音響計測の応用 オクターブ分析

音響計測の応用
周波数の変化に関する感覚
880 Hz
660 Hz
音響計測の応用
全音は 21/6 = 1.122462 倍
半音は 21/12 = 1.059463 倍
の等比間隔
550 Hz
自然倍音
440 Hz イ長調のド
330 Hz
220 Hz
オクターブバンド分析
・ 体感覚に関連する評価を行う場合に使用する
・ 1/1オクターブ分析,1/3オクターブ分析が一般的である
・ フィルターの特性(中心周波数,通過帯域,減衰特性)が規格化されている
オクターブ分析
− 音響・振動用オクターブ及び1/3オクターブ分析器 : JIS C 1513
− オクターブ及び1/Nオクターブバンドフィルタ : JIS C 1514
中心周波数
1
10の冪による系 (base-ten system)
2の冪による系 ( base-two system)
n  1010
n 2
1
3
・ 騒音計と同じ動特性(Fast,Slow)を使用して平均化を行うことで感覚量の
評価に適している
2
周波数の変化に関する感覚
1オクターブ
(2倍)
半音
半音
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド
1オクターブ
(2倍)
音階で全音が等間隔に周波数が変化していると感じる
1/6 Oct
音階で半音も等間隔に周波数が変化していると感じる
1/12 Oct
1/3 Oct. Band フィルタの中心周波数
公称中心
周波数(Hz)
通過帯域
(Hz)
公称中心
周波数(Hz)
通過帯域
(Hz)
20
17.8 ∼ 22.4
25
31.5
40
22.4 ∼ 28.2
28.2 ∼ 35.5
35.5 ∼ 44.7
800
1,000
1,250
708 ∼ 891
891 ∼ 1,122
1,122 ∼ 1,413
50
63
80
44.7 ∼ 56.2
56.2 ∼ 70.8
70.8 ∼ 89.1
1,600
2,000
2,500
1,413 ∼ 1,778
1,778 ∼ 2,239
2,239 ∼ 2,818
100
125
160
89.1 ∼ 112
112 ∼ 141
141 ∼ 178
3,150
4,000
5,000
2,818 ∼ 3,548
3,548 ∼ 4,467
4,467 ∼ 5,623
200
250
315
178 ∼ 224
224 ∼ 282
282 ∼ 355
6,300
8,000
10,000
5,623 ∼ 7,079
7,079 ∼ 8,913
8,913 ∼ 11,220
400
500
630
355 ∼ 447
447 ∼ 562
562 ∼ 708
12,500
16,000
20,000
11,220 ∼ 14,125
14,125 ∼ 17,783
17,783 ∼ 22,388
10の冪による系
1
音響計測の応用
Oct. Band フィルタの減衰量
1/1,1/3 Oct. Band 分析器
入力
20Hz
25Hz
1/3Oct Band フィルタ相対減衰量
31.5Hz
0
0
-10
-10
16kHz
-20
-20
20kHz
-30
-30
フィルタ群
dB
-40
-40
-50
-50
-60
-60
-70
-70
0.1
1
0.1
10
1
規準化周波数 f/fm
10
規準化周波数 f/fm
1/3 Oct. Band のマルチフィルタ
1/1,1/3 Oct. Band 分析例
10
1/1 Oct. Band
1/3 Oct. Band
0
-10
-20
-30
-40
-50
0
2000
4000
6000
8000
10000
1 kHz 正弦波
音圧レベル差に関する遮音等級
1/3 Oct. Band のマルチフィルタ
定比型分析器
10
0
性能高
音圧レベル差 (dB)
dB
1/1Oct Band フィルタ相対減衰量
複数のフィルタ出力結果を1つ
の画面にまとめて表示する
-10
-20
-30
-40
-50
10
100
Hz
1000
横軸はLog スケール
10000
Oct. Band 中心周波数 (Hz)
2
音響計測の応用
Oct. Band 音圧レベル (dB)
NC(noise criteria)曲線による室内騒音の評価
音の可視化
音響インテンシティ
Intensity
優良
Oct. Band 中心周波数 (Hz)
1/3 Oct. Band フィルタの過渡応答
1.5
1.5
1.5
1
1
1
0.5
音響インテンシティ(音の強さ)
音の伝播方向に垂直な 単位面積 (1m2) を通じて
単位時間 (1s)に流れる 音響のエネルギー量 (W)
量記号: I 単位: W/m2
0.5
0
0.5
-0.5
1/3 Oct
filter
0
-0.5
単位面積を通過する音のエネルギーなので,どちらに流れていくのか
という方向性を持つベクトル量になる
-1
-1
-1.5
-1.5
0
-0.5
1m
-1
1m
音源
-1.5
1/3 Oct. Band フィルタの過渡応答
1.5
1
1
0.5

