Ⅰ はじめに Ⅱ 研究の基本方針 Ⅲ 研究の内容 - 阿賀野市立安田中学校

の一部及び成果や課題の検証を小中が連携して行う
(2) 地 域 と 学 校 と の か か わ り を 深 め 、 地 域 の 、 社 会 性
育成に対する関心を高めた上で教育活動を展開する
阿賀野市立安田中学校
Ⅲ
Ⅰ
はじめに
1
研究の内容
中学校区における“育みたい社会性”の合意形成
安田中学校は、阿賀野市の南東部に位置し、全校生
当校及び中学校区内3小学校の教務主任、生徒指導
徒 約 300 名 、 11 学 級 の 中 規 模 校 で あ る 。 明 る く 元 気 で
主事、生活指導主任、管理職を構成員とする【小中連
人なつっこい生徒が多い反面、長年にわたり、規範意
携社会性育成推進委員会】を立ち上げ、子どもたちの
識の欠如による問題行動が多いという課題があった。
実態を踏まえて、育みたい社会性を、以下のような4
ま た 、『 ま じ め に 取 り 組 む 生 徒 が か ら か わ れ や す い 』、
つの視点(A~D)として設定した。
『人間関係の希薄さから、学校生活に不適応を起こす
A
自己肯定感・自己有用感
生 徒 が 多 い 』、『 時 間 を 守 る 等 、 基 本 的 生 活 習 慣 の 確
B
人間関係づくりの意欲・スキル
立が不十分』等の課題も存在した。さらに、全国学力
C
規範意識、及び規範に係る確かな行動力
・学 習 状 況 調 査 に お け る 質 問 か ら 、 自 己 肯 定 感 が 低 い
D
豊かな人権感覚
と い う 実 態 も 明 ら か に な っ た ( 下 記 グ ラ フ )。
特に、Aを、B~Dの基盤となる要素ととらえ、社
【質問】自分にはよいところがあると思いますか?
(A→そう思う……D→全く思わない)
0%
20%
40%
60%
H24.4 月 調 査
80%
会 性 育 成 の 最 重 要 項 目 に 設 定 し た 。【 A ~ D に 関 す る
教 育 活 動 を 、“ 小 中 連 携 事 業 ” 及 び “ 各 校 単 独 事 業 ”
100%
の 2 つ の 柱 で 展 開 し 、成 果 や 課 題 を 確 認 し 合 う こ と 】、
H24全国
B
A
C
D
H24安田中
【Aについては、小中学校が同時期に意識調査を実施
し、分析結果を持ち寄ること】を確認し合った。
一方、地域と学校とのつながりでは、学校の教育活
2
地域とのかかわりから社会性を育む
動に関心をもち、積極的に参加する保護者や地区民が
【生徒同士のかかわりから社会性を育成する視点】
い る も の の 、「 子 ど も た ち と 地 域 と の か か わ り が 年 々
と共に【地区民が、教育活動に様々な形で参画するこ
希 薄 に な っ て い る 。」と い う 実 感 を も つ 地 区 民 も 多 く 、
とで社会性を育成するという視点】でも推進する。
地域の教育力を十分に生かしているとは言い難い。
(1)
以上のような実態を踏まえ、地域と学校とのかかわ
ア
りを深め、協働によって生徒の社会性を育む取組を展
啓発活動
各種会合での方針説明と協力要請
自治会長との懇談会(5地区毎に開催)を企画した
開 す る こ と で 、上 記 の 課 題 の 解 決 を 図 り た い と 考 え た 。
り、校長が民生児童委員の定例会に何度か参加する機
その取組が、学校経営方針に掲げている【生徒が母校
会を設けたりする。その場では、社会性育成の基本方
に 誇 り を も て る 学 校 】、【 地 域 の 方 々 に “ 地 域 の 宝 ”
針を説明し、教育活動を展開するにあたっての情報収
と感じてもらえる学校】の具現につながるという思い
集(例えば外部講師の適任者)や参画の要請を行う。
か ら 、 平 成 24 年 度 よ り 実 践 的 な 研 究 に 取 り 組 ん だ 。
イ
『学校だより』での啓発
毎月3回発行する学校だよりには、社会性育成にか
Ⅱ
かわる活動の様子や評価結果を月に1~2回の割合で
研究の基本方針
“ 社 会 性 ” と い う 漠 然 と し た 資 質 ・能 力 を 、 わ か り
やすく、かつ焦点化することを基本方針とした。そし
て 、教 職 員 だ け で な く 保 護 者 、地 区 民 及 び 生 徒 自 身 が 、
