平成 24 年 11 月 1 - 鎌倉市

【平成 24 年度第 1 回かまくら人権施策推進委員会会議録】確定版
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日
時:平成 24 年 11 月 1 日(木)15 時~16 時 30 分
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場
所:鎌倉市役所
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出席者:【委員】
桑田委員、菊谷委員、中村委員、安冨委員
【幹事】
服部職員課担当課長、朴澤こども相談課長、筒谷高齢者いきいき課担当課
長、茶木障害者福祉課長、川合教育指導課長
【事務局】
相川経営企画部長、小嶋経営企画部次長
文化人権推進課:青山課長、蛯名課長補佐、崎野主事
※傍聴者 なし
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配付資料
(1) かまくら人権施策推進委員会委員・事務局名簿
(2) かまくら人権施策推進委員会条例・同施行規則
(3) 平成 23 年度版鎌倉市人権施策推進状況報告
(4) かまくら人権施策推進指針改訂のポイント(案)・スケジュール(案)
(5) かまくら人権施策推進指針(平成 16 年 3 月)の抜粋
(6) かながわ人権施策推進指針改定素案(平成 24 年 10 月)
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会議の概要
機構改革、人事異動に伴う職員紹介
822 会議室
条例設置としての新たな委員会となったため、新たに委員長を選出した。
(この間、事務局が議事進行)
「議題 1
委員長、副委員長の選出」
委員の互選により、安冨委員を委員長に、桑田委員を副委員長に決定。
「議題2
会議の公開及び傍聴者の取扱いについて」
事務局から次のとおり提案し、了承された。
・ 会議は公開とする。
・ 会議の傍聴は認める。傍聴者の発言、会議の録音・録画・撮影については、
原則、認めないこととし、資料については、閲覧のみとする
・ 会議録は委員確認後にホームページで公開する。
委員長
議題 3 平成 23 年度鎌倉市人権施策推進状況報告に移ります。事務局から説
明をお願いします。
事務局
【資料3に基づき、主な重点施策の進捗状況を説明】
【平成 23 年度かまくら人権施策推進委員会において指摘のあった内容に対す
る取り組み経過を説明】
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1「セクハラ相談がしやすい仕組みやPRの促進」について
職員課人事担当以外にも、その他の相談先を検討すべきとの意見をい
ただきました。現在、文化人権推進課が市民向けに実施している女性相
談について職員の利用を改めて周知するために、職員向けの庁内ネット
ワーク掲示板に、女性相談の案内を掲示しました。
2「災害時における障害者の支援体制」について
通所施設における避難訓練、宿泊も見据えた食糧等の備蓄、総合防災
課が行う要援護者登録への勧奨、支所へのオストメイト配置等を行って
います。周知の方法として、ホームページやツイッター以外の情報媒体
も検討することが課題です。
【事務局として重点施策の中で改善が必要と考える事項の取り組み経過を説
明】
1「虐待未然防止に向けた取り組み」について
啓発活動はこれまで分野別に行われていましたが、平成 24 年 10 月
28 日に児童・高齢者・障害者の担当課が合同で虐待防止キャンペーン
のイベントを開催し、効果的なアピールができたほか関連団体間の連
携が図られるメリットもあったことから、今後は合同で開催していき
ます。
2「障害者のための相談体制の拡大」について
23 年度報告では、ケースワーカー不足で相談業務が不十分とされて
いました。24 年度は障害者虐待防止法の施行により障害者福祉課内に
設置された「障害者虐待防止センター」のために職員を 1 人増員し、
ケースに対応する態勢をとっています。
3「人権啓発事業の効果を高める工夫」について
市が主催する一般市民対象の人権啓発講演会において。身近な人権
侵害をテーマにするなどして、広範囲から市民の参加も進めるように
努めています。講演会の手法については、さらなる工夫が必要です。
4「人権教育の推進」について
学校における人権教育をさらに進める必要があります。法務局と人
権擁護委員会が実施する中学生人権作文コンクールに、市内全中学校
から積極的な応募があるよう、人権擁護委員会を通じ学校側に働きか
けていきます。
小学校に入る前の人権教育も重要であり、市内の保育園や幼稚園に
人権擁護委員が出向き、紙芝居やDVDを利用した啓発活動を予定し
ています。
事務局: 本日の委員会の意見を加え、ホームページに平成 23 年度人権施策推進状況を掲
載します。
委員長: 分野別施策の項目で、「犯罪被害者やその家族」とありますが、犯罪被害者等基
本法では、
「犯罪被害者等」としています。法律上の定義は、直接被害を受けた方、
ご遺族、その家族を含めて呼んでいますから「犯罪被害者等」という表現で良い
と思います。
委員長: 人権出前講座の「出前」という言葉に抵抗感を感じます。人権というのはある
種の価値ですから、それを出前するというのは、立場の高いところから見ていて、
物を持っていくという印象があります。
事務局: 一般的にはアウトリーチと呼んでいますが、どのように表現するか工夫させて
