Column - 三井住友トラスト・アセットマネジメント

Column
ご参考資料
「投資のヒント」
2017年1月26日
※以下、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント提供のレポートをご紹介します。
豪10-12月期CPI統計は物価安定化の兆し示す
・豪州の2016年10-12月期の消費者物価指数(CPI)は、インフレ低下圧力の後退と物価安定化の兆しを示す。
・CPI総合は前年比+1.5%へ上昇傾向を維持。基調インフレ指標であるCPI加重中央値も前年比+1.5%へ上昇。
・豪州での物価安定化の兆しと米国での利上げ観測などから、RBAは2018年まで政策金利を据え置く公算が高まる。
・米大統領選挙後の米ドル独歩高が一巡する中、豪ドル相場は鉄鉱石価格の上昇にも支えられ安定的に推移。
図1:豪州の消費者物価指数(CPI)上昇率
(CPI総合と基調インフレ率)
インフレ低下圧力の後退から物価安定化の兆し
豪州の2016年10-12月期の消費者物価指数(CPI)統計
は、インフレ低下圧力の後退と物価安定化の兆しを示しました。
CPIの総合指数は前年比+1.5%へ上昇し、2016年4-6月期
の同+1.0%を底にインフレ率の持ち直しが続いています(図
1)。豪州準備銀行(RBA)が金融政策判断を行う際に重視す
る基調インフレ指標も、CPIトリム平均値は同+1.6%へ小幅鈍
化したものの、CPI加重中央値は前年比+1.5%へ上昇しまし
た(7-9月期は同+1.3%)。
(前年比、%)
4.0
CPI加重中央値
3.5
CPIトリム平均値
3.0
2.5
2.0
豪ドル高抑制のための利下げの必要性も低下
海外の市場環境に目を転じると、米国ではトランプ政権の誕
生を契機にして、インフレ圧力の高まりから米連邦準備制度
理事会(FRB)による利上げ継続の確度が増しつつあります。
米大統領選挙以前の世界的な金利低下局面とは異なって、
足元ではRBAにとって豪ドル高抑制のための追加利下げの必
要性も低下していると考えられます。
1.6%
1.5%
1.5%
1.5
CPI総合
1.0
インフレ・ターゲット(2~3%)
0.5
10
11
12
13
14
15
(年)
16
(出所)豪州政府統計局(ABS)
(期間)2010年1-3月期~2016年10-12月期
(注)加重中央値は品目毎の構成比を加味した中央値。トリム平
均値は変動の大きい一定割合の品目を除いた加重平均値。
RBAは2018年まで政策金利の据え置きを継続へ
豪州での物価安定化の兆しや米国での利上げ観測などを
考慮すると、次回2月7日のRBA理事会では政策金利が
1.50%で据え置かれる公算が高いと考えられます。ブルーム
バーグ集計の市場コンセンサスでも、政策金利は2018年ま
で1.50%で据え置きが続くとの見方が大勢です。
図2:豪ドルの対米ドル相場と鉄鉱石価格
(米ドル/トン)
90
80
(米ドル)
豪ドルの
対米ドル相場(右軸)
0.90
2016年11月8日
米大統領選挙
0.85
70
0.80
60
0.75
50
0.70
鉄鉱石価格の上昇も豪ドル相場の下支え要因に
足元の豪ドル相場は、米大統領選挙以降の米ドル独歩高も
一巡し、1豪ドル=0.75米ドル前後(対円では1豪ドル=86円
前後)で安定的に推移しています(図2)。
米大統領選挙以降、中国の鉄鉱石価格が1トン当たり80米
ドル前後の水準へ上昇していることも、交易条件の改善の面
で豪ドル相場を下支えしていると考えられます。
40
中国青島港の
鉄鉱石スポット価格(左軸)
30
15年1月
15年7月
16年1月
米大統領選挙以降
の米ドル高の進行
0.65
0.60
16年7月
17年1月
(出所)ブルームバーグ (期間)2015年1月1日~2017年1月25日
※鉄鉱石は24日まで
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