短期予報解説資料1 2016年12月7日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①オホーツク海の低気圧が急速 な発達を続けており、 日本付近は 冬型の気圧配置。 北日本では沿岸 部を中心に 10m/s を超える風が 吹き、山沿いや北海道でおよそ 5cm/3h の降雪。 ②ボッ海から華北付近に 500hPa 5340~5520m トラフがあり、後面 には -33℃以下の寒気を伴う。 ③中国東北区の北西部では 500 hPa 5280~5340m トラフが顕在 化しつつある。 2.主要じょう乱の予想根拠と 解説上の留意点 ① 1 項①のオホーツク海の低気圧は、日本を離れて北東に進み、7 日朝には千島近海の北部に達する。 7 日は西から次第に冬型の気圧配置が緩む。北日本では 7 日夕方にかけて、ふぶきによる交通障害や強 風・高波に注意。北海道では 7 日明け方にかけて、大雪による交通障害にも注意。 ② 1 項②のボッ海付近のトラフは、7 日朝日本海に進み、8 日明け方にかけて北日本・東日本を通過す る。トラフの接近・通過に伴い、山陰沖の 500hPa には -24℃以下、北陸以北には -33℃以下の寒気が 流入する。一方、7 日は、日本海西部で発生した低気圧が、1 項③の中国東北区のトラフにより発達し ながら 40N 付近を東進。 低気圧の南側には、 下層に西から暖かく湿った空気が流入し、 850hPa では -6℃ 線が 40N 付近まで北上する。上空(500hPa)寒気の下に 850hPa 暖気が流入するため、低気圧の南から 東象限では大気の状態が非常に不安定となる。山陰から東北地方にかけての日本海側では、7 日昼過ぎ から 8 日昼ころにかけて、落雷や竜巻などの激しい突風に注意し、短時間強雨に留意。 ③ 2 項②の日本海の低気圧は、8 日未明から昼ころにかけて東北地方を通過する。東北地方や北陸地 方では 8 日明け方を中心に、強風や高波に注意。低気圧の最大風速は、北陸・東北地方接近時、局地 的に 30kt を見込む。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とする。7 日に日本海を進む低気圧は、MSM を参考に、GSM をやや発達 させて考える。その他も、雨や雪の分布・強度・降水種別、風等は MSM を参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(06 時からの 24 時間):東北 30cm。 ②波浪(明日まで):北日本・北陸 4、沖縄 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定なし。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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