掲載し、保護者や地区民から関心をもっていただく。
(2)
地域との協働による教育活動の展開
地域と学校のかかわりに関して、
『地域の学校支援』
社会性に係る成長を実感できるように、以下のような
と『学校の地域貢献』という二つの視点で、教育活動
方針に基いた実践を展開することにした。
全般を見直し、既存の活動を発展させたり新たに創造
(1) “ 育 み た い 社 会 性 ” に つ い て 、 当 校 の 職 員 間 だ け
したりする。いずれの場合も、社会性育成を目的とし
でなく小学校とも合意形成を図る。また、教育活動
-1-
た取組であることを意識する。
-2-
Ⅳ
1
当校では、数年前より『安田中を語る会』という懇
実践の概要
様々な評価機会の設定 <社会性の視点A>
談会が行われており、保護者と教職員が様々な視点で
(1) 継 続 的 な『 よ い と こ 探 し 』の 活 動( 相 互 評 価 活 動 )
意見交換をしていた。しかし、学校の現状説明と生徒
体育祭や合唱コンクールの取組の過程、体験活動後
の様子についての感想が話題の中心になる傾向は否め
や学期末等、年に数回、生徒が互いの様子で感心した
な か っ た 。そ こ で 、学 校 課 題 は 明 確 に し な が ら も 、
【生
ことや、成長したと感じたことをメッセージカードに
徒の社会性を育むために家庭や地域と学校が協働して
記入し、交換したり掲示
できること】をテーマにした懇談会『安田中の未来を
したりする活動を展開し
語 る 会 』( 以 後 『 未 来 を 語 る 会 』) を 平 成 24 年 度 に 立
ている。昨年度、取組を
ち 上 げ た 。 参 加 者 は 、 保 護 者 、 民 生 ・児 童 委 員 、 学 校
始めた頃は、メッセージ
評議員、教職員各数名ずつと生徒(生徒会役員8名)
がリーダー等の一部の生
で 、 毎 年 1 月 末 に 開 催 す る こ と に し た 。 平 成 25 年 1
徒に集中する傾向が強か
月に開催したこの
ったが、次第に多くの生
会 で は 、 32 名 の 参
徒に評価の目が向けられ
加者が4グループ
るようになってきている。 メッセージカードを集め
に分かれ、ブレイ
これらのメッセージは、
ンストーミングの
て作られた<絆の木>
『 学 校 だ よ り 』 で も 紹 介 し て い る 。(【 資 料 1 】 参 照 )
手法を取入れりて
(2) 体 験 活 動 で の 、 地 域 の 方 々 に よ る 評 価
話し合った。具体
生徒と大人が、KJ法を用いてア
的 に は 、【 学 校 へ
イディアを出し合うグループ協議
職場体験や福祉施設訪問等、地域における体験活動
では、かかわった事業所の方々に具体的な視点を示し
の 地 域 支 援 】と【 学 校 の 地 域 貢 献 】の 2 つ の 視 点 か ら 、
た上で、生徒の評価を依頼している。温かく、厳しく
現在行われている教育活動の見直しや新しい教育活動
も あ る 率 直 な 評 価 は 、生 徒 に と っ て 励 み と な っ て い る 。
についてアイディアを
2
自由に出し合った。そ
道徳の時間の重点化と小中の授業交流
<社会性の視点B・D>
の 結 果 、 15 の 提 案 が
各学校で作成する道徳の年間指導計画は、一般的に
【次年度への提言】と
してまとめられた。
“ 1 単 位 時 間 毎 に ”、“ 1 つ の 内 容 項 目 を ”、“ 1 つ の
「 未 来 を 語 る 会 」 15 の 提 言 ( 一 部 抜 粋 )
資料を使って”を原則に作成されている。しかし、実
際には、実態に応じて道徳の時間を運用するケースが
ア
1年生の進路学習の時間を増やし、職場体験も
1年生から実施する
多い。つまり、その学級がその時抱えている課題に応
…○
じて、学級担任は道徳の内容をしばしば変更する。そ
イ
職場体験学習を合宿形式で行う
…△
れが繰り返される中で、年間指導計画は形骸化しやす
ウ
様々な職業人から全校朝会で話してもらう…◎
い。そこで、月毎の重点指導内容(その内容について
エ
希望者を対象にした福祉施設(老人福祉施設・
は必ず扱う、状況によっては2時間以上で扱う)を明
障がい者施設)へのボランティア活動を、夏休み
