b u l a r h e a t e r,H i n g .C I n f r a r e dlamp,H e a t i n gt i m e8m i n . ) m i n . ) 造過程の問題であり,用途により適切な放射体を選 んで使わなければならなし、。 しかし,熱の伝達速度が従来の熱風よりは速いた め乾燥時聞が短縮できることが考えられる。 り大きかった。 試料内部への熱移動状態は前述した面状および棒 状遠赤外線放射体の場合と同様な傾向を示した。 被加熱物を 8分加熱した場合,放射体中心部に対 F i g . 5に棒状遠赤外線放射体を用いて加熱時聞を 0 ' C以 上 を 示 す 部 分 は 応する試料中央部分の 6 2 0分間とした場合の試料内部への熱移動状態を示 2.9~5.9mm であった。一方,ランプの周りに対応 した。 する試料両端の部分は 0.0~4.5mm であった。 本図より,試料内部への熱移動状態は面状遠赤外 線放射体の場合と同じ傾向を示した。 被加熱物を 2 0分加熱した場合,試料両端の 6 0 ' C 面状と棒状放射体に比べて加熱時聞が短いにも関 わらず試料の中央部分の熱移動距離が深い原因とし て,近赤外線ランプの形状は中心部だけ発熱する 以上の温度を示す距離は面状放射体に比べて差が大 フィラメント(色温度 2 4 0 0K)があり,フィラメン きく 0.0~3.2mm であった。これに比べて放射体の トに対応する試料中央部分は交換エネルキeが多く, 中央部に対応する加熱部分は 2.0~5.5mm であっ 従って被加熱物の温度上昇が速くなるためである。 た。このように中央部分と両端との熱移動距離の差 なお,両端の部分の場合,フィラメントから放射す が大きい原因は,棒状遠赤外線放射体の中央部分と るエネルギの被加熱物に当たる角度が直角より小さ 両端の部分との表面温度差のため交換エネルギの差 いほど交換エネルギは少なくなるため熱移動距離が が大きく,さらに棒状放射体ゆ 1 4 . 2 )の場合,幅 1 2 5 浅かったと考えられる。 m mの反射板によって後方への放射エネルギを反射 前述したように,近赤外線の加熱の特徴としては して加熱する部分が多く,放射エネルギを被加熱物 加熱できる面積は狭いが,高エネルギ源として短い へ直接交換する面積が狭いためで、ある。 時聞に深い所まで加熱できることと言えよう。ただ 面状および棒状遠赤外線放射体は各々の加熱特性 し,中央部分だけ深く加熱する短所がある。従って, を持っているが,被加熱物を均一に加熱するために 初期水分が高い農産物および食品を乾燥する際,熱 は面状放射体が望ましいと考えられる。 源として好ましくないと考えられる。 F i g . 6は近赤外線ランプを用いて加熱時聞を 8分 間とした場合の試料内部への熱移動状態を示した。 一方,熱風 1 0 0 ' Cによって被加熱物を 2 0分間加熱 した場合,被加熱物の 2, 4, 6mmの位置の温度 本図にしめすように,試料の周りの部分と中央の はそれぞれ 4 0 . 9,4 0 . 0,3 9 .6 ' Cであり, 4 0分間加熱 部分との熱移動距離の差が面状および棒状放射体よ した場合,それぞれ 4 8 . 6,4 8 . 0,4 8 . 4 ' Cまでしか上 1 4 5 韓・夏賀・伊藤遠赤外線の加熱特性(第 3報 〉 昇しなかった。従って,試料の温度が 6 0 ' C以上にな らない場合は完全に透明にならないので熱移動距離 も小さかったと判断される。 放射面以外の面からの損失は完全に防止すること はでぎないが,断熱材を利用してある程度防ぐこと を数字で表すことができなかった。 以上の結果から,被加熱商に伝達される熱量が最 も大きな熱源は近赤外線ランプであるが,中央部分 に放射エネノレギが集中して加熱むらが大きくなり, ができると考えられる。 c . 正味放射エネルギの計算 1 . 被加熱物表面での蒸発潜熱量と境界層におけ る物性値 熱風加熱は伝熱速度が遅い。 伝熱速度,加熱むらなどを考えると面状遠赤外線 Table3は被加熱物と空気層の間との境界層にお 放射体を熱原として利用するのが望ましいと判断さ ける物性値と被加熱物表面からの水分蒸発に必要な れる。 蒸発潜熱量,拡散係数,物質伝達率および蒸発速度 B . 遠赤外線放射体からの自然対流の熱損失と無 を示したものである。 表に示すように,経時変化にともない拡散係数, 次元数 Table2に面状遠赤外線放射体の放射面 (A面)と 物質伝達率は大きくなり,さらに必要な蒸発潜熱量 それ以外の面 (B, C, D面)について前述した理 も大きくなり,蒸発速度も速くなる傾向が認められ 論式により,対流伝達係数を求めるための無次元数 た 。 これは遠赤外線放射体による被加熱物の加熱時聞 および対流熱損失の計算値を示した。 表に示すように,遠赤外線放射面である A面から の自然対流熱損失は 45.7Wで一番大きく,次が放 が長くなると,被加熱物の表面温度が上昇し,境界 層の温度も上昇する。