第1章 - 湖西市

第2章 めざすまちの姿………………………………32
第3章 土地利用構想…………………………………34
第4章 将来人口………………………………………40
第5章 総合計画の推進に向けて …………………42
基本構想
第1章 将来像 …………………………………………30
基本
構想
第1 章
1
第 章
将来像
1. 将来像
第2 章
本市は、平成22年3月23日に湖西市と新居
町が合併して、
新たな湖西市となりました。
東
は、
政令指定都市である浜松市、
西は中核市の
愛知県豊橋市と接し、自然・歴史・文化・産
業・地理など、恵まれた条件を備えたまちで
す。
今後、ますます存在感のあるまちとして飛
躍していくために、
次のとおり将来像を掲げ、
市民が主体となって特徴を生かしたまちづく
りを進めていきます。
市民協働で創る
第3 章
「市民が誇れる湖西市」
第4 章
第5 章
<将来像の考え方>
浜名湖、遠州灘、湖西連峰などの自然、先人
です。
から受け継いだ歴史的文化財は本市の魅力で
本市の魅力や活力を市民が再発見し、認識
す。
また、自動車関連企業を中心とした工業、 し、
もっと生かしていこうではありませんか。
基盤整備がされた農業、自然豊かな浜名湖や
そして、市民生活のあらゆる場面において、
遠州灘における漁業、駅を中心とした商業な 「ひとづくり」
「ものづくり」
「環境づくり」
を通
どの産業は本市の活力です。
この魅力と活力
し、
“市民が誇れる湖西市”を市民と行政とで
を創り出しているのは、ここに住む人[市民]
一緒に創造していきましょう。
写真提供 静岡新聞社
30
2. 将来像実現に向けた
“誇り”
づくり
第1 章
本市は、
「ひと」
「もの」
「環境」をキーワード
として、将来の湖西市の“誇り”づくりを進め
ていきます。
多くの人は、暮らしているまちに愛着を持
っています。
そのまちに暮らしている理由は、
「生まれ育ったから」
「縁あって住むようにな
った」
「○○が好きだから」など、さまざまで
す。
愛着のある郷土を誰かに話そうとすると、
郷土の“誇り”を思い浮かべます。
自然環境が
誇れるものならば、それは維持保全していか
なければなりません。
自慢できる産業は、
市民
が一生懸命働いているからこそ成り立ってい
るのです。
誇れるものは放っておいて創られるもので
はありません。
私たちの力で、
誇りに思えるも
のを一つでも多く創り上げていこうではあり
ませんか。
▲親子たこあげ大会
市民が誇れる“まち”づくり
本市の特徴を生かし、
市民と行政が一緒にまちの魅力を創造・進展させ、
市民が誇れる
まちをつくります。
誇りを創造するのは「ひと」です。
浜名湖周辺からは多くの偉人が生
「ひと」づくり まれています。郷土の偉人「豊田佐吉翁」を生んだ本市の環境と伝統を
磨き、
未来を担う
「ひと」
づくりをめざします。
湖西市を内外に強くアピールし、
湖西市ならではの
「もの」
、
すなわち
「もの」づくり 湖西ブランドの創出をめざします。それは、働く場づくりでもあり、
「ひ
と」
が生きる源になります。
暮らしやすいまち、母と子を大切にするまちの実現に向け、自然「環
「環境」づくり 境」はもとより、医療・福祉・道路・教育・衛生など、すべての生活「環
境」
を向上させることをめざします。
31
基本
構想
第1 章
2
第 章
めざすまちの姿
1. めざすまちの姿
第2 章
本市の将来像を実現するために、次の7つのまちの姿の実現をめざします。
基本に据
えるのは、
「情報公開」
「協働での取組」
「職員と市民双方の意識改革」
「行財政改革」
です。
また、
さまざまな分野の事業を連携させることで、
めざすまちの姿を効率的・効果的に
実現し、
市民が内外に誇れるまちづくりを進めます。
まちの姿1
ひとが育つまち
まちの姿2
ふれあいあふれる、
はつらつとしたまち
誰もが望む健康。
健康づくりの機会を提供するとともに、地域医療体制を確保して、
