東京大学大学院情報理工学系研究科 創 造 情 報 学 専 攻 入 試 案 内 書 修士課程/博士課程/博士課程〔社会人特別選抜〕 平成 19(2007)年度 問い合わせ先 〔専攻事務室〕 東京都文京区本郷 7-3-1 〒113-8656 東京大学工学系・情報理工学系等学務支援グループ 専攻チーム(創造情報学専攻) 電 話 03-5841-6888 入試案内 Web ページ http://www.i.u-tokyo.ac.jp/の「創造情報学専攻」の項参照 注意: 本冊子は,「情報理工学系研究科学生募集要項」のうち,本専攻にかかわる内容の みを記したものである.必ず「情報理工学系研究科学生募集要項」を参照すること.入学願 書を提出する場合はWebページの印刷ではなく,紙文書として配布される冊子を使用するこ と. 1. 修士課程 1.1 試験日程 (1) 一般教育科目 数学,または,プログラミングを出願時に選択する. 日時・場所 (場所は当日,工学部 6 号館正面入口 試験科目 内 容 に掲示する) 6 問の問題の中から 3 問解答する. 平成 18 年 8 月 21 日(月) 10:00~12:30 数学 工学部 6 号館(詳細は掲示を参照) 平成 18 年 8 月 21 日(月) 午前は,各自がノート PC を持参し,与えられる 10:00~12:30 課題についてのプログラムを作成する.プログラ 13:30~16:00 (午後の終了時刻は受験者数による) 工学部 6 号館(詳細は掲示を参照) プログラ ミング ミング言語は各自の得意なものを使用してよい. (ノート PC 不所持者には貸与するので,1 週間 以上前に申し出ること.) 午後は,各自のプログラムについて個別に数分 間の簡単な口頭試問を行う. 注意:(a)プログラミングの試験に必要な各自のノート PC については,上記の内容の項を参照.ノート PC に はプログラムの作成・実行環境を実装してくること.使用するプログラミング言語のマニュアルを 1 冊に 限り持ち込んで試験中に参照することを許す.試験中のネットワーク接続は認めない.作成したプログ ラムファイル等を提出するために,USB,PC カードスロット等が使えることを確認しておくこと.提出用 USB メモリ,PC カードメモリは専攻で準備する. (b) プログラミングを選択した者はその日の午後,試験で用いたノート PC をプロジェクタに接続し,プ ログラムや実行画面を表示しながら一人一人質問に答えてもらう.ノート PC にモニタ接続用端子 (Dsub-15pin 型)がない場合には,ノート PC 用のモニタ接続ケーブル等を忘れないこと.口頭試問の おおよそのスケジュールは事前に通知するが,実際の受験状況に応じたスケジュールは午前の試験 終了時に伝える. (2) 外国語 外国語は TOEFL の成績を利用し,筆記試験を行わない. (3) 専門科目 以下の 5 つの専門科目のうちの 1 つを出願時に選択する.他専攻の専門科目を受験す る場合,試験場所や内容については当該専攻の入試案内書を参照すること. 日 時・場所 専門科目 平成 18 年 8 月 22 日(火) 10:00~12:30 工学部 6 号館 2 階 61 号講義室(予定) 平成 18 年 8 月 22 日(火) 9:30~12:00 および 13:30~16:00 平成 18 年 8 月 22 日(火) 10:00~13:00 平成 18 年 8 月 22 日(火) 10:00~13:00 容 ソフトウェア・アルゴリズム,コンピュータ 創造情報学 コンピュータ 科学 数理情報学 システム情報学 平成 18 年 8 月 23 日(水) 9:00~11:30 内 ハードウェア,情報システムに関する問 題が出題される.3 問解答する. コンピュータ科学専攻入試案内書を参 照すること. 数理情報学専攻入試案内書を参照す ること. システム情報学専攻入試案内書を参照 すること. 電子情報学専攻入試案内書を参照す 電子情報学 ること. (4) 口述試験 平成 18 年 8 月 23 日(水)13:30~17:00,工学部 6 号館 2 階 61 号講義室(予定) 口述試験のおおよそのスケジュールは事前に伝えるが,受験状況に応じた実際のスケジュールは当 日口述試験を行う部屋の前に掲示する.口述試験では,筆記試験の内容や,現在の研究テーマ, 大学院での研究テーマ志望などについて口頭試問する. 1.2 志望調査票の提出 志望調査票(修士課程用)は出願書類と一緒に提出すること.本専攻では,専任指導教員 1 名あたり の各年度学生配属定員は 3 名を原則とし,兼担教員についてはこのおよそ半数とする.記入に際して 必要になったことに関しては専攻事務室を窓口にして申し込めば,関係教員が相談に応じる.合格内 定者に対しては,指導教員をただちに内定する. 