従って,境界層の温度が高く 射 面 の 反 対 側 の 水 平 面 で あ る B面 で 23.3Wであ なると表面からの蒸発する水分の拡散係数と物質伝 り,次が放射体の横の垂直面の D, C面でそれぞれ 達率も大きくなり,空気層との蒸気圧差も大きく 1 4 . 9,4.8W の熱損失があった。ただし,横の垂直 なったため表面からの水分の蒸発速度も速くなった 面はそれぞれ両面が存在するためその値の 2倍にな と考えられる。 そして,表面からの水分蒸発に必要な蒸発潜熱は る 。 この場合の遠赤外線放射体への入力エネルギは 前述した(15 ) 式に示すように被加熱物の蒸発速度に比 415Wであり,放射体の 6面から自然対流によって 例して増加し,そのうえ予熱期間中の放射エネノレギ 損失する熱量は 1 0 8 . 4W であった。従って,全体の は顕熱として利用されるが,経時変化とともに被加 入力エネルギの 26%が自然対流により損失する。 熱物の表面の水分の蒸発潜熱として利用されるため 今回の実験で熱損失に最も大きな影響を及ぼした 大きくなったと考えられる。 3 57 ' Cと 362.5cm'である A面が熱損失が最も大き 2 . 被加熱物表面からの対流鮒員失計算 Table4は被加熱物の表面温度による無次元数の かった。遠赤外線放射面の反対側の水平面である B 変化と遠赤外線放射体と被加熱物との交換エネルギ 面の面積は放射面とほぼ同じであるが,表面温度が のうち自然対流損失量を計算したものである。 因子は,放射面の温度と表面積であり,それぞれ 約1 0 2 ' Cで放射面より低いため周囲温度との差が小 さく,熱損失が小きかったと判断される。水平面に 比べて垂直面の面積は 1/2.5~1/8 に相当し,熱損失 表に示すように,被加熱物の表面温度が上昇する ほど損失熱量が増加する傾向を示した。 )式に示すように周囲の空気層と被加 この原因は(22 T a b l e2 . Ca1 cu l a t e dv a l u e so fh e a tl o s sandd i m e n s i o n l e s sv a r i a b l e sf o rv a r i o u ss u r f a c e s o ff a ri n f r a r e dh e a t e r Geometry Gr Pr Nu h c K) (W/m2・ ( Q W c v 〕 Heater t e m p . ( ' C ) Lowers u r f a c e(A) Uppers u r f a c e (B) (C) V e r t i c a l 6.171E+07 8.107E+07 4.820E+05 4403E+05 0 . 6 8 5 0 . 7 0 4 0 . 6 9 9 0 . 7 0 2 2 1 . 7 7 4 5 3 . 8 8 0 1 4 . 2 1 6 1 3 . 9 1 2 3 . 8 4 1 6 . 4 4 7 1 0 . 2 1 5 9 . 7 4 6 4 5 . 7 5 1 2 3 . 3 6 7 1 4 . 9 0 7 4 . 8 1 0 3 5 7 1 0 2 1 3 0 1 1 0 V e r t i c a l (D) 目 北海道大学農学部邦文紀要第 1 7巻 第 2号 1 4 6 T a b l e3 . C a l c u l a t e dv a l u e so ft h el a t e n th e a to ft h ee v a p o r a t i o nfroma g a rs u r f a c eand . p r o p e r t i e so fboundaryl a y er 目 目 Qv W -a ょ っ ・・目・・・・・・・- 企 T a b l e4 . C a l c u l a t e dv a l u e so fc o n v e c t i o nh e a tl o s sandd i m e n s i o n l e s sv a r i a b l e so fa g a r s u r f a c e 門 , t n 同d n,a OKUFhdnxUAHυa宮 A vnxuphda宮 A 内 udnudnHVA4Hs τ i F U にd F b o u o o A b Q J 0 0 4 a t i ヴt o u ワ 臼 nyzυ 目d a 4 ι υ 7 ' A り つ d a 佐 官 inhuFhdnhu'iqL A314 44 白V 7 a A U d A H V A H v n J 4 14 ウSAHVAHV 1 4 1よ 市 i ' i t - u q ' uム qワ uqdqdA 佳戸U 4 . 4 8 4 4 . 6 3 6 4 . 7 1 3 4 . 8 1 9 4 . 8 8 7 4 . 9 9 3 5 . 1 1 3 5 . 2 0 4 5 . 2 8 1 5 . 3 5 9 5 . 4 0 7 5 . 