F24マンスリーレポート1月号

FUTURES
24
MONTHLY REPORT
DAIICHI COMMODITIES CO.,LTD.
1/12/2017
フューチャーズ24情報・マンスリーレポート 2017年1月号
◆12月の相場概況
●金相場
・NY金
トランプ次期米大統領の経済・財政政策への期待感を背景としたドル高・米株高に加え、米FOMCで2017年以
降の利上げペースを速める可能性が示唆されたことも売り材料となり、15日には10カ月ぶりの安値を付けた。その
後は為替のドル高一服による安値拾いの買いや売り方の買い戻しに底堅い動きとなった。
・東京金
NY金と円相場との綱引きとなる中、先限は4200円台前半から4300円台前半でのレンジ取引となった。
●白金
NY白金は金相場が欧州経済の先行き不透明感から上昇したことになびいた買いが入り上昇、8日に953ドルの高
値を付けた。その後は為替のドル高による割高感から売られ下落、16日には888.70ドルの安値を付けた。
東京白金は為替に振られて上下動した後、月末にかけて下落した。
●NY原油
NY原油はOPECと非OPECが協調減産することで合意したのを受けて、12日に約1年5カ月ぶりの高値とな
る54.51ドルに上昇。その後は為替のドル高で下落し50ドルを割り込む場面もあったが、OPECと非OPEC
の協調減産実施への期待感から買われ、28日には12日の高値付近まで上昇した。
●穀物相場
シカゴ大豆は南米大豆産地の作柄改善観測などを背景とした売りに1000セントの大台を割り込み、約1カ月ぶり
の安値を付ける場面もあった。
シカゴ・トウモロコシは、米農務省需給報告や堅調な現物市場が買い材料となり、一時は約4カ月半ぶりの高値を付
けた。
◆1月の相場見通し
●金相場=戻り歩調を継続へ
NY金は底打ち感から安値は買い拾われる動きとなっているうえ、ドル相場が調整安場面を迎える可能性があること
で、戻り歩調を継続するとみている。また、中国とインドの金需要も支援材料になる見込み。
●白金相場=上値を試す展開に
NY白金はドル高一服で上昇しており、100日移動平均を突破すれば基調が強まり、1000ドルを回復すること
が予想される。
●原油相場=上値の重い展開に
OPECと非OPECの協調減産履行に対する懐疑的な見方が根強いことや、米国の増産見通しにより、上値の重い
展開になることが予想される。
●穀物相場=大豆は軟化・コーンは上昇へ
シカゴ大豆は軟化する一方、トウモロコシは上値余地を残すと予想。
第一商品株式会社 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町 9 番 1 号 神泉プレイスビル フューチャーズ・24
このレポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので投資勧誘を意図するものではありません。投資の最終的な決定はご
自身の判断と責任でなされますようお願い致します。レポートに記載の内容等は作成時点のものであり、当社はその正確性、完全性
を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。商品先物取引業者 日本商品先物取引協会会員
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◆金相場概況(昨年12月)
●NY金=一時は10カ月ぶりの安値
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、2日に発表された16年11月の米雇用統計が利上げペー
スを速めるほど強い内容ではなかったのを受けて、為替のドル高・ユーロ安が一服したことから買われ、中心限月の期
近2月限は1190.20ドルまで上昇。しかし、トランプ次期米大統領による積極的な財政刺激策が経済成長を促し、
米国の利上げペースが加速するとの観測が金相場の重しとなり、上値を抑えられた。その後、13-14日開催された
米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを速める可能性を示唆したの
を受けて、為替のドル高が進行したことから売られ、14日に1150ドルの節目を割り込み、15日には1124.
30ドルと、2月2日(1122.60ドル)以来10カ月ぶりの安値を付けた。
12月後半は、為替のドル高一服による売り方の買い戻しや安値拾いの買いに支えられたが、トランプ次期米大統領
の経済・財政政策に対する期待感が根強いことや米FRBが来年の利上げペースを速めるとの観測が圧迫材料となり、
1220-40ドル台でのレンジ取引となった。ただ、月末にかけては、安値拾いの買いや年末年始に伴うポジション
調整の買い戻しが継続し、1160ドル台前半まで上昇した。
また、2016年のNY金は中心限月ベースで前年末比8.63%上昇と、2012年の6.95%上昇以来、4年
ぶりの上昇となった。ただ、第4四半期(10月-12月)が前期比12.55%下落したことで、年初からの上昇率
は縮小した。
●東京金=レンジ取引
東京商品取引所の金先物相場は、NY金と円相場との綱引きとなる中、先限は4200円台前半から4300円台前
半でのレンジ取引となった。
トランプ次期米大統領による積極的な財政刺激策が経済成長を促し、米国の利上げペースが加速するとの観測で、N
Y金が10カ月ぶりの安値まで急落し売り材料となった。しかし、トランプ次期米大大統領の経済・財政政策を背景に
米長期金利が急伸したうえ、米FOMCで来年の利上げペースが速まる見通しが示されたことを背景に円相場が10カ
月ぶりの円安・ドル高水準となる1ドル=118円台後半まで下落したことが支援材料となった。
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◆金相場展望
●NY金=戻り歩調を継続へ
2017年明けのニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、昨年末の底堅い動きが好感されたことや、
為替のドル安・ユーロ高を受けて、売り方の買い戻しや新規買いが入ったことから、中心限月の期近2月限は1月5日
に約1カ月ぶりの高値となる1180ドル台半ばに急伸。その後、6日発表された昨年12月の米雇用統計を受けたド
ル高で売られ1170ドル前半まで下落したが、米雇用統計を受けたドル高が一服したことや英国のハードブレクジッ
ト(強硬なEU離脱)懸念が高まったことで買われ、10日には1190ドル台前半に上昇。
さらにトランプ次期米大統領が1月11日に開催した記者会見を受けて、為替のドル安・ユーロ高が進行したことで
買われ、11日には一時、1198.50ドルと、昨年11月23日(1214.70ドル)以来1カ月半ぶりの高値
を付けた。
トランプ次期米大統領が1月11日、昨年11月の大統領選後初めて記者会見した。トランプ氏は会見で「米国は中
国や日本、メキシコ、全ての国に巨額の貿易赤字を負っている」と述べた。
「米国はもはや(日本などと)良い取引を
できていない」との見方も示し、通商面などで「米国第一」の対外政策を推進する方針を明確にした。また、南シナ海
で中国が造成した人工島を「要塞(ようさい)
」と呼んで非難。不法移民対策として目玉公約としてきたメキシコ国境
への壁建設は、早期に実現する意向を明らかにした。
しかし、経済対策については、雇用について過去最大の雇用を創出すると宣言したが、大規模な法人減税やインフラ
投資などの景気浮揚策について踏み込んだ発言はなかった。ドル相場は昨年11月以降、トランプ次期米大統領が掲げ
る景気浮揚策への期待から買い進まれており、今回の記者会見で具体的な発言がなかったことで失望感が広がり、ドル
買いポジションを解消する動きが広がった。
次は1月20日の米大統領就任式での演説が注目される。トランプ氏が今回の記者会見のように保護主義的な姿勢を
強調し、経済・財政政策について具体的な内容について言及しなければ、外国為替市場では失望感からドルが売られる
だろう。また、記者会見では、通商面などで「米国第一」の対外政策を推進する方針を明確にしたことで、今後はドル
高へのけん制を強める可能性もある。
昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2017年の利上げの中心的な想定回数が前回9月時点の2回
から3回に上方修正されたことは引き続き、金相場の重しとなっている。しかし、NY金は昨年12月15日に10カ
月ぶりの安値となる1124.30ドルを付けた後、ドル高・米株高にもかかわらず、同安値を上回る水準で底堅く推
移したことで、市場には底打ちムードが広がっており、年明け以降は安値を買い拾う動きがみられる。また、トランプ
次期米大統領の経済・財政政策への期待感は払しょくされていないものの、今後、経済・財政政策について具体的な内
容が示されなければ、ドルは調整安場面を迎える可能性がある。さらに、世界の二大金消費国である中国とインドの需
要に回復し始めていることも支援材料になるとみており、NY金は心理的節目となる1200ドルを突破し、戻り歩調
を継続するとみている。
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◆外国為替市場概況
▽円・ドル相場=一時は昨年2月以来の円安・ドル高水準
米長期金利の上昇を背景に日米金利差の観点から円売り・ドル買いの流れが継続。さらに米株式市場でダウ平均が連
日にわたり史上最高値を更新したことで投資家のリスク選好意欲が高まり、安全資産とされる円を売ってドルを買う動
きが進行し、16年12月9日には10カ月ぶりの円安・ドル高水準となる1ドル=115円台前半まで下落。その後
も、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月13-14日開催した連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表された
参加者の経済・金利見通しで、2017年の利上げ見通しが前回の2回から3回に上方修正された。市場では利上げペ
ースの加速は予想外だったため、円売り・ドル買いの動きが加速、15日には一時、118円65銭と、2月3日(1
20円01銭)以来10カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。
16年12月後半は、米FRBによる利上げ決定や利上げペースの加速見通しを受けた円売り・ドル買いの流れが一
巡し、利益確定の円買い・ドル売りが入った。また、トルコでロシアの駐トルコ大使が銃撃され死亡したとの報道を受
けて、投資家のリスク回避姿勢が強まり、相対的に安全資産とされる円が買われたことから、19日には116円台半
ばまで上昇。ただ、その後はトランプ次期米政権の経済・財政政策への期待感や米FRBの追加利上げペースの加速見
通しが依然根強く、円は上値を抑えられる動きとなった。
2017年明けは、米長期金利の急低下や人民元の急伸が円買い・ドル売り材料となり、1月6日には115円付近
まで急伸。その後、昨年12月の米雇用統計を受けたドル買いに117円台前半まで下落したが、11日にはトランプ
次期米大統領の記者会見を受けたドルの失望売りにより、1カ月ぶりの円高・ドル安水準となる114円台前半まで上
昇した。
▽ユーロ・ドル相場=一時は14年ぶりのユーロ安・ドル高水準
16年12月5日に実施されたイタリア国民投票で憲法改正案が否決されたが、予想通りとの見方からユーロが買い
戻された。また、8日開催された欧州中央銀行(ECB)定例理事会で資産購入の減額を決定したこともユーロ買い材