1.3 一般教育科目と専門科目の試験免除を希望する場合の提出書類 情報システム創造や専門科目に関して顕著な実績を有する受験生で,筆記試験(一般教育科目と専門科 目の試験)の免除を希望する場合には,以下の書類を出願書類と一緒に提出すること.以下の書式はコピ ーしたものでよい. 一般教育科目・専 略歴・申請理由を申請書書式に書くとともに,出願者の創造した情報システムや専 門科目試験免除 門科目に関する顕著な実績に関する説明を A4 版任意用紙 2 枚程度にまとめたもの 申請書 を必ず添付し,さらにその実績を客観的に証明できる賞状,記事,作品や出版物等 があればコピーを添付すること. 2 名の評価者から出願者の顕著な実績に関する評価を記入したものをそれぞれ 1 通 推薦書 ずつ提出すること.評価者は,官公庁,企業及び団体等の所属機関の上司,指導 教員,その他本人の経験及び能力を熟知している者とする. 成績証明書 学部(教養課程を含む)の成績証明書.(学内の受験生の場合も提出すること) 研究計画書 入学後の研究計画を,A4 版任意用紙 2 枚程度にまとめたもの. 免除がなされるかどうかに関しては,7 月中に本人へ連絡する.免除が許可されなかった場合には, 一般教育科目と専門科目の試験を通常通り受験すること. 2. 博士課程 / 博士課程〔社会人特別選抜〕 2.1 試験日程 i)出願分類 I (1)1 次試験 日時・場所 (試験場を変更する場合は当日に工学部 6 試験科目 内 容 号館正面入口に掲示する) ソフトウェア・アルゴリズム,コンピュータ 平成 18 年 8 月 22 日(火) 10:00~12:30 工学部 6 号館 2 階 61 号講義室(予定) 専門科目 ハードウェア,情報システムに関する問 題が出題される.3 問解答する. 平成 18 年 8 月 22 日(火) 修士論文またはそれに代わる研究内容 13:00~17:00 について発表し(概ね 15~20 分程度, 工学部 6 号館 2 階 61 号講義室(予定) プロジェクタ使用可),その後に口頭試 (口述試験のおおむねのスケジュールは事 口述試験 問を行う.口頭試問の中で博士課程で 前に知らせるが,受験状況に応じた実際の の研究計画についても試問するので準 スケジュールは当日 61 号講義室前に掲示 備をしておくこと. する) 備 考 : (a) 外国語は TOEFL の成績を利用し,筆記試験を行わない. (b) 東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科 修 士 課 程 修 了 者 または修 了 予 定 者 については, TOEFL の成績の提出と専門科目の試験を免除 する. (2)2 次試験 原則として平成 19(2007)年 1 月 29 日(月)から 2 月 2 日(金)までの期間に実施する.期日・ 場所の詳細は追って通知する.なお 10 月入学を希望する者および出願時に修士の学 位を有する者に対しては,口述試験の際にあわせて 2 次試験を実施する. ii)出願分類 II 原則として平成 19(2007)年 2 月 19 日(月)から 2 月 23 日(金)までの期間に 1 次試験及び 2 次 試験を実施し,若干名を受け入れる.試験方法は出願分類 I に準じる.期日・場所の詳細は出願 受付後に通知する. 2.2 博士課程志願者の希望調査について 博士課程を志願する者は,出願期間よりも前に志望する指導教員とよく連絡を取っておくこと.志 望調査票(博士課程用)は,出願書類と一緒に提出のこと.博士課程合格内定者に対しては,指 導教員をただちに内定する. 2.3 博士課程〔社会人特別選抜〕の提出書類について 博士課程〔社会人特別選抜〕学生募集要項 5.提出書類等の「業績等の概要」の様式は,在職 中の主な業績について項目ごとに簡潔な説明を付したものを A4 用紙 2 枚以下にまとめるものと する. 東京大学大学院情報理工学系研究科 創造情報学専攻 受け入れ可能教員一覧ならびに研究分野等紹介 (2006 年 4 月現在) { 〔専任教員〕 教 }内は研究分野 ---- 研究分野の詳細については次ページ以降を参照のこと. 授 竹内郁雄 {実時間分散協調システム, 記号処理} 教 授 石塚 満 {知能情報学,マルチモーダルメディア} 教 授 平木 敬 {超高速ネットワーク,超高速計算・戦略ソフトウェア} 教 授 石川正俊 {認識行動システム,ビジョンチップ} 教 授 稲葉雅幸 {知能ロボット,ヒューマノイド} 助教授 田中久美子 {言語処理, 言語モデル,情報抽出,言語インターフェース} 〔学生受け入れ可能な兼担教員〕 教 授 舘 暲 (システム情報学専攻) {人工現実感 (バーチャルリアリティ)} 教 授 武市正人 (数理情報学専攻) {プログラムの数理,構造化文書処理} 教 授 佐藤知正 教 授 {人間共棲ロボット} 本位田真一(コンピュータ科学専攻) {ソフトウェア工学} 教 授 萩谷昌己 (コンピュータ科学専攻) (知能機械情報学専攻) {システムソフトウェア,インタラクティブソフトウェア} 教 授 江崎 浩 (電子情報学専攻) {次世代インターネット} 〔注〕 ここに掲載されていない他専攻の教員についても,合格後の転専攻により,創造情報学専 攻に移ることがある. 