第4章 地域別構想 1.地域区分 - 合志市

第4章
地域別構想
第4章 地域別構想
1.地域区分
この章では、全体構想に基づきながら、住民の生活レベルにより近い地域レベルのまち
づくりの方針を明確にします。
地域区分にあたっては、住民の生活行動単位である大字界を基本に、歴史的な沿革や土
地利用現況及び動向、集落の連たん性などを考慮し、「西部地域」「東部地域」及び「南部
地域」の 3 地域に区分しました。
■地域区分図
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第4章
地域別構想
2.西部地域
(1)西部地域の特性
z
御代志地区や栄地区、野々島地区などに大規模な集落が形成されています。
z
全域が市街化調整区域であり、上生、合生、野々島地区などでは営農環境が保
全されていますが、御代志地区などではスプロール的な開発もみられます。
z
熊本電気鉄道菊池線の始発駅である御代志駅をはじめ 3 つの駅がありますが、
各駅の乗降客数は年々減少傾向にあります。
z
主要地方道大津植木線が国道 387 号と交差する辻久保交差点や、国道 387 号
の御代志駅付近では、朝夕を中心に交通渋滞が発生しています。
z
大規模な公園として、地域の西部に弁天山公園、中央部に中央運動公園、及び
北部に総合運動公園があります。
z
地域の南部には、広大な敷地を有する九州沖縄農業研究センターが立地してい
ます。
z
人口は、平成 12 年から 17 年にかけて、野々島地区や御代志地区で増加して
いますが、上生地区や合生地区、栄地区では減少しており、特に上生地区では
40%近い減少となっています。
z
地域北部を中心に急傾斜地崩壊危険箇所や土砂災害警戒区域が指定又は順次指
定中です。
(2)西部地域の住民意向(アンケート調査より)
z
暮らしやすさに関しては、
「賑やかさ」の面で平均値を下回っており、特に買物
等の利便性に関する不満が高くなっていますが、道路利用や公共交通機関の利
便性などに関する「快適さ」においては西合志第一小学校区で平均値を大きく
上回っています。
z
今後のまちづくりに必要なものとしては、災害に対する安心感や買物の便利さ
に関する意向が高くなっています。
z
地域のお気に入りの場所では、西合志図書館やユーパレス弁天、弁天山公園な
どが上位となっています。
z
現在の住まいに関する今後の居住意向では、他の地域に比べて居住意向は最も
低くなっています。
z
希望する居住環境としては、スーパーや店舗が立地する日常生活に便利な住環
境が最も多い一方で、山や田畑などの自然に囲まれた環境を求める意見も多く
なっています。
z
まちの将来イメージでは、
「高齢者や障害者の方々が安心して暮らせるまち」や
「災害や公害などの危険が少ない安全なまち」を望む意見が多くなっています。
z
商業地に関しては、コンビニやスーパーなどの日用品の店舗、複合ショッピン
グセンターの立地を求める意見が多くなっています。
z
交通施設の整備では、歩行者や自転車の安全確保のための歩道整備を求める意
見が最も多くなっています。
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第4章
z
地域別構想
公園や緑地に関しては、日常的なレクリエーションや休養ができる身近な公園
整備を求める意見が最も多くなっています。
z
景観への取り組みでは、電線の地中化や自然景観、田園景観の保全に対する意
見が多くなっています。
z
地域で守り育てていきたいことでは、高齢者や障害者など誰もが安心して出か
けられる環境への意識が高くなっています。
z
すべての人が安心して暮らせる生活空間に必要なこととしては、広い歩道の設
置や段差の解消など、歩道空間における福祉面の取り組みが必要とされていま
す。
z
災害に強いまちづくりを実現するためには、電力や通信施設、上下水道などの
供給処理施設の強化、充実が求められています。
z
都市の発展のために今後必要とされる対策としては、
「原則的には開発を抑制し
つつも、市にとって必要な開発は行う」が最も多くなっています。
(3)西部地域のまちづくりの課題
z
辻久保交差点の渋滞解消と、東西方向の連携強化を図るため、主要地方道植木
大津線バイパスの整備促進が必要です。
z
集落の活力維持や、高齢者などの日常生活を支えるため、地域性活の拠点形成
が求められています。
z
無秩序な市街化の拡大・拡散を防止し、集約型の都市の形成を誘導していく必
要があります。
z