料となり、理事会終了直後には1.0862ドルまで急伸。しかし、同時に資産購入の延長期間が大方の予想よりも長
い9カ月となったことがユーロ売り材料となり、1.05ドル台まで下落。さらに、市場で13-14日開催された米
FOMC結果が金融引き締めに積極的なタカ派的な内容と受け止められたこともユーロ売り・ドル買い材料となり、1
5日には1.03ドル台後半に急落。
16年12月後半は、イエレン米FRB議長が19日の講演で雇用情勢の明るさに言及したため、来年の利上げペー
スが加速するとの観測が強まり、20日には1.03ドル台半ばまで急落。その後、欧州の銀行不安後退で22日には
1.05ドル付近まで上昇したが、経営難のイタリア大手銀行に対する懸念が圧迫材料となり、1.03ドル台後半ま
で下落。たた、30日には年末年始を前にしたポジション調整とみられるユーロ買い・ドル売りにより、1.06ドル
台半ばまで上昇した。
2017年明けは、1月3日に発表された米経済統計が強い内容となったことで、一時は1.0341ドルと、20
03年1月3日(1.0334ドル)以来14年ぶりのユーロ安・ドル高水準を付けた。その後、米長期金利の急低下
や人民元の急伸がドル売り材料となり、1.06ドル台前半まで上昇。
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◆日米株式市場概況
▽NY株式市場は史上最高値を更新=2万ドル目前まで上昇
ダウ工業株30種平均は、トランプ次期米大統領の大規模なインフラ投資や規制緩和などの経済政策への期待感を背
景とした買いが継続しているのに加え、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の発言で緩和的な金融政策が続くとの見
方や堅調な米経済統計も買い材料となり、16年12月5日から13日まで7営業日連続で史上最高値を更新。14日
は米連邦公開市場委員会(FOMC)で2017年以降に利上げペースを加速させる可能性を示したことが嫌気され、
8営業日ぶりに反落。
16年12月後半は、イエレン米FRB議長か講演で米労働市場の力強さを強調したことが好感され上昇、史上初と
なる2万ドル突破を射程内に捉えたが、足踏み状態が続いたことで、
「年内の大台突破は難しい」との見方から利益確
定売りの動きが強まり反落し、2万ドル突破はできなかった。また、2016年の上昇率は13.4%と2013年(2
6.5%)以来の大きさ。
2017年明けは、米国や中国の良好な経済指標に加え、IT株を中心に買われたことで急伸、1月6日には史上初
の2万ドルの大台目前まで迫った。その後、11日のトランプ次期米大統領の記者会見を受けて、1万9800ドル台
前半まで売られたが、NY原油がドル安で上昇したことで買われ、1万9900ドル台半ばまで値を戻した。
▽東京株式市場=一時は15年12月以来の高値
日経平均株価は16年12月1日、石油輸出国機構(OPEC)の減産合意や為替の円安・ドル高で買われ急伸、終
値ベースでの年初来高値を更新。その後も史上最高値を更新した米国株高や為替の円安・ドル高基調継続で急伸、12
日には終値で1万9000円台を回復し、8日から6営業日連続で年初来高値を更新した。
16年12月後半は、19日に10営業日ぶりに反落した後、日銀の金融政策決定会合が大方の予想通りに現状維持
となり、安心感から円安・ドル高に振れたことで、21日には1万9600円目前まで上昇。ただ、為替の円安・ドル
高一服や米株価の上値重い動きが嫌気され利益確定売りが出たことで上値を抑えられる展開となり、29日には11月
10日以降の「トランプ相場」局面で最大の下げ幅となった。たた、30日の大納会終値は前年の大納会終値を上回り、
歴代2番目に長い5年連続上昇を記録。
2017年明けは、海外株高や為替の円安進行を受けて、輸出関連など主力株中心に買われたことで急伸、5日には
一時、1万9615円40銭と、2015年12月8日(1万9764円21銭)以来、1年1カ月ぶりの高値を付け
た。ただ、その後は為替の円高進行やトランプ次期米大統領の「トヨタ批判」が嫌気され、幅広い銘柄が売られたこと
から、10日には1万9200円台まで急落した。
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◆金需給動向
●16年11月の香港経由の中国金輸入=10カ月ぶりの低水準
ロイター通信が2016年12月29日、香港統計局から入手したデータによると、16年11月の中国による香港
経由の金純輸入量は50.178トンと、10月の61.075トンから17.84%減少し、1月(33.041ト
ン)以来10カ月ぶりの低水準を記録。
中国の銀行筋は、
「多くの銀行が年末までの金輸入割当てを使い果たしたことが減少要因」と語った。さらに、
「割当
ては来年初めに更新されるだけであるため、多くの銀行は年末の間に金を輸入することができない」とも語った。
中国政府は上海金取引所に入会している銀行13行(外資系3行を含む)に対し、金輸出入の免許を許可している。
しかし、人民元が前月、対ドルで8年ぶりの安値を付けたのを受けて、中国政府は人民元相場の安定化を図るため、海
外への資本流出を抑える政策を打ち出しており、その一環として現在は銀行への金輸入許可を制限している。
中国のトレーダーによると、上海プレミアム(金現物の価格と上海金取引所の金価格との差)が12月初め、供給不
足により約3年ぶりの高水準となる40ドルに急伸したが、中国政府による金輸入枠の制限が供給不足の要因。
中国は世界最大の金消費国だが、金貿易にかかわる公式なデータを発表していない。そのため、香港政府統計局の数
字が、中国本土への金の流れを把握するための代替指標となる。ただ、中国は上海や北京を通しても金を輸入している
ため、中国の金輸入の全体像は捉えていない可能性もある。
●インドの金需要=高額紙幣廃止による現金不足が悪影響
インドの金需要は価格が16年12月に10カ月半ぶりの安値を付けたにもかかわらず、現金不足や休日により抑制
されている。ムンバイの地金商によると、地方の人々は金を購入する現金を持っていない一方、都市の消費者は休日ム
ードにあるため、金を購入することに関心がない。
インド政府が高額紙幣廃止を決定してから1カ月余りが過ぎたが、新紙幣の供給不足で現金が底を付く銀行が続出する
など混乱が続いている。インドで第4四半期(10月-12月)は、結婚シーズンと、ヒンズー教の祝祭シーズン(ダ
ンテーラス、ディワリなど)を同時に迎えるため金需要が盛り上がる時期。しかし、同国の金需要の3分の2を占める
農村地域は銀行口座を持たない農家が多く、宝飾品業者は「農家が銀行で手持ちの旧紙幣を新紙幣に交換することがで
きないため、需要が大幅に落ち込んでいる」と語った。
インドの人口は13億人に上るうえ、廃止された高額紙幣は流通する全紙幣の約85%を占めていたため、新紙幣の
供給は十分ではなく、事態の収拾には時間がかかりそうだ。現金不足の状態が解消されなければ、金購入への関心も高
まらないため、同国の金需要が抑制される状況も続くことが予想される。
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●「金」の勢力図に変化も=イスラム教徒、投資可能に―中国・インドは低迷
世界中から人気を集める「金」
。宝飾品に加え、貯蓄の代わりに購入され、投資先としても選ばれている。年間の総
需要約4000トンのうち、中国とインドで半数近くを占めるが、その勢力図が変化する可能性が出てきた。
両国を脅かす存在となりつつあるのがイスラム諸国だ。イスラム法はこれまで、金現物や宝飾品の保有を認める半面、
上場投資信託(ETF)など金融商品としての投資は許可していなかった。
しかし、イスラム教徒の金取引の定義などを検討していた機関が、金融商品や金鉱山に対する投資を解禁。2017
年春にはイスラム教徒向けの新たな金投資商品も登場する見通しだ。
中国では景気減速懸念から金の購入や投資が低迷気味。インドは例年、10月から年始にかけ結婚シーズンや相次ぐ
宗教行事で需要が盛り上がるが、16年秋以降は異変が生じている。政府が高額紙幣を無効化した結果、市民や業者が
現金不足となり、金を購入できない状況という。
15年の世界の金需要は4218トン。宝飾品2397トン、投資922トンのほか、国際通貨基金(IMF)や各
国の中央銀行が保有、産業用としても使われている。
人口13億人の中国の金需要は計約900トン、12億人のインドは同800トン。16億人とされるイスラム教徒
の投資解禁は「世界の金需要の構造を変える可能性がある」
(森田隆大ワールド・ゴールド・カウンシル顧問)とみら
れている。
●12月の各国中銀の金準備=ロシアは21カ月連続の増加
国際通貨基金(IMF)が12月22日に公表した統計によると、ロシアは金保有高を11月に32.1トン増やし
1615.241トンと、21カ月連続の増加。月間ベースでは過去10年間で最大の増加量を記録した10月の40.
4トンに続き、大幅増加となった。
2016年11月時点の年間購入量は200.03トンと、過去10年間で最大の増加量を記録した2015年の2
08.4トンに迫っている。
ロシア中銀は、法律面や政治面のリスクの影響を受けない安全資産としての魅力に注目し、外貨準備の多様化に向け
て金を買い入れる方針を明らかにしている。また、ウクライナ危機を受けた西側の経済制裁で輸出が困難になった金の
吸収に乗り出している。
エルビラ・ナビウリナ総裁は12月中旬、「外貨準備の多様化は続く」と述べており、今後もロシア中銀の金購入傾向
が続くことが見込まれる。
カザフスタンが3.1トン増の254.703トンと金準備高を増やした。一方、トルコが28.8トン減少の39
6.472トンと金準備を減らした。
また、中国人民銀行(中央銀行)が1月7日発表したデータによると、2016年12月末時点の金準備高は592
4万オンス(1842.6トン)と、11月末の金準備高は5924万オンス(1842.6トン)と同水準。
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●投資需要
▽NY金ETF=16年12月は3カ月連続の減少、16年全体は7年ぶりの増加幅を記録
ニューヨーク証券取引所に上場されている世界最大規模の金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有量は、2
016年12月は11月末比61.69トン減少の822.17トンと、3カ月連続の減少。
16年12月第1週は、1日に前日比13.64トンと大幅減少した後も、5日に同0.32トン減少、7日に同6.
23トン減少、8日現在で同2.96トン減少し約7カ月ぶりの低水準を記録。11月8日の米大統領選で共和党候補
のドナルド・トランプ氏か勝利して以降、為替のドル高進行やNY株式市場のダウ工業株30種平均が史上最高値更新
となったのを受けて、金市場からの投資資金流出が継続。
16年12月第2週は、9日現在で前日比3.26トン減少、12日現在で同1.19トン減少、14日現在で同6.
82トン減少、15日現在で同7.11トン減少。外国為替市場でドルが米長期金利の急伸などを背景に買われ、主要
6通貨で構成されるドル指数が14年ぶりの高水準となったうえ、NYダウ平均が史上最高値を更新したことが売り材
料となり、投資資金が流出。さらに、14日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)結果が、市場では「タカ
派的な内容」と受け止められことも売り材料となった。
16年12月第3週は、16日現在で同5.34トン減少、19日現在で同8.89トン減少、21日現在で同3.