教員名 竹内 郁雄 教授(専任) 研究分野 実時間分散協調システム, 記号処理 2.震災総合シミュレーションシステム システムプログラミングの発想に基づいた 実時間分散協調システムに関する実践的研究 開発をメインにしますが,それに限らず 創造的なソフト開発を目指すものであれば 学生諸君の新鮮な発想を尊重し,手伝います 竹内は NTT での主に記号処理システムに関する研究 生活のあと,大学で実時間分散協調システムの研究を学 生諸君と一緒に行なってきました.具体的には RoboCup サッカーシミュレーションのエージェントと,災害救助に関 する RoboCupRescue シミュレーションのシステムとエージェ ントを開発し,サッカーは国内トップ,レスキューは世界トッ プに達しました.さらに現在,国のプロジェクトで震災総合 シミュレーションシステムの開発と減災のための情報共有 システムの開発に携わっています.このような実用的実時 間分散協調システムに限らず,実践的かつ挑戦的なシス テム開発にこれからも取り組んでいきます.幸い,創造情 自然現象と人間の社会現象が複雑に絡む震災におい て防災担当者の意思決定を支援できるシミュレーションシ ステムの開発をしています.数多くの異なるシミュレータを まとめて一つのシステムにするシミュレーション統合と PC ク ラスタを用いた分散コンピューティングが技術的課題です. もちろん,巨大なマルチエージェントシステムの研究でもあ ります. 3.減災のための情報共有システム 災害被害を減らすためには,国や自治体のいろいろな 災害対応組織,現場,被災者の間で情報が円滑に共有さ れなければなりません.減災情報共有のための GUI や情 報共有の根底となる異種データベースの統合などの研究 をしています.最近,災害対策本部の大紙地図を置き換え るシステムの開発を行ないました.これは本部の複数の人 が各々マウスを持って一つの大画面を共有し,携帯機器 を持った複数の現場隊員と GUI で交信しながら災害対応 できるような,いわば「電子サンダーバードシステム」です. 報学専攻にはそれを支援する環境が整っています. 竹内のもう一つの顔は経済産業省の未踏ソフトウェア創 造事業と未踏ユースのプロジェクトマネージャです.これま で 6 年間,140 人以上の若者の創造的ソフトウェアの開発 をお手伝いしてきました.この経験をベースに,学生諸君 の独創的な発想を伸していくつもりです.我こそはと思う人 はぜひ挑戦してください. 1.RoboCup サッカーシミュレーション ロボット実機のサッカーと違い,人間のサッカーの歴史と 似た個人技術とチーム戦術の進歩が毎年遂げられていま す.三次元のシミュレーションリーグも開始され,問題はさ らに複雑になりました.コンピュータに真に人間らしい考え 方と行動をするプレーをさせることが目標です. 災害対策本部の画面例 4.創造的ソフトウェアの開発 これはまさに創造情報学専攻の真骨頂です.テーマ は自由ですが,それが挑戦的であればあるほど,学生諸 君と竹内の真剣勝負になります.しっかりしたソフトを作っ てほしいので,シンドイですが,これまで見てきた未踏ユー スの学生諸君の実績を振り返ると,きちんと挑戦すれば必 ず成果が出ると信じています. http://www.nue.org http://www.nue.ci.i.u-tokyo.ac.jp http://www.ipa.go.jp http://www.kedm.bosai.go.jp/project/info-share/gensai.html RoboCup サッカーのゴールシーンの解析画面 松原,竹内,沼田:ロボットの情報学,NTT 出版,2001. 竹内:新科学対話,アスキー出版,1997. 竹内編:AI 奇想曲,NTT 出版,1992. 教員名 石 塚 満 教授(専任) 研究分野 人工知能とメディア技術を基盤とし, Web 情報空間のインテリジェンス機能, 生命的エージェントとマルチモーダルメディア 知能情報学, マルチモーダルメディア 3.生命的エージェントとマルチモーダルシステ ム メディア(画像と音声)技術と,知能とネットワー ク術との融合による,顔,目,耳,口そして知能を持 に関する以下の研究を進めています.大学院の研究は つ生命的エージェントの開発研究を進めています.今 希望に基づきこれらに関するテーマから選択して行い 後のネットワーク化されたマルチメディア時代の新し ますので,関心と意欲のある人を期待しています. いヒューマンインタフェース形態とマルチモーダル情 報コンテンツ作成を目指しています(図参照) .