I  P U W m2

0.5
0
-0.5
音響インテンシティ(音の強さ)
音響インテンシティ I は 音圧 P と 粒子速度 U の積
1.5
1.5
1
音響のエネルギー
0.5
-1
1/3 Oct
filter
0
-0.5
音響インテンシティ I の次元と単位は
-1
-1.5
ジュール
-1.5
0
-0.5
I
N m N m 1 W
 
 2 2
m2 s
s
m m
-1
単位時間
単位面積
-1.5
3
音響計測の応用
粒子速度
音響インテンシティIの測定
N 2 
m
s 
 kg m  
c   3     kg  2   3    m 
s  m   m 
 m s  
 s 
密度
c 
音速
P
U
I r t   pt   u r t 
音圧
粒子速度
力
U
P
c
P P2

I  P U  P 
 c c
粒子速度の値は,音圧をρcで
割ると得られるが,方向が不明
uˆ r t  
1
 p2 t   p1 t dt
r 
pt  
p1 t   p2 t 
2
I r t  
音響インテンシティは音圧の二乗に比例
p1 t   p2 t  t
 p2 t   p1 t dt
2 r
ρc : 固有音響抵抗 ( ρ : 空気密度、 c : 音速)
粒子速度Uの測定
c 
音響インテンシティIの測定
P
U
Δr
I r t  
p1(t)
音
p1 t   p2 t  t
 p2 t   p1 t dt
2 r
p1
r
Amp
Fil
+
Amp
Fil
−
Δr
p2
p2(t)
∫
×
Ave
Δr ≪ λ
粒子速度Uの測定
c 
P
U
音響インテンシティ・プローブ
位相がそろった2個のマイクロホンで構成
音
cur t   p t 
振動膜
振動膜
スペーサ

d
d
u r t   pt  
pt 
dt
dr
d
p t   p1 t 
pt   2
dr
r
uˆ r t  
マイク1
マイク2
マイクロホン間隔
1
 p2 t   p1 t dt
r 
4
音響計測の応用
測定周波数範囲に関わる要素
3軸の音響インテンシティ・プローブ

マイクロホン間隔
周波数範囲の上限はマイクロホン間隔で決定される
マイクロホン間隔の変更はスペーサを交換する
スペーサ12 mm : 200 Hz ∼ 5k Hz
(±1dB以内)
スペーサ50 mm : 50 Hz ∼ 1.2k Hz

マイクロホンの位相差
周波数範囲の下限はマイクロホンの位相差で決定される
マイク位相差
インテンシティ計測周波数範囲(スペーサ12mm)
インテンシティ・プローブの指向特性
周波数(Hz)
FFTによる音響インテンシティ測定
前
I m   
I m G 12 
  r

 r 

2
Im{G12(ω)} は P1(t),P2(t) のクロススペクトルの虚数部,
真横(±90度)では
感度がなくなる
c : 音速
f : 周波数
多チャンネル分析器
後
クロススペクトル
簡便な音源探査
音源周囲でマイクを移動しながらインテンシティスペクトルの方向性に着目する
音源の前後で方向が反転する
スペクトルに特徴がある場合、個々の音源位置を知ることができる
A
時系列データAの
フーリエ変換
RA
B
時系列データBの
フーリエ変換
RB
IA
IB
GBA  f   RB  jI B R A  jI A 
A f   R A  jI A
B  f   RB  jI B
クロススペクトル という
 RB R A  I B I A  j R A I B  RB I A 
G AA  f    RA  jI A R A  jI A 
オートスペクトル 或いは,
パワースペクトル という
マイクを移動する
5
音響計測の応用
直接法・FFT法の特徴
音響インテンシティレベルと音圧レベル
直接法
FFT法