子どもから高齢者、障害のある人もない人も、誰もがやさしく、はつらつと暮らし続け
ることができるまちをめざします。
第4 章
まちの姿3
安全で安心して暮らせるまち
防災や防犯、交通安全などへの不安がなく、市民活動が活発で、暮らしに必要な施設
などが整備された、
安全で快適なまちをめざします。
まちの姿4
自然と環境に配慮したきれいなまち
第5 章
私たちが暮らす土台となる土地、自然、環境を守ることは、将来にわたって生活の土
台を守ることです。
一人一人が、毎日の暮らしと環境を意識し、未来の子どもたちに自
信を持って残せるまちをめざします。
まちの姿5
調和のとれた便利なまち
便利な暮らしを実現するため、
生活基盤や環境の整備を進め、
働きやすく暮しやすい
まちをめざします。
まちの姿6
産業の発展や交流による活力あふれるまち
暮らしの糧となる産業の発展は、市民生活の安定に欠かせません。
経済の活性化は、
企業・個人の収入の増加をもたらします。
また、
市外から人が集まる滞在型の交流も経
済の活性に大きく貢献します。
経済が元気で賑わいのあるまちをめざします。
まちの姿7
歴史・伝統・文化を生かし次世代に継承するまち
先人から受け継いだ歴史や伝統・文化は、
湖西らしさを際立たせ、
市民の誇りの源と
なる貴重な資源です。
これらの資源を生かして次世代に継承するまちをめざします。
情報公開、市民参加の仕組み、意識改革、行財政改革
男女共同参画、ユニバーサルデザイン
32
市民と行政との﹁協働﹂のまちづくり
第3 章
今と未来を担うのは、
“ひと”です。
すべて“ひと”の力で社会は発展を続けています。
次代を担う子どもたちはもちろん、今を生きる“ひと”すべてがいつでも成長できるま
ちをめざします。
2. 施策の体系図
■協働でめざすまちの姿
■将来像
まちの姿1
まちの姿3
安全で安心して
暮らせるまち
まちの姿4
まちの姿5
調和のとれた便利なまち
まちの姿6
産業の発展や交流による
活力あふれるまち
まちの姿7
歴史・伝統・文化を生かし
次世代に継承するまち
① 環境に対する意識を高める
② 資源循環型社会を構築する
③ 環境にやさしいエネルギーを活用する
④ 自然環境を保全する
⑤ うるおい豊かな生活空間を創る
① 市街地をより住みやすく
② 自然豊かな環境の中で生活する
③ 快適な住環境をつくる
④ 生活の要は道路
⑤ 利用しやすい公共交通
⑥ 情報化による便利な生活
① 工業を盛んに
② 食を守る農業
③ みんなで支える商業
④ 資源を生かした漁業
⑤ 勤労意欲に応える
⑥ 人が集うまち
住み続けたいまち・住みたいまち
自然と環境に配慮した
きれいなまち
① 自然災害に備える
② 犯罪を未然に防ぐ
③ 交通死亡事故ゼロをめざす
④ 消防・救急体制を整える
⑤ 消費生活の安定と向上を図る
第2 章
ふれあいあふれる、
はつらつとしたまち
安心感・充実感・満足感
市民協働で創﹁
る 市民が誇れる湖西市﹂
まちの姿2
① 健康づくりに取り組む
② 疾病の予防と早期発見に努める
③ 地域医療の連携を強化する
④ 地域福祉はみんなで支える
⑤ 母と子を大切にする
⑥ だれもが互いに尊重する
⑦ いつまでも生き生きと暮らす
﹁ひと﹂が育ち、
﹁もの﹂や仕組みをつくり、
住むための﹁環境﹂を整える
ひとが育つまち
① 豊かな人間性の基礎を築く
② 生きる力を育む
③ 子どもの可能性を伸ばす
④ 子どもを健やかに育てる
⑤ 多文化共生を推進する
⑥ 学習・スポーツ活動の環境を充実する
⑦ まちづくりはひとづくり
① 歴史の保存と継承
② 文化・芸術の振興
③ 生活の中で歴史に触れる
※ゴシック体で示された項目は、重点的に取り組む項目です。
情報公開、市民参加の仕組み、意識改革、行財政改革
男女共同参画、ユニバーサルデザイン
33
基本
構想
第1 章
3
第 章
土地利用構想
めざすまちの姿を実現するため、施策を展開していくうえでの本市のまちづくりの基本
となる土地利用の方向性を、
次のように考えます。
第2 章
1. 基本方針
第3 章
土地は、