他地域と比べて急傾斜な地形が多く存在しており、防災面の取り組みに特に力
を入れる必要があります。
z
公共交通機関の利用促進に向けて、鉄道駅へのアクセス性や自家用車等との乗
り換えなど、利便性の向上を促進する必要があります。
z
歩道の設置や公共施設等のバリアフリー化など、安全に移動できる環境整備を
推進する必要があります。
z
身近な里山や河川などの自然や、豊かな農地の保全と活用を図っていく必要が
あります。
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■西部地域
地域特性図
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第4章
地域別構想
(4)西部地域のまちづくりの目標
西部地域は、急傾斜地崩壊危険箇所が多く土砂災害の危険性の高い地域を含んでお
り、住民意向においても防災面への取り組みが必要とされていることから、恵まれた
自然環境を保全しつつ、安心して生活できる住みよい環境づくりを進めます。
また、広域幹線道路や交通結節点などを活かした交通利便に優れたまちづくりを進
めます。
“豊かな自然と交通の拠点性を活かした
誰もが安心して快適に暮らせる災害に強いまち”
(5)西部地域のまちづくりの方針
①土地利用
・ 市役所西合志庁舎周辺については、市民交流ゾーンにふさわしい公共・公益施設
の集積を図るとともに、生活サービス施設の充実や、計画的な整備による都市基
盤の整った良好な住宅地の形成を推進します。
・ 九州沖縄農業研究センターについては、周辺地域の農業・医療関連施設との連携
により、熊本バイオフォレスト構想の推進拠点としてメディカル・ステーション
ゾーンの形成を図ります。
・ 辻久保地区については、幹線道路が交差し、また路線バスの総合営業所が立地す
る地区特性を活かし、公共交通の要衝となる交通拠点ゾーンとして、バス停留所
や駐車場、日用品を扱うスーパーなどの施設の集積を図ります。
・ 地域西部から北部に広がる優良農地や農村集落については、農地及び良好な住環
境の維持・保全を図りつつ、日常生活に必要とされる公共交通機関の確保や狭隘
道路の改善など、地域住民の生活利便の向上を進めます。
・ セミコンテクノパークと植木インターチェンジを結ぶ産業促進軸については、沿
道及び周辺に立地する企業活動を促進するための機能強化を図ります。
・ 中央運動公園とユーパレス弁天が隣接して立地しているエリアは、レクリエーシ
ョン拠点として活用を図ります。
②交通施設
・ 本市の東西方向の骨格となる都市交流軸の形成に向けて、北熊本サービスエリア
のスマートインターチェンジとのアクセス強化を図るため、市道御代志野々島線
の未整備区間の整備及び歩道整備や交差点改良など広域幹線道路としての機能
拡充を図ります。
・ 辻久保交差点の渋滞解消や、市北部の東西地域間の交通の円滑化及び生活連携軸
の形成に向けて、主要地方道大津植木線バイパスの整備を促進します。また、セ
ミコンテクノパークと植木 IC を結ぶ主要地方道植木線及び市道上生線について
は、産業促進軸として幹線道路としての機能拡充を図ります。
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第4章
地域別構想
・ 国道 387 号の御代志駅付近の渋滞解消や、市の中央部の東西方向交通の強化及
び生活連携軸の形成に向けて、市道御代志野々島線と国道 387 号との交差点改
良を促進します。
・ 熊本電気鉄道の利用促進に向けて、駅前広場や駐車場、駐輪場などの整備による
交通結節機能の強化や、駅を経由するバスルートの充実、その他路線バスや循環
バスの便数やルートの維持・充実を促進します。
・ 幹線道路における歩道の整備や公共交通施設でのバリアフリー化を進め、公共交
通機関の利用しやすい環境づくりを進めます。
・ スプロール的に市街地が形成された御代志地区については、生活道路の改善など
地域住民との協働により住環境の改善に向けた取り組みを図ります。
③都市環境・自然的環境
・ 弁天山公園や中央運動公園、総合運動公園の施設の維持・充実と有効活用を図り
ます。
・ 弁天山などの緑地は、地域生活に潤いを与え、また良好な農村風景のアクセント
にもなることから、市民に身近な緑地として積極的な保全と活用を図ります。
・ 二子山石器製作遺跡や黒松古墳群などの歴史的資源の保全を図り、市民が地域文
化にふれあえる場としての活用を図ります。
・ 新たに市街地を形成するエリアについては、地区計画制度等の活用による緑豊か
