イ 日消外会誌 1 0 ( 2 ) : 2 2 3 ∼ 2 2 8 , 1 9 7 7 年 特集 8 ・ 新潟 におけ る人工肛 門患者 の ARer Careの 現況 新潟大学医学部外科第 1 講座 田沢 賢 次 藤巻 雅 夫 田 島 健 三 武 藤 輝一 曽 我 淳 新潟県立がんセンター新潟病院外科 島 田 寛 治 AFTER cARE AND REHABILETATION OF PATIENTS WITH COLOSTOMY IN NECATA PREF. K.TAZAWA,K.TAJIMA,J.SOCA,M.FUJIMAH9 T.MUTO*and KoSHIMADA*章 キlst Dcpt.oF Surg.Schooi oF Mcd.,Niigata Univ. 中中Dcpt.oF Surg.Prcrcctural Car】 ccr Ccntcr,Niigata liosPital ー ー 素引用語 人 工肛門,術 後指導 ,シ リヨンス トッパ ,浣 腸療 法 ,排 使 ヨン トロ ル 表 1 新 潟 におけ る人 工肛門患者 のア フタ 新潟県の人工肛門 クラブ,雪 椿友 の会は ,昭 和50年6 月に教室が 中心 とな り (会長 ,武藤輝一教授)人 工肛門 を有す る会員が,互 いに療養を通 じての体験を生か し, 完全 なる社会復帰 のために ,術 後 の医療相談,浣 腸療法 の指導 ,さ らには ,装 具 の工夫 ,装 着器具類 の情報交換 を 目的 として結成 されている。 程 ム 翁義ゴ蘇じ 灯題 世 命尭 宅 じ 客 ︶ * 第 9 回 日消外総 会 シンポ I 人工肛門 とそ の A f t e r C a r e . ͡ 口 汚練 合黄 瞬 ︶ る。現在会員は総数240名で, 準会員, 賛助会員などに ︵ 擦 生活か ら社会復帰 に合せた医療相談が行われ るようにな 漫 術後患者は,人 工肛門の クラブに入会 し,今 後の 日常 接 る. 一 酵 必要な知識が浣腸療法を通 じて指導 で きる よ うに してい 部 る場合,各 施設 では人工肛門に関す る指導書お よび術後 に関す る注意書が渡 され,手 術前 に患者はできるだけ人 工肛門の知識を学が機会が与えられている.ま た退院 ま でには ,各 施設 で装具 の紹介か ら,汐1使ヨン トロールに 下出地 区 最 完 自 白 じ 雄 長 円中央病 院 ︶ 域 や 題 地区 ︵ 地 高 日中 央︹院 ﹀ 上態 地 区 ︵ で あ る。患者が大腸 の手術を受け ,人 工肛門が造設 され ス トーマクラブ(雪格友の会) 会報・ 装具研究・ 溌陽指導・ 患者訪門 ・医療相 談 ・ . タ 口 ▼ ン セ 鞠 帥 車 表 1は新潟県の人工肛門患者がいかな る組織体 の もと に After Careさ れているかを解 りやす く図式 した もの ー ケア ー 潟 陽 療 法 の指 導 装着器具 の選択 ストーマの政明 理毎︶ ︵ 手 術前 。 後 の指 導 新潟地域 の Arter Careの 現状 一― 地域 の Arter Care Systemに ついて一一 よるボランテ ィア活動 も活発に行われ ている。会報 の発 行も昭和51年度はすでに 4号 を刊行 し,人 工肛門を有す るがための悩み ,苦 しみなどについての各会員の意見 の 交換 ,医 療相談欄 など会員に とって有意義な内容を持 っ た会報になっている。また会員 には浣腸療法 の利点を理 ー 解 で きるように浣腸に よる排便 コン トロ ル方法 につい て詳細 に特集 している。 58(224) 新潟 におけ る人工旺門息者 の After Care の現況 日消外会誌 1 0 巻 2 号 表 2 手 術後 の排便機能 の変化 排便 時 間 規則的になるまでの期間 排便 処 理 回数 (一日平均) 下 痢 便 1口 /2-4日 そ 囃 如 算 切 斉 ・ 匠]1∼ ■回 5196 酋 5∼10回 25% (溌 口排便の道応 ) 新潟地域 の特色 として,新 潟県が北か ら南に広い範囲 に亘るために , 新潟大学 のみで は 理想的な After Care が不 Hr能であ り現在 では表 1の ド段 の ように県下を 5地 域 に分け,地 域別医療相談 システムを取 り入れ ,各 地区 の中心病院での AFter Careも 行われ るようになった。 