自立した児童集団の育成 ~学び合う授業、GWTの

自立した児童集団 ―GWTの実施を通して―
味岡小学校
斉 藤
和 馬
Group Work Training(GWT)の実施を通して、承認し合う児童集団を作る。GWT は
コンセンサスの良さを学ぶものを扱い、児童の考え方がどのように変化していくか調べた。
児童たちは話を聴くこと、聴いてもらえることの重要性に気づき、認め合うことによって
自己肯定感・自己有用感を高めていく。継続していくことで、主体的な行動が増えて自立
した児童集団に近づくと考えた。
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自立した児童集団 ―GWTの実施を通して―
味岡小学校
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斉 藤
和 馬
主題設定の理由
昨今、子どものコミュニケーション不足が嘆かれている。SNSの普及により拍車が
かかって、ネット依存症やぼっち充などの言葉まで生まれた。孤立が深まるばかりであ
る。しかし、実際にはコミュニケーションをとりたくない子どもが多いわけではない。
つながりを求め、個を主張する子どもが多い。どのようにコミュニケーションをとり、
自分たちをよりよくしていけばいいのか分からないだけだと思う。
中学校において、主体的な行動がとれず、自分の進路すら親任せ、塾任せの生徒は多
い。自己肯定感・自己有用感が乏しく、自分で自分の将来を決定するだけの自信がない。
SNSのトラブルも後を絶えず、生徒同士の横のつながり、コミュニケーションが不足
していることによる表現力の低さが原因と考えられる。孤立する子どもたちを自立へと
導くことが必要である。
主体性をもち自立することは、子どもの将来に大きくかかわる。変化の大きい今の社
会で満足に暮らすためには、指示されたことだけをこなしても思い通りにはいかない。
自らの言動に責任をもち主体的に動くことで、自分だけの自分に合った人生を送ること
ができると思う。
本研究では、以下の理由から自立した児童集団の育成が必要と考えた。
(1)
児童の実態より
対象となる5年3組では、教師の指示に対して素早く動ける児童が数多くいる。授
業時の指示や、掃除、給食当番への指示もすぐに行動に移すことができる。集会時の
移動や態度なども、注意に対してすぐに直すことができる。
4月に掲げた1年の目標には、多くの児童が「助け合い」や「人の気持ちを考える」
、
「声をかける」などのかかわり合う目標を多く挙げた。高学年の自覚を持って周りに
目を向けたいと思っている児童が多いことが分かった。具体的には、級友が筆箱を落
としたときに周りの児童が即座に拾い集めたり、級友が泣いているときに「大丈夫?」
等の言葉かけをしていたり、困っている人を助ける行動をとることができている。
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しかし、実際には教師の指示があると動けるが指示がないと動けない児童や、級友
の注意に素直に従えない児童も多い。授業時に、発表を聴くために静かにしなければ
ならないときに、注意するまで気づけないことが多い。集会等で移動しなければいけ
ないときには、指示があるまで移動できないこともあった。また、掃除の仕方につい
て、考え方にズレがあっても自分の考えを譲ろうとしなかったり、野外学習のスタン
ツでは、各々のやりたいことがぶつかり合い、意見がまとまらなかったりした。人の
意見を自分に取り入れず、教師に指示されたことはこなすが個の主張が強く、授業や
学校行事の目的を意識せず、ついて行くだけで終わっている現状である。すなわち、
自発的な行動がなく、教師が指示・承認しなければ動けない児童集団である考えられ
る。また、
「助け合い」が困っていることを直すだけで終わってしまい、集団をより
よくしていくために使えないところもある。協力して物事に取り組むことで、教師に
指示されるよりも早く動けたり、いろいろな意見を聴いてよりよい考えを導き出した
りすることができるが、そのことには気づけていない。
(2)
学習指導要領より
学習指導要領(総則)には、教育課程編成の一般方針として、
「基礎的・基本的な知
識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、
判断力、表現力その他の能力をはぐくむとともに、主体的に学習に取り組む態度を養
い、個性を生かす教育の充実に努めなければならない。
」と記されている。
このことから、課題を解決するためのひとつとして表現力が必要であることがわか
る。表現とは、主体的な思想や感情を客観的な形あるものとして表すことであり、コ
ミュニケーションの原型であると言える。さらに、表現を伝えるため、受け取るため
の思考力、冷静な判断力もコミュニケーションにおいて必要不可欠と考えられる。他
者とかかわり合うことが個性を生かす教育を充実させる基盤になり、それが主体的な
態度にもつながり、自立を支える柱になると読み取れる。
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研究のねらい(目指す子ども像)
・ 人の意見をよく聴く児童
・ 自分の考えをうまく伝えられる児童