関連研 究課題は以下です. 1.Web インテリジェンス 情報流通と共有のインフラストラクチャになったイ ンターネット上の Web 情報空間をより価値の高い知 能的なものにするために,自然言語処理技術等を用い て以下のようなインテリジェンス機能の研究開発を進 めています. ・ Web テキスト文からのキーワード抽出,要約 ・ Web 情報空間変化の検知とその要約 ・ Web からの人間関係ネットワーク等の抽出 ・ Web からの知識マイニング ・ Web 上の E サイエンス:文献情報の系譜抽出と意 味的構造化 2.知識表現と推論に基づく次世代 Web 基盤 高次人工知能の基盤技術として、これまでに特に不 完全な知識を操作する仮説推論,あるいはアブダクシ ョン(発想的推論)について研究を行い,特に高速推 論メカニズムを中心に研究成果を挙げてきました.こ れらに基づき,現在研究が世界で進行中の Semantic Web の 先 の Web テ キ ス ト の 意 味 処 理 を 目 指 す MPML で記述されたキャラクラエージェントによる 音声と動作によるマルチモーダル Web コンテンツ Semantic Computing を対象にした以下の課題につい て研究します. ・ 自然言語テキストの意味をコンピュータに可読に する概念表現言語 CDL (Concept Description Language) [国際標準化活動も実施中] ・ 自然言語意味表現のための基本語彙と関係(文間 の関係も含む)と,その表現・管理 ・ 自然言語テキストからの CDL への変換 ・ RSS(Rich Site Summary)への CDL の適用など, CDL による Web 知能化 ・ CDL と RDF, RDFS, OWL との関連づけ ・ 知識の信頼性を考慮の知識統合と推論メカニズム ・ MPML: Multimodal Presentation Markup Language ・ マルチモーダル・プレゼンテーションシステム ・ 音声言語による対話機能(顔の動作との連動) ・ 携帯電話用 MPML-Mobile バージョン ・ ヒューマノイドロボット(Honda’s Asimo)による プレゼンテーションシステム ・ 感情センサと感情を伴うインタラクション ・ CG エージェントによる英会話学習システム 詳しくは下記の WWW ページを参照して下さい. http://www.miv.t.u-tokyo.ac.jp/ishizuka/ 教員名 平木 敬 教授(専任) 研究分野 超高速ネットワーク・超高速計算システムの創造 と、戦略的ソフトウェアの創造を実施します。 超高速ネットワーク・超高速計算・戦略ソフトウェア また、超高速計算システムを実現するためのアーキテ クチャ的基本要素、すなわち、プロセッサにおける分 岐予測、投機実行、キャッシュシステム、ネットワー 1.超高速ネットワーク 超高速ネットワーク、特に近年利用可能となった、 10Gbps またはそれを超えるデータ転送速度を持つイ クプロセッサシステムなど、アーキテクチャ・ハード ウェア要素による高速化技法の研究開発も並行して実 施しています。 ンターネットを活用する情報システムの創造に取り組 んでいます。 3.戦略的ソフトウェアの創造 超高速ネットワークを活用するためには、単に高速 戦略的ソフトウェアとは、新しい情報システムの 度のネットワークに接続するだけではなく、ディスク 使い方を決定し、普及するための鍵となるソフトウ 間における高速性の実現、データを共有するソフトウ ェアのことを意味します。 情報理工学系研究科で ェアシステムの構築、TCP通信の高速化など、多岐 は、平成 13 年度から、「戦略ソフトウェア創造人材 にわたる高速化が必要です。私の研究室では、遠隔地 養成コース」を開設してきました。ここでは、自由 間でデータを共有する、データレゼボワールシステム な発想による、次世代情報システムのための戦略的 を構築し、そのためのハードウェア、ソフトウェアの ソフトウェアの創造を実践します。特に、インター 研究開発を実施しています。最近の成果として、遠距 ネットを基盤とする戦略的ソフトウェアの創造に 離TCP通信の高速化を実現し、世界最高速のTCP 興味があります。上記2個のプロジェクトでは、目 データ通信を実現しました(Internet2 Land Speed 的が明確で、それを実現するための研究開発を実施 Record に認定されました)。今後は、100Gbps のイン しますが、ここでは、手段、方法論を支援すること ターネットを活用するシステムの創造を行う計画です。 参考;http://data-reservoir.adm.s.u-tokyo.ac.jp により、共同で戦略ソフトウェアの創造を実現しま す。 