国内におけ る全四的組織 である互療会 との関係は,図 1右 の如 く,会 員 の 1部が互療会新潟地区セ ンターの会 1296は 治療が必要 下痢する食物 1.油 物 (テンプラ等)20% 2.牛 乳類 1196 3.酒 類 1396 4.過 食 896 については,下 痢 とか頻回の排便 のため とい う人が多 く,つ いでパ ックを長時間貼布 したため とい う人で あっ た 。そ の際 の治療法 としては,軟 菅だけにた よっている 人 が非常 に多 く,カ ラヤデ ィスなどの皮膚保護剤の使用 者はまだまだ少ない。これはイ レオス トミーの会員がア ンケー ト調査対象か ら除かれているため と考えられ る. 手術後 における排便機能 の変化 については表 2に はあ 員 とな り,ス トーマ メイ トとして,身 障者対策 の問題解 決などを全国的組織 の中で活動 している。 以 下,ス トーマ クラブ督椿友 の会 ア ンケー ト調査 の結 るように,退 院後 の 日常生活 の もとで ,排 便時間が規則 的になるのは ,3カ 月か ら6カ 月を必要 とす るので,排 便 ヨン トロールの指導 にあた っては ,こ の頃までに長期 果を述べ教室 における排便 ヨン トロールの方針である沈 腸療法を中心 に実態を報告 し,新 しいシ リヨンス トッパ ーを紹介 し,そ の成績 について も述 べてみたい. 的排使 ヨン トロールの言十 画を決 めるよう留意す るべ きで ある。つ ぎに排便回数 では 3口 か ら 4回 とい う人が42% 果 について と最 も多 く,過 半数が 4回 以内であった !周 囲皮膚炎が 排便回数 に正比例 して発生す ることを考えると,5回 以 上の排便 の人は ,実 際的な排便 ヨン トロールの指導が必 今回はイレオス トミーを除 く会員175名に 送付 された アンケー トの内, 133通が回収 され , そ の内有効解答者 要 であ り,25%の 人が,浣 腸療法 の適応 と考えられ ,今 後 これ等 の人達 の排便 ヨン トロールを充分に指導 して行 は122名 (男 :75名,女 :47名)で あ った 。 年齢分布 は く必要がある. 60歳台が最 も多 く,人 工肛門造設後 の経過年数 では 1年 か ら3年 の人が53名と多か った。術後経過年数 6年 以上 難渋す るものであ るがアンケー トでは,77名 の解答者 の ス トーマクラブ (雪椿友の会)の アンケー ト調査の結 とい う長期生存者 が33名とかな りの率を占めていた。 下痢便は人工肛門所有者にとって ,そ の処置 に非常 に まず人工肛門部の状態をみてみる と肛門部 に なんら 内で約 40名 (52%)が 下痢 の経験をいまだ しておらず , 下痢 の経験者が以外 と少ないことが解 った。しか し下痢 かの病的状態を有す る会員 は全体 の46%(56/122)で あ り,内 訳けは,腸 管粘膜 の脱 出の強 い人お よびヘル ニヤ の回数 が,週 に 1回 か ら数回 とい う人が全体 の12%も あ り,前 記 した 7回 以上 の排便を訴えているグル ープと同 を有する人が27名と多 く,つ いで狭窄,陥 凹の人が14名 であ った 。肛門周囲皮膚炎 の状態 は,簾 爛 ,出 血あ りと 様 に排便 コン トロールにおける治療方針を再計画す るこ 解答 した人が33名と多 く,軽 い皮膚炎,底 痒感 の強 い人 も加えると61名とな り,約 半数の人 が何 んらかの人工肛 答者 の下痢 し易い食品では表 2の 右下段 のよ うにやは り 門周囲皮膚炎に悩 まされ ていることが解 った.そ の原因 とが社会復帰 の面か らもとくに大切である。これ らの解 油物 ,牛 乳類が上位を占めている。 