平成 25 年度における下請代金支払遅延等防止法に基づく取締状況等 (詳細版) 平 成 26 年 7 月 2 日 中 小 企 業 庁 はじめに 平成 25 年度の我が国経済は、底堅い個人消費や企業マインドの改善等を背景に、持ち直し の動きを見せ、また、消費税率引上げに伴う駆け込み需要等もあって、足下では緩やかに回復 していた一方で、為替レートの変化に伴う原材料、燃料価格の高騰等の影響により、中小企業 の収益環境は引き続き厳しい状況にあった。 このような経済環境の中で、親事業者と下請事業者との取引(下請取引)においては、下請 事業者に対して不当なしわ寄せが生じることが懸念される状況にあった。 中小企業庁では、こうした経済情勢を踏まえつつ、平成 25 年度においては、以下のとおり、 親事業者に対する書面調査や立入検査の実施、これらの結果を踏まえた改善指導や公正取引委 員会への措置請求など下請代金支払遅延等防止法(以下「下請代金法」という。)の厳格な運 用と違反行為への厳正な対処等を行った。平成 25 年度の下請取引の適正化のための取り組み は、以下のとおりである。 1.下請代金法に基づく取締状況 (1) 中小企業庁長官からの公正取引委員会に対する措置請求 親事業者に対する立入検査によって明らかとなった違反行為の中で、特に下請事業者に 対する影響が重大である案件については、下請代金法第 6 条に基づき中小企業庁長官から公 正取引委員会に対して措置請求を行うとともに企業名を公表している。平成 25 年度におい ては、1 件(平成 24 年度 1 件)の措置請求を行った( [表 1]参照)。 [表 1]公正取引委員会に対する措置請求案件 件 名 ㈱Aに対 する件 概 要 違反法条 商社に販売する研究用機器及び看護・介護用品等の 第 4 条第 1 項 製造を下請事業者に委託しているところ、下記①~②に 第 3 号(減額 より、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減 の禁止) じていた。 ①下請事業者に対し、下請代金の額に一定率を乗じて 得た額を負担するよう要請し、この要請に応じた下請 事業者について、「カタログ協賛値引」として、下請代 金の額から当該金額を差し引いていた。 ②下請事業者に対し、下請代金の額に一定率を乗じて 得た額を負担するよう要請し、この要請に応じた下請 事業者について、「仕入値引」として、下請代金の額 から当該金額を差し引いていた。 (下請事業者 68 名、総額約 2,739 万円) 措置請求日 H25.7.23 (2)書面調査等の状況 中小企業庁では、親事業者及び下請事業者を対象とした定期的な書面調査の実施や立入検 -1- 査の実施により、下請代金法の違反行為の把握に努めており、「下請代金の不当な減額」、「支 払遅延」などの下請代金法上の 11 の禁止行為(以下「実体規定関係」という。)に該当する行 為や発注時の書面交付義務、関係書類の保存義務等(以下「手続規定関係」という。)に違反し ている事実等が確認された場合には、親事業者に対して指導を行い、減額した下請代金の返 還、遅延利息を含めた下請代金の支払等の原状回復措置や、再発防止策を講じさせてきたと ころである。 平成 25 年度には、親事業者 45,378 社(平成 24 年度 45,127 社)に下請事業者 219,292 社 (同 224,658 社)を加えた計 264,670 社(同 269,785 社)に対して書面調査を実施した。 また、中小企業庁及び地方の各経済産業局では、下請事業者から下請代金法に違反するお それのある事業者についての情報提供・申告の受付を随時行っており、平成 25 年度は 65 件 (同 79 件)を受け付けた([表 2]参照)。 (3)指導の状況 平成 25 年度においては、 違反又は違反のおそれが確認された 10,274 社 (平成 24 年度 9,451 社)に対して指導を行った。 違反が認められた親事業者のうち 319 社に対しては、減額した下請代金、支払遅延に係る 遅延利息等について、合計で約 472 百万円(同 1,294 百万円)の返還を指導( [表 3]参照) した。 