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いただきます。
委員長: 人権研修の推進のところで2つの項目に同じ内容が書いてありますが、どのよ
うな理由でしょうか。
事務局: 市職員と学校の教職員を対象として開催した研修です。事業名として、項番 119
は市職員を、項番 120 は教職員を対象に分類しています。一つの研修を二つの事
業に割り振った結果このような記載になりましたが、表記方法を整理します。
委員長: 高度情報化への配慮で、不正利用の防止として情報セキュリティポリシーに基
づくセキュリティ確保について書いてありますが、人権施策推進とどのような関
わりがあるのか不明確です。人権施策推進のこういう目的を達成するために、情
報セキュリティポリシーに基づくセキュリティの確保を行っていますと書いてあ
れば意味がわかりますが。
事務局: セキュリティ確保の中には、このような使い方をしてはいけないという内容が
入っています。例えば、職員がセキュリティポリシーを破って他のネットワーク
につないだ時、そのネットワークから侵入されて差別的な書き込みをされる恐れ
があるということです。委員長のおっしゃる通り、何を目的としているのかを明
確にした方が良いと思います。
委員長: デジタルデバイド防止は、高齢者の方などが情報共有できなくて社会から取り
残されないようにすることです。人権施策とどういう関係があるのか整理してく
ださい。
委 員: 女性相談の件数が増えたということで、活発に使っていただいているようです
が、件数の増加にはとらわれる必要はありません。他の市町村の相談機関ですが、
件数が前年度から減ったということを議会で追及されるのを恐れ、件数の増加に
意識を持つ例がありました。
DV相談件数については、前年度より減ったという説明がありました。DV防
止法を使った一時保護の件数は神奈川県全体で減ってきています。
二点申し上げたいことがあります。一点目はDV対策と子どもの児童虐待の防
止についての取り組みを連動して行っていただきたいことです。児童虐待防止法
も改正され、親から子どもへの直接の暴力がなく親同士のDVを見て育つという
ことそのものが虐待であると法律上も規定されました。児童虐待のパンフレット
でもDVとの関係を大きく扱ってもらいたいと思います。
二点目は、DV被害者への相談窓口についてです。女性を対象とした相談窓口
は公的・民間でも充実してきましたが、県内では神奈川人権センターがDVに悩
む男性のための電話相談窓口を週に一回開設しています。これを鎌倉市の広報な
どでご案内いただくとよいと思います。被害者・加害者にかかわらず、悩んでい
る男性がいます。DV防止法の趣旨は、男性被害者も女性被害者も同じように適
用するので、その点で男性相談の窓口をご案内いただきたいと思います。
委員長: 施策の運用や、指針を改める際に配慮した方がよろしいのではないかというご
意見のように承りました。
議題 4 かまくら人権施策推進指針の改訂に移ります。
当委員会は条例設置の委員会になりましたが、市に対して、指針の改訂につい
て助言提言するという位置づけでよろしいですね。
では事務局から資料の説明をお願いします。
事務局: 【資料4に基づき、指針改訂のポイントを説明】
委 員: 昨年改訂された横浜市の人権指針の中に性別違和という言葉があって、性別違
和を抱える子どもへの啓発教育の必要性について取り組んでいます。これからの
性的少数者に対する取り組みというのは、これからどんどん重要になっていく傾
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向があります。
性的少数者もすごく細分化されてきて、なかなか私たちの理解が及ばない状況
になっていますが、その一方、職場等で外観は男性でも性自認は女性という人が
女性用トイレを使えないことに対して複雑な気持ちを持っているとか、そういう
ような複雑な対応を実社会ではだんだん求められるようになってきているようで
す。性同一性障害が、セクシャルマイノリティという言葉でくくられている部分
について、おそらくパブリックコメントが集中して出るのではないかと予想され
ます。
もう一つは女性を取り巻く環境ですが、DVについて、DV防止法と各自治体
の指針等の整備により、一時保護の手続きもだいぶ滑らかに行えるようになって
きたので、内閣府の方の今の意識は、DV問題はとりあえずここである程度達成
したので、次は性暴力の被害者にターゲットを移しております。性暴力の被害者
が警察等、刑事事件との関係もあって円滑に救済される手続きができていないと
いうところから、大阪に「SACHICO(さちこ)」という、性暴力被害にあった方が
診察、病院部分と告訴へ向けた刑事手続き部分、それから弁護士との司法サービ
スの部分で被害者がワンストップで受けられるシステムがようやくでき始めた状
況で、内閣府では今ヒアリングをしている最中のように伺っています。横浜市の
指針ではそこまではターゲットにならなかったのですけど、性暴力被害者の救済
というところにも、何らかのコメントが今後につなげる可能性があると思ってい
ます。
委員長: 今ご指摘いただきましたように、あまり神奈川県の人権指針改定案と同様にす
る必要はないかと思います。北朝鮮による拉致被害者の人権問題を鎌倉市の人権
施策の中で盛り込む必要があるのかということです。むしろ国の問題、せいぜい
県の問題と考えられます。これを市に持ってきても、あまり現実的ではないと思
います。
むしろ災害発生時の人権の問題、これこそ鎌倉は海が近いわけで、皆いろいろ