示 し た 年 間 指 導 計 画 に 改 訂 し た 。(【 資 料 2 】 参 照 )
に実施する(最低でも2日間は行う)
…◎
特 に 、 6 月 と 11 月 は 全 て の 学 年 で “ 人 権 ” と “ 人
オ
柔道やダンスの授業は外部指導者を入れる…◎
間関係”を重点テーマに設定し、各学年で資料開発を
カ
交通安全街頭指導に生徒も参加する
したり、公開授業を行ったりしている。さらに、6月
キ
生徒会の地域クリーン作戦ではゴミが多く落ち
…○
の公開授業時は小学校の全教職員が参観し、その後に
ている場所も調査し、地図にして地域に示す…◎
社会性育成をテーマにした分散会方式の協議会を行っ
ク ボ ラ ン テ ィ ア 登 録 制 度 (除 雪 ・老 人 会 参 加 等 )… △
これらの提言は、その後、以下の方法で優先順位付
て、課題について共通理解を図った。
3
『安田中の未来を語る会』による教育活動の創造
<社会性の視点A~D>
けや精選が図られ、教育活動に取り入れられた。
①
学校の運営委員会等において、各提言が実現可能
かどうかを検討する。
-3-
-4-
②
次年度の生徒会役員から、ぜひ実現させたいもの
について協議してもらい、優先順位付けをする。
座 の 講 師 、施 設 と の 交 渉 、バ ス の 手 配 )を い た だ い た 。
4
地域貢献活動~『大人の為のパソコン教室』~
な お 、 < 15 の 提 言 > の 内 、 ◎ は 【 今 年 度 実 現 し た
<社会性の視点A・B>
も の 】、 ○ は 【 一 部 内 容 を 変 え て 実 施 し た も の ( 例 え
地域貢献活動は、地域の方々からの感謝の言葉や態
ば、カの提案は“小中学生合同の朝の挨拶運動”とい
度等直接的な反応を見ることができ、生徒にとっては
う 内 容 に 変 更 )】、 △ は 【 今 年 度 は 実 施 を 見 送 っ た が
「自分も役に立っている」と実感できる重要な機会で
今年度末の『未来を語る会』で再検討するもの】であ
ある。当校においても、地域の祭りにおける吹奏楽部
る 。こ れ ら の 内 、ウ と エ に つ い て そ の 概 要 を 紹 介 す る 。
の演奏や、地域クリーン作戦等の地域貢献活動が従来
(1)
から行われてきた。しかし、さらに充実させたいとい
職業人による講演『ミニ講演会』…ウ
「 長 時 間 の 講 演 は 、生 徒 の 集 中 力 が 持 続 し に く い 。」
う思いから、一昨年度より、市内在住の希望者を対象
「講演会を何度もやると、授業時数確保の課題が残
に当校生徒がパソコンを教える『大人の為のパソコン
る 。」 と い う 提 案 理 由 に よ り 、 25 分 間 程 度 の ミ ニ 講 演
教室』を開催している。このパソコン教室は、地域貢
会を、年間3回、いずれも全校朝会時に開催した。講
献 の 他 に も 、『 異 年 齢 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ス キ
師の選定は、自治会長の情報提供も参考に行った。そ
ル(立場や年齢の異なる相手に対し、わかりやすく伝
の 結 果 、第 1 回( 7 月 )は『 終 末 医 療 施 設 の 看 護 師 』、
え る こ と ) の 向 上 』、『 教 え る こ と に よ り 新 た な 学 び
第 2 回 ( 9 月 ) は 『 女 優 か ら 農 業 に 転 職 し た 人 』、 第
(発見)を獲得できるという体験をさせる』という目
3 回 ( 11 月 ) は 『 ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー 』 に お 願 い
的があり、以下のような内容・方法で行われている。
し た 。い ず れ の 講 演 も 生 徒 全 員 が 集 中 し て 聴 い て い た 。
時 期 ・ 回 数 11・ 12 月 の 放
また、生徒及び視聴した保護者の感想文では、深く感
銘 を 受 け た 旨 の 記 述 が 目 立 っ た 。(【 資 料 3 】 参 照 )
課後に約1時間
(3~4回実施)
・僕は、今まで1回だけ「死んでやる!」と言ってしま
受講者市の広報誌の掲載
ったことがあります。もし昔に戻れるなら、その時の自
記事を見て希望した市