違反の内容としては、実体規定関係の禁止行為の違反として「支払代金の支払遅延」、 「下 請代金の減額」が、また、手続規定関係の義務違反として発注時の書面の不備や未交付が多 く見られ([表 4]参照) 、これら禁止行為や義務違反に対し、指導を行った。また、下請代 金法の違反行為が今後生じることのないよう、これらの親事業者に対して、社内における体 制整備など再発防止についての指導を行った。 また、平成 25 年 10 月に施行された消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の 転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(消費税転嫁対策特別措置法)及び下請代 金法の間で密接な協力体制を構築することにより、より効果的で効率的な運用を確保するこ ととした。 [表 2]下請代金法の運用状況 年 度 平成 22 年度 事 項 書面調査・申告 249,639 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 250,167 269,864 264,735 うち申告等 51 69 79 65 指導事業者数 12,392 10,535 9,451 10,274 4 4 1 1 公取委への措置請求 [表 3]減額した下請代金の返還、支払遅延に係る支払遅延利息等の支払状況(立入検査に よる改善指導) 年 度 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 返還額(百万円) 1,021 699 1,294 472 親事業者数(社) 396 305 289 319 -2- [表 4]指導措置の内訳 年度 (単位:件) 平成 22 年度 内訳 平成 23 年度 7,508 受 領 拒 否 240 175 支 払 遅 延 5,375 4,133 3,391 3,710 下請代金の減額 786 699 843 1,542 返 品 554 378 305 400 買 い た た き 741 566 513 526 購入・利用強制 312 241 177 167 置 0 0 0 0 有償材の早期相殺 158 121 85 100 困 難 手 形 807 649 466 540 利 益 要 請 473 332 224 286 や り 直 し 202 196 122 130 13,351 11,607 10,946 書面不備・未交付 10,307 8,767 10,311 7,875 書 類 未 保 存 3,044 2,840 2,436 2,321 報 復 措 手続規定違反合計 7,490 平成 25 年度 6,234 108 実体規定違反合計 9,648 平成 24 年度 107 8,625 [表 5]指導措置における実体規定関係違反件数の推移 平成25年度 平成24年度 平成23年度 平成22年度 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000 (件) 受領拒否 支払遅延 下請代金の減額 返品 買いたたき 購入・利用強制 早期決済 困難手形 利益提供要請 やり直し -3- [表 6]指導措置における手続規定関係違反件数の推移 (件) 書面不備・未交付 10,307 書類未保存 10,000 8,767 8,625 7,875 8,000 6,000 4,000 3,044 2,840 2,436 2,321 平成24年度 平成25年度 2,000 0 平成22年度 平成23年度 (4) 特別事情聴取の実施 立入検査とは別に、平成 20 年度から、①書面調査が未提出の事業者、②改善指導を連続 して受けた事業者、③改善報告書の提出が遅れている事業者等に対して、中小企業庁及び経 済産業局の幹部等が、社内体制の状況、違反行為が繰り返される理由、今後の改善方針等に ついての特別事情聴取を行っている。 平成 25 年度は、15 社を対象に特別事情聴取を実施し、違反等の発生原因を確認するとと もに、社内説明会や研修の実施、コンプライアンス委員会の設置、内部監査の強化等によ って、下請代金法の遵守を徹底する体制の整備等についての取組状況を確認した。 