2枚組

量子力学II
名城大学 理工学部 材料機能工学科
名城大学・理工学部・材料機能工学科
いわや
もとあき
岩谷
素顕
1
講義中のルール
私語厳禁!
講義に集中!
(他事禁止)
2
発見した場合⇒1発退場
前回の復習
光の粒子性
3
James Clerk Maxwell
光が電磁波であると予言
Heinrich Rudolf Hertz
電磁波の放射の存在を、それを生
成する機械の構築によって実証
電磁波
波の進行方向
波長
電界ベクトル
電界
ク
4
磁界ベクトル
この現象を物理的に説明するためには?
光の波動性
ある振動数でピークを持つ
ある振動数でピ
クを持つ
http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/s1pian/s
p
p g jp g
p
1g2/s1g21/IPA-pia200.htm
光
光の強さ
さ U
高温
低温
赤
5
振動数 
紫
Max Planck
量子仮説
プランクの式は実際と良く一致
高温
光の強さ
さ U
8h
U [ , T ]  d  3
c
3
 h 
 d
  1
eexpp
 k BT 
なぜか?
低温
エネルギー量子の考え
赤
紫
振動数 
6
E  nh
(n: 整数)
電磁波の ネルギ は
電磁波のエネルギーは
hの整数倍?
h:プランク定数
光量子仮説
1900 Planckの放射則
Pl
kの放射則 ⇒ 実験結果と完璧に
実験結果と完璧に一致、
致
ただし理由が分からない
Planckの考察:エネルギ は連続ではなくhという不連続の値
Planckの考察:エネルギーは連続ではなくhという不連続の値
量子仮説
世間の反応
当時の光の考え方
•光の波動説→相反
1905 Einstein
光量子説により光電効果を説明
⇒ Planckの量子仮説の後押し
Max Planck
Albert Einstein
http://www.atfan.com/einstein/LIFE/eins4.htm
http://www.free-definition.com/Max-Planck.html
7
光の 重性
光の2重性
光
光には2つの性質がある
性質 あ
波の進行方向
波長
波動性
詳細は
電気磁気学3で
電界ベクトル
磁界ベクトル
粒子性
8
E  h 
hc

:光子1個の持つエネルギー
h:プランク定数
ν:光の振動数
c:光の速さ
λ:光の波長
演習問題
 太陽電池
太陽電池について考える
考える
定数
プランク定数 h=6.626×10-34[J・s]
電子の素電荷 e=1.602×10
e 1 602×10-19[C]
電子の静止質量 m=9.106×10-31[kg]
光速 c=2.998×108[m/s]
波長450nm、光強度1Wの青色光がある。この青色光を太
陽電池に照射した時に発生する光電流は最大でいくらにな
るか? 計算しなさい
450nmの光子1個のエネルギーは?
E  h 
hc

 4.414 10 19 J 
WとJの関係は?
1ワットに1秒を掛けたものがジュール
1Wの光の中に光子は単位時間当たり何個存在するか?
1W 
 2.265 1018 s 1
4.414 10 19 J  Ws 
 
9
1Wで発生する光電流は?
 
2.265  1018 s 1  1.602 10 19 C   0.363A
電磁波の種類
400nm
10
500nm
600nm
700nm
太陽電池における光吸収 過程
太陽電池における光吸収の過程
光のエネルギー>バンドギャップエネルギーの場合
①非平衡状態
バンド内緩和(熱の放出)
伝導帯
光のエネルギー
②準安定状態
光
波の進行方向
波長
電界ベクトル
磁界ベクトル
11
太陽電池の場合:
電圧は半導体のバンドギャップによって決まる
電流は光子の数によって決まる
原子の構造について考える
構造
考 る
12
蛍光灯などの放電管
蛍光灯の発光原理
13
輝線の原理
大きなエネルギーを持った電子が低エネルギーに移動する時に発する
バルマー系列
ライマン系列
14
水銀からの発光は?
水銀からの発光は
太陽光線
太陽光線は連続スペクトル
水素
放電などにより励起された水素は輝線スペクトル
水銀
銀
放電などにより励起された水銀も輝線スペクトル
波長(×10-7m)
詳細
15
http://sapphire.pc.uec.ac.jp/~yamadac/zenki2004/modphysch12/
水素原子の輝線スペクトルは?
1
1
1
 RH 2  2