56トン減少し、約8カ月ぶりの低水準を記録。外国為替市場では、トランプ次期米大統領が打ち出す経済政策への期
待感が根強いことに加え、前週の米FOMCのタカ派的な内容や、イエレン米FRB議長が19日の講演で「労働市場
は過去10年近い中で最も力強い」と強調したのを背景に来年の米利上げペースが速まるとの観測が高まっていること
もドル買い材料となり、対ユーロでは約14年ぶりのドル高・ユーロ安水準を付けた。第4週も減少傾向を継続し、2
7日現在で前日比1.18トン減少、30日現在で同0.99トン減少。
また、2016年は前年末比178.61トン(27.75%)増と、年間ベースでは2009年の353.39ト
ン(45.29%)増以来、7年ぶりの増加幅を記録。ただ、16年は第3四半期までは増加傾向を継続していたが、
第4四半期(10月-12月)は125.78トン減少した。
2017年明けも減少傾向を継続。1月3日に前日比8.30トン減、5日に同0.28トン減、9日に同8.59
トン減少し、11日現在では805トンと、2016年4月29日(804.14トン)以来、約8カ月半ぶりの低水
準。
*2017年1月は11日現在のデータ。
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▽CFTC=ファンド筋の買い越しポジション、11カ月ぶりの低水準
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したNY金の建玉報告によると、ファンド筋の買い越しポジションは減少
傾向が続き、1月3日には昨年2月以来11カ月ぶりの低水準となる9万6550枚(300トン)に減少。外国為替
市場でドルが対主要通貨で買われ、主要6通貨で構成されるドル指数が約14年ぶりの高値を付けたのに加え、NYダ
ウが史上初となる2万ドル目前まで上昇したことが売り材料。
◆米経済・金融政策
●米追加利上げ、1年ぶり=ペース加速示唆―次期政権の影響も・FRB
米連邦準備制度理事会(FRB)は16年12月13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、雇用の堅
調な伸びや物価上昇を受けて、政策金利を0.25%引き上げることを決めた。15年12月に異例のゼロ金利を解除
し、金融政策の正常化に着手したが、金融市場の混乱などで追加利上げまでに1年を要した。
一方、参加者の金利見通しでは、来年3回の利上げを想定。9月時点の2回から利上げペースの加速が示唆されてお
り、米国の金利上昇見通しを背景とした円安・ドル高が進む可能性がある。為替相場の急激な変化は、世界経済の不安
定要因にもなりそうだ。
今回の決定は全会一致で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準は0.5-0.75%と
なる。15日付で実施する。
会合後に記者会見したイエレン議長は、一部の参加者の金利想定には、トランプ次期政権が掲げる財政拡大政策など
が反映されていることを認めた。次期政権の方針が既に参加者らの見通しに影響を与えた形だが、議長は政策の先行き
には「多大な不確実性がある」と述べ、情勢を注視する考えを示した。
会合声明は、米経済について「年半ばから緩やかに拡大した」と評価した。物価上昇率は目標の2%を下回っている
ものの、一部の指標は「大幅に上昇した」と判断。中期的には目標に達するとの見通しを維持した。
また、労働市場は「さらに幾分強化される」として、改善の余地があると述べた。景気見通しへの短期的なリスクは
「おおむね安定しているようだ」と分析。家計支出も「緩やかに増加した」が、企業の設備投資は「依然弱い」と指摘
した。
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●米利上げ、来年3回=ペース加速示唆、長期水準初の上昇―FOMC参加者予想
米FRBが14日公表した連邦公開市場委員会(FOMC)参加者17人の経済・金利見通しで、2017年中の利
上げの中心的な想定は3回となった。前回9月時点(2回)から上方修正され、利上げペースが速まるとの見通しが示
された。
参加者16人の長期の金利水準予想も前回(2.875%)から3.0%に上方修正された。長期水準の上方修正は、
参加者の金利見通しの公表が始まった2012年1月以降、初めて。
ただ、イエレン議長は記者会見で、全体の金利水準の上方修正は「わずかだ」と強調。数人が上向き改定したことが
影響したと述べ、市場の過度な反応をけん制した。数人の参加者が、自身の見通しを示す上で、トランプ次期政権の経
済政策を考慮したことを明らかにした。
発表によると、17年中の利上げは3回の想定が6人と最も多く、2回が4人、4回以上が計5人、1回が2人だっ
た。9月時点では最多の7人が2回を予想していた。
17年末の金利(中央値)は1.375%(同1.125%)
、18年末は2.125%(同1.875%)
、19年
末は2.875%(同2.625%)を想定し、いずれも9月時点から引き上げた。また、長期目標水準に達するのは
20年以降と見込んだ。
一方、17年10-12月期の実質GDP(国内総生産)伸び率は、前年同期比2.1%(同2.0%)と上方修正。
長期見通しは1.8%で据え置いた。
直近で4.6%まで低下した失業率は、16年10-12月期に4.7%(同4.8%)とし、17年同期は4.5%
(同4.6%)と見込んだ。長期水準は4.8%と変わらず、16年時点で長期水準を下回る形となった。
個人消費支出(PCE)物価指数でみたインフレ率は、16年10-12月期が前年同期比で1.5%(同1・3%)
に上方修正。17年同期は1.9%で変わらず。コアPCEは16年が1.7%、17年が1.8%と修正はなかった。
目標の2.0%に達するのは、全体もコアも前回同様18年と予想した。
■米FRBの米経済見通し
2016年度
2017年度
今回予想
前回予想
今回予想
前回予想
GDP
1.8%~1.9%
1.7%~1.9%
GDP
1.9%~2.3%
1.9%~2.2%
失業率
4.7%~4.8%
4.7%~4.9%
失業率
4.5%~4.6%
4.5%~4.7%
総合PCE
1.5%
1.2%~1.4%
総合PCE
1.7%~2.0%
1.7%~2.0%
コアPCE
1.7%~1.8%
1.6%~1.8%
コアPCE
1.8%~1.9%
1.7%~2.0%
2018年度
長期見通し
今回予想
前回予想
今回予想
前回予想
GDP
1.8%~2.2%
1.8%~2.1%
GDP
1.8%~2.0%
1.7%~2.0%
失業率
4.3%~4.7%
4.4%~4.7%
失業率
4.7%~5.0%
4.7%~5.0%
総合PCE
1.9%~2.0%
1.8%~2.0%
総合PCE
2.0%
2.0%
コアPCE
1.9%~2.0%
1.9%~2.0%
コアPCE
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●米FRB議長、トランプ次期政権の政策警戒=米金融政策を翻弄も
15年12月以来1年ぶりの利上げを決めた米FRBのイエレン議長は記者会見で、トランプ次期政権による積極的
な財政政策に警戒感を示した。過剰な刺激策は金融市場の変動や景気過熱をもたらし、今後のFRBの金融政策を翻弄
(ほんろう)する可能性がある。
議長は、労働市場が十分に改善した米国では「完全雇用を回復するための景気刺激は明らかに必要ではない」と指摘
した。トランプ次期大統領が打ち出した大幅減税や巨額インフラ投資により成長は一時的に押し上げられるものの、イ
ンフレ急騰など、副作用が懸念される。同日まで開催された金融政策会合では、先行きに多大な不確実性があるとの認
識を共有したという。
FRBは経済や市場への過度のショックを回避するため緩やかな利上げシナリオを練ってきた。この日公表された会
合参加者の金利見通しでは、来年の利上げが3回と従来(2回)よりペースが速まる可能性が示された。イエレン議長
は、次期政権の政策を考慮した一部の参加者の見通しが影響したと認めた。一方で、今回はわずかな上方修正にすぎな
いと強調。利上げ発表後に進んだドル高、金利高など金融市場の過剰反応を抑えようとする姿勢をにじませた。
議長は、最高値を更新する米株価への評価は避けつつも「
(次期政権の)拡張的な財政政策への期待」が要因だと分
析。今後も政策内容に応じて市場の変動はあり得ると注意を促した。一方で、技術開発や教育など生産性の拡大につな
がる政策を推進する重要性を指摘した。
●米FRB議長:労働市場、力強い=経済成長、加速するか不透明
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は16年12月19日、メリーランド州のボルティモア大の卒業式
で講演し「労働市場は過去10年近い中で最も力強い」と強調した。ただ、経済成長は過去の景気回復期に比べて遅い
上、生産性の伸びも低迷しており、今後も成長がどの程度加速するかは不透明との懸念を示した。金融政策への言及は
なかった。
イエレン議長は、技術革新やグローバル化を背景に、国内では高学歴の労働者の需要が強まっているとして、大学の
学位取得の重要性を訴えた。大卒の労働者の年間収入は昨年、高卒の労働者より7割多く、2割増だった1980年代
から格差が急激に開いている実態を指摘した。
●FOMC議事要旨:参加者大半、今後の財政刺激で成長上振れ=情勢次第で利上げ加速
米連邦準備制度理事会(FRB)は1月4日、1年ぶりの利上げを決定した2016年12月13、14両日に開催
した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。参加者17人のほぼ全員が、トランプ次期米政権が掲げ
た財政拡張を念頭に、今後数年で「経済成長見通しが上振れる可能性が高まる」と指摘していた。多くの参加者は、経
済情勢次第で速やかな利上げが必要になると主張した。ただ、ドル高などの下方リスクを指摘する声もあった。
議事要旨によると、参加者らは今後の財政、経済政策の規模、時期などが不確実であることを確認。複数の参加者は
減税、財政出動、規制緩和などの政策変更が経済成長を加速も減速もすると指摘した。
多くの参加者は景気浮揚により、インフレ圧力が高まれば「FOMCは速やかに利上げする必要がある」と主張した。
ただ、複数の参加者はドル高が進展し、海外で金融市場が不安定になるリスクを指摘。幾人かは原油価格の上昇によ
りインフレ見通しが上向く可能性を挙げた。一方、複数の参加者はドル高がインフレを抑制する可能性を指摘。参加者
らは国際・金融情勢、物価指標を緊密に注視する必要があることで一致した。
投票権のある参加者10人については複数が、労働市場環境が急激に強固になった場合、FOMCが利上げの見通し
を適切に調整すべきと主張。数人は、インフレ上昇が緩やかであることから、現状の金融政策で必要に応じて対応する
時間はあるとの見方を示した。
12月に発表されたFOMC声明では「労働市場環境とインフレの現状、見通しを踏まえ、金利水準を0.5%から
0.75%に引き上げる」と発表。投票権のある10人全員が賛成した。
Futures 24
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●昨年12月の米雇用統計=雇用市場の堅調さを示す
米労働省が1月6日発表した2016年12月の雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門就業者数は、季
節調整済みで前月比15万6000人増加。前月(20万4000人増=改定)から減速し、市場予想の17万800
0人増を下回った。また、10月は13万5000人に下方修正。
失業率は4.7%と0.1ポイント悪化。市場予想は4.7%。
民間部門の就業者数は14万4000人増(前月19万8000人増=改定)
。このうち物品生産部門は1万200
0人増(前月1万3000人増=改定)
、建設業は3000人減(同1万7000人増=改定)
、製造業は1万7000
人増(同7000人減=改定)と5カ月ぶりにプラスに転じた。サービスは13万2000人増(同18万5000人
増=改定)で、このうち小売業は6300人増(同1万9500人増=改定)だった。
政府部門は1万2000人増(同6000人増=改定)
。
平均時給は前月比0.4%増の26ドルと市場予想の0.3%増を上回った。また、前年同月比では2.9%増と、
伸び率は前月の2.5%増から加速し、2009年6月以来の大きさとなった。
週平均労働時間は34.3時間と横ばい。
働く意欲のある人の多さを示す労働参加率は前月比0.1ポイント上昇し、62.7%となった。半年以上の長期失
業者、フルタイム勤務を望みながらパートしか職が見つからない人はともに減った。
●米追加利上げは慎重に判断=トランプ次期政権の不透明感続く
昨年12月の米雇用統計は、非農業部門就業者数の増加幅が市場予想を下回ったものの、労働市場の安定に必要とさ
れる水準を上回ったうえ、失業率も比較的低い水準で安定。また、賃金も上昇基調を示しており、米連邦準備制度理事
会(FRB)の利上げ姿勢を支える内容となった。しかし今月20日に就任するトランプ次期米大統領の経済政策は不
確実性が大きく、FRBは当面、景気を慎重に分析し、対応する構えだ。