参考:http://www.i.u-tokyo.ac.jp/ss/ 2.超高速計算システム http://www-hiraki.is.s.u-tokyo.ac.jp 次世代の超高速計算システムの実現を目指し、 東大理学系研究科天文学専攻の牧野研究室と共 同で GRAPE-DR プロジェクトを実施しています。 GRAPE-DR では、プロセッサを簡略化し、1チップ に多数実装することにより、2 ペタフロップスの計算 システムを 200 万個のプロセッサを束ねることにより 実現する計画である。 GRAPE-DR を科学技術研究者が実用の道具として 使うためには、チップだけではなく、コンパイラ、オ ペレーティングシステム、ユーザインタフェース、最 適化ツール、グラフィックスシステムなどを総合的に 構築することが必要である。平木研究室では、 GRAPE-DR を題材に、基盤ソフトウェアからアプリ ケーションソフトウェアまでの広いスペクトルにわた る高速化に取り組む。 参考:http://grape-dr.adm.s.u-tokyo.ac.jp Internet Land Speed Record 用システム 教員名 石川 正俊 教授(専任) 研究分野 認識行動システム,ビジョンチップ 次世代の知能システムの実現を目指す 知能システムを半導体集積化技術や光学素子などの新しいデバイス技術や並列情報処理技術を利用して、高度な レベルで実現することを目指している.すなわち、人間の五感に相当する感覚機能、脳の情報処理に相当する階層的 並列処理機能、運動系に相当するメカニズムを工学的に実現し、それらを統合することで、知能システムを,人間を超 える性能で実現することを目標としている。現在の主な研究テーマとして、以下の三つがある. 限界で動く知能ロボットを実現:センサフュージョン センサフュージョンの目標は、複数の感覚情報や運動情報に対して階 層的並列分散処理に基づく統合・融合を施すことにより、柔軟な認識行 動能力を持つ知能ロボットシステムを実現することである.センサの能力 を上げることにより、目に見えない速度で動くロボットの実現を目指してい る.①感覚運動統合システム、②高速多指ロボットハンド、③動的マニピ ュレータ制御、④ロボットビジョン、⑤アクティブセンシング、⑥学習理論. 超高速キャッチング ロボット/ハンド 超高速バッティングロボット 超高速画像処理を実現:ビジョンチップ ビジョンチップ 光検出器と汎用演算処理回路を画素ごとに直結したものをワン チップに集積することで、従来実現不可能であったビデオフレーム レートをはるかに越える高速リアルタイムビジョンを実現することを 目指している.①ビジョンチップVLSIの設計・開発、②ビジョンチッ プ用再構成可能並列処理アーキテクチャ、③超並列画像処理、⑤ ビジョンチップコンパイラ、⑥ビジョンチップの応用(ロボット、ヒュー マンインターフェイス、ITS、バイオ、メディア、セキュリティ等). ビジョンチップレイアウト 微小世界の画像制御を実現:マイクロビジュアルフィードバック 顕微鏡下で、微小な対象や微生物などを,画像情報を用いて制御するためのシステムと 制御理論の開発並びにバイオ技術・マイクロマシン制御などへの応用を目指している.①マ イクロビジュアルフィードバックシステムの開発、②高速可変焦点レンズの開発、③微生物群 に対するオーガナイズドバイオモジュール、④3次元化、⑤高速マイクロマニピュレーション. MVF システム ゾウリムシの追尾観察 独創的な要素技術でシステムの限界を目指す システムの限界性能を求めて、要素技術のブレークスルーを実現するとともに、システム構築の独創性を強く追求し ている.他の追従を許さない要素技術の性能の高さをベースに、新しい知能システムを設計・実現することにより、シス テムの可能性を追求している.アナリシスからシンセシスへと変わる今後の科学技術に即した研究を目指している. 教員名 稲葉 雅幸 教授(専任) 研究分野 知能ロボット,ヒューマノイド 知能ロボットの認識,行動,判断,対話の機能を統合するシス テムとそのソフトウェアの発展的構成法の研究を行っています. 左図のような等身大ヒューマノイドのハードウェアがプラット フォーム化され,歩くコンピュータとして進化し始めようとし ています.こういった新しい形のコンピュータのソフトウェア の発展が期待されています.OS,ミドルウェア,ネットワーク などのシステムソフトウェアや,ソフトウェア工学の研究に興 味のある人にとって,このようなロボット型コンピュータの上 で新しいソフトウェア研究を実践的に始められるようになりま した.