分 に 文 句 が 言 い た い で す 。( 第 1 回 の 感 想 文 よ り )
民( 募 集 定 員 約 20 名 )
・「 夢 を 見 つ け る ま で の 時 間 も 大 切 」 と い う 言 葉 を 忘 れ
担 当 生 徒 2 ~ 3 年 生 の 希 望 者( 数 名 の 教 員 が サ ポ ー ト )
ず 、将 来 を あ せ ら ず に 考 え る 人 間 に な り た い 。
(第2回)
実施方法受講者と生徒のマンツーマン形式
・私はいつも否定的なので、もっと自分に自信をもちた
い し 、行 動 し な い で 後 悔 す る よ り 行 動 し て 後 悔 す る 人 生 、
生 き て い て 良 か っ た と 思 え る 人 生 に し た い 。( 第 3 回 )
(2)
*テキストはあるが、基本的には受講者ができるよ
うなりたいことを生徒が聞き取りながら柔軟に教える
<例>文字入力、年賀状作成、インターネット検索
福祉体験『夏休みジュニアボランティア』…エ
受 講 者 は 高 齢 者 が 多 い 。「 孫 と パ ソ コ ン で メ ー ル が
「 3 年 生 が 総 合 学 習 で 10 月 に 行 う 福 祉 施 設 体 験 の
し た い 。」「 パ ソ コ ン で 作 っ た 年 賀 状 を 友 だ ち に 自 慢
前に、福祉に関心の高い生徒が自主的に体験を重ねれ
し た い 。」「 海 外 旅 行 の 行 き 先 を イ ン タ ー ネ ッ ト で 調
ば 、 総 合 学 習 時 に は リ ー ド で き る 。」、「 1 年 生 か ら 毎
べ た い 。」 等 、 様 々 な 動 機 を も つ 方 々 が 毎 年 集 ま る 。
年夏休みに福祉体験をした
一方、担当する側は、日頃おとなしい生徒も比較的多
生徒は、施設所員の手助け
く 、「 誰 か の 役 に 立 っ て み た い 」 と い う 気 持 ち を 潜 在
ができる位スキルアップで
的に多くの生徒がもっていることがうかがえる。
きるし、老人や障がいをも
パソコン教室中、担当生徒には、受講者の要望に応
つ方々からも毎年楽しみに
えながら臨機応変に内容を考えて教えるという技術が
障 が い を も つ 方 々 と の 交 し て も ら え る は ず 。つ ま り 、
必要になる。しかし、受講者が熱心に学ぶ姿勢に感化
流 会 (フ ロ ア ー ホ ッ ケ ー ) 将 来 的 に は 地 域 貢 献 に も な
されたり、休憩時間に受講者との雑談に笑顔で応じた
る 。」 と い う 意 見 を 元 に 実 現 さ せ た 。 希 望 し た 生 徒 (43
りするなど、生徒にとって様々な面で充実感を得られ
名 )が 8 コ ー ス に 分 か れ 、 傾 聴 訓 練 等 の 基 本 講 座 を 経
る活動になっている。さらに、受講者からの評価や感
て 施 設 訪 問 や 交 流 活 動 (の べ 4 日 間 )を 行 っ た 。 実 施 に
謝の言葉に、生徒は「卒業してもまたやりたいくら
あたり、市の社会福祉協議会から全面的支援(基本講
い ! 」「 今 後 も パ ソ コ ン 教 室 を 続 け て 、 後 輩 に も 同 じ
-5-
-6-
気 持 ち を 味 わ っ て ほ し い 。」 と い っ た 感 想 を も つ よ う
い 意 見 ・提 案 が い く つ か 実 現 し た こ と に 自 信 を も ち 、
に な っ た (【 資 料 4 】 参 照 )。 一 方 、 受 講 者 の 中 に は
主体的な活動を1年間展開したことも評価できる。
「 ぜ ひ 来 年 も 受 講 を 希 望 し ま す 。」 と い う 人 や 、 作 成
2
した年賀状を担当生徒に送る人など、パソコン教室以
質問「最近、周囲の生徒の良さや成長を実感できる」
生徒の相互(他己)評価から
後も学校や生徒にかかわりをもっていただいている。
(社会性の視点B「人間関係」に係る質問)
現
Ⅴ
1
2
成果と課題
年
生徒の自己評価から
1年生9月
生
(1 ) 質 問 「 自 分 に も 良 い 所 が あ る と 感 じ ま す か ? 」
現
現
(社会性の視点A「自己肯定感」に係る質問)
3
1年生9月
年
A
2
B
A
生
1年生1月
B
A
年
D