つ ぎに術後 に必発す る排尿障害 の問題 は ,表 3の ごと 59(225) 1977年3月 表 3 排 尿 障害 お よび夫婦生活問題 男性74ヽ女性43 た 肺 通っ 1子 o%2228% 盤税 2な tTN可 能になつたか 態 現在 まで教室において浣腸療法に よって排便 コン トロ ールを計画 して来た患者 は約50名に もな る。この内現在 も実際 に日常生活 のために必要で浣腸療法 に よる排便 コ ン トロールを施行 している人は31名であった .こ れ ら31 全 く歓目 がなくなつた 勃起や射精が全 くな くなつた ス トーマ が心配 28 3.夫 串生活問題で医療相談 ■●●的 20∼ 30 40∼ 49 50∼ 3' ●0 ∼ aS3 9 障害率 勇織■0/746596 女性 15/■33算 会員 の中には装具関係の費用を医療控除 として申請 し ている人 も少な くない。 教室 における排便 コン トロールと しての浣陽療法の実 名 の浣腸療法を継続 している人達 の 実態 に ついてみる と (表 4),現 在 の使用 セ ッ トはまず最 も多いのが , 一 表 4 流 腸療法 の実態 (患者31名 ) 使 用セッ ト 沈腸終了時間 況腸時 間帯 ( 後便 まで) く,男 性65%,女 性35%と ,男 性側 に高率 であ る。この ことは ,泌 尿器系への解剖学的手術侵襲 の差 に もよると 思われ るが,と くに男性 の息者 の場合 に排尿障害 の合併 症 が多い点を考慮 し,早 期 に適切 なる勝脱訓練な どの治 療 が必要であることを物語 ってい る。 3の 右 にその実情 について記載 したが,手 術後 ほ とん ど セ ッ ト つ ぎに直腸癌手術 の際 にど うして も男性に とって避け ることの不可能な性障害 の問題があ る.と くに最近 では 若年者 の患者 も増加 してお り,外 来指導 において も適切 な コンサルテーシ ョンが必要 であることを痛感す る.表 注 ヨ回クリーン ジョンチリ"レ スキッ ト 写真 1 シ 入 液 た 入時 迪流 量 量 ●0 0 ∼ 1 , 1 0 0 c c a00∼ 2,500cc ●0 0 ∼ 2 , S 0 0 c t 0∼ 1 80CC 100∼ 1,300cc 200∼ 1・ ア00cc リコンス トッパ ー,シ リヨン カテ ー テ ル 不可能 になった人がやは り全体 か らみ ると,28%(34 名)で ,会 員 4名 に 1名 は深亥Jな夫婦問題を有 している ことにな る。夫婦生活が不可能 になった原因では ,男 性 側 の問題 が多 く,欲 望がな くなるよりも,勃 起お よび射 精 が全 くな くな って しまった とい う人が多いことが特徴 である.し か し,ア ンケー ト調査 の結果 では,夫 婦問題 の医療相談を希望す る会員が以外 に少な く,同 問題 にた い して医師 の適切なる コンサルテーシ ョンが欠けていた ことに よる患者 の消極的 な姿勢 の反映 と反省 しなければ ならない。 会員 の装着器具類 では ,や は り最 も簡単なパ ック類 が 全体 の36%と 多 く,つ いで石田式,上 川式,ス トマ ック ス等 の装具形式 であ った .た だ し,パ ック使用者 の内に は37%も の接着剤 に対す る不満を訴えてお り,皮 膚炎 の 併発 の問題 と高価 な点がまだまだ不満 であ った .会 員の 昨年秋 よ り東京衛材研究所 と共同開発 して きた逆流止め シ リコンス トッパ ー (写真 1)使 用 の コロクリー ンのが 19名と最 も多 く,つ いで以前 より使用 していた米国製 ジ ョングリール社 の もの 8名 ,ま だ スキ ッ トを使用 してい る人が 4名 残 っていた 。 人工肛門処置 のための 月 々の必要維持費 は , 1,000円か ら2,000円とい う人が61%と 多 く,6,000円以上の人は比 較的少人数 であった 。