第3回仙台市ガス事業継承者選定委員会 ■日 時 平成20年10月3日(金)14:00~ ■会 場 ホテルメトロポリタン仙台4階「芙蓉」 議事要旨 ■出席委員 金崎委員長、赤羽委員、田中委員、福嶋委員、矢川委員(5名) ■事 務 局 仙台市ガス局佐藤理事兼次長、民営化推進室長他 PwCアドバイザリー㈱古澤マネージングディレクター他 1. 開 会 2. 議 事 (1) 資格審査について • 資料1について、事務局より説明。 ○ 委員長 資料1の1頁に「現行料金制度は原料費の未回収状態にあり、このままでは事業収支が成 り立たず」と記載されているが、募集要項中の「現行の料金体制を維持する」との記載と は矛盾しないのだろうか。 ○ 事務局 現在の供給約款は、平成20年8月1日に改定したものであるが、未回収の原価が発生して いることは指摘のとおりである。 原料費調整制度では、基準となっている原料価格の6割増しのところまでは自動的に原価を スライドさせることができ、料金に転嫁できるという制度になっているが、8月1日時点に 見直しした際に、6割の上限を超過している部分があり、それが今の供給約款では未回収の 状態になっている。 ただ、今回の民営化に当たっては、平成22年4月1日時点で新会社が総原価を見直しして 新たに料金を設定する必要があり、この問題は、その時点で解消されることとなる。 この点については、資格審査を通過した後に、ご説明したいと思っている。 ○ 委員長 了解した。 ○ 委員 拒否権付株式は今回のプロポーザルの条件として示しているのではないのか。 ○ 事務局 拒否権付株式の発行については、事業契約(案)の一部として提示しており、条件として提 示している要求水準書には含まれていない。 ○ 事務局 補足すると、事業契約(案)は、競争的対話の結果、修正すべき点は修正した上で、補足資 料として最終的に提示する仕組みになっているので、資料1の記載内容をもって、要求水準 を満たしていないという解釈にはならないことになる。 -1- ○ 委員 競争的対話を通じて変更もしくは削除も理屈的にはあり得るということだ。 ○ 委員長 拒否権付株式に関しては、今回の民営化の目玉のような形で報道されてきたと思うが、仮に 見直しとなった場合に、議会や市民からどうしたのかという質問等がないか少し心配だが。 ○ 事務局 この9月議会の質疑の中で、事業契約(案)は要求水準と異なって競争的対話の中で対応し ていくものだという位置づけを答弁しているところである。 ○ 委員長 市民に対してはどうか。 ○ 事務局 契約に基づく安全・安心などの条件の確保策は、相手方の社会的な信用力を担保に有効に機 能すると思っている。従前の事例においても有効に機能しており、十分な方策と考えている が、なお万全を期すという観点から、拒否権付株式の仕組みを採用することとしたものであ る。この点については、当初より説明してきたところである。 要求水準と事業契約で既に縛りがかけられている枠の中で、さらに限定的な事項については シンボル的に拒否権付株式で担保するという仕組みになっている。そういった意味では、仮 に拒否権付株式を見直しした場合においても、安全・安心の骨格が揺らぐものではないとい うお話を差し上げることになろうかと思う。 ○ 委員 見直しした場合に不公平ではないのか、と言われかねないような気がするが。 ○ 事務局 募集要項の5-2の項目に、「ただし、④の事業契約書案については優先交渉権者候補者選 定後に契約交渉を行わないことから、8.に定義する参加資格者との9.の競争的対話の手 続きにより明瞭化したのちに、事業契約書として補足資料の提示期限までに、すべての参加 資格者に対して同条件で提示する」という記載があり、事業契約書(案)の位置づけを明記 しているところである。 ○ 委員 原料価格変動以外を理由とするガス認可申請についても過剰規制であるとの記載があるがい かがか。 -2- ○ 事務局 繰り返しになるが、料金水準維持に係る要件自体は既に要求水準として課している部分であ り、拒否権付株式を見直ししたとしても、市側の要求自体がなくなるということではない。 市側の要求の遵守をお約束いただくということに変わりはなく、約束していただく方法が、 事業契約という形なのか、さらにプラスアルファで拒否権付株式が加わるかどうかという話 である。 ○ 委員 その点、事業契約に明記されているのか。 ○ 事務局 譲受申込書に、「募集要項に記載の条件を十分に理解し、これに合意した上で書類を添えて 申し込みます」との記載があり、譲受申込書を提出する段階で約束していただくこととなる。 ○ 事務局 仮に、拒否権付株式に関らず、事業契約の内容の見直しが行われる場合には、変更前にきち んと市議会に対してご報告し、ご了解を頂戴した上で、そのプロセスを処理する必要がある。 先の市議会の答弁でもそのように申し上げているところである。 ○ 委員 拒否権付株式を嫌がるということであれば、誓約書でもよいかという気はする。ただ、本日 の議題である資格要件の審査とは直接には関係しないという理解である。 ○ 委員 事業リスクに関して、「設備の健全性について事業契約に一定の瑕疵担保責任を担っていた だく必要がある」という記述がある。 しかし、譲渡対象財産に減額する部分があった場合には、その分をDCF法で算出した事業 価値から減額した上で譲受希望価格の提示を求めるということを市は要求している。そうい う趣旨で理解してよろしいか。 ○ 委員 老朽化している設備がある場合には、相応の資本支出が生じる可能性があり、その分はキャ ッシュアウトになるので、結果としては減額されるということだ。 ○ 事務局 現在の事業契約(案)では瑕疵担保責任を負わない形になっている。従って、委員ご指摘の とおり、その点で生じるディスカウントは止むを得ないという意志を市側は有している。 -3- それに対して、相手は、瑕疵担保責任を負って欲しいと言ってきている形である。 ○ 委員長 いずれにしても競争的対話を経た後の話だ。その時点では、詳細な資料が相手に渡っている のだから、その上での瑕疵担保の議論だろう。 ○ 事務局 設備診断を既に実施しているが、その報告書は資格審査を通過した者にだけ提示するので、 未だ相手にお渡ししていない。資料に目を通した上で、なお同じ主張をするかどうか。 ○ 委員長 ほかに質問・意見は、よろしいか。 • 資料2及び3について、事務局より説明。 ○ 委員長 説明書の実質審査項目に記載されている審査の視点に対するコミットメントが必ずしも明瞭 に読み取れないように感じる。 特に、経営体制構築能力の項目の「中核企業としての責務を責任をもって果たす意志を有し ている」という部分については、提出された書類には、ほとんど書かれていないように思う が、この点についてご意見を頂戴したい。事務局ではどのように判断しているのか。 ○ 事務局 資料2の2(1)に、「6-4.①に示す資格を満たすことを宣誓している」とあるが、こ れは、民営化後のガス事業の自発的発展を支援する強い意志を有することを宣誓しているも のである。全体として提出された書類を拝見すると、その意志はあると判断している。 過去のガス事業民営化事例ではこのような書類の提出を求めておらず、あるいは、ある意味 不慣れなところもあったのかもしれないが、全体として意志は認められると思っている。 ○ 委員 事務局の解釈が、結論的には妥当かと思う。 東京ガスはガス事業の経験を有し、東北電力は実績あるこの地域の巨大企業である。その資 源を使えばガス事業遂行に十分な能力を有している、と言いたかったのだと思うが、事業遂 行にあたっての条件を先に出して書いているため、強い意志が感じられない印象を受けると いうことだろう。 しかし、意志がないのかというと一応はあるということで、資料3の評価はそう考えると妥 -4- 当という気はする。 環境が非常に厳しいので引き継ぐのは容易ではないということを言っているのであって、意 志そのものはあると認めてもいいと思う。 ○ 委員長 リスクに関する理解と対応方策の考え方についても、新会社のリスクについて書いてもらい たかったが、実際に書かれている内容は、応募者としてのリスクを書いてしまっている。少 しポイントがずれている。 ○ 事務局 視点が少し近視眼的かと思う。ガス事業のリスクというよりは、本市案件の民営化時点にお けるリスクに言及しているが、中長期的に考えれば、例えば原料の長期契約の問題、あるい はソースの多元化とか、そういった問題意識をお示しいただいてもよかったかもしれない。 逆に言うと、代表法人がガス事業の第一人者なので、彼らにしてみるとその点は、特段のも のではなく、最初の2行ぐらいで書いたつもりなのかもしれない。 ○ 委員 多分、彼らの気持ちとしては、当然自分達の認知している一般的なリスクだから、そこは敢 えて書かずに、当該事業の足元のリスクを記述したという形になっているのだろう。 