Occupational Therapy for elderly with dementia 認知症高齢者に対する作業療法 Faculty of Health Science Department of Rehabilitation Occupational Therapy Course NIHON FUKUSHI UNIVERSITY 日本福祉大学 健康科学部 作業療法学科 Shuji Kijima 来島 修志 Dementia patient Person with dementia Lectures 1. Understandings of elderly with dementia 2. Rehabilitation for elderly with dementia 3. Practical issues on Occupational Therapy for elderly with dementia 4. Discussion 脳活性化リハビリテーションの可能性 (山口晴保:認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント) ホムンクルス 活動(Activity)のすすめ ① 活動(Activity)の選択と設定の仕方 *ニーズに合わせて(役割を意識できる活動) *残存能力に合わせて(分かりやすい活動) *生活歴に合わせて(なじみの活動) 活動(Activity)のすすめ ② 集団の設定と演出の仕方 *なじみの関係を生かす *相互交流を引き出す人数と隊形 *スポットライト役のリーダーの動き 認知症をもつ人の心の苦痛 ~ Christine Bryden • 不安,困惑,驚き,ストレス • わかってもらえない,一方通行のコミュニケー ションとなり,人間関係が悪化 • 何かやらなければ,~したいと思っていても, 何もできなくなったと誤解される • 人に助けてほしい,傍にいてほしい • 安心できる居場所,拠り所がない • 心を閉ざして無気力になる 不安や困惑に打ち勝つには? 不安 困惑 現時点の 適応行動 発揮されず 潜在している 楽しむ力 周辺症状 自発性や精神活動の低下 中核症状 記憶障害 見当識障害 思考・判断・遂行機能の障害 抑うつ,不安,心気,幻覚,妄想,興奮,性格変化 などの随伴精神症状 徘徊,火の不始末,放尿・放便,不潔行為,拒否,暴力 などの行動障害 活動(Activity)のすすめ ③ 「私」の活用の仕方 *メリハリのある表情や言動 *教えてもらい感謝する *介入・接触の時間と頻度を考える 作業療法プログラムの一例 月 9:00 10:00 12:00 散歩 火 水 木 個 別 訓 練 / 面 接 / 評 価 ドライブ 食 13:30 1. 2. 3. 4. 14:30 5. 料理・会食 事 指 回想法 金 散歩 導 集団歩行 季節の話~出席~自己紹介 リハビリ体操~リズム体操~顔体操~声出し ビーチボール/風船運動 「いろはにほへと~」「はな・はと・まめ~」唱和~回想話 排 15:00 15:30 16:30 創作活動 茶 唄/踊り 泄 指 話 創作活動 導 会 ゲーム 創作活動 Occupational Therapy Occupy = 占有,専心,没頭 作業療法の治療構造 場の設定 活動,材料,道具,作品 日時の設定 セラピストの指導態度・方法 【治療的自己の活用】 集団の成員構成 集団操作 【集団力動】 認知症高齢者の残存機能 子どもの頃の記憶【遠隔記憶】 手や身体で覚えたこと【手続き記憶】 喜怒哀楽【感情機能】 「作業回想法」のねらい • 高齢者自身が人生で体験してきた家事,手仕 事,遊びなどをテーマに,馴染みの古い道具 を使いスタッフに対しそれらの作業を指導して もらう • 「作業し回想する」,「人に教え伝える」という高 齢者本来の役割を遂行してもらう • 役割を発揮してもらうことによって 自尊心,活動性,QOL を高める 作業回想法のプログラム例 回 テーマ 1 「お米を研ぐ」 2 「擂鉢で擂る」 3 「漬物を漬ける」 使用道具/材料 お釜,枡,お櫃,米 擂鉢,擂粉木,大和芋、胡麻 漬物樽,糠床,野菜数種 4 「手作りおやつ」 茶碗,さじ,麦こうせん,砂糖,塩,湯 5 6 7 8 たらい,洗濯板,洗濯糊,ヒノシ 雑巾,裁縫道具,バケツ 米糠袋,米糠,洗面器 お手玉,おはじき,犬棒かるた 「洗濯仕事」 「雑巾縫い」 「米糠の利用法」 「昔の遊び」 「作業回想法」のすすめ方 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. あいさつ 用意した道具の名前とその使い方を尋ねる 『使い方を教えてください』と声をかける 一人ひとりに実演を促す スタッフ自らもやってみせアドバイスを受ける 個人の回想を促す 感想を尋ねる スタッフの感想と感謝の気持ちを伝える 次回の確認 介入前後の各スケール得点の比較 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 前 後 HDS-R 80 70 60 50 40 P<0.01 30 20 10 0 前 後 MMSE 前 後 MOSES 介入前後のMOSES下位尺度の比較 (得点) P<0.01 25 セルフケア 20 失見当 15 抑うつ 10 イライラ感, 怒り 引きこもり 5 0 Pre Post 昔はねえ… (回想) 懐かしいなあ… (理解可能) 教えて ください! ありがとう ございました 視覚刺激 触覚刺激 手続き記憶 自発性 自尊心 役割発揮 人・社会との絆 Occupational Therapy for elderly with dementia Identity Recovery Activation of Mind Body Human Relationship Activity Social Roll 認知症高齢者の作業療法 自己回復 心身賦活 人間関係 活動 社会的役割 参考・引用文献 ・ 山口晴保 編著: 認知症の正しい理解と包括的医療・ケ アのポイント.協同医書,2005 ・ 松井紀和:精神科作業療法の手引き.牧野出版,1978 ・ 来島修志:痴呆性高齢者への生活リハビリをより有効に. 痴呆介護Vol.2.No.1:44~51,日総研出版,2001 ・ 江草安彦 監修: 新・痴呆性高齢者の理解とケア. メディカルレビュー社,2004
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