2.「下請かけこみ寺」事業の実施状況 企業間取引に関する中小企業の様々な悩み等に対応するため、平成 20 年 4 月、財団法人全国 中小企業取引振興協会(現在は公益財団法人)と全国47都道府県下請企業振興協会に「下請 かけこみ寺」を設置し、下請取引の適正化に向けた活動を実施してきた。これまで、全国の中 小企業から多くの相談が寄せられており、法令違反が疑われる場合は、速やかに国に事案を取 り次ぐなど、迅速な対応がなされている。 (1)下請かけこみ寺の相談受付件数 下請取引等に関する様々な相談に対して親身な相談対応を行っている。平成 25 年度の相 談実績は 4,982 件(平成 24 年度 4,931 件)となっており、その内容は「下請代金法」に関 する相談件数が 858 件(同 885 件)、「建設業」に関する相談件数が 1,075 件(同 1,293 件)、 「その他」 (※)が 3,049 件(同 2,753 件)となっている。 -4- (※)法令に関する質問等。平成 25 年度(10 月)は消費税率引上げに伴う経過措置等の相談が増加。 [表 7]下請かけこみ寺相談件数(月次実績) 800 634 600 457 400 393 449 486 351 343 420 353 347 350 399 200 0 また、弁護士による無料相談を、平成 25 年度は 711 件(平成 24 年度は 751 件)受け付 けている。 【相談事例】 A社は、自ら開発試験を行うB社から試験の一部を依頼された。 見積書を出し契約金額を合意した上で、B社の仕様書に基づき試験を行い試験報告書と請求 書を提出したが、B社から請求額が高すぎるとして減額を要請された。 (助言と解決例) 下請代金法が適用されることを確認した上で、下請代金法で禁止されている減額(親事業者 は、発注時に決定した下請代金を「下請事業者の責に帰すべき理由」がないにもかかわらず発 注後に減額すると本法違反となる)のおそれがあることを踏まえて対応してはどうかと助言し た。 → A社は、助言を踏まえてB社と交渉したところ、契約金額通りの支払いがあった。 (2)ADRの実施 全国の弁護士約 170 名を「下請かけこみ寺」に登録し、本部が主導して各地でADR(裁判 外紛争解決手続)を行い、平成 25 年度は 33 件(平成 24 年度 30 件)の案件に対応した。 -5- 【和解事例】 A社は、B社から継続的に受注していた部品製造について、一方的に製造を中止し他社へ発注 すると言われ、在庫品が発生してしまった。B社に在庫品の引き取り及び代金 190 万円の支払を 求めたが、条件が折り合わない。 (主張と解決例) A社の申立に対してB社は、在庫分については正式発注したものではないので、責任を負うも のではないと主張した。 → 在庫品の引き取りが争われ、調停人を交えて当事者が話し合い 2 ヶ月の調停を経て、B社が 和解金として 160 万円を支払うことで和解が成立した。 3.下請取引適正化の推進 (1)講習会等の開催(表 8 参照) ①下請代金法講習会 下請代金法の違反を未然に防止することを目的として、主に親事業者の実務担当者を対 象として講習会を開催した ②下請取引適正化推進月間(11 月) 下請代金法の厳正な運用と違反行為の未然防止、下請振興法に基づく振興基準の遵守の 指導等を通じ、下請取引適正化に努めてきており、その一環及び中小企業向けの年末対策 の一つとして、毎年 11 月を「下請取引適正化推進月間」として公正取引委員会と連携しつ つ、普及・啓発事業を集中的に実施している。 平成 25 年度は、 「下請取引適正化推進月間」を効果的に PR するため、下請取引適正化 推進月間のキャンペーン標語の一般公募を行い、応募作品の中から、特選 1 点、入選 8 点を決定。特選作品の「下請代金 きちっと払って 築こう信用」をキャンペーンの標語として、 親事業者の下請取引担当者等を対象に、下請代金法及び下請振興法の趣旨・内容を周知徹 底するための下請取引適正化推進講習会の開催等下請代金法の周知を図った。