で良好な街並みの創出を促進します。
・ 上生川や塩浸川、上庄川については、河川の水質保全を図りつつ、水辺空間の活
用やネットワーク形成を進めます。
④安全・安心なまちづくり
・ 急傾斜地崩壊危険箇所における土石流やがけ崩れ等の防止対策を図ります。
・ 歩行者の安全確保のため、幹線道路や通学路などを中心に歩道の整備を推進しま
す。
・ 夜間に安心して歩けるよう、防犯灯の設置を促進します。
・ 住民による自主防災組織活動や防犯パトロール、高齢者世帯への声かけなど、地
域コミュニティの維持・強化を促進し、
“災害に強い”
“犯罪の起こりにくい”ま
ちを目指します。
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■西部地域
まちづくり方針図
※重点市街地ゾーン(将来土地利用検討ゾーンを含む)では、農用地区域などの規制の解除や開発要件を満たさなければ市街化を行うことはできません。
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第4章
地域別構想
3.東部地域
(1)東部地域の特性
z
全域が市街化調整区域であり、良好な営農環境が保全されています。
z
合志の中心地であった竹迫地区には、古い時代の遺跡や竹迫城跡などの歴史的
遺構や街並みの集落が残っています。
z
市役所合志庁舎周辺には、文化・交流・福祉の総合センターであるヴィーブル
が立地しており、地域住民の交流の場となっています。
z
地域の西部には、熊本電気鉄道菊池線の終着駅である御代志駅がありますが、
駅へのアクセスが不便であるため、地域住民の鉄道利用は菊陽町の JR 豊肥本
線の利用が多いようです。
z
大規模な公園として、地域の中心部に本市の代表的な公園である竹迫城跡公園
及び蛇ノ尾公園があり、また西部にはカントリーパーク、南部には飯高山公園
があります。
z
地域の西部には、広大な敷地を有する県農業研究センターがあり、また大規模
な医療施設である菊池恵楓園及び熊本再春荘病院が集積立地しています。
z
地域の東部に菊陽町と跨って、県内有数の内陸型工業団地であるセミコンテク
ノパークが整備されています。
z
人口は、平成 12 年から 17 年にかけて、幾久富地区では増加していますが、
その他の地区ではほぼ横ばい若しくは減少しています。
(2)東部地域の住民意向(アンケート調査より)
z
暮らしやすさに関しては、市の平均値とほぼ一致していますが、公共交通施設
の利用しやすさにおいて満足度が低くなっています。
z
今後のまちづくりに必要なものとしては、病院や保育所などの福祉・保健・医
療施設の利用しやすさを求める意見が高くなっています。
z
地域のお気に入りの場所では、ヴィーブルやカントリーパーク、図書館などが
上位となっています。
z
現在の住まいに関する今後の居住意向では、今後も住み続けたい方が 65%と非
常に高くなっています。
z
希望する居住環境としては、スーパーや店舗が立地する日常生活に便利な住環
境が最も多い一方で、山や田畑などの自然に囲まれた環境を求める意見も多く
なっています。
z
まちの将来イメージでは、
「高齢者や障害者の方々が安心して暮らせるまち」や
「災害や公害などの危険が少ない安全なまち」を望む意見が多くなっています。
z
商業地に関しては、複合ショッピングセンターの立地やコンビニやスーパーな
どの日用品の店舗を求める意見が多くなっています。
z
交通施設の整備では、渋滞の解消や都市間移動の円滑化のための幹線道路整備
を求める意見が多くなっています。
z
公園や緑地に関しては、日常的なレクリエーションや休養ができる身近な公園
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第4章
地域別構想
整備を求める意見が最も多くなっています。
z
景観への取り組みでは、電線の地中化や自然景観、田園景観の保全に対する意
見が多くなっています。
z
地域で守り育てていきたいことでは、高齢者や障害者など誰もが安心して出か
けられる環境への意識が高くなっています。
z
すべての人が安心して暮らせる生活空間に必要なこととしては、老人ホームや
福祉センターなどの福祉施設の充実が必要とされています。
z
災害に強いまちづくりを実現するためには、電力や通信施設、上下水道などの
供給処理施設の強化、充実が求められています。
z
都市の発展のために今後必要とされる対策としては、
「原則的には開発を抑制し