m n
:波長

波長
RH:水素のリュードベリ定数
=1.09677691×10
1 09677691×107 m-1
m,n: 整数
m=1、n=2,3,4・・・ ライマン系列
m=2、n=3,4,5・・・
、
, ,
バルマー系列
ル
系列
m=3、n=4,5,6・・・ パッシェン系列
スペクトル線の波長が、整数によって定められている
原子の状態が整数によって規定されていることを示唆
16
古典論では説明できない??
この現象をどのように考えたら良いか?
象をど
う 考 た 良
輝線スペクトルは何によって決まるのか?
17
当時(1910年頃)の原子の考え方
正電荷プリン
こちらの説が支配的
マクスウェルの電気磁気学によれば、負の電荷の電子と
マクスウェルの電気磁気学によれば
負の電荷の電子と
正の電荷を持った原子核が存在する場合、円運動をしな
がら引き付けられ光を放出することになる。
がら引き付けられ光を放出することになる
18
放射能を使 た実験
放射能を使った実験
19
代表的な放射線
http://www.bousai.ne.jp/vis/bousai_kensyu/glossary/a05a.html
α線の発声方法
線の発声方法
α崩壊によって発生する
代表的なα崩壊
U  Th  He
238
92
20
234
90
4
2
2
原子による線の散乱
原子による線の散乱実験の概要
衝突した粒子の
大部分はまっすぐ
前方に直進します
が、ごくたまに90
が、ごくたまに90°
以上にもなる 大き
な角度に 散乱され
る粒子が ある
21
http://www.kutl.kyushu-u.ac.jp/seminar/MicroWorld/Part2/P23/alpha_particle.htm
この実験結果から考えると
の実験結果から考えると
このモデルでは説明できない
従来の説
正電荷プリン
土星の輪
22
ラザ
ラザフォードの線散乱の実験
ドの 線散乱の実験
ラザフォード
1911 ラザフォード
ラザフォ ド
の原子模型
当時の世間の研究者の反応:
マクスウェルの電気磁気学によれば、電子のような電荷を持ったも
のが円運動すると光を出す。
が 運動すると光を出す
すなわちラザフォードの原子モデルでは、1億分の1秒で電子は光
を出してエネルギーを失い 陽子に引き寄せられて潰れてしまう
を出してエネルギーを失い、陽子に引き寄せられて潰れてしまう。
⇒ 「ラザフォードの原子モデルが間違っている」
23
Bohrの仮説
仮説
この課題をどのように考えれ
ば良いかをはじめて説明す
ることに成功
若き頃のボーア
お札になったボーア
24
Bohrの仮説
の仮説
電子
ラザフォードの原子モデルの問題:
荷電粒子である電子(マイナス)が原子核(プ
ラス)の周りをまわっている時に、電磁波を
放出してしまうと考えること
⇒Bohrはある特定の軌道を電子がまわって
いる時(定常状態)には円運動を行っ
ても電磁波を放出しない
電磁波を放出 な と仮定し
た
25
原子核
http://www-groups.dcs.st-and.ac.uk/~history/PictDisplay/Bohr_Niels.html
Bohrの仮説
の仮説 ①
電子は 特定 安定な軌道 上だけを運動し
電子は、特定の安定な軌道の上だけを運動し、この軌道上を運動
軌道上を運動
する場合には光を放出しない。これを定常状態と呼ぶ。定常状
態の軌道を半径 の円とすれば
態の軌道を半径aの円とすれば、
電子(質量:m、速度:v)の角運動量Lの2倍が、プ
ランク定数の整数倍に等しい
ク定数 整数倍に等し
角運動量
n  1,2,3   
2L  2mva  nh 26
Bohrの仮説
の仮説 ②
2つの定常状態の間の遷移によって放出 (または
吸収)される光の振動数は、振動数条件
h  E   E 
によって決まる. ここで h は プランク定数, E’,E”
は それら2つの定常状態の エネルギーの値である。
27
Bohrの仮説
の仮説 ③
定常状態において、電子は古典論の法則に従う。
そして,古典論で許される可能な運動のうち, 量子条件
 pdq  nh(n  1,2,3,  )
を満たす状態のみが定常状態として許される。ただし,p
は電子の運動量,q
動 ,q は座標変数であり,積分は電子の
標変数 あ ,積
軌道に沿って1周期にわたるものとする。
28
Bohrの仮説はなぜ起きるのか?
仮説 なぜ起きる か
これを説明したのがDe Broglieの物質波の概念
L i De
Louis
D Broglie
B li
29
ドブロイの机上仮説
物質波は存在するのか?
1911 ラザフォード(米) アルファ線の放射、
原子モデルの提唱
1913 ボーア(丁抹)、ボーアの仮説
1923 ドブロイ(仏) 物質波
1926 シュレーディンガー(独)
波動力学=量子力学
1927 ハイゼンベルグ(独) 不確定性原理
1927 ダビッソン・ジャーマー(米)
Ni結晶による電子線回折の発見
30
2-15
L i De
Louis
D Broglie
B li
http://www.sigu7.jussieu.fr/hpr/fldb-lbroglie.html
ド・ブロイ「物質波」の概念
巨視的
微視的
電磁波(光)
波動性
粒子性
電子・陽子
電子
陽子
粒子性
波動性?
L i De
Louis
D Broglie
B li
 電子や陽子は、微視的現象では波動として振舞うので
はないかと考え、この波動のことを物質波と呼んだ。
31
ドブロイの物質波
光のエネルギー(フォトンのエネルギー)
光の
ネルギ (フォトンの ネルギ )
E [J]= h h:プランク定数[Js] :振動数[Hz]
波長[m]を使って書き直すと
波長
を使
書き直すと
c
Eh
(cは光速[m/s])
mcが運動量p
が運動量