そういったコンピュータの上で,新しいソフトウェア研 究に挑戦したい人,これまでロボットに興味を持ち,さらによ り高度なソフトウェアを学びたい人,次世代の新しい知能ロ ボットシステムの創造に関心があり,それらのソフトウェアシ ステムの実現に意欲をもつ人,そういった人たちが集まり,次 時代の知能ロボットとその研究領域を創造してゆくことをいっ しょに行いたいと考えています. ホームページ:http://www.jsk.t.u-tokyo.ac.jp/ 研究関連書籍:岩波講座 ロボット学,ロボットアナトミー 研究用ヒューマノイドプラッ トフォーム.完成されたロ ボットハードウェアを利用し て行動知能のプログラミング, 支援ソフトウェアシステムの 構成法,発展法の研究を行う. 視聴覚処理機能を備え,身振り手 振りで対話できる卓上型ロボット で,飽きさせない振る舞い,ゲー ムプログラムとの連動,簡単な頼 みごとをこなすことができるよう な知能ロボットのソフトウェアシ ステムの構成論を研究する. 超小型組込みプロセッサを実 現したり,利用することで, 下のような小型ロボットや, さまざまな日用品を通信ロ ボット化できる.そういう時 代の新しいロボットを創る. 人型だけでなく,自分がほ しいと思う知能ロボットを IT技術とRP技術で創る研究. ロボットのシミュレーション環境を 構築し,新しい行動を創発する機構, 他のロボットの行動を模倣する機構, 環境変化に適応して身体構造も進化 させる機構など,大規模計算機環境 を必要とするソフトウェアシステム の構成法を研究する. 日常生活で実際に利用されてい る環境において,道具を使うな どの器用さを必要とする行動を 実現するためのソフトウェア, 人の傍で人から教わることがで きるシステムの研究を行う. 教員名 田中 久美子 助教授(専任) 研究分野 言語処理, 言語モデル,情報抽出,言語インターフェース 言語処理のための実働ソフトウエアを創造することを通し て、言語に普遍に内在する数理構造を探求しています。 ● 言語に関する創造的な実働ソフトウエア: 1. 言語インターフェース: 環境や人を問わず利用可能な文書入出力のためのソフトウエア 2. 校正支援・語学学習支援: 外国語を学習する際のさまざまな支援ツール 3. web を利用した動的な多言語処理: インターネットから動的に多言語で情報を得るシステム 4. 対話システム: ロボットの対話モジュール、外国語会話練習ソフトウエア ● 言語処理のための基盤技術: 1. 形態素・構文・意味解析といった言語処理の基盤となる解析技術の研究 2. 検索エンジンの基盤となるアルゴリズムの研究 3. 対話システムの要となる適応的なプランニングの研究 ● 言語の数理的構造のモデル化: 言語に関するさまざまな仮説を大量の言語データ上で実際に検証でき るようになり、言語科学は新たな局面を迎えています。当研究室では、言語に普遍に内在する数理構造 のモデル化を、統計や情報理論の観点から行っています。 研究例1:一般化かな漢字変換 「数理」を入力する際、 「さ段」 「あ段」 「ら段」相当のボタンを一回ずつ押し、 「214」と入力します。 「数 理」の他に「時間」、「ところ」といった候補が挙がります。 1かな1押し方式の本文書入力方法は、かな漢字変換の一般化と捉え ることができます。大量の候補が挙がるため、適応的確率言語モデルを 用い、文脈に合った候補が上位に来るように工夫します。言語に内在す る情報量の偏在を利用して入力効率を向上させることができる点で、言 語科学の観点からも意義のある研究です。また、工学的にも、機器類の 小型化に伴い世界中の言語で使われ始めており、身障者用入力システム としての可能性も秘めています。ユニバーサルなコミュニケーション技術を目指しています。 研究例2:検索エンジンを利用した多言語動的辞書 外国語を学習する際に辞書や辞典は必須ですが、辞典や辞書は静的なもので 現代用例などは記載されていないことも多いのが現状です。当研究室では、辞 書データを動的に構築する方法を研究しており、 「端言」システムでは多言語で 用例を動的に獲得します。左は中国語でコンピュータ(電脳)の用例を調べた例で す。このシステムは、ユーザの検索要求に対するデータを web から得て集計し ますが、そのためにはデータから用例の候補となる部分を適宜切り出さなけれ ばなりません。 「端言」システムでは言語に普遍に見られる句境界や単語境界に 成り立つ情報理論的性質に基づいて用例候補を切り出し、それを統計的に集計 して左のような結果を表示しています。 研究室ホームページ http://www.ish.ci.i.u-tokyo.ac.jp/ 学生受け入れ可能な兼担教員の紹介 教員名 舘 暲 研究分野 人工現実感 (バーチャルリアリティ) 本研究室では,バーチャルリアリティ,ロボティクス,コミュニケーションを 大 きな柱に掲げて研究を行っている. 主な研究内容は以下のとおり.(1)テレイグジ スタンス:視覚・聴覚・触覚の人工現実感制御,三次元映像・音声の制御による行 動空間の構成. (2)バーチャルリアリティ:人工現実感(臨場感,存在感)の基礎 的研究 (3)マンマシンインタフェースの基礎的研究とデバイス設計の研究. (4) 人間の知覚-運動特性の心理物理学的研究とその信号処理系のモデル化.