米FRBは昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で「労働市場環境とインフレの現状、見通し」が条件を満
たしたと判断し、1年ぶりの利上げを決定。17年に3回の利上げ想定も示した。
今後の米金融政策は、次期政権が掲げた大型減税や巨額投資の行方が左右しそうだ。FRBは昨年12月の会合で、次
期政権の経済政策が「経済成長を上振れさせる可能性がある」と分析。一方で時期や規模の不確実性が「非常に大きい」
と懸念し、ドル高の進行などのリスクも警戒していた。財政刺激による急激な物価上昇を抑えるため、利上げ加速を迫
られる恐れもある。
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◆関連ニュース
●景気「緩やかな回復」=1年7カ月ぶり上方修正―金融政策は維持・日銀
日本銀行は2016年12月19-20日開催した金融政策決定会合で景気判断を上方修正した。新興国を中心とす
る海外経済の改善を踏まえ、声明文で「輸出・生産面に鈍さ」との表現を削除したほか、個人消費が底堅く推移してい
るとして、
「景気は緩やかな回復基調を続けている」との認識を示した。景気の上方修正は昨年5月以来1年7カ月ぶ
り。短期金利をマイナス0.1%、長期金利(10年国債利回り)を0%程度に誘導する現在の金融政策は賛成多数で
維持した。
声明文で、海外経済は「緩やかな成長が続いている」と指摘。輸出と生産の判断を従来の「横ばい圏内」から「持ち
直している」へ引き上げた。個人消費も「一部に弱めの動きが見られる」との文言を外し、表現を強めた。
一方、米国の経済動向をリスク要因と指摘。トランプ次期米大統領の政策運営が金融市場に与える影響を注視する姿
勢を示した。
●黒田日銀総裁:金利操作は機能=円安「驚く水準でない」
黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の記者会見で「金利操作はうまく機能している。適切な長短利回りが形成されて
いる」と語った。米大統領選後、円安・ドル高が進む為替相場については「驚くような水準ではない」と述べ、違和感
はないとの考えを強調した。
金融市場では長期金利が上昇する場面が見られたことで、金利の誘導目標を引き上げるとの観測が浮上。これに対し
黒田総裁は2%の物価上昇を実現していないことを踏まえ、
「具体的に議論するのは時期尚早だ」と否定した。
米大統領選前に1ドル=105円程度だった円の対ドル相場は、トランプ次期米大統領の政策への期待感から一時1
18円台まで下落。黒田総裁は、米国で金利が上昇し、日米の金利差が拡大したことが背景との見方について、
「一定
の影響はある」と指摘。ただ、
「
(今後)円安が行き過ぎて問題になるとは思っていない」との認識も併せて示した。
決定会合は景気判断に関し、
「緩やかな回復基調を続けている」とし、昨年5月以来、1年7カ月ぶりに判断を上方
修正した。黒田総裁は「新興国経済の減速が和らぎ、横ばいだった輸出や生産、個人消費も持ち直した」と説明した。
●ECB、量的緩和縮小し延長=月600億ユーロに
欧州中央銀行(ECB)は12月8日、定例理事会を開催した。マイナス金利の維持を含め政策金利は据え置く一方、
2017年3月末に期限を迎えるユーロ圏諸国の国債などを購入する量的緩和策については、4月以降は資産購入の規
模を現在の月額800億ユーロ(約9兆8000億円)から600億ユーロに縮小した上で、12月末まで継続するこ
とを決めた。
物価が上向き基調にあることを背景に、現在の金融緩和局面に入って初めて手綱をやや緩める判断に踏み切った。た
だ、景気や物価が見通しよりも悪化した場合には、増額や延長の用意もあるとした。
ECBは同時に公表した最新のユーロ圏経済見通しで、消費者物価上昇率が19年には1.7%まで加速するとの予
測を初めて示し、政策目標に掲げる2%弱に近づくとの強気見通しを披露。ドラギ総裁は、3月に量的緩和の規模を拡
大した当時に比べ「デフレ懸念はかなり後退した」と、今回の規模縮小判断の理由を説明した。
量的緩和は15年1月の理事会で導入を決定。当初の購入規模は月600億ユーロ、16年9月末が期限だった。そ
の後、15年12月の理事会で6カ月延長を決定、16年3月の理事会で月800億ユーロに増額された。
主要政策金利は0%、上限金利の限界貸出金利は0.25%、下限金利の中銀預入金利はマイナス0.4%で、いず
れも過去最低。
Futures 24
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●ECBのユーロ圏経済予測(12月)
GDP伸び率
インフレ率
・17年
1.7%(1.6%)
1.3%(1.2%)
・18年
1.6%(1.6%)
1.5%(1.6%)
・19年
1.6%
1.7%
(注)カッコ内は前回9月の予測。19年は今回初。
●ECB、より大幅な刺激策を用意=1年間の月間600億ユーロ買い取り検討
消息筋が12月9日までに明らかにしたとことによると、欧州中央銀行(ECB)は8日の理事会で、発表よりも大
幅な刺激策を検討していたが、緩和に消極的な「タカ派」に加えて一部の中間派も反対したことで、妥協的な措置に後
退させた。
ECBスタッフは当初、月間800億ユーロの資産買い取りプログラムを6カ月延長する案を作成していた。しかし、
ドラギECB総裁はこの案では理事会で過半数の賛成を得られないと考え、妥協案を推し進めたという。
ECB側は月間600億ユーロの買い取りを12カ月間続ける案を提出。これに対し、タカ派理事らは600億ユー
ロの買い取りの6カ月延長を主張した。結果的に理事会は9カ月延長で妥協した。ドイツ連邦銀行(中央銀行)はなお
も反対していたが、他のタカ派理事が賛成し、過半数を確保したという。
ECBが計1.5兆ユーロの資産を買い取ってもユーロ圏のインフレ率は目標を下回り、成長も依然として弱い中、
今回の妥協は理事会内の対立や「緩和疲れ」を浮き彫りにした格好だ。ただユーロ圏の5大国のうち4カ国で選挙を控
え、不透明感に直面する中、ECBは異例の緩和策を続けざるを得ないとみられる。
●ECBの決定、大半が評価=8日の理事会―ロイターのトレーダー調査
欧州中央銀行(ECB)が12月8日の理事会で量的金融緩和を9カ月延長する一方、毎月の資産購入の減額を決め
たことについて、ユーロ圏金融市場のトレーダーの大半は適切な判断だと受け止めていることが、ロイター通信が12
日まとめた調査で示された。
ドラギECB総裁は8日、2017年3月に期限を迎えるはずだった資産購入プログラムを17年末まで延長すると
発表。同時に購入額を4月から今の月800億ユーロから600億ユーロに減らす方針を明らかにした。
調査に応じたトレーダー16人のうち13人が、適切な決定だったと回答した。理事会前に実施した別の調査では、
ECBが量的緩和を6カ月延長するとの予想が示されていた。3月以降の資産購入減額を正確に予測したのは、調査対
象となったエコノミスト54人のうち14人にとどまった。
●ECB、出口論も難しいかじ取り=17年は選挙の波乱警戒
2017年の欧州は、主要国で選挙が目白押しで、英国民投票や米大統領選のあった16年に続き、政治リスクが経
済や金融市場の波乱要因となりそうだ。一方、物価は上昇基調が強まる見込みで、金融緩和からの出口論も意識される。
ユーロ圏の金融政策を担う欧州中央銀行(ECB)は、難しいかじ取りを迫られそうだ。
ECBは12月、量的金融緩和の延長と規模縮小を決定。物価が上昇基調に転じ、一時のデフレ懸念が解消されたと
判断した。消費者物価上昇率は19年には1.7%と、目標の「2%弱」に接近すると予想する。米国に続き、欧州で
も金融緩和からの出口論が現実味を増す。
17年の欧州は選挙イヤーで、3月のオランダ議会選に続き、4-6月にフランス大統領選と議会選、秋にドイツ議
会選が予定されている。イタリアでは解散総選挙の可能性がある。英国の欧州連合(EU)離脱同様、反EUを掲げる
政治勢力の拡大は金融市場にも波乱要因となる。
ECBのドラギ総裁は12月の記者会見で、量的緩和の段階的縮小は「議論もしていない」と、市場による出口論の
先取りをけん制。必要が生じれば量的緩和の再拡大も辞さないと述べ、政策の自由度を確保した。ただ、銀行業界から
不評のマイナス金利はほぼ限界。量的緩和も購入対象資産が品薄となるなど、リスクへの備えとなるカードは乏しく、
予断を許さない状況が続きそうだ。
Futures 24
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●中国の外貨準備、3兆ドル割れ目前=資本流出止まらず
中国人民銀行(中央銀行)は1月7日、2016年12月末の外貨準備高が前月比410億ドル減の3兆0105億
ドル(約352兆円)になったと発表した。11年2月以来の3兆ドル割れが迫った。景気減速懸念と米国の利上げで
資本流出が止まらず、人民元相場の急落を阻止しようと外貨準備を取り崩してドル売り介入を続けたことが要因だ。
中国の外貨準備は世界一の規模。輸出主導の高度成長で外貨を稼ぎ、14年6月には3兆9932億ドルと、4兆ド
ルの大台に肉薄した。しかし、その後は輸出低迷などを背景に減少傾向をたどっている。
外貨準備は金融危機などの際、自国通貨の防衛や対外債務の返済に使う。減り続ければ枯渇が現実味を帯び、
「元売
りがさらに膨らんで人民銀が一段の介入を迫られるという悪循環に陥る」
(市場関係者)とされる。
当局は監視を強化するなどして資本流出を食い止めようと取り組んでいるが、政治要因も影を落とす。元安批判を繰
り返すトランプ次期米大統領の就任をにらみ、元相場を支えるため人民銀がドル売り介入を増やしているとの見方も出
ており、外貨準備の減少は当面続きそうだ。
●中国・上海株式市場=一時は2カ月ぶりの安値
中国・上海総合指数は、中国証券監督管理委員会(CSRC)の劉士余主席が16年12月3日、
「一部の資産運用
会社が度を越えた借り入れによる企業買収を行っている」と批判したほか、商品相場安を受けて資源株が売られたこと
から下落し、3200を割り込む場面もあった。その後、9日発表された16年11月の卸売物価指数が前年比3.3%
上昇と、市場予想(同2.2%上昇)を上回る伸びとなったことが支援材料となり、3245まで急伸。しかし、保険
規制当局が保険会社による積極的な株式買い入れへの取り締まりを強化したことや、米連邦準備制度理事会(FRB)
が13-14日開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、2017年の利上げペースが速まる可能性を示したこと
が売り材料となり、15日には3100台まで急落した。
16年12月後半は、中国当局が来年も「穏健で中立的な」金融政策を維持し資産バブルを抑制する姿勢を示したこ
とを背景に、新たな金融刺激策への期待が後退。さらに、規制強化で収入が圧迫されることへの懸念から証券・保険株
が売られたことで下落。26日には一時、3068.4150と、10月18日(3037.4040)以来2カ月ぶ
りの安値を付けた。その後も、保険会社の積極的な株式投資の監視を強化する規制当局の新たな対応を背景に売られ軟
調に推移した。なお、2016年は前年末比12.3%安。
2017年明けは、調査会社マークイットと中国メディア「財新」が1月3日発表した2016年12月の製造業P
MIが51.9と市場予想の50.7を上回り、3年11カ月ぶりの高水準となった。さらに、中国の混合所有制度(国
有企業への民間資本参加)導入が一段と進むとの期待感を背景に買われ、1月9日には3170まで上昇。ただ、新規
株式公開(IPO)による供給増加が重しとなったほか、国有企業株の利益確定売りに押され、11日には3136台
まで下落した。
Futures 24
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◆白金相場概況(昨年12月)
●NY白金は下落=900ドルの節目を試す展開に
昨年12月上旬のNY白金は1日に安値898.5ドルをつけた後に反発し、8日には高値953ドルを記録。イタ
リアの憲法改正を問う国民投票で、反対派が賛成派を大きく上回る通しとなり、レンツィ首相が辞任を表明したのを受
け、EU(欧州連合)経済の先行き不透明感から金が上伸したことになびいた買いが入り上伸した。しかし、8日の欧
州中央銀行(ECB)定例理事会で量的緩和策について月間の資産購入規模を縮小した上で、2017年12月まで延
長することを決定。市場は半年間の緩和延長を予想していたが、予想よりも長い期間の延長が決定されたことで、対主
要国通貨でのドル高が進行したことから、ドル建てNY白金は割高感からの売りに圧迫され、値位置を維持できずに下
落した。
また、13、14両日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利上げ決定は大方の予想
通りだったものの、会合参加者による経済・金利見通しで、2017年の利上げ回数が2回から3回(中央値)に増え、
2017年の米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが加速するのではないかとの観測が強まり、米長期金利
が上昇。また、22日に米商務省が発表した第3・四半期の実質GDP(国内総生産)の確報値が年率換算で前期比3.