光のエネルギーは、相対論的には運動量pを用いて
E = cp
ボーアは、相対論(E=mc2)を用いた。
と書くことができる。これにより次の関係が導かれる
32
Eh
c

 cp ⇔ p 
h

ドブロイの物質波の実験的証明
1927 Davisson & Germer 電子線回折
実験
電子のエネルギー測定のため真空中
のNiに電子線を照射
⇒表面が酸化していることに気づき、
Niを加熱
⇒回折パターンが出来ることを発見。
Clinton Joseph Davisson,
Davisson
Lester Halbert Germer
余談:真空中の加熱による表面酸化物の除去
⇒現在の分子線エピタキシ 法では 般的
⇒現在の分子線エピタキシー法では一般的
33
ダビッソンとジャーマーによる電子線回折実験
54Vで加速した電子線
50°で強度のピークが存在
回折現象?
34
1927 George Paget Thomson (英) 電子線
回折実験に成功
1928 菊池 正士(きくち せいし、日) 雲母を
用いて電子線回折に関する実験に成功
電子を発見した
息子、
J. J. Thomsonの息子、
G. P. Thomson (親子
でノーベル賞)
電子の粒子性 と 波動性
菊池 正士が得た雲母薄
膜からの電子線回折像
35
http://www.kgt.co.jp/avs_conso/event/vc10/summary/data/key2.pdf
他にも様々な実験で電子の波動性は
実証されている
電 線
電子線源
電子線を2つの経路に
分ける
電子を映し出す
36
ここの像がどう
変わるか?
変わる
http://www.kgt.co.jp/avs_conso/event/vc10/summary/data/key2.pdf
映し出された像
(a→eにしたがって電子の個数増)
が
個数増
もし電子が粒子だと仮定したら
両方の行路を通ることはないので
1つの行路でも同じようになるはず
37
http://www.kgt.co.jp/avs_conso/event/vc10/summary/data/key2.pdf
行路が一つしかない場合
縞模様とはまったく異なる像になる
電子波を表す関数
球面波状の波とな て重なり干渉
球面波状の波となって重なり干渉
電子
 r , t 
現象を良く
説明 能
説明可能
Erwin Schrödinger
38
2つスリットがある場合
電子波の方程式はどのように表わ
すのか?
De Broglieが出した式から順番に考えて行きましょう
39
今ま の内容
今までの内容
 電磁波(光)と電子の考え方
L i D
Louis
De B
Broglie
li
巨視的
微視的
電磁波(光)
波動性
粒子性
電子・陽子
粒子性
波動性
電子線回折・干渉など実験的に確認
ドブロイの物質波
40
p
h