4 9 1 5 . 5 3 2 5 . 5 7 1 5 . 6 1 0 5 . 6 4 0 5 . 6 8 4 5 . 7 2 4 5 . 8 6 3 5 . 9 5 2 6 . 0 1 0 6目1 0 5 S A T ι U F O告 S の百円 i 2 9 . 2 9 5 3 0 . 2 0 5 3 0 . 6 6 1 3 1 . 2 7 7 3 1 . 6 7 2 3 2 . 2 7 5 3 2 . 9 4 8 3 3 . 4 5 3 3 3 . 8 7 3 3 4 . 2 9 1 3 4 . 5 4 8 3 4 . 9 9 0 3 5 . 1 9 9 3 5 . 4 0 2 3 5 . 5 9 8 3 5 . 7 5 1 3 5 . 9 7 2 3 6 . 1 6 8 3 6 . 8 4 2 3 7 . 2 5 8 3 7 . 5 2 1 3 7 . 9 4 8 戸 、υFhd 0 . 7 0 9 0 . 7 0 9 0 . 7 0 9 0 . 7 0 9 0 . 7 0 9 0 . 7 0 8 0 . 7 0 8 0 . 7 0 8 0 . 7 0 8 0 . 7 0 8 0 . 7 0 8 0 . 7 0 7 。 目7 0 7 0 . 7 0 7 0 . 7 0 7 。 ー7 0 7 0 . 7 0 7 0 . 7 0 7 0 . 7 0 6 0 . 7 0 6 0 . 7 0 6 0 . 7 0 5 つd O B n υ 8.570E+06 9.688E+06 1 .029E+07 1 .114E+07 1 .172E+07 1 .264E+07 1 .373E十 0 7 1 .460E+07 1 .535E+07 1 .613E+07 1 .662E+07 1 .749E+07 1 .7 9 1E+07 1 .833E+07 1目875E+07 1 .907E+07 1 .955E+07 1 .999E+07 2.153E+07 2.253E+07 2.318E+07 2.427E+07 “ ヮ 。 , ., , qJ 4 2 . 0 0 4 4 . 0 0 4 5 . 1 0 4 6 . 7 0 4 7 . 8 0 4 9 . 6 0 5 1 . 8 0 5 3 . 6 0 5 5 . 2 0 5 6 . 9 0 5 8 . 0 0 6 0 . 0 0 .0 0 61 6 2 . 0 0 6 3 . 0 0 6 3 . 8 0 6 5 . 0 0 6 6 . 1 0 7 0 . 2 0 7 3 . 0 0 7 4 . 9 0 7 8 . 2 0 旬 つ , .. 、 “ , qLq'U9 川官 “ っiu h c CW/m'・ K) 7aqdRυ 田 ・・・・,目- 例 i 守 Nu U 巧t 1ム ハ U F h u z J ι u n J Q d c O ウ a 1よ Q d n b Q d 白 ワ unhuod1Aphu Fhdnhuphu ワ6 n x u n u J 0・ UAHUA Hυ 内L 。 ハリハリハリハ U n u n U A り ' i ' i I の4 っ胃1 1 よ 唱 ー, 咽, a 円i ι u p o p o n d ウa 7・ ヴ t 巧i n t 7 ・ 7e ウt 7 ・ 7・ HVAH HV AHVAHVAHVAHVAHVAHVAHVAHVAHVAHVAHV H ハリハ リハ +++十++十十+++++ +十 EEEEEEEEEEEEEEE 白ハヨ O B a qu 巳d n i n υ q o 0 6 8 a τ q d ハ ヨ oEaa20 ・ 民υ り巧i Q d 唱i p h U 0 6 ム 7 qdFhuoo'iAυιUA ooqJ7 Aυ ハ リ n u t - - i t - - i q L q d n J a 生 d生 れ つ -“ ----------且U Q d q d 1 ム ? ム 1 ム 1 4 1 A 1 ム I L I A - ム 1 ム 1A 唱1 HυAHUnHunHUAHUAHUAHU ハ HVAHUAHUA川 υnHUnHυAHυAHU ハ ・・・・・・・目・・・ MOnMonkUAXunxunxuoxunxU 0バunxunNUnxonMOnxunxU ハ HUAHUAHUAHUAHリ AHυAHunHUAHunHUAHVAHυAHUAHVAHυ ハ vnhu £u a u p n u £U phυphUβhunhunhupnvnhυnhunhUF内 にdFhdFhdFhdFhdFhdFhdFhdphdFhdFhdFhdFhdF同 υFhd HVAHυnHUAHUAHυ υAHυ nHVAHυnHUnHり nHvnHυAHυAHυ ハ 川 ハ 円 円 一一一一一一一一一一一一一一一 巧 j 円 t 唱i n り ιυ 4doon4ιuηru i q J 4 4 Aせ に d F U F O R b o O A U - - 9 ウt η t 々t i n i 巧d ウa 巧4 0 0 0 0 0 0 i 巧t R υ n d d n δ 。