な意味での複雑な感情を持っているわけですから、この辺りはしっかり書き込ま
ないといけないと思います。性犯罪の被害者については、これもどちらかと言え
ば鎌倉の指針に入れるかという問題もありますが、少なくともそのような問題意
識はあるということは書くべきだと思います。
委員長: 同和問題についてですが、本市の場合、小学校中学校ではどのように同和教育
をしているのでしょうか。
教育指導課長:小中学校では、人権教育の中で同和問題をとらえています。同和問題に関
しては、取り扱いを丁寧にする必要があると考えています。
委 員: 横浜市が人権指針を作るときに、当事者の方は、戸籍に関わる結婚差別が一番
深刻だということをおっしゃっていました。
委 員: 災害発生時の人権というところの最初に避難所運営等という言葉が出てきます。
避難所の運営に関して、特に初期の、地域の体育館に避難した段階について、横
浜市の女性協会と内閣府が協力してヒアリングを行い、報告書を出しています。
それによると、東北各県の初期の対応を見ると、結局避難所運営に、女性のリー
ダーを育成する必要性が痛感させられました。体育館のようなところだったら、
女性が安心して暮らせるように、パーティションを、仕切りを作る事が必要だと
いうことが周知されていたのですが、避難所によっては、リーダーの男性の意向
で、「この体育館全体が大きな家族なのだから、仕切りはいらない」という一声で、
結局パーティションが使えなかったという避難所がいくつかありました。
さらに体育館で三度の食事を用意するのは女性の役割で、非常に大変だったよ
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うです。男性の中には、がれきの撤去等の作業に当たって収入を得た方があるけ
れど、食事の支度をする女性は奉仕ということで、賃金の対象ではなかったとい
う問題が指摘されています。女性のリーダー、マネジメントもできる女性が育成
されていないために起きた問題というのがいくつかあったという指摘がされてい
ます。そういうものをどういう形で盛り込んだらいいかについても考えていただ
ければ良いと思います。
委員長: まずは考え方であり、それをどのように具体化していくかという話だと思いま
す。災害時に人権侵害がないようにという一つの項目は入れて、それを具体的に
どうやっていくのかというご提言をいただいたと思います。
委 員: 障害者のことで、精神障害者だけ自立支援という言葉で出てきます。おそらく
自立支援法に基づく支援ということだと思うのですが、自立支援法でやっている
サポートセンターだけでなく就労継続のA型とかB型とか、精神とか身体などが
落ちていますね。
障害者福祉課長: 今回の推進状況報告のベースは平成 16 年 2 月に作られたもので、基本
指針に基づく構成の中で、平成 23 年度の進捗状況はどうかということです。障害
者においては、平成 18 年に障害者自立支援法が作成されまして、障害者施策も一
変し別の形になっています。今回指針を見直す中で現状に合った障害者施策の構
成にして、推進状況も現状にあった書き方になってくると思います。就労支援も
精神障害者の自立支援に当然非常に大きく資していますが、表現を適当なものに
改めていけるかと思います。
委 員: 多分書き方のカテゴリの入れ方の問題ですね。精神障害者だけでなく知的の方
もA型B型がありますので。
障害者福祉課長: 平成 16 年度の 2 月では精神障害者の支援がまだ法律上明確に表されて
いなく共通して出したのでしょう。おっしゃる通り今は精神だけでなく3障害一
緒です。
委員長: 貴重なご指摘だと思います。事務局は原課に聞いて、きちんと書き直せるよう
に調整してください。現時点では、今ご説明をいただいた大枠を作るということ
でよろしいわけですか。
事務局: 事務局としては、これらの見直しの改訂ポイントに加え、ご指摘のあった横浜
市の指針、障害者の施策等、ここに今回の改訂で入れるべきであろうという項目
の洗い出しをお願いしたいと思います。他にも必要なものがあればご意見をいた
だきたいと思います。
委員長: 第3章の分野別施策で基本的方向として北朝鮮拉致被害はどのようにすべきか
と思います。ほかには貧困等に関わる人権ですか。
事務局: 現行指針の分野別施策についてもコメントがあればお願いします。
委員長: 同和問題については、扱いが難しいので、どのように取り上げたらよいかとい
うことで申し上げました。HIV感染者・ハンセン病患者等、性同一性障害者は、
捉え方を拡げていくということになるでしょうね。犯罪被害者等では性犯罪被害、
災害発生時の人権、貧困等にかかる人権問題は、項目として挙げるということで
よいと思います。女性は女性、子どもは子どもで入れておくということでよろし
いですね。
委 員: 両方に同じ情報を載せていただければよいです。
事務局: 課題の抽出についてですが、スケジュールでもお示ししておりますように、今
回だけということでなく、第 2 回でも足す部分があればお出しいただきたいと思
います。また、それまでに事務局の方に何かご意見があれば、お寄せいただくよ
うお願いします。
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委員長: 次回には横浜市の指針を用意してください。
これで平成 24 年度第1回かまくら人権施策推進委員会を閉会します。
<閉会>
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