つつも、市にとって必要な開発は行う」が最も多くなっています。
(3)東部地域のまちづくりの課題
z
竹迫城跡周辺など、歴史的遺構などの保全とそれらを活かしたまちづくりが必
要です。
z
公共交通機関の利用促進に向けて、鉄道駅へのアクセス性の向上や循環バスの
充実などを促進する必要があります。
z
既存の大規模な医療施設などについて、住民が利用しやすい環境づくりが求め
られています。
z
行政施設や文化施設等が集積している市役所合志庁舎周辺において、地域の生
活も支えるサービス施設の立地が求められています。
z
無秩序な市街化の拡大・拡散を防止し、集約型の都市の形成を誘導していく必
要があります。
z
セミコンテクノパークの拡充や周辺道路の整備など、産業の立地促進を図る必
要があります。
z
身近な里山や河川などの自然や、豊かな農地の保全と活用を図っていく必要が
あります。
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■東部地域
地域特性図
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第4章
地域別構想
(4)東部地域のまちづくりの目標
東部地域は、エリアの大半を優良農地が占め、その中心に古い歴史を持つまとまっ
た農村集落が形成されています。その集落地の南側に合志庁舎をはじめ、福祉施設や
文化施設、スポーツ施設などが集積しており、地域の交流拠点となっています。また、
地域内には、セミコンテクノパークや県農業研究センター、蓬原、栄、合志などの工
業団地も多く、農業をはじめ市の産業基盤を支える地域です。
“自然と歴史を活かした魅力ある住環境と
産業の活力に満ちた個性豊かなまち”
(5)東部地域のまちづくりの方針
①土地利用
・ 市役所合志庁舎周辺については、公共・公益施設の集積を活かし、市民交流ゾー
ンにふさわしい生活サービス施設の充実を図ります。
・ 県農業研究センターや、大規模医療施設の集積を活かし、熊本バイオフォレスト
構想の拠点となるメディカル・ステーションゾーンの形成を推進します。
・ 地域に広がる優良な農地と集落環境の保全を図ります。
・ セミコンテクノパークの拡充と企業の立地促進を図ります。
・ 市街化区域に隣・近接し、宅地化が進行している地域南部の黒石原地区などにつ
いては、地区計画制度等の活用により、都市基盤の整った良好な住宅地の計画的
な誘導を図ります。
②交通施設
・ 国道 387 号の御代志駅付近の渋滞解消や、市の中央部の東西方向交通の強化に
向けて、県道大津西合志線と国道 387 号との交差点改良を促進します。
・ 県道大津西合志線から菊陽町に通じる県道住吉熊本線((都)大窪山下線)につい
ては、広域幹線道路としての機能維持を図ります。
・ 公共交通の利用促進に向けて、駅前広場や駐車場、駐輪場などの整備による交通
結節機能の強化や、駅を経由するバスルートの充実を促進します。
・ 泉ヶ丘から国道 387 号に至る地区では、新たな市街地の形成が進行しているこ
とから、既存の道路を活かした都市幹線道路の整備を図ります。
・ セミコンテクノパーク周辺と菊陽町方面とのアクセスを強化する南北方向道路
の機能強化を図ります。
・ 狭隘道路などが多い竹迫地区については、街並み環境を損なわない範囲で、生活
道路の改善などを地域住民との協働により推進します。
③都市環境・自然的環境
・ 竹迫地区の閑静で良好な集落環境の保全を図ります。
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第4章
地域別構想
・ 竹迫城跡公園や蛇ノ尾公園、カントリーパーク、飯高山公園の施設の維持・充実
と有効活用を図ります。
・ 竹迫城跡や竹迫日吉神社などの歴史的資源の保全と活用を図ります。
・ 800 年の歴史を誇る竹迫観音祭などの伝統文化の継承に努めるとともに、積極
的な PR 活動を展開します。
・ 群山や飯高山などの身近な緑の保全を図ります。
・ 新たに市街地を形成するエリアについては、地区計画制度等の活用による緑豊か
で良好な街並みの創出を促進します。
・ 上庄川や塩浸川の水質保全と、水辺空間の活用を図ります。
④安全・安心なまちづくり
・ 急傾斜地崩壊危険箇所における土石流やがけ崩れ等の防止対策を図ります。
・ 歩行者の安全確保のため、通学路などを中心に歩道の整備を推進します。
・ 夜間に安心して歩けるよう、防犯灯の設置を促進します。
・ 地域の農産物を活かすため、地産地消や、安全・安心な食材のブランド化などを