υ t i q ' u ni 。 百 円 ワ'円 EEEEEEEEEEEEEEE phuphunhunhvnhυphUβhunhUρhuphupUnhvpnυnhunhU A Hり nHυAHVAHvnHUAHunHUAHVAHVAHVAHUAHυAHVAHUAHV “ ヮ 1111 11111111111 一一一一一一一一一一一一一一一 n i ' i F h u o o q L F U ワa q d T よ A後 7・ ι υ q d ウt z o り ハ HU14 F h d p o n h υ ι u n i 7 a n i 7 nNUORunxunudA n吋d A吋dvA吋dnvuAudn吋dnwunwunuJA叫dAWdAWUAHUAHUnHU ・ EEEEEEEEEEEEEEE 川 nHunHυnHυAHυ AHVAHυAHυAHVAHυAHUAU 川 AHυAHUAHunυ ・・・・・目・・ 1・1・1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 R U 4坐 A - 8 4 q J q δ q J q d η δ q δ のL o b - ム Tムハり 1 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11 1 1 1 ---------- ・ -----・・目 , ti 唱i n r u q d a A 2 a q“ 戸、 υ 戸川υ ι U F O η t n H A υ aA2aA官 a n宝 a A官 S A宝 an-Aan-Aamy A宅 a のりハ UFhdnυ ハυ ハリハ U A υ n u n υ p h d n υ n υ E J A υ ハ リ 05Fhuη4qru 円i q 7 1 ム 句 tηLnzδ7aphvqd Pr ( 品 〕 Gr 内、 υ q J q J q J q J q d q d q o q a q d q t u q t u ﹃u q δ q J HUnHυAHVAHUnHVAHunHυnHunHUAHU AHυnHunHVAHVAHυ --一一一一ハ一一一一一一一一一 EEEEEEEEEEEEEEE ・ ・・ , aA宅 Q d A U 4A 巧d q d ι u a 告 PO ウt 7 44 q u ι υ Q u u U 司i G υ F h υ A υ ' i q d n υ η δ n w d F h d 唱i p o n J 0 ・ り A Uつd A A F D 7 n J 4佳 戸 、υphU 円i n t O B n y q d ハ ..... 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F c t 2 2 7 1 1 4 7 〕 韓・夏賀・伊藤:遠赤外線の加熱特性(第 3報 熱物の表面温度との差が損失熱量に影響を及ぼすた 温が上昇するため,交換エネノレギの内 90%以上が被 めである。すなわち,被加熱物の表面温度が上昇す 加熱物の温度上昇に使われ,顕熱が増加する。しか ることにより周囲の空気温度と差が大きくなるため し,被加熱物の温度が上昇することにより顕熱は減 である。 少し,交換エネルギが蒸発潜熱として使われる分が 3 . 放射体と被加熱物との交換エネルギと顕熱 増える。 Table5に遠赤外線放射体と被加熱物の表面温度 D . 測定温度と理論計算温度との比較 F i g .7a,b,cに遠赤外線放射体によって被加熱物 変化にともなう交換エネルギと被加熱物の加熱に使 を加熱した時,表から 2, 4, 6mm深さの温度変 われた顕熱の計算値を示した。 表に示すように,交換エネルギは被加熱物の表面 化の測定値と理論値の比較を示す。 温度の上昇によって大きな減少は認められなかった 本図に示すように,各深さにおける温度の測定値 が,顕熱として使われる放射エネルギは経時変化お 4 3 )を用いた理論値とはほぼ一致することが認め と式( よび表面温度の上昇により大きく減少した。 られた。 放射体から被加熱物への交換エネノレギは そして,前述した F ig.4の熱移動距離測定値によ W であり,これが顕熱および潜熱に れば加熱して 2 0分経過したとき熱移動距離が中央 96.25~93.93 使われ,被加熱物の表面からの自然対流損失分も含 まれる。 8 0 2 3 ),( 2 4 ),凶式を用いて計算した。 交換エネルギは( . . . 被加熱物を加熱すると予熱期間として被加熱物の品 @ - AU e ・0 0 o 0 ー oCalculatedvalues(2mm) • E x p e r i m e n t a lv a l u e s(2mm) 2 0 0 3 0 0 6 0 0 9 0 0 1 . 