生
現
3
年
40%
60%
80%
100%
60%
80%
100%
D
2年生9月
B
A
C
2年生1月
A
C
B
3年生11月
A
0%
20%
40%
B
60%
80%
C
100%
が 伸 び て い る 。 ま た 、 Ⅳ の 1 ( 1) で 述 べ た 『 よ い と こ
探し』メッセージカードを分析すると、多くの生徒か
2年生9月
B
A
C
D
ら評価される生徒ほど、目立ちにくい(評価されにく
2年生1月
A
B
D
C
3年生11月
A
生
40%
C
B
20%
20%
C
2年生はほぼ横ばいであるが、3年生は肯定的評価
D
0%
0%
B
D
C
2年生11月
A
D
C
B
2年生11月
D
C
C
1年生1月
A
( 前 年 度 前 期 ・後 期 ・今 年 度 前 期 の 比 較 ~ 4 件 法 ~ )
D
B
A
0%
C D
B
20%
40%
60%
80%
100%
い)生徒のよい点や成長を評価するという傾向が大き
い こ と が わ か っ た 。今 後 も 、継 続 的 に 取 り 組 む こ と で 、
< 参 考 > H25 年 全 国 学 力 ・学 習 状 況 調 査 (3 年 生 4 月 )
「他者から認められている」という感覚が全校生徒に
質問「自分には良い所があると思いますか?」
浸透し、さらに裾野の広い活動になると期待できる。
0%
20%
40%
60%
80%
100%
3
学 校 全 体 の 変 容 や 家 庭 ・地 域 の 眼 差 し か ら
H25全国
A
C
B
平 成 24、25 年 度 、当 校 の 問 題 行 動 は 激 減 し て い る 。
D
H25安田中
ま た 、 行 政 機 関 主 催 の パ ト ロ ー ル (毎 月 )で の 報 告 や 、
(2)質問「自分は集団や社会の役に立っていると感
地区民や来校者の学校に対する感想、あるいは保護者
じ ま す か ? 」( 視 点 A「 自 己 有 用 感 」に 係 る 質 問 )
の 学 校 評 価 で は 、「 校 内 で も 地 域 で も 、 安 田 中 生 徒 の
現
2
年
挨 拶 の 良 さ に は 感 心 す る 。」、「( 良 い 意 味 で ) 以 前 の
1年生9月
B
A
A
年
生
C
B
D
D
2年生11月
A
3
C
1年生1月
生
現
D
0%
B
20%
40%
60%
C
80%
100%
D
2年生9月
B
A
C
D
2年生1月
A
B
C
D
3年生11月
A
0%
20%
40%
B
60%
80%
C
100%
グラフから、2年生は昨年度後期と今年度前期では
安 田 中 と は 全 く 別 の 学 校 の よ う だ 。」 等 の 声 が 多 く 聞
かれるようになった。さらに、生徒の声でも「安田中
に は 挨 拶 等 、 誇 れ る こ と が た く さ ん あ る 。」 等 、 自 分
の学校を肯定的に見ていることがうかがえる場面が増
えている。今年度は実施を見送った『除雪や老人会参
加ボランティア』も、パソコン教室の成果を受け、内
容を精査して次年度以降に実現させたい。
4
社会性を学力向上につなげる試み(課題)
大きな変化がなかったものの、全般的に自己肯定感・
今 後 は 、 授 業 で の 自 己 肯 定 感 ・自 己 有 用 感 の 醸 成 を
自己有用感に関して肯定的に評価(A・B)する生徒
図ることに力点を置きたい。教科の授業場面では、自
の割合が増えている。特に、パソコン教室やジュニア
分 の 考 え を 発 表 す る こ と に 躊 躇 し た り 、「 周 囲 の 反 応
ボランティアに希望して参加した生徒は自己有用感に
が 気 に な る 。」 と い う 生 徒 が 多 か っ た り す る 課 題 が あ
関する自己評価が高いということが、評価分析から明
る。グループ学習において、自他のよさや成長、他者
ら か に な っ て い る 。 さ ら に 、『 未 来 を 語 る 会 』 に 参 加
への貢献を具体的に評価する場面の設定、方法の啓発
した生徒が、生徒会活動の範疇では取り入れられにく
を通して、認め合い、学び合う学習集団を醸成し、学
力 の 向 上 に つ な げ る こ と が 、当 校 の 今 後 の 課 題 で あ る 。
-7-
-8-