P
2  10 5 N m 2
 10  log
P0
10 12 W / m 2
LI  20  log

周波数分析
1/1OCT,1/3OCT,BAND分析
狭帯域分析
 20  log
P
 10  log 0.96666
P0
演算表示
瞬時の分析結果の表示
フレーム毎の平均スペクトルを表示
 20  log
P
 0.147
P0
システム
専用分析器
2CH FFT分析器
校正
位相校正が不可のため,予め ゲイン,位相の校正が可能.
位相特性の一致した2個のマ 少々ならば2個のマイクロホンの補
イクロホン,アンプが必要
正ができる
LI  LP  20  log
2

1
1.205 kg / m 3  343.4m / s 


dB 
P
P0
音響インテンシティレベルは音圧レベルとほぼ一致する
音響インテンシティの表示法
音響インテンシティレベル
音響インテンシティレベル LI (dB)
音響インテンシティ の単位は[ W/m2 ]
音響インテンシティレベル の単位は[dB]
LI  10  log 10
I
I0
dB 
P
P0
dB 
基準値 I 0 : 10-12 [W/m2]
(参考) 音圧レベル LP
LP  20  log 10
基準値 P 0=20 [μPa]
音響インテンシティレベルと音圧レベル
I
音の強さIと音圧Pの関係
P2
c
メッシュ線図
コンタ線図
ベクトル線図
音響インテンシティの測定事例
ガラス窓の透過音
 I 
 1 P2 
 P2 P2 1 
LI  10  log   10  log    10  log 2 0  
I
I

c
 0
 0

 P0 I 0 c 
 P2 
 P2 1 
LI  10  log 2   10  log 0  
 P0 
 I 0 c 
I0 = 10-12 W/m2,P0 = 20 μPa (2×10-5 N/m2)
1気圧,20℃の乾燥した空気の密度ρは1.205 kg/m3,音速cは343.3 m/s
LI  20  log




P
2  105 N m 2
 10  log
P0
1012 W / m 2

2

1
1.205 kg / m 3  343.4m / s 


1枚ガラス,1.25kHz成分
2枚ガラス,1.25kHz成分
6
音響計測の応用
防音箱の遮音性能の改善
スピーカボックスの測定例
防音箱の遮音性能の改善
掃除機の測定例
試作防音箱の音の漏れ,スイッチ部からの漏れが大きい
防音箱の遮音性能の改善
掃除機の測定例
対策後の音の漏れ
7
音響計測の応用
音源分布とエネルギーの流れ分析
掃除機の測定例
46
400 Hz∼600 Hz
音源分布(音響インテンシティコンター)
主にモーターから音が発生
エネルギーの流れ(ベクトル表示)
②
音源分布とエネルギーの流れ分析
回転機械モデルの簡便的な音源探査
47
800 Hz∼1000 Hz
モーター、カップリング、傷が付いたベアリングなどから音が発生している
音源分布(音響インテンシティコンター)
カップリングから音が発生し
床面で反射している
④
エネルギーの流れ(ベクトル表示)
③
②
①
③
音源分布とエネルギーの流れ分析
音源分布とエネルギーの流れ分析
回転機械モデルの音源探査例
1000Hz∼2000Hz
メッシュ上の全ての点の音響インテンシティ測定を行う(5×9点)
 各点においては3方向の測定をする
ベアリングから音が発生して
床面で反射している
48
音源分布(音響インテンシティコンター)