5%増と、改定値(3.2%増)から上方改定された。米経済の成長回復が確認されたことを受け、ドル高が進行した
ことが弱材料となり、NY白金は月末にかけて軟調に推移し、900ドルの節目を試す展開となった。
●東京白金、月間ベースでは上伸=円安やパラジウムの上昇に支えられる
東京白金は為替に振られて上下動した後は、月末にかけて下落した。ただ、パラジウム相場の上伸になびいた買いに
支えられた他、為替の円安をみた買いが優勢となり、月間ベースでは上伸。
英化学大手ジョンソン・マッセイによると、17年のパラジウムは供給不足が見込まれる。パラジウムの最大産地ロ
シアが、石油輸出国機構(OPEC)の減産に協力する姿勢を見せていることもあり、資源外交政策がパラジウムにも
適用されるため下値は限られるとの見方が強まった。また、中国自動車工業協会が2016年12月12日発表した、
11月の新車販売台数は前年同月比16.6%増の293万9000台と、単月として過去最高を記録。また、201
6年1月-11月の新車販売台数は前年同期比14.1%増の2494万8000台となり、2015年通年の245
9万7600台を上回って、年間販売台数でも過去最高を記録し、需要増加見通しも相場を支える要因となった。
Futures 24
17 |
◆白金相場展望
●白金は上伸=目先は上値を試す展開に
昨年12月の東京白金は軟調に推移し30日には3365円まで下落したが、年明けに急騰した後は値を伸ばし、1
月12日には3649円まで急伸する展開。NY白金はドル高が一服したことで値を伸ばし、100日移動平均(98
2.4ドル)を試す展開。同水準を上抜けば基調が強まり、目先は1000ドル台を回復する可能性がある。
また、為替のドル高が一服し、ドル建て商品市場全般が上伸していることや、米国や中国の景気回復への期待感が強
まったことも支援材料。為替市場は、昨年11月の米大統領選後、巨額インフラや大型減税、規制緩和への期待感から
米長期金利が上昇すると共にドル高が進行していたが、NYダウが初の2万ドル突破を目前に足踏みを続けていること
や、トランプ次期米大統領の政策に対する不透明感から調整の動きが強まった。
トランプ次期米大統領は1月11日、昨年11月の大統領選後初めての記者会見を行ったが、貿易不均衡の是正を重
要課題として取り上げたほか、製薬や軍需など個別企業に言及し、
「政治介入」する姿勢もにじませた。これを受けて
関連銘柄が売り圧力にさらされ、NYダウの上値を押さえている。また、大規模な法人減税やインフラ投資で踏み込ん
だ発言を行なわなかったことが失望感からのドル売り圧力を強めた。
需給面では、世界的な自動車販売台数の回復が支援材料。2016年11月の中国新車販売台数が単月として過去最
高を記録したうえ、16年1月-11月は2015年通年台数を上回り年間販売台数でも過去最高を記録。また、米調
査会社オートデータが1月4日発表した、2016年の米新車販売台数は前年比0.4%増の1755万351台とな
り、2年連続で過去最高を更新。雇用改善や低金利などの経済環境が需要を押し上げた。
米国と中国は共に、自動車の排ガス除去装置用の触媒にパラジウムを多く用いるガソリン車の普及割合が高く、パラ
ジウム価格上昇の要因。白金系貴金属のパラジウムの需要増加期待を背景とした価格上昇を通じ、白金価格は下支えら
れている。ただ、自動車市場は既にピークに達し、2017年は縮小に転じるとの見方も多く、一方的な上昇を試すに
はやや材料不足。今後の自動車販売台数推移が注目される。
また、自動車の排ガス除去装置に白金を多く用いるディーゼル車の普及割合が高い欧州の経済は、米格付け会社スタ
ンダード&プアーズ(S&P)は1月9日発表した報告書で、ユーロ圏でインフレ圧力が戻り始めている兆候があるが、
欧州中央銀行(ECB)が2018年より前に、緩和的な金融政策を転換することはないとの見方が示され、本格的な
回復には時間がかかると考えられているが、昨年よりは安定に向かっている。
ただ、英国のメイ首相が1月8日、英放送局スカイニューズの番組でEUとの関係を完全に断ち切る考えを強調した
上で、単一市場や関税同盟に残るよりもEU移民の規制や欧州司法裁判所からの離脱を重視する意向を示唆。EU側は
英国が移民規制などを実施すれば自由な市場アクセスを認めない方針を崩していないため、市場では英政府がアクセス
を放棄する「ハード・ブレグジット(強硬な離脱)
」に傾いているとの見方が強まっており、政治的な要因を背景とし
た先行き不透明感が強まるようだと、白金相場の上値は押さえられる。
Futures 24
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◆白金需給動向
●世界の自動車販売台数
▽米国=2016年は2年連続で過去最高を更新
米調査会社オートデータが1月4日発表した、2016年の米新車販売台数は前年比0.4%増の1755万351
台となり、2年連続で過去最高を更新した。雇用改善や低金利などの経済環境が需要を押し上げた。ただ、市場は既に
ピークに達し、2017年は縮小に転じるとの見方も多い。
ガソリン安などを追い風に、ピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)など大型車の需要が引き続き堅
調だった。一方、小型車やエコカーの販売は総じて振るわなかった。
メーカー別では、シェア首位のゼネラル・モーターズ(GM)が1.3%減の304万2421台、2位のフォード・
モーターが0.1%減の259万9211台と減少に転じた。日本勢では3位のトヨタ自動車 も2.0%減となった
が、5位ホンダと6位日産自動車は販売を伸ばし、いずれも過去最高を更新した。
2017年の販売は「引き続き過去最高水準近辺にとどまる」
(GM幹部)との見方がある一方、縮小を予想する声
も多い。トランプ次期米大統領の経済政策も不透明要因で、公約に掲げる大型減税などで景気が拡大すれば新車販売に
は追い風となるが、ローンの利用が多い米国では金利上昇が消費者の購入意欲を減退させる恐れもある。
2016年12月の販売は、前年同月比3.1%増の169万429台。
▽日本=2016年、5年ぶりの500万台割れ
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が1月5日発表した、2016年の国内新車販売
台数(軽含む)は、前年比1.5%減の497万260台となり、5年ぶりに500万台を割り込んだ。500万台割
れは、東日本大震災の影響で約421万台に落ち込んだ11年以来。増税の影響が長引く軽の不振を主因に、2年連続
で前年実績を下回った。2017年の新車販売全体が上向くかどうかのカギを握る軽販売の先行きについて、全軽自協
は「買い替えサイクルの長期化」などを挙げ、慎重な見方を示している。
Futures 24
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▽中国=過去最高を記録
中国自動車工業協会が2016年12月12日発表した、11月の新車販売台数は前年同月比16.6%増の293
万9000台と、単月として過去最高を記録。また、2016年1月-11月の新車販売台数は前年同期比14.1%
増の2494万8000台となり、2015年通年の2459万7600台を上回って、年間販売台数でも過去最高を
記録。
▽インド=17カ月連続のプラス
インド自動車工業会が2016年12月8日発表した、11月の国内乗用車販売台数が前年同月比1.8%増の24
万0979台と、前年同月を17カ月連続で上回った。また、インド政府は11月9日に高額ルピー紙幣を廃止し、新
紙幣の供給不足による景気への影響が懸念されているが、販売台数はほぼ横ばいだった。
最大手のスズキ子会社、マルチ・スズキは同14.1%増の12万6220台。地元メーカーのタタ自動車も好調な
販売実績だった。乗用車はローンでの購入が主流で、紙幣廃止の影響を大きく受けなかったとみられる。
一方、商用車は同11.6%減の4万5773台。小型車を中心に現金で購入するケースが多く、紙幣廃止の影響を
受けたとみられ、乗用車と明暗を分けた。
Futures 24
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▽EU=2カ月ぶりのプラス
欧州自動車工業会(ACEA)が2016年12月15日発表した、11月の欧州連合(EU)域内の新車(乗用車)
販売台数は前年同月比5.8%増の114万8618台と、2カ月ぶりにプラスに転じた。
首位の独フォルクスワーゲン(VW)のシェアは0.2ポイント上昇の24.6%となり、排ガス不正による低下傾
向に歯止めがかかった。同社の販売は6.5%増。2位の仏ルノーは16.8%増、トヨタ自動車は6.2%増だった。
国別ではスペインが13.5%増と2桁増となったほか、フランス(8.5%増)
、イタリア(8.2%増)も好調だ
った。
1月-11月の累計販売台数は前年同期比7.1%増の1349万7541台。
●米自動車販売、2017・18年は減少の見通し=割引販売に懸念
自動車業界関連の大手調査会社ワーズオートは2016年12月8日、米国の自動車販売台数が2017年は約17
20万台と、今年(推計)の1740万台からやや減少するとの予想を示した。また、2018年は1680万台に一
段と減少すると予想したか、2022年までこの数字が最低ラインになるとの見方を示した。
同社のアナリスト、ヘイグ・ストッダード氏はワーズオート主催の業界に関する会合で、米自動車販売は2023年
まで昨年と今年に見られたような過去最高水準には回復しないとしている。
同氏はまた、新車の販売価格に対する割引の比率がここ数カ月は過去最高水準に達していると指摘。利益の圧迫要因
になる販売促進に向けた割引へのメーカー各社の対応が来年初めの数カ月に試されるとした。
シカゴ地区連銀のシニア・ビジネスエコノミスト、ポール・トラウブ氏も、メーカー各社の割引について懸念を表明。
販売促進のために割引を行うことで将来の販売を先取りしている可能性があるとし、市場シェア維持に向け消費者に割
引を提供する手法はやめるようメーカー各社に助言したいと述べた。
メーカー別の市場シェアについてストッダード氏は、新車のラインアップが多いゼネラル・モーターズ(GM)が向
こう数年間で最も大きくシェアを伸ばすと予想。一方、新車が少ないフォード・モーターのシェア拡大は鈍いとの見方
を示した。
2017年の米自動車販売台数の他社の予想は、LMCオートモーティブが1740万台、バークレイズが1680
万台としている。
Futures 24
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●米新車市場、成熟へ=17年は減少か
金融危機後の景気回復とともに2010年から6年連続で拡大してきた米新車市場が成熟期に差し掛かっている。2
016年は前年並み、17年は縮小に転じるとの見方が濃厚で、限られたパイをめぐり、激しい競争が繰り広げられそ
うだ。
米国では、新車販売を支えてきた原油安や低金利、雇用の改善といった経済環境が2016年も継続し、2年連続で
過去最高を記録。ただ、各社の積極的な販促活動が販売を下支えしている面もあり、8月から3カ月連続で前年割れす
るなど減速の兆しが見え始めている。
既に市場規模はピークに達したとの見方が優勢で、全米自動車ディーラー協会(NADA)も「市場は成長から安定
に向かう」として、17年は1710万台に縮小すると予想した。
各社はこれまで、市場拡大を背景に新型車投入や増産を続けてきたが、
「全員が勝者になれる時代の終わり」
(エコノ
ミスト)を迎える。価格競争のみならず、自動運転やインターネット接続の活用など先端技術導入による差別化で、顧
客を奪い合うことになりそうだ。
●中国、小型乗用車減税を1年延長=景気支援の「目玉」続行―財政省発表
中国財政省は2016年12月15日、年末で終える予定だった小型乗用車減税を1年延長すると発表した。延長し
なければ販売が大きく落ち込むと判断し、景気支援の「目玉」の続行を決めた。
中国は2015年10月から16年末まで、排気量1600cc以下の乗用車を対象に、自動車取得税の税率を本来
の10%から5%に下げている。17年は、税率を7.5%に引き上げつつも、減税を続ける。
中国は世界最大の自動車市場。減税に支えられ、16年1月-11月の新車販売台数は前年同期比14.1%増の2
495万台と好調だった。年明け以降の販売急減が懸念されていたが、業界は「減税延長でほっとしている」
(日系大
手メーカー関係者)と歓迎している。
マイカーブームが続く中国では、地方都市を中心に、乗用車を初めて購入する意欲が旺盛。メーカー各社は17年も、
スポーツ用多目的車(SUV)などの新モデルを積極的に投入する見通しだ。
●投資需要
▽南アフリカの白金ETF
南アフリカのアブサ・キャピタルの白金上場投資信託(ETF)
、ニュー・ゴールド・プラチナム(ニュープラット)
の現物保有高は、1月11日現在で昨年11月末0.01トン減少の24.30トン。
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▽NYの白金ETF
ニューヨーク証券取引所(NYSE)で上場されている、英国のETFキュリティーズの子会社が運営する白金ET
F「ETFフィジカル・プラチナム・シェアーズ」の現物保有量は、1月11日現在で昨年11月末比0.02トン減
少の16.25トン。
▽米CFTC
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したNY白金の建玉報告によると、ファンド筋の買い越しポジションは4
0トン前後での推移。
◆外部要因
●中国
▽16年11月の中国貿易統計=輸入が約2年ぶりの高い伸び
中国税関総署が2016年12月8日発表した11月の貿易統計によると、輸入は前年同月比6.7増の1522億
ドルと3カ月ぶりに前年水準を上回り、2014年9月以来の高い伸びとなった。鉄鉱石や石炭など資源への旺盛な需
要が押し上げ要因となった。また、国内外の需要回復を受け、輸出は同0.1%増の1968億ドルと予想外の増加と
なった。市場予想は輸入が1.3%減、輸出は5.0%減。
輸出から輸入を差し引いた貿易収支は446億ドルの黒字。
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▽16年12月の中国製造業PMI、51.4に減速=50超は5カ月連続
中国国家統計局は1月1日、2016年12月の製造業の購買担当者景況指数(PMI)が51.4になったと発表
した。5カ月連続で景気判断の分かれ目となる50を上回ったが、前月の51.7からは減速。当局のバブル抑制に向
けた取り組みが、効果をあらわし始めた可能性がある。市場予想は51.5。
▽16年12月の中国製造業PMI、51.4に減速=50超は5カ月連続
英調査会社マークイットと中国メディア「財新」が1月3日発表した2016年12月の製造業PMI(購買担当者
景況指数)は季節調整済みで51.9と、前月の50.9から1.0ポイントの大幅な上昇で、2013年1月以来3
年11カ月ぶりの高水準。市場予想は50.7。与信と建設業の伸びにより、PMIは勢いを緩やかながらも増しつつ
ある。
●17年の中国、成長減速続く=トランプ政権下で輸出低迷も
中国の経済成長率は2017年も減速が続く見通しだ。今月20日に発表される16年の成長率は6.7%程度と、
26年ぶりの低い伸びにとどまることが確実視され、17年はこれを下回る6.5%前後になるとの予想が相次ぐ。ト
ランプ次期米政権下で貿易摩擦が激化すれば、輸出低迷で一段の成長減速が避けられない。
政府系シンクタンクの国家情報センターはこのほど、
「成長の新たな原動力が足りず、下振れ圧力は大きい」と指摘。
17年の成長率は6.5%前後に鈍化せざるを得ないとの予測を公表した。
同様の予想は他の政府系研究機関や外資系金融機関も示しており、3月5日開幕の全国人民代表大会(全人代=国会)
で、成長目標が16年の6.5-7.0%から引き下げられるかが焦点だ。
同センターは目標を6.5%前後に設定すべきと主張。中国人民銀行(中央銀行)の金融政策委員会メンバー、黄益
