FUTURES 24 REPORT DAIICHI COMMODITIES CO.,LTD. 2017/01/07 16年12月の米雇用統計=雇用市場の堅調さを示す 米労働省が1月6日発表した2016年12月の雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門就業者数は、季節調 整済みで前月比15万6000人増加。前月(20万4000人増=改定)から減速し、市場予想の17万8000人増を 下回った。また、10月は13万5000人に下方修正。 失業率は4.7%と0.1ポイント悪化。市場予想は4.7%。 民間部門の就業者数は14万4000人増(前月19万8000人増=改定) 。このうち物品生産部門は1万2000人 増(前月1万3000人増=改定) 、建設業は3000人減(同1万7000人増=改定) 、製造業は1万7000人増(同 7000人減=改定)と5カ月ぶりにプラスに転じた。サービスは13万2000人増(同18万5000人増=改定)で、 このうち小売業は6300人増(同1万9500人増=改定)だった。 政府部門は1万2000人増(同6000人増=改定) 。 平均時給は前月比0.4%増の26ドルと市場予想の0.3%増を上回った。また、前年同月比では2.9%増と、伸び 率は前月の2.5%増から加速し、2009年6月以来の大きさとなった。 週平均労働時間は34.3時間と横ばい。 働く意欲のある人の多さを示す労働参加率は前月比0.1ポイント上昇し、62.7%となった。半年以上の長期失業者、 フルタイム勤務を望みながらパートしか職が見つからない人はともに減った。 ●米追加利上げは慎重に判断=トランプ次期政権の不透明感続く 昨年12月の米雇用統計は、非農業部門就業者数の増加幅が市場予想を下回ったものの、労働市場の安定に必要とされる 水準を上回ったうえ、失業率も比較的低い水準で安定。また、賃金も上昇基調を示しており、米連邦準備制度理事会(FR B)の利上げ姿勢を支える内容となった。しかし今月20日に就任するトランプ次期米大統領の経済政策は不確実性が大き く、FRBは当面、景気を慎重に分析し、対応する構えだ。 米FRBは昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で「労働市場環境とインフレの現状、見通し」が条件を満たし たと判断し、1年ぶりの利上げを決定。17年に3回の利上げ想定も示した。 今後の米金融政策は、次期政権が掲げた大型減税や巨額投資の行方が左右しそうだ。FRBは昨年12月の会合で、次期 政権の経済政策が「経済成長を上振れさせる可能性がある」と分析。一方で時期や規模の不確実性が「非常に大きい」と懸 念し、ドル高の進行などのリスクも警戒していた。財政刺激による急激な物価上昇を抑えるため、利上げ加速を迫られる恐 れもある。 第一商品株式会社 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町 9 番 1 号 神泉プレイスビル フューチャーズ・24 このレポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので投資勧誘を意図するものではありません。投資の最終的な決定はご 自身の判断と責任でなされますようお願い致します。レポートに記載の内容等は作成時点のものであり、当社はその正確性、完全性 を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。商品先物取引業者 日本商品先物取引協会会員 当社お客様相談窓口 0120-770-266 日本商品先物取引協会相談センター03-3664-6243。 2| ○NY金は4営業日ぶりに反落=米雇用統計を受けたドル高で 週末1月6日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、米雇用統計の発表を受けたドル買いの流れなど に圧迫され、4営業日ぶりに反落。中心限月期近2月限の清算値は前日比7.90ドル(0.69%)安の1173.40 ドル。ただ、景気の不確実性などを手掛かりとした年明け後の買い戻しにより、週間では1.88%上昇した。 早朝にかけては弱含みに推移していたが、昨年12月の米雇用統計の発表直後はやや荒い値動きとなった。景気動向を反 映する非農業部門就業者数の伸びが市場予想を下回った一方、賃金上昇ペースが加速するなど全般に雇用情勢の堅調さを裏 付ける内容となったのを受けて、外国為替市場でドル買い・ユーロ売りが進行し、ドル建てで取引される金の割高感につな がった。さらに、金相場は前日まで3営業日連続で上昇し1カ月ぶりの高値を付けた反動で利食い売りも出やすく、終盤に かけてじりじりと下げ幅を拡大した。 ○東京金は反発=為替の円安で 東京商品取引所の金先物相場は1月10日付の夜間取引で、為替の円安・ドル高を受けた買いに反発。 昨年12月の米雇用統計が堅調な内容となったのを受けて、NY金は下落。しかし、円相場が6日東京市場日中取引の引 けの水準である1ドル=115円台後半から117円台前半まで下落したことが買い材料となった。 中心限月の2017年12月限は、日本時間1月7日午前5時30分現在、6日終値比25円高の4385円。 ○円相場は下落=堅調な米雇用統計を受けて 週末1月6日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、堅調な内容の米雇用統計の発表を受けて、円売り・ドル買いが優 勢となり下落。 米労働省が朝方発表した昨年12月の雇用統計によると、非農業部門就業者数は前月比15万6000人増と増加幅は市 場予想(17万8000人増)を下回った。ただ、11月の就業者数の伸びは大幅に上方修正され、平均時給は前年同月比 2.9%上昇と高水準を記録。統計は全般的に雇用市場の堅調を裏付ける内容と受け止められた。これをきっかけとした米 長期金利の上昇反転も重なりドル買い圧力が強まる中、円は午後に一時117円17銭まで下落した。 前日の人民元高から波及した円高・ドル安進行の巻き戻しやドルの先高観を背景にドルが買われやすい面もあったと指摘 する声もあった。 ○NYダウは反発=一時は2万ドル目前 週末1月6日のニューヨーク株式市場はIT株を中心に買われ反発。優良株で構成するダウ工業株30種平均は一時、1 万9999.63ドルを付け、初の2万ドルの大台目前まで迫った。ダウの終値は前日終値比64.51ドル高の1万99 63.80ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は4営業日続伸し、終値は33.12ポイント高の5521.06 と、史上最高値を2営業日連続で更新した。 アップルやフェイスブックなどIT株が買い進まれた。アップルは5日、アプリ配信サイト「アップストア」を通じてア プリ開発者が得た収入が、2016年は前年比4割増の200億ドルに達し、過去最高を更新したと発表。スマートフォン 「iPhone(アイフォーン) 」の販売が低迷する中、サービスでも稼げることを好感した買いが集まった。 米労働省がこの日発表した昨年12月の雇用統計は、非農業部門就業者数の伸びが前月から鈍化した上、失業率も悪化。 しかし賃金が上昇し、雇用市場の堅調さが示されたことから、株価には支援材料となった。 一方、大型減税やインフラ投資などトランプ次期米政権が掲げる経済政策の実現性に懐疑的な見方もあり、 「ダウ2万ド ルの手前で利益を確定させる動きが出た」とみられている。 Futures 24
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