2 0 0 H e a t i n gt i m e( s e c ) F ig .7 a . Comparison o fe x p e r i m e n t a l and c a l c u l a t e dv a l u e s by f a r i n f r a r e d h e a t i n g . C t h i c k n e s s2mm) 8 0 60 岳 - A A A a A 4 色 4 ト ムC a l c u l a t e dv a l u e s( 4 r n r n ) -A -品 目 9 l .0 5 8 9 . 7 0 8 8 . 9 5 8 7 . 9 9 8 7 . 1 7 8 5 . 5 3 8 3 . 6 1 8 l .6 6 7 9 . 6 1 7 8 . 1 7 7 6 . 0 2 7 3 . 3 0 7 1 . 8 6 7 0 . 3 5 6 8 . 7 6 6 8 . 4 1 6 5 . 3 9 6 3 . 5 4 5 5 . 4 5 4 8 . 5 1 4 5 . 4 9 3 4 . 3 0 ﹂E o sq 9 6 . 2 6 9 6 . 1 3 9 6 . 0 6 9 5 . 9 5 9 5 . 8 7 9 5 . 7 5 9 5 . 5 9 9 5 . 4 6 9 5 . 3 5 9 5 . 2 2 4 9 5 .l 9 4 . 9 9 9 4 . 9 1 9 4 . 8 3 9 4 . 7 5 9 4 . 6 9 9 4 . 6 0 9 4 . 5 1 9 4 . 1 7 9 3 . 9 3 9 3 . 7 7 7 9 34 (ULEEEaEω ト 3 1 5 . 0 0 3 1 7 . 0 0 3 1 8 . 1 0 3 1 9 . 7 0 3 2 0 . 8 0 3 2 2 . 6 0 3 2 4 . 8 0 3 2 6 . 6 0 3 2 8 . 2 0 3 2 9 . 9 0 .0 0 3 3l 3 3 3 . 0 0 3 3 4 . 0 0 3 3 5 . 0 0 3 3 6 . 0 0 3 3 6 . 8 0 3 3 8 . 0 0 3 3 9 . 1 0 3 4 3 . 2 0 3 4 6 . 0 0 3 4 7 . 9 0 3 5l . 20 A U τ 6 3 0 . 0 0 AU N e th e a t g a rs u r f a c e G r o s sh e a t H e a t e r A x c h a n g e C W ) e m p . C C ) e x c h a n g e C W ) e t e m p . C K ) f 。 .l F e ( U )EEEωaEωlF ・ a d i e n th e a t exchange between T a b l e5 . R f a ri n f r a r e dh e a t e randa g a rs u r f a c e 60 • E x p e r i m e n t a lv a l u e s(4mm) 2 0 0 3 0 0 6 0 0 9 0 0 1 , 20 0 H e a t i n gt i m e( s e c ) F i g .7 b . Comparison o fe x p e r i m e n t a l and c a l c u l a t e d v a l u e s by f a r i n f r a r e d h e a t i n g . C t h i c k n e s s4mm) 1 4 8 第 北海道大学農学部邦文紀要 8 0 1 7巻 第 2号 5 0 e D “ 伺 h E 9 nv ・ ﹁E 6 0 0 3 0 0 9 0 0 9 qJ ロCalculatedvalues(6mm) • E x p e r i m e n t a lv a l u e s(6mm) 向M 2 0 0 -ロ- ロ e 4 0 υ n 白 4 0 血 " ' ト 目 白 E 白 凸 ・ ω60 h (U )EEEωaEωlF 巳J 2 0 1, 2 日 • oCalcu!atedva!ues(2mm) • E x p e r i m e n t a lv a l u e s(2mm) 6 0 0 0 H e a t i n gt i m e( s e c ) omparison o fe x p e r i m e n t a l and c a l c u . F ig .7 c . C l a t e dv a l u e s by f a r i n f r a r e dh e a t i n g, C t h i c k n 巴 部 6mm) @ 1, 2 0 0 5 0 6 0 ' C以上であることを意味する。 Fig,7より加熱時 - u 4 0 A ω 』 A ロ 儒 このように両者が等しい値を示すことから放射体 と被加熱物との聞は放射伝達過程として解釈でき A 』 邑 よって加熱すると L、う解釈より被加熱物の表面から 。 。 