エネルギーの流れ(ベクトル表示)
④
8
音響計測の応用
騒音対策
防音壁
室内吸音力の
増加
防音カバー
残響室法による
吸音率測定
建屋の
遮音改善
防音壁
家屋の遮音改善
音響材料
吸音率測定
JIS A 1409 『残響室法吸音率の測定方法』
吸音材
残響室
残響室
不整形実験室,容積は200m3以上
試 料
室内で発した音の反射を少なくする,
エネルギーを早期に減衰させて蓄積しないようにして室内を静寂にする
粒子速度を減衰させる
測定器
遮音材
受音3ヶ所
音の遮断用,音を外部に漏らさない,外部からの音を入れない
遮断効果が高いほど優秀,質量に依存,
壁,床,ドア,窓,外壁材,塀材などがある.
Mic
マイクロホンは 3点
音源はバンドノイズ
スピーカは2箇所,100Hz∼5kHzまでの18の1/3Oct. Band Noise
音響材料に関わる特性試験規格
残教室法
吸音率
残響室内部
音響管法
JIS A 1409
JIS A 1405-1 (定在波比法)
JIS A 1405-2 (伝達関数法)
ISO 354
ISO10534-1 (定在波比法)
ISO 10534-2 (伝達関数法)
ASTM C 384 (定在波比法)
ASTM E 1050 (伝達関数法)
JIS A 1416
JIS A 1441
透過損失
ISO 140-1-3-8
ISO 717-1
ASTM E 90
ASTM E 2611-09 (伝達マトリックス法)
ASTM : 米国材料試験協会 : American Society for Testing and Materials
9
音響計測の応用
吸音率測定
残響時間の測定事例
JIS A 1409 『残響室法吸音率の測定方法』
残響時間測定
① 12回 100Hz ∼ 250Hz (例えば,音源位置2×マイクロホン位置3×回数2)
残
響
時
間
② 9回 315Hz ∼ 800Hz (例えば,音源位置1×マイクロホン位置3×回数3)
s
100Hz∼5kHzまでの18の1/3Oct. Band で,次の回数の測定を行う.
③ 6回
1kHz ∼ 5kHz (例えば,音源位置1×マイクロホン位置3×回数2)
資料を入れない状態と,資料を入れた状態の其々で測定する.
周波数 Hz
同じ室内において,2か所のマイクロホンで同時測定した結果
低い周波数では拡散状態になりにくいので,場所による残響時
間のばらつきが大きい
残響時間の定義
吸音率測定
JIS A 1409 『残響室法吸音率の測定方法』
等価吸音面積A1の測定 (空の状態)
A1 
60dB
55.3V
cT1
m 
2
V : 試料を入れない状態における残教室の容積(m3)
T1 : 試料を入れない状態における残教室の残響時間(s) 6,9,12回の平均
c : 空気中の音速 (m/s)
c = 331 + 0.6t
t : 気温 (℃)
A1 :試料を入れない状態における室の等価吸音面積(m2)
s
1/3Oct. Band 毎に求める
残響時間
残響時間の測定法
定常状態
定常状態−5dB
最小二乗法で直線近似
30dB
等価吸音面積とは
図のようにスピーカが発した音は残教室内で反
射を繰り返して拡散音場になる.
反射の度ごとに音のエネルギーが壁で吸収され
減衰する.
壁を完全反射体として減衰が無いものだと想定
すると,この減衰量は100%吸収(開口部)の面
積と等価である.これが等価吸収面積である.
A
外来ノイズで−60dBは困難
T
55.3V
cT
m 
2
気温を24.4℃とすると
音速cが345.6m/sで
A
0.16V
T
m 
2
残響時間 = 2×T
10
音響計測の応用
吸音率測定
JIS A 1409 『残響室法吸音率の測定方法』
吸音率αSの算出
S 
A
S
A : 試料の等価吸音面積 (m2)
S :試料の面積(m2)
αS : 吸音率
S 
55.3V
cS
1/3Oct. Band 毎に求める
1 1
  
 T2 T1 
吸音率測定
JIS A 1409 『残響室法吸音率の測定方法』
等価吸音面積A2の測定 (試料を入れた状態)
A2 
55.3V
cT2
m 
2
V : 試料を入れた状態における残教室の容積(m3)
T2 : 試料を入れた状態における残教室の残響時間(s) 6,9,12回の平均
c : 空気中の音速 (m/s)
c = 331 + 0.6t
t : 気温 (℃)
A2 :試料を入れた状態における室の等価吸音面積(m2)
1/3Oct. Band 毎に求める
吸音率測定
ロックウール(岩綿)とは
JIS A 1409 『残響室法吸音率の測定方法』
試料の等価吸音面積Aの算出
A  A2  A1
玄武岩などに石灰などを混合し,高温で溶解し生成される人造鉱物繊
維である.建築物などの断熱材吸音材として用いられる.アスベストの
代替材として広く使われている.主成分は二酸化ケイ素と酸化カルシウ
ムで,単繊維径は3∼10μm.
m 
2
A1 : 試料を入れない状態における室の透過吸音面積 (m2)
A2 :試料を入れた状態における室の等価吸音面積(m2)
A : 試料の等価吸音面積 (m2)
1/3Oct. Band 毎に求める
試料が椅子のような場合は物体数で割り,1物体当たりの等価吸音面積で表す
11
音響計測の応用
音響管で吸音率測定の原理
音響管法による
吸音率測定
HI 
p2 I pˆ I e jkx2

 e  jk  x1  x2   e  jks
p1I
pˆ I e jkx1
HR 
p2 R pˆ I re  jkx2

 e jk  x1  x2   e jks
p1R
pˆ I re  jkx1
H12 
p2 pˆ I e jkx2  re  jkx2
e jkx2  re  jkx2