平・北京大学国家発展研究院副院長は国営新華社通信とのインタビューで、6.0-7.0%と余裕を持たせるよう提
案した。
今年秋、5年に1度の共産党大会が開かれ、習近平総書記(国家主席)が2期目に入る。
「経済不安を抱えたままで
は権力基盤に響く」
(党関係者)ため、予想外の急減速を避ける必要がある。
住宅バブルへの警戒から、追加金融緩和には踏み切りにくい状況にあり、鉄道整備など公共投資拡大や各種の減税で
下支えを続けるとみられる。
一方、最大の不透明要因はトランプ氏だ。中国製品に高率関税を課す強硬策を断行すれば、中国の製造業は大きな打
撃を被る。米国は欧州連合(EU)と並ぶ2大輸出先であり、対米出荷が滞れば中小企業の倒産が相次ぐ事態になりか
ねない。
Futures 24
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●米国
▽16年第3四半期の米GDP、3.5%増に上方修正=設備投資が拡大
米商務省が16年12月22日発表した16年第3四半期(7月-9月)の実質GDP(国内総生産)確定値は、季
節調整済み年率換算で前期比3.5%増となり、11月下旬に発表された改定値(3.2%増)から上方修正された。
設備投資が大幅に拡大したほか、個人消費も増加し、2014年7〜9月期(5.0%増)以来2年ぶりの伸びとなっ
た。市場予想(ロイター通信調べ)の3.3%増を上回った。
米経済の堅調な拡大基調が示されており、連邦準備制度理事会(FRB)が想定する緩やかな利上げには追い風。た
だ、トランプ次期政権の政策の行方は不透明で、FRBは情勢を見極めながら慎重に金融政策の正常化を進める方針。
●世界経済
▽世界成長2.7%に下方修正=米国の政策、不透明―世銀見通し
世界銀行は1月10日発表した世界経済見通しで、2017年の世界全体の成長率を2.7%とし、昨年6月時点の
予想(2.8%)から下方修正した。トランプ次期米大統領や欧州諸国の政策の不透明性が悪影響を与え得ると指摘。
日本の成長率は0.9%に引き上げた。
米国の成長率は、トランプ次期政権の財政政策の実現性が不明なため、2.2%に据え置いた。次期政権が公約通り
の減税を実施すれば、最大2.5%に上昇すると分析。一方、保護主義的な政策は成長を減速させると警告した。
世銀のコーゼ開発見通し局長は、米国は経済規模が大きいため、
「政策を方向転換すれば世界に影響を及ぼす」と表
明した。
日本は消費税の増税延期と財政刺激策の効果を見込み、上方修正。米国などの通商政策の変更や高齢化の進展が成長
を押し下げる可能性も指摘した。
世界成長率の下方修正は、欧州や新興・途上国の投資の停滞が要因。ユーロ圏はフランス大統領選やドイツ総選挙な
どを控え、政策の不透明性があると指摘。難航する英国の欧州連合(EU)離脱手続きもリスクに挙げた。
原油など資源価格が回復し、ロシアとブラジルは成長が上向く見通し。鈍化が懸念される中国経済は景気対策を想定
し、6.5%の予想を維持した。
◆世銀の主要国・地域成長率見通し
17年
18年
世界全体
2.7(― 0.1)
2.9(― 0.1)
日本
0.9(+ 0.4)
0.8(+ 0.1)
米国
2.2(
0.0)
2.1(
0.0)
ユーロ圏
1.5(― 0.1)
1.4(― 0.1)
中国
6.5(
0.0)
6.3(
0.0)
ロシア
1.5(+ 0.1)
1.7(― 0.1)
ブラジル
0.5(+ 0.7)
1.8(+ 1.0)
インド
7.6(― 0.1)
7.8(+ 0.1)
(注)実質GDP伸び率、単位%。カッコ内は昨年6月予想との比較、+は上方修正、―は下方修正
Futures 24
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◆原油相場概況(昨年12月)
●NY原油=15年7月以来の高値
石油輸出国機構(OPEC)が昨年11月30日に開いた総会で、日量120万バレル規模の減産で合意したことで
急伸した地合いを引き継いで、12月1日のニューヨーク原油(WTI)は一時1バレル=51.80ドルまで上昇。
ロシアなど非OPEC加盟国も協調減産に前向きとの見方も好感され、5日には52.42ドルまで値を伸ばした。そ
の後は、ロシアの原油生産がソ連崩壊以降で最高水準に達したことが明らかとなったほか、OPECの11月産油量も
過去最高水準で高止まりしているため、減産規模が不十分との見方が浮上し、8日に49.61ドルまで反落した。
OPECとロシアなど非加盟国はウィーンで会合を開き、非加盟国がOPECと協調して日量55万8000バレル
減産することで合意。OPECの減産量と合わせて日量180万バレル弱の協調減産が実施されることになり、世界的
な供給過剰が解消に向かうとの期待が広がる格好となり、12日には54.51ドルまで上昇。約1年5カ月ぶりの高
値圏に浮上した。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を0.25%引き上げた。
また、20017年の利上げペースについて従来見通しの2回から3回に加速する可能性を示唆したため、為替相場で
ドルが急伸。ドル建てNY原油相場に相対的な割高感が浮上したため、15日に一時50ドル割れを演じた。
ただ、米金融大手ゴールドマン・サックスがWTIの価格見通しを当初予想の55ドルから57.50ドルに上方修
正したことを手掛かりに再び買い物が優勢の展開。21日には一時53.79ドルまで切り返した。減産を免除されて
いるリビアの国営石油会社が、今後3カ月間で日量27万バレル増産が見込まれると表明したことや、米エネルギー情
報局(EIA)週報で、予想外の原油在庫の積み増しが示されたため、値を削る場面がみられたものの、クウェートの
マールゾウク石油相が、各国の減産実施状況を監視する委員会が2017年1月前半に開かれるとの見通しを明らかに
したことで再び買い物が優勢となり、28日は54.37ドルまで上昇した。
Futures 24
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◆原油相場展望
●NY原油=上値の重い展開に
新年1月3日のニューヨーク原油(WTI)相場は、石油輸出国機構(OPEC)など主要産油国による協調減産へ
の期待から買い物が先行し、一時1バレル=55.24ドルまで上昇、昨年7月以来の高値圏に浮上した。しかし、米
石油サービス会社ベーカー・ヒューズが6日に公表した石油掘削リグ稼働数は529基と前週から4基増加、2015
年12月以来の高水準に達した。このため米国の原油生産が増加し、OPEC加盟・非加盟国による協調減産の効果が
削がれるとの見方が浮上したほか、米エネルギー情報局(EIA)が2017年の米原油生産量見通しを引き上げたこ
となどから、10日に一時50.71ドルまで売られる格好となった。
1月に入り、協調減産に参加している産油国の一部から減産開始を示唆する生産状況が公表されているものの、イラ
ク石油販売公社(SOMO)が、2月の南部バスラ港の原油輸出量を過去最高となる日量364万1000バレルに増
やす計画を示したほか、ロシアが1月初旬に減産したとされる日量10万バレルについては、年末から年明けにかけて
シベリアで異常低温を記録した影響で石油掘削作業が停止したためとみられ、計画された減産ではないと指摘されるな
ど、減産履行に対する懐疑的な見方が根強いため、上値の重い展開となりそうだ。
今後はOPECや国際エネルギー機関(IEA)が発表する月報のほか、21-22日にウィーンで開かれる「減産
監視委員会」が注目材料。協調減産の履行が確認されれば、NY原油相場は再び55ドル台を窺うと期待される。ただ、
減産が不調となった場合の下振れを警戒する必要があるだろう。
Futures 24
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◆原油需給動向
●OPEC・非OPEC加盟国=15年ぶりの協調減産
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟の主要産油国は昨年12月10日にOPEC本部(ウィーン)で
会合を開き、15年ぶりとなる協調減産で合意した。OPECはこれに先立ち11月末の総会で日量120万バレルの
減産で合意。ロシアなど非OPEC加盟国も協調し、合計で約180万バレルの減産規模となった。
非加盟国ではロシアが減産の中核を担い日量30万バレルの減産に応じる。メキシコの10万バレルのほか、オマー
ンやアゼルバイジャン、カザフスタンなども追随。非加盟11カ国が合計で55万8000バレル減産する。減産実施
は1月から6カ月間。5月に開かれるOPEC総会で延長や修正について協議される。また、減産の実施状況を確認す
るため、アルジェリア、クウェート、ベネズエラのほか、非加盟のロシアとオマーンの5カ国で構成する監視委員会を
設置する。
●減産監視委員会を1月下旬に開催
石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟産油国は、1月21-22日にウィーンで減産監視委員会の開催を予定
している。
バーキンドOPEC事務局長は、ロシアのノバク・エネルギー相とサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物
資源相が出席すると言明した。また、OPEC議長国カタールのサダ・エネルギー相のほか、サウジアラビアのファリ
ハ・エネルギー産業鉱物資源相などOPECの主要産油国の担当相も出席の見通し。減産監視委員会はOPEC加盟3
カ国(クウェート、ベネズエラ、アルジェリア)に加え、非OPEC産油国2カ国(ロシア、オマーン)で構成される。
●産油国の動向
◆サウジアラビア
サウジ国営石油会社サウジアラムコは、2月の原油供給量を3~7%削減する方向で、海外の取引先との交渉に乗り
出した。昨年11月の石油輸出国機構(OPEC)の減産合意履行に向けた動きとみられる。
サウジは昨年10月の産油量(1054万4000バレル)の4.61%に当たる日量48万6000バレルの減産
で合意した。ファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、アラムコが欧米やアジアの取引先への供給を大幅に削減したと
して、今年1月の産油量が合意以上の減産となる可能性を示唆した。
◆ロシア
ロシアはOPECとの協調減産合意を受け、1月初めの産油量を前月よりも日量約10万バレル削減した。エネルギ
ー業界の関係筋が明らかにした。
同筋によれば、ロシアの1月1~8日の石油・ガスコンデンセート生産量は平均で、日量1110万バレル。昨年1
2月の1121万バレル、協調減産の基準となる10月の1124万7000バレルをそれぞれ下回った。
ノバク・エネルギー相は協調減産合意後、産油量の目標値を日量1094万7000バレルとすることを表明。その
後、合意に従い、2017年第1四半期の減産量を日量20万バレル、その後30万バレルにする計画を明らかにして
いる。
◆イラク
イラクのルアイビ石油相は声明で、OPECの減産合意に基づき、年初から日量16万バレルの減産を実施したと述
べた。今月末までに同21万バレル減産する意向。
◆カザフスタン
カザフスタン・エネルギー省は、世界の主要産油国による原油の協調減産合意に従い、1月初めに生産を日量2万バ
レルの削減。
◆アゼルバイジャン
Futures 24
アゼルバイジャン・エネルギー省のスポークスマンは、OPECの減産合意に従い、減産を開始。
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●原油需給見通し
◆石油輸出国機構(OPEC)12月月報(1月月報は18日公表)
OPECは昨年12月の月報で、原油市場の需給が2017年後半に均衡に向かうと予測した。主要産油国が15年
ぶりに協調減産で合意したことを受け、市場の供給過剰の解消が進むとした。
17年のOPEC産原油に対する需要は日量3260万バレルと、OPECが減産で合意した同3260万バレルを
上回ると見込んだ。ただ、17年前半は供給過剰が残るものの、年後半は需要が供給を上回るとした。
非加盟国の供給については予測を引き上げた。原油価格の上昇を受けて、協調減産に参加していないブラジルやカナ
ダなどの生産が伸びると予測。米国は前年比で減少するとしており、シェールオイルの生産が急回復することは想定し
ていない。
◆国際エネルギー機関(IEA)12月月報(1月月報は19日公表)
IEAは昨年12月の石油市場月報で、世界の石油需要は来年、想定よりも大きく伸びるとの見通しを示した。ただ、
主要産油国による協調減産の影響を正確に評価するには時期尚早だと指摘した。
IEAによると、中国とロシアの消費見通しの修正により、今年の世界石油需要見通しを日量12万バレル引き上げ
140万バレルとした。2017年については11万バレル上方修正し、130万バレル。
IEAは「OPEC加盟・非加盟各国が約束通りに減産を実施すれば、世界の原油在庫は17年上半期にも減少し始
める可能性がある」として、石油市場が来年初めに60万バレルの供給不足となる可能性を示した。ただ、これはあく
までも減産合意に基づく予測であることを強調した。
◆米エネルギー情報局(EIA)1月月報
EIAは1月10日に公表した月報で、2017年の世界石油需要の伸び予想を日量163万バレルと、従来予想か
ら7万バレル上方修正した。
18年の世界石油需要は17年から同151万バレル増加し、同9871万バレルに達すると予想した。
またEIAは同日公表した1月の短期エネルギー見通しで、米国内産油量について、2017年は原油価格の上昇や
掘削活動の復調を背景に、2014年半ば以降続いた米原油生産減少に歯止めがかかりそうだとの見方を示した。
17年の原油生産を前年比日量11万バレル増の900万バレルと予想。前月予想は8万バレル減だった。18年は
30万バレル増の930万バレルを見込んだ。
石油需要の伸びについては、17年は日量26万バレルと、従来予想の24万バレルから引き上げた。18年は37
万バレル増の2022万バレルとなる見通し。
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◆大豆相場概況(昨年12月)
●シカゴ大豆=一時は約1カ月ぶりの安値
昨年12月シカゴ大豆相場は、南米産地の好天観測を背景に2日にかけて4営業日続落して始まった後は、米国産大
豆の好調な輸出需要を受け、6日に11月28日以来の高値を付けるとともに、12月高値(1061.75セント)
を付けた。
ただ、その後はアルゼンチン産地の降雨予報や植物油の下落などから8日に急落した後も、年末を控えたファンドの
売りなどから徐々に値位置を切り下げ、22日に11月21日以来約1カ月ぶりに1000セントの大台を割り込み、
23日には11月18日以来約1カ月ぶりの安値を付けるとともに、12月安値(987.75セント)を付けた。
26日の休場を挟んだ翌営業日となる27日には引き続き好調な輸出需要を背景に大幅高となったものの、年末にか
けては南米産地の作柄改善観測などから、再び1000セント近辺に引き戻されている。
Futures 24
30 |
◆とうもろこし相場概況(昨年12月)
●シカゴ・トウモロコシ=一時は約4カ月半ぶりの高値
12月のシカゴ・トウモロコシ相場は、1日に発表された週間輸出成約高が低調な内容となったことから、9月30
日以来約2カ月ぶりの安値を付けるとともに、12月の安値(331.00セント)を付けた。
その後、安値拾いの買いや堅調な現物市場を背景に5日に大幅高。9日の米農務省需給報告で、期末在庫が予想を下
回ったほか、引き続き堅調な現物市場などを背景に、13日には7月14日以来約4カ月半ぶりの高値を付けるととも
に、12月の高値(364.75セント)を付けた。
ただ、その後はアルゼンチン産地の好天観測などから、23日にかけて下値を切り下げ約3週間ぶりの安値を付ける
場面も見られたが、27日に大豆や小麦の上昇に連れる格好で大幅高となった後、ドル安などを背景に戻り歩調となり、
1月上旬には360セント近辺で推移している。
Futures 24
