全学自由ゼミナール 「生命とは何か?」に迫る研究体験ゼミ この全学ゼミでは、受講者が各研究室に数名ずつ分かれて配属し、指導教官のも とで各テーマに沿った実験、演習、輪読などを行います。また、その成果をまと め、合同報告会で発表してもらいます。今学期の報告会は8月8日(土)を予定し ています。 受講希望者は、4月13日(月)正午までに、若本までEmailで志望研究室(第1 希望∼第4希望)を連絡してください。特定研究室に志望が集中した場合は、志望 しない研究室に配属されることもあります。また、受講希望者多数の場合は、この 全学ゼミを受講できない場合もあります。配属研究室および受講の可否について は、4月17日(月)までにEmailにて連絡します。 Emailのフォーマットについての注意 宛先: [email protected] (若本祐一) 件名は「生命動態全学ゼミ志望調査」とし、本文に名前、科類、学年、学生証番 号、連絡可能なEmailアドレスを明記してください。このアドレスはPCからの Emailを受け取れるものとして下さい。また、第1希望から第4希望までの研究室 名(ID)と、本全学ゼミの受講動機も簡単に記載して下さい。受講動機は配属先を 決める際の参考情報となります。 (例) To: [email protected] From: [email protected] Subject: 生命動態全学ゼミ志望調査 本文: 駒場太郎 理科一類 1年 000000H 連絡先Email: [email protected] 第一希望: 金子邦彦(ID:01) 第二希望: 平田祥人&合原一幸(ID:05) 第三希望: 澤井哲&小林徹也(ID:10) 第四希望: 入江直樹(ID:06) 受講動機: 生物を理論的にどのように研究するのか知りたい 各研究室で行われるゼミの内容 金子 邦彦 (ID:01) 「細胞モデルのシミュレーションと理論」 (プログラミングが出来、物理の理論的思考ができることを前提。テーマは高度 (大学院生レベル)です。うまくいけば論文が書ける位、、) (1)理想細胞モデル(触媒反応ネットワークモデル(目標は 成長、定常、休眠 状態間の「相転移」の記述) (2)内部に遺伝子発現ダイナミクスを持つ細胞が相互作用、複製、進化する生態 系モデル(目標は 多種共存や社会性の理解) (3)複雑な多次元遺伝子発現ダイナミクスを持つ細胞の分化モデル(目標は が ん細胞状態の理解) ゼミの実施形態: 受講者と相談の上決定する 受け入れ可能人数: 3名まで 若本 祐一 (ID:02) 「大腸菌もしくは酵母を用いた細胞表現型ゆらぎの解析」 1細胞計測技術を用いて、同じ遺伝型をもつ細胞間で見られる表現型のゆらぎを定量 的に評価し、適応、細胞分化、進化などの諸生命現象で、これらゆらぎの果たす役 割について研究する。実験サンプルとしては大腸菌、もしくは酵母を用いる予定。 受講者の興味に応じて、微細加工技術、遺伝子操作、画像解析などの基礎的な技術 を実践的に学ぶ機会も設ける。 ゼミの実施形態: 受講者と相談の上決定する 受け入れ可能人数: 2名まで 太田 邦史 (ID:03) 「エピゲノムによる昆虫の表現型可塑性の制御」 DNAだけによらない遺伝のしくみとして「エピゲノム」が注目されている。エピゲ ノムによって同じDNAを持つ個体でも、環境に応じて異な表現型を示すことがあ る。表現型可塑性の事例としては、昆虫ではバッタの形態変化やミツバチのカース ト分化などが知られている。小型の武器甲虫を用いて発生期の「栄養環境」が成体 の形質にどのような影響を及ぼすか、遺伝子発現の解析やRNAi、走査型電子顕微鏡 を用いて解析を行う。 ゼミの実施形態: 不定期的(数回)に実験を実施する 受け入れ可能人数: 2名まで 佐藤 守俊(ID:04) 「バイオイメージングに関する原著論文の輪講」 下村脩博士(2008年ノーベル化学賞)によるGFPの発見以来,新しいバイオイメー ジング技術が日進月歩の勢いで開発され,生命科学の研究スタイルを革新し続けて いる.本ゼミでは,バイオイメージングに代表される光技術にフォーカスを当て, 主として原著論文の輪講を通じて最先端の研究成果に触れる. ゼミの実施形態: 毎週決まった時限に行う(今のところ,木曜日の2限を予定して います) 受け入れ可能人数: 2~3名 平田 祥人 & 合原 一幸(ID:05) 「非線形時系列解析の基礎」 生命現象は、従来から用いられている線形理論に立脚した時系列解析では、うまく 特徴づけできないことが多い。