市民が生活したり生産活動を行ったりするうえでの基盤となるものですが、
限りある
資産でもあります。
かけがえのない貴重な自然環境を保全しつつ、
バランスの取れた土地利用を
推進していきます。
また、
地域の特性を生かし、
地域住民の総意と公共の福祉のために有効な利用を考えていかな
ければなりません。
そのためには、
この総合計画の計画期間において、
現在の土地利用を検証し、
それぞれの地域に合った新しいまちづくりのための土地利用をしていきます。
1 自然と共生したうるおいのある土地利用
第4 章
第5 章
暮らしていて心地よさを感じる環境をつく
るため、浜名湖岸や遠州灘の砂浜、湖西連峰
をはじめとする、水と緑に囲まれた貴重な自
然や景観を守り、残していきます。
また、先人
が創り、守ってきた歴史的・文化的な景観や
資源を身近に感じることは、暮らしにうるお
いを与えてくれます。
このような自然や歴史
的・文化的なエリアは、未来へ大事に伝えて
いきます。
2 快適な生活環境をめざす土地利用
住宅地の需要に対しては、市街化区域内の
未利用地などの活用を優先的に進めます。
ま
た、
市街化調整区域においては、
その地域の課
題・特性、
地域住民の総意を踏まえたうえで、
周辺の土地利用との調和を図りながら住宅地
の創出、
農用地の保全・活用、
生活道路の整備
を計画的に進めます。
34
3 活力ある産業振興を図る土地利用
優良な集団的農地を保全し、耕作放棄地の
発生を未然に防止するためのきめ細やかな施
策を行うとともに、恒常的に耕作が放棄され
てしまった農地などの有効活用を図っていき
ます。
また、
企業などの生産活動を支える道路
整備を進めるとともに、バランスの取れた産
業構造化に向けた企業誘致を進め、周辺の土
地利用との調和を図りながら、工業用地の開
発を進めます。
商業の振興のためには、JRの鷲津駅や新所
原駅、新居関所周辺などの市街地の核となる
場所が、それぞれの特徴を生かした商業機能
が発揮できるような土地利用をしていきま
す。
4 災害に強い安全な土地利用
市民の生命・財産の安全を確保するため、
風水害や予想される東海地震などに備え、宅
地はもとより、
農地・森林の保全や、
河川など
の整備を図り、災害に強く安全な市となるよ
うな土地利用を進めていきます。
2. 地域区分ごとの土地利用の方向性
地域区分は、
自然環境や歴史的・社会的な条件を考慮し、
北部・中部・西部・南部・東部の5
地域に区分します。
<将来土地利用概念図>
凡 例
都市拠点
産業拠点
観 光・レクリエーション拠 点
浜松市
地区計画構想区域
浜松市
都市連係軸
第3 章
住宅地域
商 業・業 務 地 域
工業地域
北部地域
農業地域
集落地域
知波田
自然環境保全地 域
主要道路
地域界
新 所原
線
線 大森
湖
湖
名
名
浜
浜
竜
竜
天
天
アスモ前
市内連係軸
浜名湖
JR東海道本 線
西部地域
鷲津
豊橋市
JR東
中部地域
海道
新幹
線
東部地域
新居町
浜松市
南部地域
遠州灘
35
基本
構想
第1 章
1 北部地域
第2 章
第3 章
第4 章
第5 章
本市の北側を占め、
浜名湖に面し、
湖西連峰
を有する自然環境豊かな地域です。
地域のほぼ中心には、天竜浜名湖線の知波
田駅を有し、集落は国道301号沿いと太田か
ら豊橋市中原に向かう県道太田中原線沿い、
さらに浜名湖岸に向けて広がっていますが、
大半は農地となっています。
山間部から浜名湖に至る農用地について
は、地の利を生かしたコデマリなどの花きや
みかんなどの農産物の生産を引き続き振興す
るとともに、地域特産物のブランド化を図り
ます。
また、少子高齢社会の進行による地域活力
の減退を抑制するため、周辺の土地利用との
調和を図りながら、集団的な人口増加の方策
としての地区計画制度の活用や、指定大規模
既存集落制度の活用などにより住宅用地の確
保を図ります。
国有林をはじめとする北西部の森林地域
は、
貴重な緑地として保全しつつ、
良好な自然
環境や大知波峠廃寺跡などの歴史的な遺跡な
