週間天気予報解説資料 2017 年 1 月 15 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 1 月 16 日から 1 月 22 日まで １．アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS)：現在の強い冬型の気圧配置は次第に緩み、２０日頃には深いトラフが日本付近を通過する。中頃には西・東 日本の太平洋岸を低気圧が進む。またトラフに対応する低気圧が日本の東で発達して、日本付近は再び冬型の気圧配置となる。 北～西日本の日本海側は寒気や気圧の谷の影響で雪や雨の日が多く、太平洋側も期間の中頃を中心に曇りや雨または雪の日が多 くなる見込み。沖縄・奄美は寒気の影響で雲が多く雨の降る日もある見込み。 ●500hPa基本場（週間予報支援図）：実況は、北海道付近に寒冷渦があり、日本付近は広く負偏差に覆われ、北西～西北西の流れと なる。予報期間は東経140度付近がトラフとなり東北～西日本は負偏差、北海道と沖縄・奄美は正偏差に覆われる。日本付近はゾ ーナル～西北西の流れ。 ●１８日：5340m付近のトラフが北日本に進む。地上は、日本付近を覆う高気圧が抜けて、次第に気圧の谷となる。日本海と九州の 南付近に低気圧が発生する見込み。北・東日本では、日本海側は前半を中心に寒気の影響で雪のところがある。太平洋側は前半 は晴れる所が多いが、後半は雲が広がりやすくなる見込み。西日本は雲が多く、太平洋側では雨の降り出す所もある見込み。 ●１９日：北日本をトラフが通過し、深いトラフが黄海付近に進む。北日本を低気圧が通過する一方、西・東日本の太平洋側を低気 圧が東進する。また、トラフの接近に伴い日本海西部でシアーラインが顕在化する。北日本ははじめ、雪や雨のところもあるが、 その後天気は回復する。東・西日本は太平洋側を中心に雨のところがあり、西日本日本海側では、寒気の影響で雨や雪のところ がある見込み。 ●２０日：5280m付近の深いトラフが日本付近を進む。T500≦-30℃が中国地方～関東地方付近、T850≦-6℃が四国の南まで南下する。 日本海のシアーライン上に低気圧が発生してゆっくり東進、トラフの南東に当たる関東沖には別の低気圧が発生し、発達する見 込み。北～西日本にかけて雲が多く、北・東日本と西日本日本海側では雪や雨のところが多い。 ●２１～２２日：トラフは日本のはるか東に進む。一方、次のトラフが中国東北区から日本付近に進む。２１日は冬型の気圧配置と なり、２２日かけて続く。北～西日本は日本海側では曇りや雪または雨となり、太平洋側では晴れる所が多い。 ●沖縄・奄美：寒気の影響で雲が多い。期間の中頃は、気圧の谷の影響で雨の降る所がある見込み。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー：１９日はほぼ全てのメンバーが東海から関東南東海上に低気圧を予想している。２０日は、三 陸沖や関東の東に低気圧を予想するメンバーが４割強、東経150度付近まで低気圧を予想するメンバーも４割強ある。 ・ スプレッド：昨日資料と比べて、３,４日目が拡大した他は縮小した。特定高度線は、5400m線は期間の後半にバラつきが大きく なる。 ・ 降水頻度分布：高降水頻度域は、１９日の北・東日本で縮小、２０日は北・東日本で拡大した。 ・ 予想T850時系列：全国的に期間の中頃に正偏差の日があり、期間のはじめと終わりは負偏差となる。 ２．防災事項等 ・ １６日にかけては冬型の気圧配置が強く、日本海側を中心に大雪や大荒れ・大しけの所がある。 ・ 期間の中頃は、低気圧や寒気の影響で北日本～西日本にかけて荒れた天気となり、大荒れや大しけとなる可能性もある。 ３．明後日予報（3時40分発表の短期予報解説資料も参照） ・ 寒冷渦が日本の東から日本のはるか東に進み、日本付近は北西流場に移行。各層昇温傾向となるが、北日本には500hPaで-33℃ 以下、東日本から西日本には-30℃以下の寒気が流入する。また、850hPaで-6℃以下の寒気が、東日本から西日本に流れ込む。 一方、西日本から東日本は次第に高気圧に覆われるため、日本付近の冬型の気圧配置は西から解消に向かう。 ・ 西日本では、日本海側を中心にはじめ雪の降る所もあるが、高気圧に覆われる午後は晴れる所が多い。東日本や北日本では、 日本海側を中心に雪の降る所が多いが、太平洋側では概ね晴れる。南西諸島では、下層寒気の影響で終日雲が多いが晴れる所 もある。 ４．全般週間天気予報（案） ・ 北日本から西日本は、日本海側は寒気や気圧の谷の影響で曇りや雪または雨の日が多い。太平洋側は高気圧に覆われて晴れる日 もあるが、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、雪や雨の降る日がある。 ・ 沖縄・奄美は、寒気や気圧の谷の影響で曇りや雨。 ・ 最高気温・最低気温ともに、北・東日本と沖縄・奄美は平年並か平年より高い日が多い。西日本は、平年並か平年より低い日が 多いが、期間の中頃は平年より高い日がある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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