・
主体性をもった児童
・ 責任感のある児童
・ 見通しをもって動くことのできる児童
2
3
研究の仮説
主題に迫るために、次のような仮説を立てて研究を進めることにした。
自立した児童集団を育成するために、Group Work Training によって児童同士の横
のつながりを強化し、承認し合う集団を作る。そして、学び合いの授業において、子
ども一人ひとりの学びを保障することによって、学び合う喜び、積極的な態度を身に
つける。学び合う喜びを知った児童は、よりよい集団を求めて主体的に物事に取り組
めるようになり、自己肯定感・自己有用感が高まる。そして、一人ひとりの自己肯定
感・自己有用感が高まることによって、自治活動が高まり、さまざまな課題に気づき、
問題解決的に協力して取り組めるようになるだろう。
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研究の方法
(1)
研究の手立て
Group Work Training(GWT)の実施
・
聴き方や、コンセンサスの良さを学ぶGWTを行い、人の意見を深く聴く意識を
持たせる。児童同士の横のつながりを強化し、承認される安心感を得る。
(2)
仮説の研究対象
研究の対象は、5年3組33人(男子20人、女子13人)である。
(3)
仮説の検証方法
各手立てを行った後にふり返りシート等で考え方がどのように変化したかを考察す
る。また、学期末にふり返りシートで学期全体をふり返らせ、考え方がどのように変
化したかを考察する。
5
(1)
GWTの実施と考察(コンセンサスの良さを学ぶGWT)
コンセンサスの良さを学ぶGWTとそのねらい
「改訂
学校グループワーク・トレーニング」(監修
坂野公信
遊戯社)の中か
ら「ぼくらのリーダー」とそれを活用した「人のいやがること」を実施した。コンセ
ンサスの良さを学ぶGWTで、
「ぼくらのリーダー」は、リーダーとしてふさわしい人
柄を小グループで考える。意見が別れることがあるので、それを話し合いによって班
として意見をまとめていく。
「人のいやがること」も同様に、人のいやがることを小グ
ループで考える。どちらも、自分の意見を人に知ってもらう大切さに気づかせるねら
いがある。また、
「ぼくらのリーダー」では、一人ひとりが望んでいるリーダー像がわ
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かることで、現リーダーの子が行動目標を立てるきっかけになるねらいもある。
「人の
いやがること」では、一人ひとりのいやがることを知ることで、集団生活の中でどう
振る舞うべきか考えるきっかけになるねらいもある。
(2)
実践内容
クラスで人間関係のトラブルがあったときに合わせて「人のいやがること」を実施
した。はじめに真剣に自分ひとりの意見を考えさせ、次に小グループにして各グルー
プで意見をまとめさせた。自分の意見を考えるときは全員が真剣に考えることができ
た。しかし、小グループでまとめるときは、意見が別れたときに自分の意見を押しつ
ける児童が多く、意見がまとまらないグループが多かった。最後に、なぜ話し合いが
うまくいかなかったのか、うまくいったグループとの違いは何なのか全体で話し合っ
た。
後日、
「ぼくらのリーダー」を実施した。はじめに、いろんな考え方があるのが当た
り前であること、納得できる意見があればゆずり合い、組み合わせてまとめていくこ
とをアドバイスした。自分の意見を考えるときは全員が真剣に考えることができた。
小グループの話し合いも真剣に取り組み、どのグループも円滑にまとめることができ
た。最後に、なぜ話し合いがうまくいったのか全体で話し合った。
(3)
考察
「人のいやがること」の実施のときに、全員が真剣に取り組んでいた。しかし、小
グループでの話し合いはうまくまとまらずに終わった。自分の意見を人に理解しても
らう難しさを知ることができたと同時に、人の意見を理解し、認めた上で自分の意見
と見比べて考える難しさを知ることもできた。人のいやがることを知ることで集団生
活のふるまい方を考えるきっかけにはなったが、主体性を身につけるための承認し合
うコミュニケーションはできなかった。
「ぼくらのリーダー」のときには全てのグループが話し合いをまとめることができ
た。意見がバラバラのグループもあったが、納得させたり、ゆずったりしながら話し
合っていた。人の意見を聴いて、自分と似ているところ、違うところを判断し、その
意見を尊重しつつ自分の意見を見つめ直すことができていたように思われる。リーダ
ーの人柄を考えることで全員が望ましい人柄を目指して協力し合ったこともうまくい
った要因である。リーダーの人柄として望ましいものは、
「全体のことに気が配れる」
や「意見をまとめるのがうまい」「判断力がある」などが挙げられた。
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2つのGWTの実施に伴い、児童が書いた2回のふり返りシートを比べて傾向を考
えたい。
資料①自分の言いたいことが言えたか。
人のいやがること
言えなかった
0%
3%
しっかり言えた
言えた
ぼくらのリーダー
16%
31%
47%
56%
25%
22%
全然言えなかっ
た