どを生かした、自然と人とが共生するふれあ
いの場としての機能の充実を図ります。
浜名湖岸は、豊かな水辺の自然環境を保全
するとともに、海水浴のできる砂浜がある女
河浦海水浴場の活用を図ります。
2 中部地域
JR鷲津駅周辺の市街化区域を中心に、都市
的な土地利用をしている地域です。
地域の中央部には市庁舎をはじめ市民会館
や健康福祉センター、消防署などの公共施設
が集まっています。
JR鷲津駅の南側は、
基盤
整備が完了し、土地の高度利用や良好な景観
形成を図るとともに、本市の中心に位置する
市街地として商業機能などの充実を図り、賑
わいを創り出していきます。
駅を中心に商業
系市街地、
その周辺に住居系市街地を配し、
市
36
街化区域内の未利用地などの積極的な活用に
より、
市街地の有効利用を進めていきます。
また、
地域の西側に広がる農用地は、
基盤整
備をした水田が多く、保水の機能を果たして
おり、
今後も保全・活用を図ります。
3 西部地域
JR新所原駅周辺の市街化区域を中心に、都
市的な土地利用をしている地域です。
駅の南北に住宅地が展開し、その外側に企
業が立地しています。
地域の西側は愛知県豊
橋市と接しており、静岡県の西の玄関口とし
てふさわしい橋上駅や、
南北自由通路、
駅前広
場などの整備を行っていきます。
また、
天竜浜名湖線との結節機能を有し、
ア
スモ前駅、
大森駅ともども、
周辺住民の生活交
通、および市内外からのレクリエーションエ
リアへの出発拠点として、賑わいを創り出す
必要があります。
JR新所原駅を中心に商業系市街地、その周
辺に住居系市街地を配し、市街化区域内の未
利用地などの積極的な有効活用を図ります。
4 南部地域
本市の南側、JR東海道新幹線から遠州灘に
至る地域です。
東海道五十三次の白須賀宿の名残がある歴
史的な集落と、
本市最大の工業団地があり、
農
業生産に適した土質を生かした優良な農地が
広がります。
また、
南には雄大な遠州灘が広が
っています。
新幹線南側に位置する工業団地は、自動車
製造業を中心とした事業所が多数展開してお
り、引き続き経済状況を注視しながら新たな
産業需要に対応できる土地利用を図ります。
また、少子高齢社会の進行による地域活力
の減退を抑制するため、周辺土地利用との調
和を図りながら、集団的な人口増加の方策と
しての地区計画制度の活用や、指定大規模既
存集落制度の活用などにより住宅用地の確保
5 東部地域
東海道五十三次の新居宿および関所のまち
として、歴史を感じさせる住宅地域を有する
市街化区域を中心とした地域です。
国の特別史跡に指定されている新居関所
とその周辺は、江戸時代から続く伝統的な町
割(まちわり)がそのまま残されており、これ
らを歴史的資源として保全・活用するととも
に、人々の懐かしさを誘う路地の雰囲気を生
かしつつ、歴史的な景観形成を進めていきま
す。
国道301号沿いや新居関所周辺には商業地
が続き、地域の東側には工業地域や浜名湖を
利用した観光・商業地域が広がっています。
近年では工場跡地を利用した再開発により、
優良な住宅地が形成されています。
このように歴史ある街並みと、新しい街並
みで形成された既存市街化区域は、JR新居
町駅を中心に広がっており、民間活力による
未利用地の開発を通して優良な住宅地形成の
誘導をしていきます。
また、
浜名湖沿岸や遠州灘に面する区域は、
貴重な生態系の維持や、良好な自然環境の保
全に努めるとともに、その自然を潮干狩り・
海釣り・マリンレジャーなどの観光レクリエ
ーション資源として活用することにより、観
光や漁業を活性化しながら、賑わいのあるま
ちづくりを図ります。
第3 章
を図ります。
農村基盤総合整備パイロット事業などによ
り整備された一団の優良農地は、露地野菜と
施設野菜のどちらの栽培も盛んで、今後も引
き続き集積化を進め、地産地消の拡大や6次
産業(1次、2次、3次の各産業が一体となっ
た総合産業)
化を推進しながら、
農畜産物のさ