の非定常熱伝導として解釈するのが望ましいと考え E x p e r i m e n t a lv a l u e s(4mm) 1, 2 0 0 6 0 0 , 18 0 0 F ig .8 b . Comparison o fe x p e r i m e n t a l and c a l c u . l a t e dv a l u e s by h e a t e da i r .C t h i c k n e s s4 mm) 温度の測定置 2 ,4mmの場合,非定常熱伝導式( 3 9 ) 5 0 を用いて被加熱物の内部温度の計算値は測定値の温 - 度と一致することが認められた。測定位置 6mmの 遠赤外線加熱と熱風加熱との温度上昇を比較して みると,遠赤外線加熱の場合の加熱 8分後深さ 6 m mの位置が 5 0 ' Cぐらいまで上昇するが,熱風加熱 の場合 4 0分ぐらいで等しい温度になった。このよう に遠赤外線加熱が熱風加熱より被加熱物の内部温度 ロ ロ 白 日 日 ロCalcu!atedva!ues(6mm) • E x p e r i m e n t a lv a l u e s(6mm) 目 からも熱が伝導され,下の面から近い 6mmの位置 にも影響を及ぼすためで、ある。 - - ロ 凸 ト戸 風加熱の場合被加熱物の全方面から加熱し,下の面 ・ 8 0 0s e c以後 4mmと 6 じになる。このように加熱 1 m mの位置の測定値の温度が等しくなる原因は,熱 )EEEEEω (U 後からの測定値の温度が 4mmの位置の測定値と同 00 4 3 場合も,ほぼ一致しているが,加熱時間 1 8 0 0s e c以 4 0 0 2, H e a t i n gt i m e( s e c ) られる。 化の測定値と理論値を比較したものである。 C a l c u ! a t e dv a ! u e s(4mm) ・ ト畠岳 畠 F i g .8a,b,cは 1 0 0 ' Cの熱風によって被加熱物を 企 3 3 0 る。しかし,電磁波のように被加熱物の分子振動に 加熱した時,表面から 2 ,4 ,6mmの深さの温度変 且 A 間2 0分の被加熱物の深さが 4mmの位置で測定値 していることが分かった。 2, 4 0 0 F i g .8 a . Comparison o fe x p e r i m e n t a l and c a l c u . l a t e dv a l u e s by h e a t e da i r .C t h i c k n e s s2 mm) の部分の場合 4mm前後であり,この位置の温度 および理論値が 6 1 ' C前後を示しており,両者が一致 , 18 0 0 H e a t i n gt i m e( s e c ) 2 0 0 6 0 0 1, 2 0 0 , 18 0 0 2, 4 0 0 ' H e a t i n gt i m e( s e c ) F i g .8 c . Comparison o fe x p e r i m e n t a l and c a l c u . l a t e dv a l u e s by h e a t e da ir .C t h i c k n e s s6 mm) 1 4 9 韓・夏賀・伊藤:遠赤外線の加熱特性(第 3報) を速く上昇させた。これは両者のエネルギの伝熱過 率的であると考えられる。 程が異なると同時に被加熱物へ伝達される熱量にも 伝熱速度,加熱むらなどを考えると面状遠赤 差があるためとも言える。しかし,熱風加熱を利用 外線放射体を熱源として利用するのが望ましい して遠赤外線加熱と同じエネルキ'量を被加熱物へ伝 と判断される。 熱するためには,相当な燃料あるいは電力量が必要 であろう。従って,熱風を利用するよりは遠赤外線 の方が省エネルギ的な熱源として十分価値があり, 効率的であると判断される。 V .要 約 遠赤外線加熱における浸透深度の測定方法や評価 方法および遠赤外線放射体からの放射エネルギの伝 熱過程の理論解析がまだ確立されていなし、。 そこで,本研究では遠赤外線放射体からの放射エ ネルギの伝熱過程を理論的に究明し, ヨード・デン プン反応を応用して遠赤外線の熱移動状態を可視化 および数値化することを目的とした。また,対照区 として熱風加熱実験区を設けた。以下にその結果を 示す。 1 . 遠赤外線の放射エネルギの伝熱過程を寒天お よびヨードとデンプン反応を用いて可視化およ び数値化することができた。 しかし, 1 0 0 . Cの熱風加熱の場合,被加熱物が 6 0 . C以上にならず, ヨード・デンプン反応によ る伝熱過程の可視化および数値化はできなかっ た 。 2 . 非定常熱伝導式闘は水分が含まれている被加 熱物を使う際,被加熱物の表面からの蒸発潜熱 および対流損失を考慮する必要がある。 3 . 測定温度と理論計算温度がほぼ一致したた め,遠赤外線による加熱特性は物質の中まで浸 透して分子振動により内部を加熱するのではな く,大部分は被加熱物の表面からの伝導による 加熱過程であると判断される。 4 . 