31 |
◆穀物相場展望
●1月の展望
1月のシカゴ穀物相場は、トウモロコシは上値余地を残す一方、大豆は来月にかけて軟化の可能性も。
1月の需給報告では、2016~17年度の米国産大豆とトウモロコシの生産高が確定する。昨年12月報告からど
の程度修正されるかが焦点になるが、いずれも過去最高の豊作になることが市場には既に織り込まれており、新規の売
り材料にはならないとみられる。
むしろ、トウモロコシは需要の増加や四半期在庫の減少といった強材料が浮上する可能性の方が高いとみられるため、
昨年12月13日の直近高値364.75セントを上抜くと、昨年7月以来約1年半ぶりとなる370セント水準を試
す可能性が強まりそうだ。
また、大豆は農務省が昨年12月需給報告で、米大豆の輸出高を20億5000万ブッシェルと予測したが、1月報
告でさらに上方修正すると予想される。ただ、大豆は直近の米国の週間輸出成約高が今季最低を記録しており、季節的
な需要減退をうかがわせていることから、今後も米国産大豆の需要減退傾向が続くようであれば、来月にかけて下値を
試す可能性が強まりそうだ。
◆穀物需給動向
●四半期在庫、コーン、大豆ともに過去最高を予想=ロイター調査
米農務省は1月12日、米国産農産物の四半期在庫報告(2016年12月1日時点)を発表する。ロイター通信が
9日までにまとめた市場予想調査結果によると、コーンの予想平均値は前年同期比9.5%増の123億ブッシェル、
大豆は8.1%増の29億3500万ブッシェル。予想通りなら、12月1日時点の在庫としてはいずれも過去最高と
なる。
予想レンジは、コーンが116億~127億ブッシェル、大豆は27億4500万~31億1900万ブッシェル。
農務省が16年9月末に発表した9月1日時点の在庫は、コーンが0.4%増の17億3777万1000ブッシェ
ル、大豆は3.4%増の1億9704万5000ブッシェルだった。
●ブラジルのコーンと大豆の生産高、上方修正か=ロイター調査
ロイター通信は1月9日までに、1月農産物需給報告の市場予想調査結果をまとめた。2016~17年度のブラジ
ルのコーン生産高の予想平均は8724万トンと、12月報告(8650万トン)から上方修正が見込まれている。大
豆も1億0240万トン(12月報告1億0200万トン)と、引き上げが予想されている。予想レンジは、コーンが
8650万~9110万トン、大豆は1億0170万~1億0450万トン。
一方、アルゼンチン産コーンの生産高の予想平均は3630万トン(同3650万トン)
、大豆は5648万トン(同
5700万トン)に、それぞれ下方修正されると見込んでいる。予想レンジは、コーンが3400万~3750万トン、
大豆は5400万~5800万トン。
Futures 24
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●ブラジル、16~17年度大豆生産見通しが過去最高に=Conab見通し
ブラジル国家食糧供給公社(Conab)は1月10日、2016~17年度の同国大豆生産見通しを1億0380
万トンと、16年12月時点の予想(1億0245万トン)から上方修正した。実現すれば過去最高となる。作付面積
拡大や好天で収穫量が増えると見込んだ。
15~16年度は干ばつの影響で9540万トンだった。
コーンの生産見通しは8450万トンと、前回予想の8380万トンから上方修正。干ばつに見舞われた前年度は6
660万トンだった。
綿花は前年度比10%増の142万トン。小麦は前年度を約100万トン上回る673万トンと、過去最高水準に達
する見込み。
増加の理由として、Conabは「天候不順だった前年度と比べて、農産物の平均イールドが改善している」と述べ
た。
●17年の米大豆作付け=9000万エーカーも
2017年の米大豆作付面積はさらに拡大し、過去最大になるのがほぼ確実な情勢だ。先物市場の収益性に関する指
標は、作付けが従来の予想をはるかに上回る水準に達するのに十分な理由を示している。
米農務省は先月の長期見通しで、17年春の大豆作付面積は8550万エーカーと、16年に比べ180万エーカー
拡大すると予想した。
ただ、収益性を踏まえると、見通しはこれでも控えめかもしれない。過去の状況から、17年の大豆作付面積は90
00万エーカーの大台を超える可能性もある。
新穀大豆(17年11月きり)とコーン(17年12月きり)の先物価格の比価は、生産者の収益性を示す主な指標
だ。それによると、大豆の収益性は過去2カ月で20年ぶりの大きさとなっている。
●中国の圧砕業者=大豆購入減速
中国ではここ数週間、大豆圧砕業者による大豆購入が減速している。価格高騰で収益が圧迫される中、圧砕業者は春
節(旧正月)を控え、大量に積み上がった在庫を前にしている。価格高に加えて、大豆油と大豆ミールの需要減少が収
益を損ね、圧砕マージンは年初来で半分以上も減少した。
中国東部沿岸の山東省で有数の大豆加工地、日照市のマージンはトン当たり53元(7.65ドル)と、昨年9月以
来の低水準に落ち込んでいる。北京市の取引業者は「これまで在庫を積み増しすぎたため、買い意欲が後退している。
特に春節が近いのだからなおさらだ」と説明した。
中国は昨年11月、約1年ぶりとなる大量の大豆を輸入した。これにより、大豆先物相場は18%上昇し、1年半ぶ
り高値のトン当たり4400元を付けた。
Futures 24
33 |
◆2016年12月の価格データ
*東京金は夜間取引を含んだ価格、26日からは17.12月限。*NY金は中心限月、2日までは16.12月限。
東京金
2017.10月限
日 始値 高値 安値
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
4282
4281
4282
4270
4268
4272
4275
4282
4285
4285
4280
4296
4289
4285
4284
4280
4258
4250
4290
4296
4281
4301
4285
4292
4274
4280
4300
4286
4293
4294
4287
4303
4296
4297
4289
4291
4283
4251
4259
4261
4244
4257
4270
4268
4268
4277
4265
4270
4260
4276
4265
4265
4258
終値
4284
4278
4271
4268
4267
4280
4279
4282
4286
4279
4296
4280
4284
4284
4281
4260
2017.2月限
始値
高値
安値
終値
1172.70
1172.30
1182.60
1172.80
1171.40
1176.10
1172.50
1161.40
1164.50
1159.80
1143.80
1130.50
1136.10
1139.80
1134.00
1133.20
1130.00
1174.60
1177.30
1190.20
1177.10
1182.30
1180.70
1173.80
1167.90
1167.00
1168.00
1146.00
1143.20
1144.40
1141.70
1138.80
1135.50
1137.30
1160.00
1166.40
1158.60
1168.10
1167.20
1170.90
1157.60
1152.50
1156.30
1140.00
1124.30
1128.50
1135.50
1127.30
1131.00
1128.60
1129.50
1166.90
1175.10
1176.50
1170.10
1177.50
1172.40
1161.90
1165.80
1159.00
1163.70
1129.80
1137.40
1142.70
1133.60
1133.20
1130.70
1133.60
ドル建て金現物
始値
高値
安値
1172.90 1176.69 1160.38
1171.01 1177.99 1166.16
1182.72 1187.71 1157.00
1170.08 1175.30 1166.42
1169.54 1180.20 1165.25
1173.56 1178.53 1168.79
1170.36 1172.10 1156.05
1158.92 1165.76 1151.34
1162.07 1164.78 1154.33
1158.26 1164.97 1139.34
1143.71 1144.40 1122.35
1128.34 1141.19 1126.36
1133.96 1142.32 1133.76
1138.94 1139.68 1125.23
1131.76 1137.12 1128.90
1131.70 1134.08 1127.34
1128.50 1135.74 1127.79
4258 4245
4250
1133.56 1133.56 1133.56
4273 4238
4270 1135.30 1151.70 1132.80 1138.80 1133.56 1148.98 1131.35
4298 4272
4298 1139.30 1145.10 1137.10 1140.90 1139.24 1144.44 1136.14
4296 4277
4286 1143.10 1160.60 1142.60 1158.10 1142.31 1159.50 1140.73
4338 4273
4330 1159.50 1164.30 1150.30 1151.70 1158.30 1163.14 1149.11
*東京白金は夜間取引を含んだ価格、26日からは2017.12月限を提供。*NY白金は中心限月。
東京白金 2017.10月限
日 始値 高値 安値
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
NY金
終値
3324
3332
3350
3382
3426
3404
3447
3427
3389
3425
3449
3500
3439
3476
3469
3470
3352
3349
3394
3433
3467
3456
3453
3440
3450
3455
3515
3500
3519
3485
3489
3470
3295
3304
3332
3379
3402
3393
3411
3370
3387
3413
3447
3374
3413
3425
3418
3426
3338
3342
3387
3429
3403
3444
3426
3393
3424
3442
3500
3433
3469
3468
3465
3440
3419
3394
3422
3414
3386
3420
3405
3430
3415
3391
3380
3375
3400
3373
3365
3397
3392
3419
3391
3388
NY白金
2017.1月限
終値
1170.91
1176.88
1170.18
1169.64
1173.90
1170.46
1157.75
1162.12
1157.96
1144.12
1128.34
1133.99
1138.66
1131.80
1131.41
1128.60
1133.11
1133.56
1138.85
1142.05
1158.24
1151.46
ドル建て白金現物
始値
高値
安値
終値
始値
高値
安値
終値
912.80
916.80
931.70
938.30
935.20
942.40
938.10
913.50
933.50
936.60
924.00
895.80
926.30
917.30
921.10
917.50
907.10
918.20
935.70
941.80
953.00
950.90
952.90
940.20
936.30
939.90
948.50
934.90
935.40
931.90
924.40
922.50
921.00
911.40
898.50
914.20
924.70
934.10
928.00
935.40
912.50
910.80
924.30
922.30
888.70
895.20
915.00
901.30
910.10
906.20
891.90
911.30
932.70
938.60
935.70
943.20
943.80
915.00
933.70
936.70
940.80
893.60
934.10
917.30
924.00
914.40
907.40
893.20
898.00
905.20
900.70
899.90
911.90
908.30
907.40
906.70
894.20
891.60
896.00
898.20
904.10
899.60
897.80
901.60
910.90
915.80
936.90
936.10
933.40
940.40
938.60
908.50
931.40
934.80
923.80
896.20
925.00
913.74
919.40
914.90
901.50
891.25
894.90
902.70
899.40
897.70
917.60
934.80
940.40
952.00
949.20
952.20
939.80
935.40
938.80
947.00
933.10
934.40
930.40
923.20
921.00
919.40
909.60
891.25
910.60
907.80
908.00
907.90
893.50
909.00
920.00
928.50
922.50
930.00
907.50
906.00
919.30
916.67
885.00
892.00
910.00
897.00
904.50
900.75
886.25
888.49
890.10
887.80
892.75
893.74
911.00
927.00
933.98
933.90
936.00
938.50
914.20
931.30
932.24
923.80
893.49
926.60
916.70
915.74
914.90
901.99
888.98
888.49
900.49
896.99
897.70
899.74
Futures 24
34 |
*東京原油は夜間取引を含んだ価格。 *NY原油は中心限月。
東京原油
日
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
始値
高値
2017.5月限
安値
終値
35960
36360
36910
37400
37900
37510
36790
37780
40030
39180
38730
38890
39100
39670
39540
40130
36630
37880
37520
38280
38170
37760
37840
40240
40420
39680
39170
39390
39960
39810
40300
40270
35820
35950
36420
37250
37080
36650
36710
37640
38860
38620
38210
38310
38750
39040
39530
39370
36630
36770
37150
37900
37500
36800
37770
39990
39100
38700
38760
39170
39720
39480
40110
39370
39420
39690
39770
40420
40090
39920
39890
40630
40780
40640
39200
39440
39660
40090
40090
39770
39600
40440
40240
40610
NY原油
始値
高値
2017.1月限
21日から2月限
安値
終値
49.07
51.01
51.46
50.97
50.93
49.88
50.92
52.58
52.51
52.45
50.79
51.10
52.15
52.11
53.56
52.52
52.68
51.80
51.73
52.42
51.60
51.20
50.90
51.66
54.51
53.41
52.78
51.48
52.08
52.52
52.70
53.79
53.19
53.28
48.98
50.18
50.93
50.28
49.72
49.61
50.86
52.18