次の問題
電子の性質をどうやって式で表すか?
電子波を表す関数
 r , t 
 問題点
 粒子性
 波動性
の両方を満たす式が必要
 r , t  これをどういう関数で考えるか?
実在的波動で考えてみると?
矛盾
41
電子波を表す関数
表
 r , t  これをどういう関数で考えるか?
実在的波動?
矛盾
一つの電子が二つに分割しない限
り説明ができない。
り説明ができない
 r , t  :波動関数
 r , t dr
42
:ある時刻tで位置rと
r drの間にある電子
r+drの間にある電子
波の状態を表す
確率波の考え方
電子波の波動関数の矛盾点を解消するために
電子波の波動関数は確率波
すなわち、確率についての波である
定義
時刻tに電子の位置の測定を行う時、点rを
含む微小体積drの中に電子が見出される
確率(r,t)drは
( , )
共役複素数
Max Born
 r , t dr   r , t  r , t dr   r , t  dr
2
*
に等しい
等
43
規格化条件
この関数に、対して適当な係数をかけることによって、
電子の存在確率を表す
 r , t dr   r , t  r , t dr   r , t  dr
2
*
  r , t dr    r , t 
2
dr  1
全範囲の存在確率を積分すれば1
が成り立つ。上記のようになるように関数の係数を定め
が成り立つ
上記のようになるように関数の係数を定め
ることを規格化するという。あとで出てくるが、自然界に存
在する波動関数は 全て規格化されている
在する波動関数は、全て規格化されている。
44
波動関数はどういう関数か?
波動関数はどういう関数か
 r , t  dr 電子の存在確率を表す
2
確率波は1個の粒子に対する
波で 1個の粒子に対してどち
波で、1個の粒子に対してどち
らのスリットを通る可能性も残
しており その両スリットを通過
しており、その両スリットを通過
した波が干渉する。
日常生活から考えると非常
に違和感がある
45
これをどう考えれば良いか?
ば
a
b
aを通る状態X、bを通る状態Y
aを通る状態X
bを通る状態Y
を定式化するとした場合、直交
する2つの複素ベクトルを選べ
ば定式化できる
Y
虚
状態ベクトル
X
実
一般に量子力学の状態は複素空間によって記述される
46
波長λの波があったとする。位置をxとすれば、
があ
ば
y
同じ値
A
場所
場所x[m]
0
波長 [m]
この時 expを用いて波を表わせば
この時、expを用いて波を表わせば
47
 2
 x   A exp i
 

のように書ける
x   A expikx  のように書ける。

周期Tの波があったとする。時間をtとすれば、
があ
時
ば
y
同じ値
1/Tが振動数
A
0
時間t[s]
周期T [s]
この時、expを用いて波を表わせば
48
 2 
t   A expit  のように書ける。
う 書
T