しか し人工肛門装具関係 の費用 は 健康保険 の適用 もな くアンケー ト調査 で も健康保険適用 表 4の ごとく,浣 腸時間帯では,就 眠前 (8:00か ら 11800p.mま で)が 15名と多 く, つ いで早朝 (5:00 10名と両者 が ほ とん どを占め か ら7:00 atmま で)力` を54%の 人が希望 していた. ていて ,不 定期 とい う人は少なか った. 新潟 におけ る人工肛門息者 の After Careの 現況 60(226) 日消外会誌 10巻 2号 沈腸に必要な時間をみてみると, 所 要時間 としては沈 回 と比較的多 い。しか し非実施者 のそれは平均 3回 とほ 腸液を注入す る時間 と排便に要する時間であるが注入時 の逆流量 が多い時ほ ど注入に要す る時間を費すためにそ ぼ規則的であ り,中 止 した理 由も排便が定期的かつ習慣 性 が得 られ るようになったため とい うことが理解で き れだけ長時間を要するとい う結果 であ り, 表 4 の 右側を る。 みても, 逆 流景 と必要時間 とはほぼ正比例 の関係 にある こ とが解 る. 平均的 に逆流畳を 0か ら300CCと みて60分とい うのが 普通 の ようであ った。セ ッ ト別 の逆流量をみてみ るとや は リコロクリー ンが180CC以 内 と最 も少な く,注 入液量 も1000CC前後 と少 ない ことが 解 る.ス キ ッ トは この点 か らは不適当な洗腸装共 とい うことになろ う. 洗腸場所 は便所 が最 も多 く20名,次 いで新潟は冬の期 間寒 さのためか風呂場 とい う人が11名もいるのが特徴的 である。また冬期 の暖房 のために,ガ スお よび電気 ス ト ー ブを常備 とい う人が 6名 であった 。高齢者 の場合,と くに寒 い時,便 所 ,風 呂場などにかか る改良がィ 必要であ ろ うと思われ る. 人工肛門部の周囲皮膚炎に関 して三者 の比較をみ てみ ると,現 在継続中のグル ープの31名の皮膚炎併発率は 16 %と 施行前 の頻便 に もかかわ らず 。最 も低率である。し か し非実施者お よび希望者 のそれは53%と 48%と 前者 に 対 して約 3倍 の病態率であることが明 らかであ った.こ のことは浣腸排便が入工肛門周囲皮膚炎 の合併症 にたい す る治療法 の 1つ であ ることを如実 に物語 ってい る。浣 腸療法希望者 の理由では頻回の排便 のため とい う人が多 く,仕 事のため排便を自在 に コン トロール したい とい う 人を合せ ると半数を占めることにな り,社 会生活上 ,排 便 コン トロールがいかに大切 であ るかが解 る。浣腸療法 に よる排便 ヨン トロールの結果 , 1日 か ら2日 に 1回 の れ ども現在施行中止の19名およびこれか ら指導を受けた 排使 とい う人が31名の内25名と80%を 占めてお り,さ ら に 6名 は 3日 に 1口で よいとい う結果であ った 。このよ うに浣腸療法 に よる方法 は ,定 時 に排便を ヨツ トロール い とい う27名の平均年齢 ,排 便回数 ,人 工肛門の周囲皮 す る排便法 としてはほぼ理想的 なものであることが この 膚 炎について,ま た洗腸療法を選択 した理 由および中止 した理 由などについて調査 してみた , 結果か らも窺 い知 ることがで きる。 シ リコンス トツパ ーによる況陽療法指導の結果 シ リコンス トッパ ー (写真 1)(製 品 :コ Pク リー ン) つ ぎに浣腸療法を継続 している31名と持導を受けたけ 表 5の ように浣腸実施者群 と希望者群 での平均年齢は 55歳前後 と非実施者群 のそれ よ りは10歳若 く,排 便回数 においては実施者 の施行前 の排便回数 の平均が 7回 弱 と 非常 に頻回であった ことが解 り,希 望者 の排便回教 も 4 表 5 流 腸療法における実施者 と非実施者 および流 腸療法希望者 との比較 滉鵬療法実施者 浣腸療法非実施者 涜腸療法希望者 , 平均年令 く 54.8±130 638± 1●5 SS,と 115 便 排 回 幌 奏お前の焼使臼強/日 67± 52 カ白回強/自 31± 12 42± ヵta11/ /q8:′ 19 /2 使用 に よる結果を ,ジ ョングリール社 ,ス キ ッ トなどの 従来式 のもの と逆流の問題 ,浣 腸排便終了時間 について 比較検討 した ところ,表 6の ように従来式では ス トッパ ー としての役割 が不充分 で ,ジ ョングリール社 のス トッ パ ーで500CCの 逆流をみ る人 もいた 。