促進します。
・ 住民による自主防災組織活動や防犯パトロール、高齢者世帯への声かけなど、地
域コミュニティの維持・強化を促進し、
“災害に強い”
“犯罪の起こりにくい”ま
ちを目指します。
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■東部地域
まちづくり方針図
※重点市街地ゾーン(将来土地利用検討ゾーンを含む)では、農用地区域などの規制の解除や開発要件を満たさなければ市街化を行うことはできません。
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第4章
地域別構想
4.南部地域
(1)南部地域の特性
z
熊本市や菊陽町に隣接する部分などが市街化区域となっており、市街地が形成
されています。
z
地域の東部や黒石地区などには、計画的に開発された住宅団地が形成されてい
ます。
z
須屋地区には集落やスプロール的に形成された市街地が広がっており、生活道
路などが不足しています。
z
市街化区域に隣・近接しているエリアでは、住宅地開発が進行しています。
z
熊本電気鉄道菊池線の駅が 6 駅あります。
z
大規模な公園として、地域の南部に調整池を活用した妙泉寺公園が、また東部
に元気の森公園があります。
z
須屋支所及び泉ヶ丘支所の両市役所支所があり、行政サービスの拠点として機
能しています。
z
人口は、平成 12 年から 17 年にかけて、須屋地区の南部(市街化区域)で 8.5%
減少しているのに対し、須屋地区の北部(市街化調整区域)では、35.5%の大
幅な増加がみられます。
(2)南部地域の住民意向(アンケート調査より)
z
暮らしやすさに関しては、
「賑やかさ」の面で地域西側市街地と東側市街地とで
意見が異なり、菊陽町に近い東側市街地では買物の利便性の満足度が高くなっ
ています。そのほか、全般的に東側市街地の方が暮らしやすさの満足度が高い
状況にあります。
z
今後のまちづくりに必要なものとしては、病院や保育所などの福祉・保健・医
療施設の利用しやすさに関する意向が高くなっています。
z
地域のお気に入りの場所では、妙泉寺公園や元気の森公園などの大規模公園が
上位となっています。
z
現在の住まいに関する今後の居住意向では、各小学校区いずれも居住意向は高
い結果となっています。
z
希望する居住環境としては、スーパーや店舗が立地する日常生活に便利な住環
境が最も多く、公共交通の利便性に関する意見も多くなっています。
z
まちの将来イメージでは、
「高齢者や障害者の方々が安心して暮らせるまち」や
「災害や公害などの危険が少ない安全なまち」を望む意見が多くなっています。
z
商業地に関しては、コンビニやスーパーなどの日用品の店舗を求める声が多く、
複合ショッピングセンターの立地に関しては他地域に比べて意見が少ない状況
にあります。
z
交通施設の整備では、地域西部市街地では歩行者や自転車の安全確保のための
歩道整備を求める意見が多く、東部市街地では渋滞解消のための幹線道路整備
が必要とされています。
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第4章
z
地域別構想
公園や緑地に関しては、日常的なレクリエーションや休養ができる身近な公園
整備を求める意見が最も多くなっています。
z
景観への取り組みでは、電線の地中化や自然景観、田園景観の保全に対する意
見が多くなっています。
z
地域で守り育てていきたいことでは、閑静で良好な居住空間の意見が最も多く
なっています。
z
すべての人が安心して暮らせる生活空間に必要なこととしては、広い歩道の設
置や段差の解消など、歩道空間における福祉面の取り組みが必要とされていま
す。
z
災害に強いまちづくりを実現するためには、電力や通信施設、上下水道などの
供給処理施設の強化、充実が求められています。
z
都市の発展のために今後必要とされる対策としては、
「原則的には開発を抑制し
つつも、市にとって必要な開発は行う」が最も多くなっています。
(3)南部地域のまちづくりの課題
z
市街化区域に隣接・近接するエリアは市街化圧力が特に高く、無秩序な開発が
起きやすいことから、地区計画制度等を活用した良好な市街地の形成を計画的
に誘導する必要があります。
z
鉄道の利便性向上と、駅を活かした拠点形成を促進する必要があります。
z
スーパーなど日用品のサービス施設の充実や、生活道路、歩道の整備が求めら
れています。
z