(5)ロボ ットの知的制御:人間型ロボット(ヒューマノイド),盲導犬ロボットなど人間と 共存するロボットの研究. (6)ネットワーク型テレイグジスタンス:アールキュー ブ. (7)再帰性投影技術(RPT)を用いた視覚情報提示システム. (8)相互テレイ グジスタンスの研究:ブース型全周囲立体ディスプレイ(TWISTER). (9)触原色 に基づいた触覚提示ディスプレイ. (10)触覚カメラ. 教員名 武市正人 研究分野 プログラムの数理,構造化文書処理 XML に代表される構造化文書に対する信頼性の高い効率のよい変換技術は,文書 による知識,情報の価値を高めるとともに,次代にも有用な文書の蓄積のためにも きわめて重要である.構造化文書処理においては,関数型言語に代表される宣言的 記述や型理論による整合性検証がその信頼性を高める技術として注目されている. これら,構造化文書処理の基盤となる理論的な背景のもとで,アルゴリズム記述を 行う具体的な方法論の技術開発が遅れており,インターネットによる情報交換の信 頼性を高めるためにも,情報流通の高度化のための技術開発が急務である.また, 構造化文書の編集を含む変換では,文書の操作情報と文書自体の間で変更を双方向 に適用できる双方向変換の技術開発が求められている.本研究室では,これらの課 題に,PSD(Programmable Structured Document)として,構造化文書の中にプログ ラムを埋め込み,それ自体を操作できるような機構を開発することによって,拡張 性の高い高信頼構造化文書処理システムを実用開発している. 構造化文書の作成,および文書変換支援ソフトウェアの開発に興味のある人,ま た,その基盤となる関数プログラミングに興味のある人の活躍を期待する. 教員名 佐藤知正 研究分野 人間共棲ロボット いつも人を見守り必要な時にサービスするロボット,そのために必要な知能,分散 化され全体として協調して機能する知的システムの研究を行っている. その実現 に必要な,人の知能の解明,環境型/携帯型人間活動計測,人と共棲するロボット 機構やユビキタスネットワーク,パーベイシブセンシング,行動データベースなど の知能情報処理が研究領域である.I)部屋それ自体が全体としてロボットという コンセプトのロボティックルームの構築研究,II)行動を,人とシステムの情報媒 体として追及する行動メディアとしての行動理解や行動計測センサ・ネットワーク の研究,III) 人の日常生活の行動情報を蓄積した日常行動データベースを構築し それから有用な情報を引き出し利用する行動データベースや行動コンテンツの研 究:IV)人間の日常行動の観察からロボット動作を学習・生成するロボット模倣な どの研究に興味ある人を歓迎する. 教員名 本位田真一 研究分野 ソフトウェア工学 コンピュータ科学専攻の本位田研究室では、次世代のネットワークインフラにおけ る新しいソフトウェア技術の研究を行っています。そして、そのような目標を実現 する手法としてエージェント技術に注目して様々な観点からの研究を進めていま す。一方、創造情報学専攻では、ソフトウェア工学を研究対象とします。「サイエ ンスによる知的ものづくり」を標榜し、ソフトウェア科学をベースとした高信頼・ 高安全・高柔軟なソフトウェアの構築手法、構成法など、最先端のソフトウェア工 学の研究を行います。 http://honiden-lab.ex.nii.ac.jp/ 教員名 萩谷昌己 研究分野 システムソフトウェア, インタラクティブソフトウェア コンピュータ科学専攻の萩谷研究室 http://hagi.is.s.u-tokyo.ac.jp では,論理学をベー スとして,新しい計算モデルの提案,各種計算モデルの解析や検証,そのためのツ ールの設計と実装などを行っています.また,分子系や生物系も研究の対象として います.一方,創造情報学専攻では,未踏ソフトウェアのプロジェクト・マネージ ャの経験を生かして,各種のシステムソフトウェアやインタラクティブソフトウェ アを中心に,新しいソフトウェアを創造できる人材の育成を目指します.以下は未 踏ソフトウェアの公募の際に掲げた伝説の文章です.「ことさらに新しい技術を実 験するのではなく,ソフトウェアとして完成したものを求める. (中略) ついでに 論文も書こうなどという卑しい根性は駄目である(結果として書けてしまってもよ いが).ソフトウェアと心中するようなつもりでやって欲しい.」 教員名 江崎 浩 研究分野 次世代インターネット インターネットは,自律分散型の地球規模で動作しているデジタルコンピュータネ ットワークです.インターネットは,自律的で自由なデジタル情報の生成,伝達, 共有,加工することを可能とする情報基盤であり,自由で自律的なアプリケーショ ンの展開を可能とします.