また スキ ッ トにい た っては ,ス トッパ ーの役割がな くネラ トンの挿入 が不 充分な場 合には約1,000CC以上 の逆流を認めた 。それに 表 6 シ リコンス トッパ ー使用 に よる流腸療法経験 者 7名 の成績 ン社,ス キ ット) (従来式 │ジ ョングリーノ ヽc 偽 鰐) l lll磐 実 t鱗 雷 ぬ 今 童 食 ゴ 提出 虎腸療法 を選択 し た理由 4便 程 5 5 悪 泉 ・ガス 3 6 た だれ ・ 出皿 2 (滉隅 を しを い理 由 ) 1便 が定期的 2高 令 ・佐却 8 │ 3者雪ぞ←どと2 4理 由なし 3 1願 国の齢便 13 2丁仕事上 3た だれ ・ 出血 1 混 n滋 ■6● 新 木 2 百 2,500→ 1,000 3 田 中 ■500-'800 4 柄 2,000→ 800 5 佐久間 2,500-1,500 渡 3,000-1,000 2,い 5,000→ 1,000 :!津 招→少■ │ 4下 窮便 g S悪泉・ガス 2 前 1〕 500-1,000 1 1性手上 10 2演 回の排便 8 3下 痢便 ア 名 川 沢 辺 宮 内 │10→ 200 艦→少■ 500→ 少 ■ 1,000→ 少 i 艦‐ 500 少■ 703-50分 looattl分 120現に対田〕 分 90attO分 コ"卜 Jれ 分 30分 卓 的 分 120菊 1分 1977年3月 61(227) ‐ 比 して シリヨンス トッパ ーでは 2名 を除 く5名 に ,50CC 以下 の逆流を認 めたのみであった。表 6の No.5は ,逆 流量500CCを 認 めたが これは ス トーマ開 田部が非常 に大 表 8 浣 腸療法 におけ る注入液到達時間 と液量 リコンストッ′ヽ 報 用 T シ きく,浅 く,ヘ ル ニャを併発 してい るために ス トッパ ー と口径が合わず逆流 した ものであ った. 浣腸 に要す る時間 は ,逆 流がな くなったためか ,20分 か ら60分の時間を節約 で きた . つ ぎに全 く浣腸療法 の経験 のない初心者 15名 (横行結 腸人工肛門 2名 )の 結果では ,表 7の よ うに逆流防 lLの 表 7 シ リコンス トッパー使用 による流腸療法 (初 心者15名のば績) ス トー マ O 狭 窄 ○ 過 大 ヘ ル ニヤ 名 前 況 陽 液 量 cc 主入時逆流畳ぃ 虎腸総7時 間 坂 井 00 沖 島 01J 浜 ロ 尾 坂 奥 村 十 日 笠 原 (約)10分 ;1分 00 1,000 少量 (10) 1,000 少量 900 10 0 900 少量 81● 少量 (10) 800 少最(10) 山 崎 X 8G回 60分 60分 50分 50分 50分 50分 70分 少量 坂 井 ン50 少量 高 島 750 少豊 坂 井 t 少量 (10) , 少エ 分 本槍 X 600 少■ (10) 本 問 鷺 橋 o saa 少■ 50分 50分 分 (約) │1分 X 横 行結鵬ス トマ ー思者・ X 注 入時腹痛 S状 結腸 人 工 肛 F弓例 (9例 平均値) 横行結陽 人 工 肛 F弓 例 (2例平均値) し,経 過時間 と到達部位 お よび液量を校査 した 。表 8の ように S状 結腸人王肛門例 の 9例 では ス トーマ より陣曲 部 まで約 2分 ,200CCが 注入され,肝 弯曲部 までは約 4 分 ,400CCと 1分 間 に平均 100CCの 割合で注入 された ! 