資料①「自分の言いたいことが言えたか」の問いに対する答えを見ると、コンセン
サスの良さを学ぶGWTをして、自分の意見が言えなくなったと感じる児童が増えた
ことがわかる。
資料②言ったことを十分聴いてもらえたか。
人のいやがること
十分聴いてもらえ
た
6%
16%
13%
45%
聴いてもらえた
聴いてもらえな
かった
ぼくらのリーダー
47%
22%
36%
15%
全然聴いてもらえ
なかった
資料②は「言ったことを十分聴いてもらえたか」という問いの結果である。資料②
を見ると、言ったことを十分聴いてもらえなかったと感じた児童が増えていることが
わかる。資料①と合わせてみると、十分聴いてもらえなかったと感じた児童は、自分
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の言いたいことが言えなかったと思っていると考えられる。逆に見ると、自分の言っ
たことを十分聴いてもらえると、自分の言いたいことが言えたと感じると言える。こ
のことは、他者から承認されることが、自己肯定感・自己有用感を後押しすることに
つながると言える。
資料①の「人のいやがること」の結果より、言いたいことを言えたと感じた児童が
多かったことについては、相手が聴いていようといまいと自分の言いたいことが言え
て満足した児童が多かったことが原因と考えられる。しかし、それでは話し合いがう
まくいかず、
「しっかりと聴かなければならない」という気持ちが生まれたために「ぼ
くらのリーダー」のときには言いたいことが言えなかったと感じた児童が増えたもの
と考えられる。従って、
「言いたいことが言えた」という同じ問いに対して、
「言えた」
から「聴いてもらえた」に考え方が変わったことが伺える。
資料③友だちの話を十分聴くことができたか。
ぼくらのリーダー
人のいやがること
10%
聴くことができ
た
聴くことができ
なかった
6% 0%
0%
十分聴くことが
できた
25%
48%
42%
69%
全然聴くことが
できなかった
一方、資料③から、友だちの話を十分聴くことができたかという問いに対して、十
分聴くことができたと答える児童が増えたことがわかる。これは話し合いのアドバイ
スをする中で、友だちの話をしっかりと聴くことが重要であると気づかせた結果、集
中して話を聴く児童が増えたと考えられる。「人のいやがること」で話し合いがうま
くいかなかったことを考えて、
「ぼくらのリーダー」では意識してできたのだと思う。
しかし、資料①②と合わせて見ると、友だちの話を十分聴くことができた児童が多い
6
にもかかわらず、十分に聴いてもらえてないと感じた児童が多いことになる。友だち
の意見を承認しているにもかかわらず、それが伝わっていない。承認とは、ただ聴く
だけではなく、その聴き方も重要であることがわかった。
資料④あなたのグループはまとまっていますか。
人のいやがること
とてもまとまって
いる
9%
20%
37%
まとまっている
バラバラである
ぼくらのリーダー
35%
22%
30%
13%
34%
とてもバラバラで
ある
資料④
「あなたのグループはまとまっていますか」を比べると、
「ぼくらのリーダー」
実施時の方がまとまっていると感じた児童が多いことがわかる。これは、友だちの話
を聴こうと意識していたことが原因だと考えられる。友だちの話を聴こうとすること
が、まとまった雰囲気、承認し合いやすい雰囲気を作ることを児童たちが感じ取った
のであろう。
資料①②③④から考えると、児童たちは承認される雰囲気が、自分の言いたいこと
を言える雰囲気につながることに気づくことができた。そして、ただ自分の言いたい
ことを言うだけではなく、自分の言いたいことを聴いてもらう重要さに気づくことが
できた。今はまだ聴き方が十分でないが、どのように聴けば話し手が話しやすいか考
えることができるようになると、よりよい話し合いができると思われる。そのように
して承認し合う雰囲気ができると、自己肯定感・自己有用感が生まれ、主体的に発言・
行動できるようになり、自立した児童集団に近づくと考える。
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研究の成果
実践を重ねていくうちに、研究当初はみんなのために動こうとしても周りが見えてい
なかったり、自分の考え方が絶対に正しいと思ったりしている児童が多かったが、いろ
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んな考え方があることに気がついて、周りが見えるようになった児童が出てきた。
資料⑤成長に対する考え方の変化
児童A
成長したいところ(4月)
成長したと感じたところ(7月)
苦手な漢字を克服する。
少し人の意見を聴けるようになっ
得意な体育や音楽のコツを苦手な
た。
人に教えてあげる。
児童B
児童C
係の仕事が大変で困っている人が
授業でやれなかったところができ
いたら手伝ってあげる。
た。
掃除でとれてないゴミがあったら
いけないことの区別が少しついた。
自分でとる。
児童D
勉強が苦手なので克服する。
いろいろなことに気がつくようにな
った。
資料⑥承認し合う集団と自立への兆し
誰かに助けられてよかったこと(7
クラスのために頑張れたこと(7月)