 jkx1
jkx1
 jkx1
p1 pˆ I e  re
e  re  jkx1




r
H12  e jkx1  e jkx2
e  jkx2  H12  e  jkx1
r
H12  e  jks 2 jkx1
e
e jks  H12
垂直入射吸音率測定用の音響管の例
H12  H I 2 jkx1
e
H R  H12
r
音響管で吸音率測定の原理
H I  e jks  cos ks   j sin  ks 
H R  e jks  cosks   j sin ks 
H12 

r
p2 R2  jI 2 R2  jI 2 R1  jI1



p1 R1  jI1 R1  jI1 R1  jI1
R1R2  I1I 2   j R1I 2  I1R2 
R12  I12
H12  H I 2 jkx1 H12  H I
e

cos2kx1   j sin 2kx1 
H R  H12
H R  H12
r  rR  jrI
音響管で吸音率測定の原理
マイクロホン-1
マイクロホン-2
音響管で吸音率測定の原理
終端用ピストン
p1
x2
s
68
x1
102
スピーカ
試料
 2f 2
k 

c
c


p1  pˆ I e jkx1  re  jkx1

終端用ピストン
p2
34
スピーカ
p2  pˆ I e
  1 r
r  rR2  rI2
jkx2
 re
 jkx2
rad m

p1  1.001533  0.97907 j

試料

 9.0234 rad m 
c
k
p2  0.674645  0.8133 j
H12  0.75037  0.07852 j
f = 488Hz
p2
p1
12
音響計測の応用
音響管で吸音率測定の原理
H I  0.95331  0.30201 j
H R  0.95331  0.30201 j
r
0.75037  0.07852 j  0.95331  0.30201 j 2 jkx1
e
0.95331  0.30201 j  0.75037  0.07852 j

 0.20294  0.22349 j
 cos2kx1   j sin2kx1 
0.20294  0.380523 j

 0.20294  0.22349 j
  0.26671  0.96378 j 
0.20294  0.380523 j

 0.16127  0.25519 j
0.20294  0.380523 j
透過損失
音響管で吸音率測定の原理
r
 0.16127  0.25519 j 0.20294  0.380523 j

0.20294  0.380523 j 0.20294  0.380523 j
0.06438  0.11315 j

0.18598
 0.34616  0.60842 j
r  0.346162  0.608422
音の反射・吸収・透過
Ii  I r  I a  It
吸音率 α は,
Ii
I I
I I
 i r  a t
Ii
Ii
Ia
It
Ir
と定義され,反射音以外は吸音と考える.音の透過率 τ は,

It
Ii
と定義され,デシベルで表す透過損失TL は,
 0.7
TL  10  log10
垂直入射吸音率測定結果の例
1
I
 10  log10 i

It
dB 
質量則による音響透過損失
2

  m  2  
 m 
  10  log10 log e 1  
   dB 
TL  10  log10 
 2 c 
  2 c   

ω = 2πf : 角周波数
m : 材料の面密度 材料の密度×厚さ (kg/m2)
ρ : 空気の密度 ( 1.2 kg/m3 )
c : 空気の音速 ( 345 m/s )
垂直入射だけを考えると
 m 
TL  10  log10 1 