52.35
50.67
49.95
50.50
51.51
51.85
52.32
52.08
52.26
51.06
51.68
51.79
50.93
49.77
50.84
51.50
52.83
52.98
51.04
50.90
51.90
52.12
52.23
52.49
52.95
53.02
53.29
53.93
53.66
53.87
54.10
54.37
54.21
54.09
53.03
53.56
53.46
53.41
53.90
54.06
53.77
53.72
ドル・円
始値
高値
安値
終値
114.41
114.03
113.25
113.75
114.03
113.76
113.97
115.26
115.01
115.16
117.12
118.13
117.94
117.14
117.81
117.53
117.57
117.04
117.04
117.44
117.19
116.58
114.82
114.19
114.77
114.18
114.39
114.36
115.36
116.12
115.47
117.38
118.65
118.42
117.97
118.24
118.06
117.87
117.61
117.38
117.61
117.81
117.26
117.19
113.83
113.34
112.86
113.49
113.41
113.12
113.92
114.85
114.74
114.77
116.95
117.47
116.55
116.98
117.10
117.27
117.15
116.97
117.03
117.05
116.22
116.04
114.08
113.61
113.71
114.07
113.75
113.97
115.23
115.01
115.13
117.32
118.02
117.91
117.07
117.78
117.55
117.55
117.34
117.05
117.43
117.12
116.66
116.79
*シカゴ穀物は中心限月、コーンは1-2日まで2016.12月限。
シカゴ大豆
2017.1月限
シカゴ・コーン
2017.3月限
ユーロ・ドル
日
始値
高値
安値
終値
始値
高値
安値
終値
始値
高値
安値
終値
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
1033.50
1033.00
1030.50
1042.50
1047.00
1049.00
1026.00
1041.75
1031.25
1027.25
1023.50
1029.25
1034.00
1021.25
1005.25
1007.75
994.25
1040.00
1037.75
1049.75
1061.75
1053.00
1049.00
1039.50
1047.50
1038.75
1029.25
1038.50
1038.00
1039.00
1024.00
1012.25
1008.75
996.75
1022.25
1026.50
1027.75
1039.00
1039.75
1023.50
1021.50
1026.50
1025.25
1020.75
1018.50
1023.00
1020.50
1004.00
1005.00
993.50
987.75
1029.75
1027.50
1043.50
1047.75
1049.00
1027.00
1037.50
1031.00
1028.00
1023.75
1029.00
1036.75
1021.50
1005.25
1006.75
994.50
989.00
337.00
332.75
347.00
358.00
359.25
357.75
354.00
359.00
360.00
360.75
361.50
356.00
356.00
353.25
350.00
347.25
347.00
338.25
338.00
359.75
364.00
360.50
360.00
359.75
361.00
364.75
362.00
363.00
359.00
356.75
353.75
351.25
348.00
347.75
331.00
332.75
347.00
357.50
356.00
350.25
351.25
356.00
359.25
358.25
356.25
353.50
351.50
349.25
346.75
346.00
345.50
331.75
337.50
359.25
360.50
358.00
353.50
359.50
360.50
361.00
362.00
356.50
356.25
353.25
350.25
347.25
347.25
345.75
989.75
1014.00
1006.50
1003.50
1015.25 989.25 1014.75
1018.75 1001.50 1006.75
1014.25 1002.00 1003.25
1010.50 995.00 996.50
346.50
354.25
348.25
349.50
356.00
354.75
351.00
353.00
346.25
347.25
347.50
347.75
355.00
348.25
349.75
352.00
1.0597
1.0659
1.0644
1.0762
1.0720
1.0763
1.0616
1.0530
1.0633
1.0620
1.0533
1.0412
1.0428
1.0399
1.0389
1.0430
1.0433
1.0456
1.0456
1.0455
1.0406
1.0484
1.0659
1.0689
1.0796
1.0784
1.0767
1.0862
1.0629
1.0651
1.0667
1.0668
1.0540
1.0473
1.0479
1.0417
1.0450
1.0498
1.0468
1.0470
1.0463
1.0479
1.0493
1.0649
1.0584
1.0624
1.0504
1.0699
1.0709
1.0597
1.0532
1.0524
1.0602
1.0497
1.0366
1.0400
1.0394
1.0352
1.0382
1.0420
1.0426
1.0436
1.0431
1.0371
1.0404
1.0479
1.0650
1.0662
1.0761
1.0716
1.0764
1.0616
1.0555
1.0637
1.0623
1.0510
1.0415
1.0442
1.0404
1.0390
1.0429
1.0436
1.0450
1.0452
1.0457
1.0410
1.0483
1.0536
Futures 24
35 |
*東京一般大豆、とうもろこしは夜間取引を含んだ価格。
東京一般大豆
日
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
始値
高値
50870
51260
50500
50630
52200
51900
51320
51000
52020
52230
51900
53420
52410
52500
51320
51490
51340
51360
50800
52200
52350
52000
51400
52300
52830
52580
52340
53420
52740
52500
51620
51650
50870
50530
50110
50630
51800
51010
50800
51000
51640
51960
51700
51990
52210
51350
51010
51050
51260
50660
50600
52190
51800
51200
51000
52010
52230
51960
51950
52440
52480
51540
51540
51350
51400
50550
50890
51900
51540
51400
50930
51800
52000
51630
50600
50400
50540
51290
51140
50600
50900
51800
51550
51630
東京とうもろこし
日
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
2017.10月限
16日から12月限
安値
終値
始値
高値
2017.11月限
16日から18.1月限
安値
終値
NYダウ工業株30種平均
始値
高値
安値
終値
19149.20
19161.25
19244.35
19219.91
19241.99
19559.94
19631.35
19770.20
19852.21
19876.13
19811.50
19909.01
19836.66
19920.59
19968.97
19922.68
19908.61
19214.30
19196.14
19274.85
19255.89
19558.42
19664.97
19757.74
19824.59
19953.75
19966.43
19951.29
19923.17
19917.78
19987.63
19986.56
19933.83
19934.15
19138.79
19141.18
19186.73
19184.74
19229.83
19527.83
19623.19
19747.74
19846.45
19748.67
19811.50
19821.00
19832.95
19920.42
19941.96
19882.19
19899.06
19191.93
19170.42
19216.24
19251.78
19549.62
19614.81
19756.85
19796.43
19911.21
19792.53
19852.24
19843.41
19883.06
19974.62
19941.96
19918.88
19933.81
19943.46
19964.31
19835.46
19833.17
19980.24
19981.11
19878.44
19852.55
19939.80
19827.31
19788.94
19718.67
19945.04
19833.68
19819.78
19762.60
日経平均株価
始値
高値
安値
終値
20130
20200
20030
20350
20850
20870
20690
20790
21360
21400
21470
22090
22030
21840
21790
21740
20290
20240
20330
20850
20950
20870
20910
21350
21440
21580
22010
22090
22070
21850
21790
21750
20110
20040
20030
20350
20760
20590
20650
20790
21230
21210
21440
21830
21850
21530
21630
21500
20180
20090
20300
20840
20870
20710
20770
21320
21410
21540
21940
22050
21900
21750
21730
21660
18535.24
18435.55
18349.92
18457.20
18434.54
18674.19
18839.98
19183.82
19120.76
19270.01
19327.70
19438.39
19345.84
19367.84
19547.28
19396.85
18746.28
18469.68
18365.74
18484.80
18502.47
18765.47
19042.48
19280.93
19253.51
19284.28
19436.90
19439.97
19399.26
19511.20
19592.90
19427.67
18469.27
18315.38
18227.39
18318.99
18410.88
18614.01
18821.41
19054.00
19060.72
19184.75
19192.60
19360.36
19307.14
19356.81
19375.19
19327.51
18513.12
18426.08
18274.99
18360.54
18496.69
18765.47
18996.37
19155.03
19250.52
19253.61
19273.79
19401.15
19391.60
19494.53
19444.49
19427.67
21600
21480
21710
21980
21720
21640
21730
22150
22050
21830
21480
21460
21700
21600
21620
21520
21690
22010
21760
21700
19394.41
19353.43
19392.11
19301.04
18997.68
19432.48
19478.58
19442.13
19301.04
19176.81
19385.94
19352.06
19364.73
19092.22
18991.59
19396.64
19403.06
19401.72
19145.14
19114.37
Futures 24
36 |
マンスリー予定表(経済・商品1月)
13日(金) 16年12月の中国貿易統計
16年12月の米小売売上高
16年12月の米卸売物価指数
同コア指数
1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値
17日(火) 1月のニューヨーク連銀・製造業景況指数
18日(水) 16年12月のユーロ圏消費者物価指数・確定値(前年比)
16年12月の米消費者物価指数
同コア指数
16年12月の米鉱工業生産指数
16年12月の米設備稼働率
1月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅建設業者信頼感指数
米地区連銀景況報告
19日(木) 欧州中央銀行(ECB)定例理事会
ECB記者会見
16年12月の米住宅着工件数
1月のフィラデルフィア連銀・製造業景況指数
20日(金) 16年第4四半期の中国国内総生産(GDP、前年比)
16年12月の中国小売売上高(前年比)
16年12月の中国鉱工業生産(前年比)
米大統領就任式
24日(火) 1月の米製造業PMI(購買担当者景況指数)・速報値
16年12月の米中古住宅販売件数
25日(水) 16年12月の日本貿易統計
26日(木) 16年12月の米新築住宅販売件数
16年12月の米景気先行指数
27日(金) 16年12月の日本貿易統計
16年第4四半期の米国内総生産(GDP)・速報値
16年12月の米耐久財受注
1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数・確定値
30日(月) 16年第4四半期のユーロ圏GDP速報値
日銀政策委員会・金融政策決定会合(31日まで)
16年12月の米個人所得
16年12月の米個人消費支出
31日(火) 日銀政策委員会・金融政策決定会合
1月のユーロ圏消費者物価指数・速報値(前年比)
16年11月のS&P/ケース・シラー米住宅価格指数
1月のシカゴ購買部協会景況指数
1月の米消費者信頼感指数
米連邦公開市場委員会(FOMC、2月1日まで)
注) 日付はすべて現地時間。上記の予定は予告なく変更される事があります。
Futures 24
37 |
重要事項のご説明
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※商品先物取引は元本及び利益が保証されるものでなく、取引額が当社必要証拠金に比べて最高でおよそ40倍と大き
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になる場合もあります。お取引を始める前に契約締結前交付書面をよくお読みになり、取引内容を十分ご理解の上、ご
自身の判断と責任によりお取引下さい。
※ 当社必要証拠金の額は1枚当たり最高で 225,000 円、手数料は1枚当たり最高で 23,328 円(税込)となりますが、
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