月)
児童A
落ち込んでいたときに励ましてく
他の係の仕事ができた。
れた。
児童B
課題の意味がわからないときに教
誰も発表したがらないときに進んで
えてもらった。
発表した。
児童C
ダメなことを教えてもらった。
進んであいさつできた。
児童D
失敗したときに、すぐに声かけをし
係の仕事で積極的に声かけをした。
てくれた。
4月に掲げた成長したいところと、1学期末に感じた自分の成長したところを表(資
料⑤)にまとめた。児童Aは、4月の時点では自分主体の考え方だったが、いろいろな
考え方を認めようとしていることがわかる。承認し合う集団作りが形になってきている
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といえる。児童C、Dも同様に、自分主体の考え方が変わってきている。しかし、児童
Bは周りに目を向けることができているとは言い難い。この児童は「グループで勉強す
ることは好きですか」という問いに対して「好きではない」と答えている。他の児童が
全員、グループで勉強することに対して肯定的な中、この児童だけが否定的なのは、手
立てに何か足りないところがあるのだと考える。今後の課題にしていきたい。
誰かに助けられてよかったことと、自分がクラスのために頑張れたことを表
(資料⑥)
にまとめた。助けられたことは、グループならではのことが多い。もし一人だけの活動
であれば自己否定的になりかねない。自己肯定感を支えることができたといえる。クラ
スのために頑張れたことは全員書くことができた。自己有用感を感じることができたと
いえる。さらに、本来自分がしなければならないこととは別のことを頑張れた児童が多
く、主体的に行動できたといえる。しかし資料⑤で示したとおり、まだ主体的に行動し
たことを自分の成長として実感できていないので、自分を見つめ直す活動に取り組んで
いきたい。
クラスの成長を問うと、ばらばらだったクラスがまとまってきたと答える児童が多か
った。また、教師よりも先に動くことができたと答える児童もいた。集団への所属意識
が、承認し合う中での主体的な行動とともに出てきたことは、自立した児童集団に一歩
近づいたといえる。
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今後の課題
GWTの実施によって明らかになった「人の話を聴いているのに、そう思ってもらえ
ていない」ことは今後の課題にしていきたい。小グループで話すだけでなく、聴き方、
応え方を注意させていきたい。特に応え方として、
「意見をつなぐ」ことを意識させ、意
見を断ち切るような発言を控えさせるようにしたい。
グループでの勉強が好きではないと答えた児童に対して、その児童がグループ活動を
どのように取り組んでいるか観察し、改善することも必要である。学び合いの良さは全
員がともに成長することである。たった1人でもかかわりに後ろ向きのままにはしてお
けない。
児童に「どんなことを頑張っていくとクラスはさらに伸びていけると思うか」という
問いをして、その結果を表(資料⑦)にまとめた。児童A、B、C、Dともに伸びてい
くための考えでなく、用意されたものをいかに上手にこなすかという考えである。主体
的な行動でもなく、承認し合う集団でもない考えがここに出てきている。自分たちの甘
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い考えや言動に目が向くのは、その言動を自分の意志で行っているのではなく、言われ
たことをしっかりとこなそうとしているからだと考える。掃除でも委員会活動でも、主
体的に取り組んでいれば責任をもって取り組めるし、全員が目的をはっきりと持ってい
ればトラブルも減ると思う。
資料⑦自立した児童集団への展望
2学期は、どんなことを頑張っていくと、クラスはさらに伸びていけると
思うか(7月)
児童A
掃除のときに口喧嘩をしている人がいるので、そういうのをなくしたらい
い。
児童B
けじめをつけて、責任をもつことだと思う。
児童C
教室で暴れない。
児童D
委員会活動や係活動を1学期以上に頑張る。
この研究を通して、承認し合う集団が自分にとってもクラスにとっても生き生きとし
たものになることを児童に伝えることができた。しかし、そこから主体的な行動につな
がっているにもかかわらず、もっと主体的に行動しようという考えにならなかった。主
体的な行動による自治活動の良さを伝えつつ、それを実現するために学力高位層の児童
の「退屈さ」を感じ取り、学習内容をより深く学ぶ「ジャンプの課題」を実践していか
なければならない。学校生活の大部分は授業である。
その中でジャンプの課題を実践し、
自立した児童集団に近づけるようにしていきたい。授業以外でも主体的に行動して活躍
できる機会が2学期は多い。毎日のあいさつや給食、掃除はもちろん、運動会などの学
校行事を活かし、主体性を身につけさせていきたい。
〈引用文献〉
小学校学習指導要領解説 総則編
〈参考文献〉
「中学校における対話と協同「学びの共同体」の実践」佐藤雅彰 佐藤学
「改訂 学校グループワーク・トレーニング」監修
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坂野公信
遊戯社
ぎょうせい