被加熱面に伝達される熱量が最も大きい熱源 は近赤外線ランプであるが,中央部分に伝達さ れる熱量が集中して加熱むらが大きかった。そ して,熱風加熱の場合,伝熱速度が遅いため加 熱時間すなわち乾燥時聞が長くなる。 5 . 遠赤外線加熱が熱風加熱より被加熱物の内部 温度が速く上昇するため省エネルギ的である。 遠赤外線加熱による被加熱物表面へ放射される エネルギは近赤外線ランプより少ないが,むら がすくないため加熱および乾燥の熱源として効 引用文献 1.伊藤和彦:遠赤外線の農産物への利用.農産物流通 技術研究会第 5 9回: 1 21 .1 9 8 8 2 . 肥後温子・電子レンジ・マイクロ波食品利用ハンド ブック. 日本工業新聞社: 2 2 3 2 .1 9 8 7 3 . 韓忠、旅,伊藤和彦:遠赤外線の加熱特性(第 l報〕 受熱板の色調と吸収熱量について.北大農邦文紀, 1 6 :2 5 6 2 6 2 .1 9 8 9 4 . 韓忠沫,伊藤和彦:遠赤外線の加熱特性(第 2報〕 色素の分解度.北大農邦文紀, 1 6 :2 7 7 2 8 1 .1 9 8 9 5 . 中沢文子:電子レンジによる食品の加熱と温度分 布.食品加工技術, 7 ( 2 ) :2 8 3 4 .1 9 8 7 3 31 .1 9 7 8 6 . 日本機械学会編:伝熱工学資料. 1 7 .F .A . HOLLAND著,若林嘉一郎訳:伝熱工学.培 風館: 2 4 1 8 6 .1 9 7 4 .P. HOLMAN: Heat Transfer . McGRAW 8 .J HlLL: 1 3 1 2 7 0 .1 9 8 6 9 . WARREN H.GIEDT著,横堀進,久我修訳:Engi. n e e r i n gheatt r a n s f er.丸善: 1 8 2 2 3 0 .1 9 7 7 1 0 . 空気機械工学便覧委員会編:空気機械工学便覧コ ロナ社: 1 9 .1 9 7 9 1 1 .J I I口将徳:遠赤外放射加熱の板ガラスへの応用.電 熱 , 3 0・6 5 6 9 .1 9 8 6 1 2 . 清水賢:遠赤外線による加熱理論,遠赤外線利用 の最新技術.工業技術会 6 1 6 .1 9 8 7 .L .PERRY著,高倉直ら 1 3 .S .M. HENDERSONandR 3 2 2 7 4 . 訳.農業プロセス工学.東京大学出版会・ 2 1 9 7 2 1 5 .1 9 8 6 1 4 . 日本機械学会編:蒸気表. 4 9 1 0 6 . 1 5 . 化学工学協会編・化学工学便覧.丸善:9 1 9 8 8 4 4 4 . 1 6 . 井上宇市・空気調和ハンドブック.丸善: 1 1 9 6 7 1 7 . 小林清志:移動論,流体運動量・熱・物質,朝倉書居: 1 9 1 2 2 4 .1 9 7 3 6 1 3 7 6 . 1 8 . 化学工学協会編:化学工学便覧.丸善: 3 1 9 8 8 1 9 . 室蘭テクノセンター:チコリ,午芳等農産物の乾燥 1 51 .1 9 8 9 装置の開発. 4 n d u s . 2 0 . 清水賢・遠赤外線利用技術. New food i t r y,2 9 ( 4 ):4 9 .1 9 8 7 2 1 .) 1 1口将徳:遠赤外線加熱の原理と応用.燃料および 燃焼, 5 2 :8 3 9 8 5 7 .1 9 8 5 北海道大学農学部邦文紀要第 1 7巻 第 2号 1 5 0 2 2 .P .J . SCHNEIDER: C onduction h e a t t r a n s f e r . is h i n gc O . :9 7 2 9 0 .1 9 5 5 A d d i s o n w e s l e ypub1 .ARPACI:C o n d u c t i o nh e a tt a r a n s f e r . 2 3 . VEDAT S 8 0 4 2 3 .1 9 6 6 A d d i s o n w e s l e yp u b l i s h i n gc O . :1 2 4 . NURIN,MOHSENIN,林弘通訳:食品の熱物性. 光 琳 :1 1 9 3 .1 9 8 5 Summary T h i si n v e s t i g a t i o nwasc a r r i e do u tt ot h e o r e t i c a l l y f i n do u th e a tt r a n s f e rphenomenafromaf a ri n f r a . r e ds o u r c et oah e a t e ds a m p l e . To v i s u a l i z e and numerate h e a t e dd e p t h by f a r o d o s t a r c hr e a c t i o nwasa p p l i e d . i n f r a r e dr a d i a t i o n,i Ther e s u l