 t   A exp i
量子力学における
量
力学 お る
状態・物理量・測定値
古典論とは根本的に
違うところがあるので注意
49
約束事 量 力学
約束事=量子力学の4つの要請
請
量子力学には約束事がある。
約束事は自然の摂理に基づいている
要請
要請とは「公理のように自明ではないが、
う 自明
な
、証明不可能な命題で、学問上もしく
、学問
は実践上原理として承認されているもの」
※約束事は必ず覚えること
50
古典力学では・・・
系の状態・物理量・測定値
態 物
定値
系の状態は位置と運動量が決ま
決
れば状態が決まる
状態
E
物理量
測定量
1 2
mv  V (r,tt )
2
測定値も物理量と同等になる
古典力学
51
量子力学では・・・
状態 物理量 測定値を明確に分ける
状態・物理量・測定値を明確に分ける
状態
波動関数
52
物理量
測定量
演算子
期待値
固有値
量子力学
期待値:
ある現象に対して多数回の測定
を行い、測定値の平均
量子力学の要請(1)
状態と波動関数
系の状態は、粒子の座標、例えばx,y,zおよび時間t
の関数である波動関数(x,y,z,t)によって表される。
この波動関数は 般に複素数となり、粒子の存在
この波動関数は一般に複素数となり、粒子の存在
している領域で1価の滑らかな関数であり、適当
な境界条件を満足している。
な境界条件を満足している
1価の滑らかな関数:粒子の存在する領域で波動
関数及びその 次の微係数が連続
関数及びその一次の微係数が連続
53
量子力学の要請(1)
状態と波動関数
時刻tにおいて、点(x,y,z)を含む体積素片dv(=dxdydz)の中に粒
子が見出される確率をP(x y z t)dvとおくと
子が見出される確率をP(x,y,z,t)dvとおくと
2
P( x, y, z , t )dv   ( x, y, z , t ) dv
定義:波動関数は確率波を表す
比例定数をcとして、粒子が存在している領域(全空間もしくは
周期的空間の1周期)で積分する
 P( x, y, z, t )dv   c ( x, y, z, t )
2
dv  1
粒子の存在確率
c
54
1
  ( x, y, z, t ) dv
2
量子力学の要請(1)
状態と波動関数
2
P( x, y, z , t )dv  c ( x, y, z , t ) dv
c
1
  ( x, y, z, t ) dv
確率密度関数
規格化波動関数
2
P ( x, y , z , t ) 
 ( x, y , z , t )
2
  ( x, y, z, t ) dv
2
  ( x, y, z, t ) dv  1
2
粒子の存在確率を全領域において積分すれば必ず粒子は存在するので、
波動関数は規格化されているものを扱う。
55
量子力学の要請(2) 物理量と演算子
古典論における基本的な物理量に対して、以下の表に示す演
算子が対応する。
物理量
座標(位置)
x
y
z
px
運動量
py
pz
56
エネルギー
E
演算子
xˆ  x
yˆ  y
zˆ  z

x

pˆ y  i
y

pˆ z  i
z
pˆ x  i

Eˆ  i
t
ハット
つけない場合
もあり
演算子の意味
演算子は、ある波動関数に作用して、これを他の波動関数
演算子は
ある波動関数に作用して これを他の波動関数
に移し変える働きをしている。
例
pˆ xという演算子はsin nx → n cos nxに移し変える
pˆ x sin nx  i
pˆ x  i
例

x
pˆ x という演算子はcos nx → -n sin xに移し変える
pˆ x cos nx  i
57

sin nx  in cos nx
x
pˆ x  i

cos nx  i n sin nx 
x

x
この例では関数の射影をしている
演算子の意味
固有関数 固有値
固有関数、固有値
pˆ 2
2m をsin nxに適用すると、
2 2
2 2
n 2 2

 sin nx  
sin nx 
sin nx
2
2m
2m x
2m
運動エネルギー演算子
sin nxを定数倍するだけ
演算子を作用させても、関数の形が変わらないとき、この関数
をその演算子の固有関数という。そして演算によって現れた係
数を固有値という。
数を固有値という
固有値というのは 実際に観測可能な物理量であり実数を取る
固有値というのは、実際に観測可能な物理量であり実数を取る。
58
量子力学の要請(3)
学
請
波動関数と波動方程式
波動関数は、次のシュレーディンガー方程式を必ず満足しなければならない。
Hˆ   Eˆ 
エネルギー演算子
ネルギ 演算子
ハミルトニアン演算子
 2 2

 ( x, y, z , t )



(
,
,
,
)
(
,
,
,
)