6分 か ら7分 の経過 で回盲部に到達 し,つ いで 2分 程 で lBl盲 弁を超えて終末回腸 に到達 し,液 量は平均800CCか ら900CCで あ った .注 入 の終了後 ,排 便が開始 され ると 3分 か ら 4分 毎に大量 の排便 があ り,最 終的には回盲部 の黄色強 い後便が排出され る.1時 間 の経過追跡中,終 末回陽 のパ リウムの 排出 はな くそ のままの 状態であ っ た。以上 のことか ら浣腸液 の量 としては回腸 まで注入 さ れ る必要は な く,指 導時 の浣腸液 は1,000CC以 内にFR定 して よい と思われ る。 効果は非常 によ く,ほ とんどの人が100CC以 下 の逆流畳 であ った 。浣腸時間 も初心者 にしては約 1時 間 で完全 に なお表 8の 右 の横行結腸人工肛門の 場合 には ,400CC で回盲部 に到達する。しか し実際 の臨床上の排便 ヨ トロ ール としては12時間か ら20時間がせ いぜいであ り浣腸療 終了 し,浣 腸液 の量は全例 が1,000CC以下で充分 な効果 が得 られた 。しか し過大 なス トーマやヘル ニヤを有す る 法 の適応 とは言い難 い ように思 う。ただ し,頻 回の下痢 様 の排便 などのために ス トーマ周囲の皮膚炎が慢性化 し 例では逆流畳 も多い傾向にあ った .逆 に狭窄の例 では逆 流 もほ とん どな く,ス トッパ ー自体が ブジーの役割を果 す ので一石二鳥であ った。ただ副作用 として ,流 入時に ているような例 には ,皮 膚炎の治療法 としては よい方法 である。とくに横行結腸 に人工肛門 のある人 には残存結 軽い腹痛を訴えた例が 3名 あったけれ ども強い腹痛では な く排便 の終了す る頃 に消失 していた.ま た脳貧血 の状 態 になった例を 2名 現在 まで経験 しているので術直後 の 指導 には充分 な医師 の管理 ,指 導が必要 である。 シ リコンス トッパ ーを使用 した際 の浣腸液 の結腸内流 入状態を検討す ることは ,息 者 に浣腸療法を指導す る立 場上大切 なことの 1つ である。今回 この検討 のため,注 し,ス トーマか ら 腸用 のパ リウムを 3倍 か ら4倍 にlFI釈 逆流がない ようにシ リコンス トッパ ー を 使用 して 注入 腸 の長 さ,そ の機能性 を注腸検査 し浣腸排便 の際 には, どの くらいの期間排便 コン トロールが可能かを精査す る ことであ り,そ の後で本法 の適応を決めるのが最 も患者 に とって よい方法であ る。 教室およびクラプの排便 コン トロールの指導方針 につ tヽ て 教室は以前 より排便 コン トロールに浣腸療法を指導 し て来 たが,現 在 まで の指導経験 か ら次の ように指導方針 を決めている。表 9は それを図式 した ものである.し か しなが ら浣腸療法を選択す る時 には,駿 業 の差 ,患 者個 62(228) 新潟 におけ る人 工 肛門息 者 の After Careの 現況 表 9 浣 腸療法 の指導方針 日 消外会議 10巻 2号 ―シ ョンの指導体系 について現在 までの 姿勢を述 べ て き た 。教室 だけでな く新潟県 の各地域 の中心病院で のス ト ーマ全般 の After Careも 地域別医療相談 システムなど 鯛 装湘 具、 拐llEコントロ レ 長 期 的 計 画 の 設 定 によ りさらに効果 が得 られている。ス トーマ クラブ雪椿 友 の会をⅢ心 に,排 便 コン トロールの問題 ,ス トーマ治 療 ,合 併症 の対策,痛 再発の問題 も合めて ,患 者,患 者 の家族 ,医 師 の三者一体 とな り,理 想的な姿で社会復帰 で きるようにと援助 が行われ ている。 最近 にいたって国内で も各地域で のこの ような クラブ に よる Care systemが誕生 し,多 いに今後 の活動が期待 され る。す でに学会 において も人工肛門装具研究会 (会 長 :慈 恵医大 ,綿 貫志教授)も 発足 し装具全般 の研究か ら今後は ス トーマテラピス トなどの育成 ,さ らには装具 関係 の医療費 の問題 な ど解決すべ き多 くの問題 が山積 し ている. 