( [表 8]参 照) ※下請取引適正化推進月間のキャンペーン標語の一般公募結果は URL を参照ください http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2013/130731PR.htm ③下請取引適正化推進シンポジウム・セミナー2013 下請取引適正化推進シンポジウム 2013 については、従来、東京及び大阪のみの開催で あったが、平成 25 年度は、札幌、東京、名古屋、大阪及び博多の 5 地域に拡充して開催 するとともに、下請取引適正化セミナー(仙台、岡山、松山)を開催し、企業の調達担当 者等が参加した。 シンポジウムでは、消費税の円滑な転嫁等に関する基調講演や、コンプライアンス(下 -6- 請代金法遵守など)の強化に取り組む企業からの先進事例の紹介、さらにはコンプライア ンス強化と取引適正化に向けた望ましい社内体制の在り方をテーマに企業法務部等の代 表者や弁護士等によるパネルディスカッションを行い、法令遵守の重要性について活発な 議論が行われた。また、セミナーでは、消費税の円滑な転嫁等に関する基調講演や親事業 者の法務部等の代表から、下請取引の適正化の取組事例が紹介された。( [表 8]参照) [表 8]講習会別の受講者数等 講習会事業名 開催回数 下請取引改善講習会 受講者数 102 回 4,919 名 61 回 7,424 名 8回 1,052 名 下請取引適正化推進講習会(注) 下請取引適正化推進シンポジウム・セミナー (注)中小企業庁と公正取引委員会と協力して実施。両者の主催分の合計の実績。 (2)下請取引の適正化に係る通達の発出 平成25年11月には、年末の金融繁忙期に向けた下請事業者の資金繰り確保の点から、下 請代金法の遵守、下請取引の適正化及び消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保等を図ることを 親事業者約20万社及び関係事業者団体645団体あてに、経済産業大臣、公正取引委員会委員 長の連名で要請するとともに、下請中小企業振興法の振興基準を遵守し、下請事業者への配 慮等を行うよう、関係事業者団体745団体に対し、経済産業大臣又は経済産業大臣と主務大 臣の連名等で要請した。 (3)下請適正取引等の推進のためのガイドライン(下請取引ガイドライン) 下請代金法による取締りにとどまらず、業種横断的な下請代金法のルールを各業種に浸透 させ、親事業者及び下請事業者の間の適切な取引関係を構築するためには、各業種の取引慣 行に応じて具体的に解説したガイドラインの役割が重要であるとの認識の下、これまでに 「素形材」、 「自動車」、 「産業機械・航空機等」 、「繊維」、「情報通信機器」 、 「情報サービス・ ソフトウェア」 、「広告」、 「建設」、 「トラック運送」、 「建材・住宅設備」 、 「放送コンテンツ」、 「鉄鋼産業」、 「化学産業」 、 「紙・紙加工品産業」 、 「印刷産業」及び「アニメーション制作業」 の 16 業種で下請取引ガイドラインを策定しており、平成 25 年度においても、下請取引ガイ ドライン説明会([表 9]参照)を行うなど、その普及啓発を行った。 また、平成 26 年4月から消費税率が引き上げられることに伴い、消費税の円滑かつ適正 な転嫁の確保に向け、消費税の転嫁に関する留意点、問題となる具体例やその他の適正取引 の推進に関する事項等を追加するなど、16 業種のうち、建設業、トラック運送業を除く 14 業種で下請取引ガイドラインの改訂を行い、ガイドライン説明会の場を活用して、業界団体 や会員企業等に対する普及啓発を行った。 ※16 業種の下請取引ガイドラインは以下の URL を参照ください。 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/guideline.htm -7- [表 9]業種別の下請取引ガイドライン説明会の開催実績 業 種 素形材 自動車 産業機械・航空機等 繊維 情報通信機器 情報サービス・ソフトウェア 広告 建設 開催回数 3回 16 回 14 回 4回 4回 6回 3回 11 回 受講者数 22 名 911 名 512 名 26 名 65 名 140 名 21 名 176 名 業 種 トラック運送 建材・住宅設備 放送コンテンツ 鉄鋼産業 化学産業 紙・紙加工品産業 印刷産業 アニメーション制作業 ガイドライン全体 合 計 開催回数 受講者数 7回 3回 3回 3回 7回 4回 4回 4回 102 回 123 名 17 名 17 名 9名 133 名 24 名 22 名 40 名 520 名 198 回 2,778 名 (4)下請取引コンプライアンス・プログラムの公表 下請代金法の遵守に向けた社内体制の整備等の促進を図るため、「下請取引コンプライア ンス・プログラムで競争力をつける!