V
x
y
z
t

x
y
z
t

i


2
m
t


59
量子力学の要請(4)
測定値・固有値・期待値
演算子Âを波動関数に作用させた時、
( 定数)
Aˆ   a (a:定数)
の関係が成立する場合、即ちがÂの固有関数であるとき、の状態で
物理量Aを測定すると Âの固有値aが測定値として得られる。
物理量Aを測定すると、
 固有値 が測定値とし 得られる
yがÂの固有関数でないときは、測定値としてはÂの固有値a1, a2,
a3,・・・・のいずれか
・・・・のいずれか一つの値が得られ
つの値が得られ、その平均値は
その平均値は
ˆ  ψA
ˆ ψ 
A
*ˆ
ψ
 Aψdv
*
ψ
  ψdv
で与えられる これを期待値と呼ぶ
で与えられる。これを期待値と呼ぶ。
60
の複素共役関数
期待値とは何か?
期待値とは何か
数学的な期待値(きたいち)とは確率と確率変数を掛けた総和を取ったもの
を掛けた総和を取 たもの
である
典型的な例:サイコロを 1 回振るものとして、その時に出る目の期待値はいくらか?
•サイコロを振った時 1~6 の出る確率は?:1/6
•出る目の期待値は?
1
1
1
1
1
1
1  2   3   4   5   6   3.5
6
6
6
6
6
6
•出る目の期待値⇒3 5
•出る目の期待値⇒3.5
61
量子力学の期待値とは何か?
電子線源
電子線を2つの経路に分ける
電子を映し出す
62
ここの像がどう
変わるか?
http://www.kgt.co.jp/avs_conso/event/vc10/summary/data/key2.pdf
期待値とは?
期待値とは
どのようにイメージするのか?
期待値が大きい
期待値が小さい
1回の測定で得られることが予言できな
いが たくさん測ると その付近の測定
いが、たくさん測ると、その付近の測定
値が得られる
63
http://www.kgt.co.jp/avs_conso/event/vc10/summary/data/key2.pdf
波動関数と固有値、期待値のまとめ
電子などの粒子の状態は波動関数で表される
波動関数の例:
i

 r,t   a exp  pr  Et 


実際には、これは観測されることはない。
観測できるのは、固有値、期待値(物理量なので実数)
Aˆ   a (a:定数)
Aˆ 
64
* ˆ

 Adv

*
dv
固有値
期待値
演習 考え みまし う
演習で考えてみましょう
演習1 波動関数
 x  
2
n
sin
x0  x  l 
l
l
他の領域は(x)=0
について考える。
(1) 運動量の2乗p2の期待値<p2>を求めなさい
(2) (1)を用いることによって、エネルギーの期待値E=
(1)を用いることによって エネルギ の期待値E= <p2>/2mを求めなさい
65
考え方
n
2
sin
x0  x  l  この波動関数は規格化してある。
l
l
 x  
Aˆ 
* ˆ

 Adv
*

 dv
  * Aˆ dv
=1
1
これを計算
算
求めたいのはp
p2の期待値<p
期待
p 2>

pˆ x  i
x
66
p
2
2
d 

   *  x   i    x dx を計算すればよい
0
dx 

l
(2)は(1)が解ければすぐに計算可能
p2
p

2
2
d 

   *  x   i    x dx
0
dx 

l
l
0
2
n
sin
l
l
2 l
n
  sin
l 0
l
 n 
  

 l 
 
2
2
d 

x   i 
dx 

2
n
sin
xdx
l
l
2


n
2 l
n
2 d


x  1
sin
xdx

sin
x 2
2 

dx 
l
l 0
l


l
0
2
n
2
n
 n 
sin
x
sin
xdx   2 

l
l
l
l
 l 
 
2
2
p2
 2  n 
E



2m 2m  l 
2
今日のまとめ
 光の2重性
 粒子の2重性
 ボーアの仮説
ボ アの仮説
 ド・ブロイ波
 波動関数
 期待値・固有値
それぞれ 何 を良く 解 ま ょう
それぞれが何かを良く理解しましょう
68
2
2
n
 n 
xdx

 sin
l
 l 
 
 n 
  

 l 
エネルギーの期待値Eは
 
2
l
  *dx
0