 2 c 
2
dB 
13
音響計測の応用
質量則による音響透過損失
 m 
TL  10  log10 1 

 2 c 
 m 
 10  log10 

 2 c 
2
2
dB 
dB 
 
 20  log10  fm   20  log10   dB 
 c 




 20  log10  fm   20  log10 
3
1
.
2
kg
/
m

345

m
/
s




TL  20  log10  fm   42.5 dB 

dB 
m : 面密度 ( kg/m2 )
質量則による音響透過損失
TL  20  log10  fm   42.5 dB 
 kg

m   t  3  m
m



 7,860 kg m 3 
遮音性能測定
m : 面密度 ( kg/m2 )
3.2mmの鋼鈑の面密度mは
3.2mm 
 25.2 kg m 2
1000

TL  20 log10 f  20 log 25.2  42.3
TL  20 log10 f  14.3

(dB )
(dB )
この式は垂直入射に対して論じており,0∼70°のランダム入射の場合はおおむね
−5dB することが推奨される.
TL  20 log10 100Hz   14.3  5  20.7 (dB )
試料用カセットの例
遮音性能測定
遮音性能測定
JIS A 1416 『実験室における音響透過損失測定方法』
JIS A 1416 『実験室における音響透過損失測定方法』
残残響室
測定器
不整形実験室(タイプⅠ)
残響室
(音源室) Mic
音源室,受音室ともに容積は150m3以上
(100Hzの残響時間が約20秒)
資料を試験開口部(100m2程度)に設置
試料取付用開口部
試 料
Mic
残響室
(受音室)
音源室5ヶ所,受音室5ヶ所
残響室
(音源室) Mic
JIS-C-1505の精密騒音計,
試料取付用開口部
試 料
JIS-C-1514の1/3Oct. Band Filter
マイクロホンは音源室 5点,受音室 5点
Mic
壁,拡散体,互いに70cm以上離す
音源は広帯域ノイズ
残響室
(受音室)
100 Hz ∼ 5 kHz までの18の1/3Oct. Band Noise
連続スペクトルの場合,1/3Oct. Bandの隣同士で6dB以内
14
音響計測の応用
遮音性能測定
遮音性能測定
JIS A 1416 『実験室における音響透過損失測定方法』
JIS A 1416 『実験室における音響透過損失測定方法』
残響時間測定
音響透過損失の算出
受音室の残響時間の測定
残響時間は音響エネルギーが−60dB減衰する時間,−5dB∼−35dBの2倍する.
TL  L1  L2  10  log10
100Hz∼5kHzまでの18の1/3Oct. Bandで,各測定点で3回以上の測定を行う.
S
A
dB 
L1 : 音源室における室内平均音圧レベル(dB)
L2 :受音室における室内平均音圧レベル(dB)
S : 試験開口部面積(m2)
A : 受音室の等価吸音面積(m2)
TL : 音響透過損失(dB)
Sound reduction index
遮音性能測定
JIS A 1416 『実験室における音響透過損失測定方法』
等価吸音面積の算出
A
0.16V
T
m 
2
V : 受音室の容積(m3)
T : 受音室の残響時間(s) 3回の平均
A : 受音室の等価吸音面積(m2)
1/3Oct. Band 毎に求める
遮音構造には,十分な質量を確保することが重要な課題となるが,一重壁では
壁の厚さを2倍にしても遮音性能は5dB程度の向上しか望めない.反面,コイシン
デンス効果は低い周波数領域に生ずることとなり,質量の増加(厚さ×m2)の増加
が必ずしも効果的な方策にならない場合がある.
遮音性能測定
JIS A 1416 『実験室における音響透過損失測定方法』
音圧レベルの測定
音源室,受音室の音圧レベルを測定
100Hz∼400Hzの7 Band は15秒以上
500Hz∼5kHzまでの11 Band は,10秒以上のLeq等価音圧レベルの測定
測定周波数帯域ごとに,各々5個所で測定
室内平均音圧レベルの算出
 1 5 Li 
L  10  log10  1010  dB 
 5 i 1

