短期予報解説資料1 2016年 6月27日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①梅雨前線が、 華中から南西諸島 をとおり日本の南にのびており、 西からゆっくりと北上している。 九州南部から奄美諸島にかけて、 海上を中心に、一時 50mm/h 以上 の雷を伴った非常に激しい雨を 解析していたが、 現在はやや小康。 ②500hPa・5760~5820m 付近のト ラフが黄海から東シナ海を東に 進んでおり、 衛星水蒸気画像では 対応する暗域が明瞭。27 日 09 時 には、周辺域で 500hPa の気温 -9℃以下を観測。 ③500hPa・5700m 付近のトラフが 沿海州付近にあって、-15℃以下 の寒気を伴い東に進んでいる。周辺域では発雷も検知され始めている。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①の梅雨前線は、29 日にかけて西日本から東日本に停滞し、1 項②のトラフ接近に伴い西からゆ っくりと北上する。トラフは、29 日にかけて逆位相の中を浅まりながら東進するが、トラフの東進と ともに前線上の波動が東に進み、28 日夜には関東の東海上で低気圧として明瞭となる見込み。 ②29 日にかけて、太平洋高気圧の西への張り出しが強まり、前線の南側ではその西縁を回り 850hPa で θe 345K 以上の下層暖湿気が流入する。このため、27 日は西日本を中心に、28 から 29 日にかけては 西日本から東日本の広い範囲で雷を伴った激しい雨が降り、局地的に非常に激しい雨の降るおそれも ある。また、梅雨前線は九州付近におおむね停滞するため、九州では総雨量が多くなる可能性がある。 九州を中心に、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に警戒・注意。落雷や突風にも注意。前線や 低気圧周辺では、局地的な風の強まりや波の高まりに注意。 ③1 項③のトラフ接近に伴い上空寒気流入する北日本では、下層暖湿気の流入が強まる 28 日午後を中 心に対流雲発達の可能性がある。落雷や突風、短時間強雨に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新の GSM を基本とする。降水予想は MSM も参考に面的広がりも考慮。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):九州 150、四国・近畿 120 ㎜。 ②波浪(明日まで) :四国・伊豆諸島 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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