t swerea sf o l l o w s: ( 1 ) I t was p o s s i b l et ov i s u a l i z e and numerate t h eh e a t e dd e p t ho ff a ri n f r a r e dr a d i a t i o nbyu s i n g i o d o s t a r c hr e a c t i o n . twasr e q u i r e dt oc o n s i d e rb o t hl a t e n th e a t ( 2 ) I o fv a p o r i z a t i o nfroms a m p l es u r f a c eandh e a tl o s s byc o n v e c t i o ni nt h eu s eo fu n s t e a d y s t a t ec o n d u c . 3 )f o rwets a m p l e s . t i o ne q u a t i o n( e q u a t i o n4 ( 3 ) Wec o n c l u d e dt h a tt h ei n s i d eo ft h es a m p l e s wasn o th e a t e dbyp e n e t r a t i n gf a ri n f r a r e dr a y sb u t byh e a tc o n d u c t i o nfromt h esamples u r f a c e . ( 4 ) As t h es a m p l e s were h e a t e df a s t e r by f a r twase s t i . i n f r a r e dr a d i a t i o nt h a nbya i rh e a t i n g,i matedt h a tf a ri n f r a r e dr a y sd r y i n gwasane n e r g y s a v i n gm e t h o d . The amount o fh e a tt r a n s m i t t e d byf a ri n f r a r e dr a d i a t i o nt osamples u r f a c ewasl e s s u tt h eh e a t t h a nt h a to fi n f r a r e d lamp h e a t i n g,b d i s t r i b u t i o no ft h ef o r m e rwasmore u n i f o r mt h a n twase s t i m a t e dt h a tf a ri n f r a . t h a to ft h el a t t e r . I r e dr a y swasmoree 任 巴c t i v ea sad r y i n gh e a ts o u r c e . ( 5 ) I n f r a r e d lamp was t h el a r g e s th e a ts o u r c e u ti ta l s o t h a tt r a n f e r r e dh e a tt osamples u r f a c e,b had t h el a r g e s tu n u n i f o r m i t yo fh e a t i n gb e c a u s ei t c o n c e n t r a t e di t sh e a t on t h ec e n t e ro ft h eh e a t e d s u r f a c e . F a r i n f r a r e dr a d i a t i o ni sd e s i r a b l ef o rd r y i n ga g r i . c u l t u r a lp r o d u c t s . I n f r a r e d lamp was t h el a r g e s t h e a ts o u r c et h a tt r a n s f e r r e dh e a tt os a m p l es u r f a c e, b u ti ta l s ohadt h el a r g e s tu n u n i f o r m i t yf o rh e a t i n g . A i rh e a t i n g method n e e d sal o n g e rh e a t i n g and d r y i n gt i m eb e c a u s eo fi t sp o o rt r a n s m i t t i n gr a t e .
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