Li : i番目の測定点における音圧レベルの測定値(dB)
L :室内平均音圧レベル(dB)
15
音響計測の応用
Oct. Band音圧レベル (dB)
建物の内部騒音に関する騒音等級
優良
Oct. Band 中心周波数 (Hz)
音圧レベル差に関する遮音等級
居住用建築物の遮音性能
(集合住宅の居室:D値、L値、N値の基準等級)
音圧レベル差 (dB)
性能高
遮音性能基準
部
適 用 等 級
位
特 級
1 級
2 級
3 級
室間平均音圧レベル差
燐戸間界壁・界床
D-55
D-50
D-45
D-40
床衝撃音
燐戸間界床
L-45
L-50
L-55
L-60
L-65*
騒音レベル(dBA)
35
40
45
騒音等級
N-35
N-40
N-45
室内騒音
居室内
* : 木造、軽量鉄骨等の構造の集合住宅
Oct. Band 中心周波数 (Hz)
垂直入射透過損失測定用の音響管の例
床衝撃音レベル (dB)
床衝撃音レベルに関する遮音等級
性能高
Oct. Band 中心周波数 (Hz)
16
音響計測の応用
4マイクロホン法垂直入射透過損失測定
ASTM E 2611-09 (伝達マトリックス法)
音響パワー
・ 音響パワー(音響出力)は周囲の状況によって値が変化しない固有の値
半径 r (m)の球の全表面積 : 4πr2
p1
p2
p3 p4
スピーカ
試料
終端用吸音材
音響インテンシティ I (W/m2)
x1
x2
 A
TL  10  log10  
C 
単位面積
1 m2
x3 x4
W  4r 2  I
2
dB
W 
両記号 : W (慣例でPを使用する場合もある)
単位 : W (watt)
・ 音響パワーは,音源が単位時間に放出する音のエネルギーの総和
音響パワーレベル
音響パワーレベル LW (単位 : dB デシベル)
音響パワー W [W]をデシベルで表現した値
音響パワーレベル
W 
LW  10  log10   dB 
 W0 
基準値 W0
: 10-12 [W]
音源が放射する音響パワーを表す量で,各種音源の性状を表現する基本的な量
ヨーロッパでは騒音ラベリング制度の測定指標として使用されている
音響パワーレベル測定方法の規格
音圧レベル
測定環境に直接影響される
測定方法
音圧レベル 大
音圧レベル 小
測定規格
測定原理
無響室
半無響室
JIS Z 8732
大きな部屋
野外
JIS Z 8733
音圧法−Ⅱ
残響室
JIS Z 8734
拡散音場内の平均二乗音圧か
ら音響エネルギー密度を求め,
パワーを算出する
音響インテンシティ
無響室
半無響室
一般音場
JIS Z 8736-1
JIS Z 8736-2
音源をとり囲んだ閉曲面上の音
の強さを直接測定し,パワーを
算出する
音圧法−Ⅰ
反射性の壁
測定音場
測定室
音源をとり囲んだ閉曲面上の平
均二乗音圧から音響エネル
ギー密度を求め,パワーを算出
する
吸音性の壁
17
音響計測の応用
音響パワーレベル
自由音場で音響パワーレベルの測定
 1 10 LPi 
LP  10  log  10 10 
10 i 1

半球面の音響パワーレベルLWは,

LW  LP  10  log 2r 2
 dB 
 LP  20  logr   10  log2 
 LP  20  logr   8
r = 1 m とすると,
LW  LP  8 dB 
r = 2 m とすると,
LW  LP  14 dB 
床に置いて測定したい
半球型マイク固定治具の例
半球面で音響パワーレベルの測定
半無響室でパソコンの音響パワーレベル測定の例
半球面上の基本測定点
直方体の基本測定点
Y
c
3
4
8
0.99r
0.66r
6
9
Z
7
10
5
8
1.0r
0.75r
0.45r
7
1
a
4
4 5
1
8
2
3
9
6
1.0m
2
3
0.15r
2
5
9
0.88r
1.0m
X
1
Z
6
b
7
1.0m
Y
測定点9 は外しても良い
X
S  2ab  2ac  bc
18
音響計測の応用
直方体の基本測定点
LPi
10
1
LP  10  log10 
N
10
1
LP  10  log10 
N
LPi

10
10


i 1

N
i 1
三脚によるマイク配置例



N
LP : 測定表面上で平均した作動中の測定対象機器の音圧レベル (dB)
LP : 測定表面上で平均した暗騒音の音圧レベル (dB)
LPi : i 番目のマイクロホン位置で測定した作動中の測定対象機器の
音圧レベル (dB)
LPi : i 番目のマイクロホン位置で測定した暗騒音の音圧レベル (dB)
N : マイクロホン位置の数
直方体の基本測定点
野外での測定例
暗騒音補正値K1
L  LP  LP
L


K1  10  log10 1  10 10 


直方体の音響パワーレベルLWは,
S 
LW  LP  K1   10  log10   dB
 S0 
LP :測定表面上で平均した作動中の測定対象機器の音圧レベル (dB)
S : 測定表面の面積 (m2)
S0 = 1 m2
建設機械の音響パワーレベル測定
直方体の基本測定点
残響室で音響パワーレベルの測定
残教室
4
6
5
4
2
c
3
1
2
3
b
a
S  ab  2ac  bc
c
1
最低の1/3Oct.
Band 周波数
残響室の
最小容積
100 Hz
200 m3
125 Hz
150 m3
160 Hz
100 m3
200 Hz
70 m3
マイクロホンの数 : 3箇所以上
b
a
S  ab  ac  bc
時間平均音圧レベル
1
LPeq ,T  10  log10 
T