計画的に整備された低層住宅地の街並みや住環境の維持・保全を図る必要があ
ります。
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■南部地域
地域特性図
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第4章
地域別構想
(4)南部地域のまちづくりの目標
南部地域は、熊本市と一体となった市街化区域が地域東部と南部に指定され、低層
住宅を中心とした市街地が形成されており、市街化調整区域においても宅地開発が進
行している市街化圧力の高い地域です。
今後は、計画的な市街地の誘導による良好な住環境の形成を図りつつ、交通利便性
を活かした快適な居住環境と、ゆとりと潤いある生活を実現するまちづくりを進めて
いく必要があります。
“ゆとりと潤いのある生活を実現し
交通の利便性に優れた快適な居住環境のまち”
(5)南部地域のまちづくりの方針
①土地利用
・ すずかけ台や泉ヶ丘、杉並台、みずき台など、計画的に整備された住宅団地につ
いては、低層住宅地としての良好な住環境の保全を図ります。
・ 市役所須屋支所や泉ヶ丘支所周辺については、市民交流ゾーンにふさわしい公
共・公益施設や生活サービス施設の集積・充実を図ります。
・ 本市の都市交流軸である国道 387 号沿道については、住宅地としての土地利用
を基本としながら、幹線道路の機能を活かした商業・業務施設、生活サービス施
設等の立地による利便性の高い市街地形成を誘導します。
・ 県農業研究センターや、大規模医療施設の集積を活かし、熊本バイオフォレスト
構想の拠点となるメディカル・ステーションゾーンの形成を推進します。
・ 市街化調整区域にあって市街化区域に隣・近接し、宅地化が進行している黒石原
地区や新開地区などについては、地区計画制度等の活用により、都市基盤の整っ
た良好な住宅地の計画的な誘導を図ります。
・ 市街化区域内の農地や低未利用地については、優先的な宅地化などの活用を促進
します。
②交通施設
・ 県道大津西合志線から菊陽町に通じる県道住吉熊本線((都)大窪山下線)につい
ては、広域幹線道路としての機能維持を図ります。
・ 国道 3 号北バイパスについては、他都市との広域連携を図る路線として整備を
推進します。
・ 公共交通の利便性向上と利用促進に向けて、熊本電気鉄道駅の特に軌道東側から
のアクセス性の向上を図ります。
・ 国道 3 号北バイパスの整備に伴い、駅周辺の交通機能の強化が必要となる新須
屋駅周辺については、交通結節点としての機能充実を図ります。
・ 泉ヶ丘から国道 387 号に至る地区では、新たな市街地の形成が進行しているこ
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第4章
地域別構想
とから、既存の道路を活かした都市幹線道路の整備を図ります。
・ 狭隘道路などが多い地区については、地域住民との協働によって生活幹線道路の
整備実現に向けた取り組みを進め、住環境の改善を図ります。
③都市環境・自然的環境
・ 妙泉寺公園や元気の森公園、黒石公園の施設の維持・充実と有効活用を図ります。
・ 群山などの身近な緑地の積極的な保全と活用を図ります。
・ 比較的早期に開発された住宅地については、老朽化した上・下水道施設の更新な
どによる快適な住環境の回復を図ります。
・ 新たに市街地を形成するエリアについては、地区計画制度等の活用による緑豊か
で良好な街並みの創出を促進します。
・ 堀川や妙泉寺公園の池の水質保全を図るとともに、市民との協働による清掃活動
などを展開していきます。
④安全・安心なまちづくり
・ 急傾斜地崩壊危険箇所における土石流やがけ崩れ等の防止対策を図ります。
・ 歩行者の安全確保のため、通学路などを中心に歩道の整備を推進します。
・ 夜間に安心して歩けるよう、防犯灯の設置を促進します。
・ 住民による自主防災組織活動や防犯パトロール、高齢者世帯への声かけなど、地
域コミュニティの維持・強化を促進し、
“災害に強い”
“犯罪の起こりにくい”ま
ちを目指します。
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■南部地域
まちづくり方針図
※重点市街地ゾーン(将来土地利用検討ゾーンを含む)では、農用地区域などの規制の解除や開発要件を満たさなければ市街化を行うことはできません。
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