本研究室は,WIDE プロジェクト (www.wide.ad.jp)の 基幹研究組織として,グローバルな超広帯域広域オプティカル研究開発ネットワー クの運営と,経路制御技術などの基盤技術,ディレクトリサービスのようなミドル ウェア技術,さらに,それを利用して動作する先端的で創造的なアプリケーション に関する研究を,実証的環境で展開しています.また,ブロードバンドインターネ ットのアドホックネットワーク環境とユビキタスネットワーク環境への展開を支 えるための,システムアーキテクチャの基盤研究を推進します. 平成 19(2007)年度東京大学大学院情報理工学系研究科 創造情報学専攻 修士課程・博士課程入学試験受験者心得 1. 試験日時 この案内書に記載の「試験日程」を参照すること. 2. 試験場 東京大学(東京都文京区本郷 7-3-1) 地図は Web 本郷キャンパス図 (http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_01_j.html) 参照 地下鉄:丸の内線・大江戸線「本郷三丁目」,千代田線「根津」,南北線「東大前」,三田線「春日」下車 バ ス:「東大正門前」,「東大構内(スクールバス)」下車 受験者は,試験開始 5 分前までに所定の試験室に入室すること. 定刻に遅れた場合は,各試験監督 者に申し出ること. 3. 携行品 (1) 受験票. (2) 黒色の鉛筆(又は黒色シャープペンシル),消しゴム,鉛筆削り,時計(計時機能だけのもの), 定規. 注: 筆記試験中,電卓,携帯電話・PHS,計算機能付時計等の使用は認めない. (3) 修士課程のプログラミングを受験する者はノート PC,高々1 冊のプログラミング言語マニュアル類. 4. 試験時の留意事項 (1) 試験開始後 1 時間以内は,退室を許されない. (2) 試験時間中の用便は,原則として許されない. (3) 試験時間中,受験票を常に机上に置くこと. (4) 試験時間中,携帯電話・PHS の電源は OFF にし,身につけないこと. (5) 試験問題の内容に関しては,質問できない. (6) 解答用紙ごとに受験番号,氏名を記入すること.解答は,それぞれの所定の用紙に記入すること. 不足の場合は,裏面に記入すること. (7) 解答用紙・問題冊子は,持ち帰ってはならない. 以上 一般教育科目・専門科目試験免除申請書(修士課程のみ) 受験者氏名: 略歴: 免除申請理由(これ以外に顕著な実績に関する説明を A4 版任意用紙 2 枚程度にまとめたものを提 出すること) 一般教育科目・専門科目試験免除推薦書(A) 受験者氏名 推薦者と受験生との関係 推薦理由 推薦者氏名 一般教育科目・専門科目試験免除推薦書(B) 受験者氏名 推薦者と受験生との関係 推薦理由 推薦者氏名 【志望調査票(修士課程用)】 東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻 課 程 別 修 ふ り が な 受験者氏名 士 ※受験番号 出身大学 切 大学 試験期間中 の連絡場所 部 科 TEL: E-mail: 第1 志望 志望教員 第2 志望 第3 志望 一般教育科目・専門科 目試験免除の希望 有 取 受験する 専門科目 創造情報学 受験する一般 教育科目 数学 コンピュータ 科学 プログラ ミング 数理 情報学 平成 18 年 10 月入学の 希望 システム 情報学 電子 情報学 志望分野と 研究の抱負 について (具体的に記入 すること) 線 この用紙を願書と一緒に提出すること. ※欄は記入しないこと. 一般教育科目・専門科目試験の免除を希望する者は,右の欄の有を○で囲み,追加で必要な書 類を願書と一緒に提出すること. 10 月入学を希望する者は,必ず専攻事務室に資格を確認の上,該当欄の有を○で囲むこと. 受験する一般教育科目・専門科目は,それぞれどれか一つを選び,科目名を○で囲むこと. 有 【志望調査票(博士課程用)】 東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻 課 程 別 博 ふ り が な 受験者氏名 士 ※受験番号 切 出身大学及び 出身大学院 大学 部 科 大学大学院 研究科 専攻 試験期間中 の連絡場所 TEL: E-mail: 志望教員 平成 18 年 10 月入学希望 取 有 社会人特別選抜 社会人 志望分野と 研究の抱負 について (具体的に記入 すること) 線 この用紙を願書と一緒に提出すること. ※欄は記入しないこと. 10 月入学を希望するものは,必ず専攻事務室に資格を確認の上,該当欄の有を○で囲むこと. 社会人特別選抜の受験の場合には,社会人特別選抜欄の社会人に○をつけること.
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