 1
LP  10  log10 
 N s
T
0
p 2 t  
dt 
p02

Ns
10
j 1
LPeq ,T  f 
10


19
音響計測の応用
残響室で音響パワーレベルの測定
LW  LP  10  log10
音響出力から音圧レベルを予測
W 1 
 dB 
LI  10  log10  
2 
 I 0 4r 

A
A
S c 
 4.34  10  log10 1 

A0
S
 8 V  f 
W
 10  log10 
 I0
LW : 測定対象音源の音響パワーレベル (dB)
LP : 室内平均音圧レベル (dB)
A : 残響室の等価吸音面積 (m2)
A0 = 1 m2
S : 残響室の全表面積 (m2)
V : 残響室の容積 (m3)
f : 測定周波数帯域の中心周波数 (Hz)
c : 音の速さ (m/s)

  10  log10 4r 2


 dB
 LW  20  log10 r  11 dB
音響インテンシティレベルLI ≒ 音圧レベル であるから
LP  LW  20  log10 r  11 dB
55.26  V 


A
c  Trev 
LP  LW  11 dB 
r = 1 m とすると,
LP  LW
r = 0.282 m では,
Trev : 各周波数での残響時間 (s)
W[W]
dB
騒音ラベリング制度
音響パワーレベルの測定方法
音響インテンシティ スキャニング法
• 騒音ラベリング制度:機器の発生騒音を表示する制度
反射音
外来ノイズ
– 音響パワーレベル
– ある距離における騒音レベル
– 等級別による表示
• 騒音ラベリングの例
音源
インテンシティプルーブ
– ISO 4871 機器の騒音表示 (EUで実施)
事務機器、IT機器、空調機など (主に音響パワーレベルが使用される)
– 建設機械 日本:低騒音型建設機械指定ラベル
• 日本における騒音ラベリング制度の動向
W = Σ (音響インテンシティ)
– 騒音ラベリング制度導入マニュアル(案) 環境省 2012年4月
http://www.env.go.jp/air/noise/labeling/manual_1.pdf
音響インテンシティ スキャニング法は通過する外来ノイズや反射音
の影響が少ない利点がある
音響出力から音圧レベルを予測
騒音ラベリング制度の目的
騒音ラベリング制度の導入
音響パワーレベルLW と音源からの距離から音圧レベルLPが予測できる
音響パワーW[W]の点音源が自由音場にある場合,音源から r [m] 離れた場所
の音の強さ I (インテンシティ)は,
I

W
W m2
4r 2

I0 = 10-12 W/m2 を基準にしてdBに変換すると音響インテンシティレベルになる
W 1 
 dB 
LI  10  log10  
2 
 I 0 4r 
① 機器の騒音情報の提供
② 低騒音化機器の選択
③ 機器の適切な接地・
使用・メンテナンス
機器の評価・苦情の情報
④ 機器の改善
(低騒音化機器の開発)
低騒音化社会の実現
20
音響計測の応用
音響パワーレベル測定(規定・参考)JIS規格
−電子・電気機械関係部門−
国内の騒音ラベルの例
冷却塔の騒音ラベル
建設機械の騒音ラベル
音響パワーレベル測定(規定・参考)JIS規格
−建築関係部門−
規格番号
規格名称
引用規格
JIS A 8305
建設機械の騒音の音響パワーレベル測定法
JIS Z 8732
JIS A 8317
土工機械の発する周囲騒音の測定−動的試験条件
JIS Z 8733
JIS A 8340-1
土工機械−安全−第1部 : 一般要求事項
JIS Z 8733
JIS A 8340-4
土工機械−安全−第4部 : :油圧ショベルの要求事項
JIS Z 8733
JIS A 8403-2
土工機械−油圧ショベル−第2部 : 仕様書様式
JIS Z 8733
JIS A 8403-3
土工機械−油圧ショベル−第3部 : 性能試験方法
JIS Z 8733
JIS A 8421-2
土工機械−ローダ−第2部
: 仕様書様式及び性能試験方法
JIS Z 8733
JIS A 8507
建設用回転圧縮機の仕様書様式及び性能試験方法
JIS Z 8733
音響パワーレベル測定(規定・参考)JIS規格
−鉄道,医療安全用具,情報処理部門−
建築関係部門
音響パワーレベル測定(規定・参考)JIS規格
−機械関係部門−
音の模型実験
21
音響計測の応用
模型による高速道路の環境騒音予測の例
模型による集合住宅の環境騒音予測の例
22