らなるブランド化も図ります。
国道1号潮見バイパス沿いには、遠州灘を
目前に望む道の駅
「潮見坂」
が立地しているこ
とから、ここを拠点とした都市生活者への農
産物販売・情報発信を行い、交流人口の増加
を図ります。
遠州灘海岸については、貴重な生態系をは
じめ、
良好な自然環境の保全に努めながら、
サ
ーフィンや釣り、海岸レジャーなどから発生
するさまざまな問題の解決を図ります。
▲こどもフェスタ
37
基本
構想
3. 利用区分別の土地利用の基本方向
第1 章
第2 章
第3 章
第4 章
第5 章
⑴ 住宅用地 本市は、工業統計調査(平成20年)では、
県下第4位の製造品出荷額(従業者数4人
以上の事業所)
を誇り、
その経済力および雇
用吸収力は極めて高い状況です。
こうした
ことから、特に市外から通勤する就業者を
市内に定住させるためには、雇用の安定と
求めやすい住宅用地が供給できるように、
積極的に住宅用地の確保を図る必要があり
ます。
住宅地は、
恵まれた自然環境を生かし、
安
全で快適なゆとりのある居住環境の形成を
目標として、既成市街地における土地利用
の合理化・効率化を進めます。
また、
土地の
有効利用を促進するとともに、優良な住宅
地を供給するため、既存の住居系地域を拡
大する方向で土地区画整理事業をはじめと
して、民間活力を含め住宅用地の確保を図
ります。
⑵ 工業用地
工業用地は、
地域経済の安定を図るため、
産業構造の変化や企業の動向などに対応し
ながら集積を図ります。
特に既成市街地に
おける住工混在地区の解消を念頭に置き、
必要な用地の確保にあたっては、生活環境
や自然環境の保全に十分配慮するととも
に、他の土地利用との調和を図る中で計画
的に進めます。
⑶ その他の宅地
事務所や店舗は、特にJR鷲津駅周辺、JR
新所原駅周辺、
新居関所周辺の整備を進め、
まちの活性化と都市機能の充実を図ってい
きます。
また、公共施設用地は、行政需要の
増大と多様化に対処し、既存の施設の有効
利用、
機能分担、
他の施設の配置とのバラン
38
スに配慮しながら計画的に用地の確保を図
ります。
⑷ 農業用地
農用地は、農業生産活動の場であると同
時に、
「良好な緑地空間」として地域環境の
保全に重要な役割を果たすものです。
農村
基盤総合整備パイロット事業などにより整
備された優良農地を中心とした農村環境の
維持・保全に努めます。
また、
地域特性に応
じた多様な農業経営規模の拡大や、遊休農
地の有効利用による生産性の向上のため、
特に、野菜、花き、畜産などを中心とした農
業振興を図ります。
⑸ 森 林
森林は、国土の保全・水源かん養・自然
環境の保全など、多様な公益的機能の維持
増進のために必要です。
森林の育成と保全
に努め、水源かん養などの公益的機能の低
下防止を考慮し、周辺の土地利用との調整
を図ります。
また、
市民による里山づくりを推進し、
さ
らに豊かな自然を創造するとともに、自然
とのふれあいの場、
保健休養の場、
歴史・文
化を学ぶ場など、多面的な有効利用を図り
ます。
⑹ その他 公園・レクリエーション用地などのその
他の都市施設については、災害時における
防災機能の発揮や周辺環境との調和に配慮
しながら、
必要な整備を図ります。
文化的遺産については、本市の歴史を伝
えていく上で貴重な財産であり、その保存
に努めていきます。
第3 章
▲湖西フォトコンテスト2007入賞作品
39
基本
構想
第1 章
4
第 章
将来人口
1. 人口予測
第2 章
本市の将来人口を、住民基本台帳人口と外
国人登録人口からコーホート要因法により推
計すると、平成17年をピークに減少し、平成
32年には60,700人になると推計されます。
こうした中で、区画整理実施区域内への人
口流入、市街化区域内での未利用地の利用推
進、
少子化に歯止めをかける施策、
昼間人口と
夜間人口の差をできる限り定住人口に取り込
むための施策などを推進していくことによ
り、平成32年の人口が64,200人まで伸びる可
