短期予報解説資料1 2017年1月6日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ① 5 日夜、-39℃以下の寒気を伴 った 500hPa トラフが北日本を通 過。 日本海の筋状雲は領域を縮小。 北日本や北陸地方では局地的に 5cm/3h を越える降雪があるが、 降雪域は縮小。 ②モンゴルに寒冷渦があって東 南東進。 ③華中から東シナ海に 850hPa +9℃に対応した前線がのびてい て、ほとんど停滞。九州では 5mm /h 程度の雨域が広がる。 2.主要じょう乱の予想根拠と 解説上の留意点 ① 1 項①の 500hPa トラフ通過により、日本付近の寒気のピークは過ぎたが、冬型気圧配置の影響は 6 日朝にかけて継続する。北日本から西日本では 6 日朝にかけて、強風や高波、大雪やふぶきによる交 通障害、なだれに注意。 ②冬型気圧配置の解消後は 7 日昼ころにかけて、大陸の高気圧が日本海に進み日本付近を覆うため、 北日本から西日本では概ね晴れる。 ③ 7 日朝、1 項②のモンゴルの寒冷渦が華北に進み、その南の華中や東シナ海では、500hPa 高度線が 低気圧性曲率に変わる。1 項③の前線の暖域側では下層暖湿気移流が強まるため、前線は活動を活発化 し、東進を始める。前線の暖域側では、850hPa 相当温位 318K を超える暖湿気が流入し、大気の状態 が不安定となるため、南西諸島では 7 日朝から、落雷や突風・短時間強雨に注意。 ④奄美地方は高気圧と前線の間にあたり、やや強い東風が継続する。7日にかけて高波に注意。 ⑤ 7 日朝、シベリアから南東進する 500hPa 5220~5340m のトラフが沿海州に進み、7 日夜遅くにかけ て北日本を通過する。ほぼ平年並の寒気のため広い範囲の大雪は見込まないが、北日本では 7 日夕方 以降、局地的な降雪の強まりに留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とする。7 日の東シナ海周辺の場に関して、GSM は初期値ごとの予報差が あるため、過去複数初期値の予報も参考にし、さらに現象のスケールを考慮して組み立てた。降水の 分布や強度・種別、風は MSM を参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雪・大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):高いところ(注意報級以上・100mm 以上)はない。 2 項の局地的な降雪の強まりや短時間強雨に注意。 ②波浪(明日まで):小笠原諸島 4、その他、北海道・東海・中国・沖縄を除き 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表予定なし。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
© Copyright 2024 ExpyDoc