人 の生活条件 の差 ,排 便 における個人の習慣性 なども考 慮 し,最 終的 には息者 自身が 自分 に合 う排便 コン トロー 数室 お よび新潟地域 では主 として排便 コン トロールの 指導方針を浣腸療法 に しているのは ,米 国での本法 の歴 ル方法を選択出来 るように している。この よ うに個人 の 史は古 く現在 も多数行われていることにもよる。しか し 特性 お よび生活環境を考慮 L′ ,患 者 の家族 ,医 師 の三 者 が一体 にな り長期的排 便 ヨン トロールの計画を設定す る ことに より患者 にとっては満足 の行 く方法 が選択で きる 実際 に浣腸療法に よる副作用や長期連用 による大腸機能 の障害などについてはほ とんど知 らされておらず ,報 告 と思われ る。 指導時期は,術 後体力の回復 が充分 であると思われ る 場合,7日 か ら10日目に第 1回 日の指導が行われ る,し か し体力の回復不充分 な場 合には ,洗 腸施行中,悪 心 , 嘔吐などを訴える例があ るので初回の指導 には ,初 心者 であることを留意 し,な るべ く医師 の指導 の もとで行 う よ うに している。その後 の継続 については ,社 会復帰 の 関係上 ,や は り排便 コン トロールが必要 であればあらた めて集団指導 の形式 で行 うようにしている.ク ラブの集 団指導では ,会 員 に よる会員の指導が最 もよく,彼 らの され ている例では,腸 嬬動が弱 くなるために,便 が固 く な り便秘傾向になるとい う,そ の際 には0.01gの オキシ フェニサチン粉末を加えて洗株す るともと通 りに戻す こ とができるといわれている程度 であ る.し か し今後 ,洗 腸 に よる障害を生理的機能面か らもさらに詳 しい検討を 長期継続者に行 う必要がある。 1 洗腸時 のと腸液 の注入量 の問題 では ,詳 しい報告 もな く,シ リコンス トッパ ーによる注腸検査 の報告が初めて である。浣腸療法 の同一条件下 での検査 では回盲部まで 平均 して700CC前 後 であ るか ら,指 導 に際 してはSampめ 流腸排便をH接 観察す ることに よ り新入会員に も自信を らの報告 にある 2000CC程 は必要 でな く,毎 分100CCの 流量で全量 1000CC以 内に限定するの が 副作用 の点か ら 持たせ るように指導す るのが よい 。 もよいよ うに思 う. 私達医師 は ,洗 腸療法 の最初 の指導を受け持つ他 に , 洗腸排便 での合併症 にも注意 し危険 のない よ うに心 を配 る必要がある。指導 の際 に最 も大切な ことは ,各 個人 の 結腸 の特異性や注入量 の決定や腸癒着等などをと腸透視 ドで検査施行する ことを忘れ ない ことであ り,こ のよ う な注腸下において癌再発などにも常 に注意を向けて行 く ことであろ う。私達は,人 工肛門息者に コFク リーンを 注腸用 に使用 して非常 によい結果を得 ている。 翠【りに 新潟地域 におけ るス トーマ ケア, ス トーマ リハ ビ リテ 以上私達 の教室 ,ク ラブにおけ る排便 ヨン トP― ルの 指導方針 について述べ ,ス トーマケアについての組織体 系 について報告 した 。 文 献 1)田 沢賢次,他 :人 工肛門 の術後訴愁エ アンケー ト調査一 .新 医会誌,89(4):168 174,1975。 2)田 沢賢次 :人 工肛門 とア フターケアー 理想に近 い 国産製品 も一 .毎 日ライ フ,10:80-87, 1976. 3)Samp,RJ.: Thと results oF a qucstiOnnaire survcy of co10stOmy paticnts. S`G.0。 491--499, 1957. , 105:
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