能性を秘めています。
第3 章
住民基本台帳・外国人登録による人口推移
千トン
65,000
64,000
63,000
62,000
61,000
63,500
63,057
62,784
62,172
人口推計
A
B
C
第4 章
実績値
58,000
平成12年度
平成17年度
C
63,500
B
62,100
A
60,700
人口推計
60,000
59,000
64,200
推計値
平成22年度
平成27年度
平成32年度
第5 章
人口推計値の ①コーホート要因法による平成32年の人口推計は、地域の人口の将来
自然増減要因
(出生、
死亡)
と、
将来社会増減要因
(転入・転出)
とに分
算出方法
けて推計する方法で、他の特殊要因(例えば、土地区画整理による宅
地の造成などによる人口増加)
は加味されていません。
②Aの人口推計は、特殊要因として区画整理終了区域の人口増加を見
込み、平成32年に区画整理終了区域内に最終的に約8割が転入した
ものとして算出しています。
③Bの人口推計は、
②に加える特殊要因として、
市街化区域内の未利用
地の利用を見込み、平成32年に市街化区域内の未利用地を約1割程
度住宅地として利用したものとして算出しています。
④Cの人口推計は、
③に加える特殊要因として、
新たな制度としての地
区計画制度などの適用により、さらに人口増加策を講じたものとし
て算出しています。
※A、
B、
Cともにまず平成27年の人口を推計し、
その人口を基に平成32年の人口を推計しています。
40
2. 将来目標人口
わが国全体が人口減少に向かっている中
で、
本市の将来の活性化をめざすために、
計画
終期の平成32年度の将来人口の目標を64,000
人とします。
土地利用施策に加え、
住環境をは
平成32年度将来目標人口
じめとする、住みたいと思う魅力の創出に努
めることにより、人口の増加を図っていきま
す。
64,000人
第4 章
41
基本
構想
第1 章
5
第 章
総合計画の推進に向けて
市民と行政の協働によるまちづくりを基本とするこの新・湖西市総合計画を推進するた
めには、協働によるまちづくりの仕組みづくりや各種市民活動団体などのさまざまな主
体による取組が必要となります。
第2 章
1. 総合計画を協働で進めるための役割分担
第3 章
自分たちが暮らすまちを住みよくするに
は、
そこに暮らす市民が自ら動き、
行政ととも
にまちづくりをしていくことが望まれます。
そこで、市民と行政の役割を明らかにし、
「自
らのまちは自らがつくる」という市民の意識
を高め、市民団体や自治会などの地域コミュ
ニティの活性化の支援に取り組みます。
また、
主 体
誇れるまちづくりのための主体別取組
第4 章
市民など
第5 章
市 民
●自分が住んでいる地域の特性や課題に関心を持ちます。
●障害のある人、高齢者や子どもたちを温かく見守ります。
●防犯、防災、清掃活動や文化・スポーツ活動などの社会活動に主体的に参加します。
●自治会などの地域コミュニティの形成に積極的に参加します。
●隣近所など周りの人たちとのコミュニケーションを図るとともに、地域のルールを守りま
す。
自治会・
NPOなど
●活動などを通して、市民相互のコミュニケーションにより信頼感の醸成を図り、情報を共
有しながら、地域課題などの解決に取り組みます。
●組織への参加を呼び掛けるとともに、市民から信頼される開かれた組織づくりと民主的
な運営を行います。
●地域情報や活動情報を積極的に提供します。
事業者
行 政
42
NPOや市民ボランティアなどの団体の主体
的な活動による、地域課題の解決の支援をし
ます。
行政は、積極的な情報の提供、ネットワ
ークづくりの機会の創出、
人財の育成、
市民活
動拠点の整備などを通して市民によるまちづ
くり活動を支援します。
●市民・地域などが実施する活動に積極的に参加・協力します。
●従業員の地域などでの活動を積極的に支援します。
●地域づくりの一員となります。
●職員の意識改革と資質向上に努めます。