そこで、本ゼミでは、現在執筆中の本「非線形時系 列解析入門」の原稿を読みながら、非線形時系列解析の基礎を学習する。また、学 習した範囲に応じて、実際にMees et al., Phys. Lett. A(1992)で使用されたヤリイ カの巨大軸索の実カオスデータの解析を試みる。 ゼミの実施形態: 受講者と相談の上決定する 受け入れ可能人数: 2名 入江 直樹(ID:06) 「最も進化した脊椎動物胚はどれか?」 最も進化した(正確には推定祖先状態からの遺伝的変化量が最も大きいという意味 での進化)動物胚はどれだろうか。現在の生物学では定量的に語ることができてい ない問題だ。超並列シーケンサーにより同定した6種の脊椎動物の胚発生に伴う遺 伝子発現情報を解析することで、この問題解明を試みる(まだ答えはない。)本格 的な実践的解析になるので初歩的なプログラミング能力(R, perl, シェルスクリプト など)がある方が望ましいが、無い場合は各自が学習しながら進める事も可能。当教 室の3・4年生や大学院生と随時ディスカッションしながら、自由な発想で取り組 んでもらいたい。このゼミは本郷キャンパスで行われるので注意すること。 ゼミの実施形態: 受講者と相談の上決定する 受け入れ可能人数: 1名まで 道上 達男(ID:07) 「カエル胚の形づくりのしくみを「研究」する」 簡単な形の胚から複雑な成体はどのようにして作られるのか。ツメガエル胚を用 い、RNA注入などの実験を通して分子発生生物学研究の一端を体験する。学生実習 とは異なり研究室で実際に行われている最先端研究の一員として加わってもらう予 定である。 ゼミの実施形態: 研究体験(週1回程度)、セミナー参加(optional) 受け入れ可能人数: 1~2名まで 大杉 美穂(ID:08) 「受精後の核形成タイミングと発生能の解析」 卵と精子という特殊化した2種類の細胞が融合することにより、受精卵という万能 性をもつ細胞が誕生する。その際、哺乳動物では数時間かけて精子、卵由来の染色 体から新しく核が形成される。なぜ長い時間かける必要があるのか。その答えに迫 るために、分子生物学、発生工学の技術を用いて人為的にマウス受精卵での核形成 タイミングを変化させその影響を見るという、まさに研究室で進行中の研究プロジ ェクトの一部を担当してもらう。 ゼミの実施形態: 受講者と相談の上決定する 受け入れ可能人数: 1~2名 矢島 潤一郎(ID:09) 「バイオナノマシンの分子運動の計測」 細胞内で動くナノメートルスケールの分子モータータンパク質を遺伝子工学的に作 成・改変し、1分子イメージング顕微鏡を用いてナノメートルの空間分解能で1分 子∼集団の運動を計測して、バイオナノマシンの作動原理を理解する。 ゼミの実施形態: 受講者と相談の上決定する 受け入れ可能人数: 1名 <2つの研究室にまたがって行われるゼミ> 澤井 哲 & 小林 徹也(ID:10) 「真核細胞の走化性運動の解析」 誘引物質の濃度場を時空間的に様々に変化させた際の細胞運動を1細胞レベルで計測 し、細胞の情報処理能と表現型のゆらぎとの関係などを探る研究に参加する。その 中で、時系列解析、画像解析と、マイクロ加工や顕微鏡イメージングなどの基礎を 実践的に学ぶ。 ゼミの実施形態: 集中 (日程は受講者と相談の上決定する) 受け入れ可能人数: 1~2名 豊田 太郎 & 竹内 昌治(ID:11) 「非平衡条件における人工細胞の形態変化観測」 脂質膜で構成される人工細胞を合成し、マイクロ流路による人工細胞の形態変化観 測を行う研究に参加していただく。その中で、細胞形態を構成的に理解するための 化学や物理の基本法則を学ぶ。 竹内研:微細加工プロセスを用いたマイクロ流路作製実習 豊田研:脂質膜で構成される人工細胞合成と観測 ゼミの実施形態: 受講者と相談の上決定する(目安:デバイス作製で2∼3日、実 験で2∼3日) 受け入れ可能人数: 2名まで
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