~社内体制整備のすすめ~」を中小企業庁Webサイト 上で公開している。 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/110516comp_topix.htm -8- 別紙1 平成25年度における主な指導事例 1.受領拒否(下請代金法第4条第1項第1号) 業 種 概 要 繊維・衣服等製造業 衣服等を製造しているA社は、下請事業者に製造委託した原材料を納品させ る際、製品の製造に使用しないこととなった原材料を次回の製品製造時まで引 き取ることなく、下請事業者に保有させていた。 2.下請代金の支払遅延(下請代金法第4条第1項第2号) 業 種 概 要 家具・装備品製造業 事務所用装備品を製造しているB社は、下請事業者からの請求書の提出が遅 れたことを理由に、製造委託品の受領後60日を超えた日で下請代金を支払っ ていた。 不動産賃貸・管理業 C社は、建物の清掃に係る委託業務について、社内の事務処理の遅れにより 下請事業者の業務完了後60日を超えた日で下請代金を支払っていた。 3.下請代金の減額(下請代金法第4条第1項第3号) 業 種 概 要 飲食料品卸売業 食料品を製造しているD社は、下請事業者から受領した製品の一部を販路拡 大用のサンプルとして使用し、当該サンプル使用分を控除して下請代金を支払 っていた。 輸送用機械器具を製造しているE社は、製品単価の引下げ合意日より前に発 輸送用機械器具製 注したものについて新単価を遡って適用することにより、下請代金の額を減じ 造業 て支払っていた。 その他の小売業 化粧品を販売しているF社は、下請事業者に対する支払いの際、銀行に支払 っている銀行振込手数料の額(126 円)を超えた額(735 円)を控除して下請 代金を支払っていた。 4.返品(下請代金法第4条第1項第4号) 業 種 概 要 プラスチック製品を製造しているG社は、下請事業者から受領した製品に受 プラスチック製品 入検査で発見することができない瑕疵があったことを理由に、受領後6ヶ月を 製造業 超えて返品していた。 5.買いたたき(下請代金法第4条第1項第5号) 業 種 概 要 飲食料品卸売業 食料品を販売しているH社は、下請事業者が提示した見積書から一律に一定 比率で単価を引き下げて下請代金の額を定めていた。 工作機械を製造しているI社は、下請事業者との価格交渉で大量発注を前提 生産用機械器具製 として決定した単価を少量の発注に適用していた。 造業 6.有償支給材料等の対価の早期決済(下請代金法第4条第2項第1号) 業 種 概 要 業務用機械器具を製造しているJ社は、下請事業者に対して有償で支給して 業務用機械器具製 いる支給材の対価について、当該支給材を使用した製品に係る下請代金の支払 造業 期日より早い時期に下請事業者に支払わせていた。 7.割引困難な手形の交付(下請代金法第4条第2項第2号) 業 種 概 要 繊維・衣服等卸売業 衣服等を販売しているK社は、繊維製品の製造を発注している下請事業者に 対して支払う下請代金を手形払いとしていたが、手形期間が90日を超える手 形(期間120日)を交付していた。 8.不当な経済上の利益の提供要請の禁止(下請代金法第4条第2項第3号) 業 種 概 要 輸送用機械器具製 輸送用機械器具を製造しているL社は、製造が終了した製品に使用されてい 造業 た金型を下請事業者に長期間無償で保管させていた。 飲食料品小売業 飲食料品を販売しているM社は、下請事業者からの納品の数量及び代金の額 に一定率を乗じて得た額を販促協力金として、別途にM社の口座に振り込ませ ていた。
© Copyright 2024 ExpyDoc