●施策達成のための効果的な組織編成に努めます。
●施策・事業の成果を検証し、改善を図りながら効果的で効率的な事業を行います。
●自治会やNPOなどの市民活動団体に対し、
さまざまな情報を提供し、地域活動を支援し
ます。
●地域リーダーの育成や市民活動の推進に努めます。
●人数の多少にかかわらず、自ら活動する市民の声を聞く機会を増やし、政策決定過程や
施策に反映していきます。
●常に、男女共同参画とユニバーサルデザインの理念を意識します。
●総合計画の推進にあたっては、各部門が横断的に連携・調整し、市民の声を聞いて進め
ていきます。
2. 市民と行政による協働のまちづくりを進める仕組み
◆情報公開と市民参加の仕組みづくり
市民がまちづくりに参加しやすくするため
には、行政からの情報の提供や公開が不可欠
です。
さまざまな会議を公開で開催するとと
もに、その内容や決まったことを迅速に正確
に公表していきます。
それと併せて、
市民の誰
もがまちづくりや行政運営に参画できる仕組
みを確立し、NPOやボランティア団体などの
推進のための
方策
育成と市民活動の促進やネットワークづくり
を進めていきます。
また、市民参加のまちづくりを進めていく
ために、協働や住民自治に関する基本的な考
え方、市民や事業者や行政などそれぞれの役
割と責務を明確にする条例などの制定が必要
となります。
●情報の提供と公開の習慣化
●まちづくりへの市民参加の仕組みづくり
●協働のパートナーとなるNPO法人などの育成と人財の発掘
●協働のまちづくりを目的とした条例などの制定
●市民活動拠点の整備
第5 章
43
基本
構想
3. 市民の満足度を高め、効率的で効果的な行政経営の推進
第1 章
第2 章
◆行政評価とPDCAサイクルによる改善の推進
行政が協働でPDCAサイクルによる進行管
行財政改革を一層推進し、総合計画と連動
また、
事業内容の検証を予算編
した行政評価システムを確立するとともに、 理を行います。
成に活用します。
歳入においては、
受益者負担
企画提案力のある職員の育成、政策課題に対
の適正化、
新たな産業分野の企業誘致、
定住人
応できる組織の再編を実施し、効率的で効果
口の増加による税収の増加など、新たな財源
的な行政経営を進めます。
の確保に努めます。
事務事業の内部評価を積極的に公開し、市
民などによる事業仕分けを実施して、市民と
推進のための
方策
第3 章
第4 章
◆簡素で効率的な行財政システムの確立
「何のためにその活動を行うのか」
「その活
動によって市民生活がどのように向上するの
か」
という目的や成果を常に意識し、
限りある
財源を真に必要となる施策へ戦略的に配分す
るなど市民の目線に立った行財政経営に努
推進のための
方策
め、行政能力の向上による簡素で効率的なシ
ステムの確立を図ります。
そして、
的確なサー
ビスの提供による市民満足度の向上をめざし
ます。
第5 章
●地域の政策課題の的確な把握
●目的・成果意識に基づく、真に必要となる施策への戦略的財源
配分
◆職員の育成
職員が能力を最大限発揮できるよう、計画
的な人事異動と適材適所の人事配置、人事評
価制度の充実と活用を推進します。
また、地方分権の進展に伴い必要とされる
政策形成能力や、自主判断能力の開発に重点
を置く職員研修を実施し、時代に対応できる
推進のための
方策
44
●行政評価システムの確立とPDCAサイクルによる進行管理
●行政評価と予算編成を連動させる仕組みづくり
●“選択と集中”による歳出の削減と自主財源の確保策の検討
職員の育成を図り、行政の施策能力の向上の
ための取組を推進します。
加えて、
「市民のた
めになっているか」
「法律上、社会通念上正し
いかどうか」
「人権を侵害していないか」とい
うコンプライアンス
(法令順守)
の理念の定着
に努めます。
●人事評価制度の充実と活用
●政策形成能力や、自主判断能力開発などに重点を置く職員研
修の実施
●職員による新しい提案制度の充実
●コンプライアンスの理念の定着