ただ、この事業に応募する以上は、一般リスクも含めて総括的なリスクに何があって、当該 事業についてのリスクには何があって、それに対する大きな考え方としてこうであるという 形で出すのが、応募者として普通ではないかと思う。 ○ 委員長 今回提出されている書類で不足している部分があれば、競争的対話の中で質問されるなり、 説明をしていただければいいのではないかと思う。 ○ 事務局 不足した部分があれば明瞭化する認識があるということを相手に示して、競争的対話の中で 明瞭化していくことではないかというご指摘と理解させていただきたいと思う。 ○ 委員長 今までいろいろご議論いただいたが、当委員会として、本件について次のように取りまとめ たいと思うが、よろしいか。 「東京ガスグループの資格審査申請については、資格審査基準に従い資格審査を有すること を確認する。」 -5- では、資格審査については以上でよろしいか。 (「はい」の声あり。) このほかに、事務局から当委員会に意見を求める事項があればお願いする。 ○ 事務局 拒否権付株式について、先ほどご議論いただき、別途誓約書などの形で約束していただくと いったご助言も頂戴したが、その他にご意見を頂戴できればと思う。 ○ 委員 新聞報道などにより一般に知られている中で、拒否権付株式を見直しすることになると、相 手が1グループだけということもあり、交渉したのではないかという話になるので、余り変 えない方が私はいいと思う。 ○ 事務局 仮に事業契約や事業譲渡契約の重要な変更があるということであれば、勝手に変更して「実 はこうでした」と後からお示しするのではなくて、変更する前にきちんと市議会に報告し、 「これでよろしいでしょうか」という形でご意見を伺った上で、その手続に臨みたいと考え ている。 ○ 委員 恐らく企業経営としては、拒否権付株式がない方が経営の自由度が増すので、そういう意味 では、最終的な企業価値は高まる可能性も持っていると考えていいのではないかと思う。 後はフォーマリティーをどう確保するかだが、絶対譲れない条件は何か、附帯条件としてど ういう選択をしたか、ということが明示的に分かること。そういう説明をきちんとして透明 性を保つということが重要かと思う。 ○ 委員長 黄金株の件がどう報道されるかという部分に少し問題があるような気がする。全国レベルで は余り報道されていないが、仙台のローカルニュースではかなりセンセーショナルに取り上 げられている。 見直しする場合には、今回の応募者について黄金株は必要ないということ、見直しした方が より企業価値を高めることができると説明をきちんと報道してもらうようにしないといけな いと思う。 ○ 事務局 仮に拒否権付株式を見直すというような重大な変更であれば、議会にきちんと報告する必要 -6- がある。具体的には公営企業委員会が月に1回開会されており、その中でご報告を差し上げ ることとなる。勿論、私たちも責任を持って、正面からご説明するということが必要だと思 う。 何が市民の利益になるのかという観点から一番いい条件を総合的に判断してお示しすること になる。代わりに何で担保するのかという部分をきちんと説明していくことが大切だと思っ ており、そこは責任を持って対応させていただきたいと思っている。 ○ 委員 事業契約(案)の変更は、この委員会に諮られるのか。事柄にもよるだろうが、細かな条件 ではなく、例えば黄金株の見直しの場合だと委員会に諮られる事項なのか。 ○ 委員長 あくまでも応募書類の中の事業契約書(案)であり、競争的対話を通じて明瞭化のプロセス を行っていくということなので、当委員会で議論する事項になっていないと理解している。 ○ 事務局 委員長ご理解のとおりである。 ○ 委員長 資格審査については、大体議論が尽きたと考えてよろしいか。 (「はい」の声あり。) では、今後の進め方について議事を進めたい。事務局より説明願う。 ○ 事務局 応募提案の提出後、あと2回、来年の3月に委員会を開催したいと思っている。具体的なス ケジュールは、事務局と委員長とで調整させていただき、今後お示ししたいと思う。この進 め方でよろしいかお諮りする。 ○ 委員長 私に一任いただいて、事務局と調整の上今後の日程をお示しするということだが、よろしい か。 (「はい」の声あり。) では、そのように進めさせていただく。 これをもって本日の会議を終了する。 -7-
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