週間天気予報解説資料 2017 年 1 月 5 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 1 月 6 日から 1 月 12 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):7日夜に華中付近の逆位相のトラフが、8日夜西日本、9日夜本州の東海上に進む。また、9日夜には500h Paで-45℃以下の寒気を伴った寒冷渦が中国東北区付近まで南下する。この寒冷渦はその後ゆっくり南東進し、10日夜沿海州付 近、11日夜には千島近海に進むが、12日にかけては後続の寒気を巻き込んで千島近海で停滞する。期間前半は南岸低が西・ 東日本太平洋沿岸を東進し、期間後半は強い冬型の気圧配置。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況も予報期間も日本付近の流れは東谷で、日本の西が正偏差、東が負偏差。その偏差の境は 実況は140E付近だが、予報期間は130E付近まで西進し、南西諸島を除き負偏差となる。 ●8日:南岸低が太平洋沿岸を東進し広い範囲で天気が崩れる。気温場は高く雨が主体だが、内陸や標高の高い所では湿った雪とな る所がある。北海道は高気圧に覆われ概ね晴れる。 ●9日:南岸低は日本の東海上で発達し、西高東低の気圧配置となるが、500hPa正渦が西・東日本を通過し、太平洋側の天気回復も 遅れる。 ●10~12日:強い冬型の気圧配置が続く。概ね冬型の天気分布となるが、太平洋側でも寒気の影響で雲が広がりやすい所がある。 ●沖縄・奄美:期間はじめと終わりを中心に湿った空気や前線の影響で雨の降る日があるが、期間中頃には高気圧に覆われて晴れる 日もある。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:10~12日に冬型の気圧配置を緩ませるタイミングのあるメンバーは約1割。 ・ スプレッド:2日目が昨日より小さくなった他は拡大。特に4日目以降大きく拡大。特定高度線に大きなバラつきはないので、 寒冷渦の中で発達する低気圧の、発達の程度やタイミング、位置等にメンバー間に差があるためスプレッドが大きくなっている と考えられる。後半冬型が強まる予想のバラつきは小さい。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、7日西日本で縮小、8日東北地方で微妙に南下。 ・ 予想T850時系列:札幌、館野、福岡は9日まで、那覇は8日まで正偏差で昨日より高くなった日がある。その後は平年並~負偏 差。8日の館野はエラーバーが大きいが、7~9日は概ね正偏差側。GSMの変化傾向はENSと大きく異なりイニシャル変わりも大 きい。GSMは南岸低を寒冷渦に取り込んで、暖気と寒気を複雑に回転させているためこうなったと考えられる。 2.防災事項等 ・ 8日から9日にかけて、南岸低の通過で雨や湿った雪となる。積雪の多い所では雪崩や融雪のおそれ。また、低気圧や寒気の動 向によっては、北・東日本太平洋側平地でも雪が降り、東北地方を中心に大雪のおそれがある。 ・ 期間後半は、冬型の気圧配置が強まって、全国的に荒れた天気となり、北日本を中心に大荒れとなるおそれがある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 夜にかけて、高気圧が日本の東に中心を移し、500hPa・5400m付近のトラフが北日本に接近する。また、大陸東岸に進む500hPa・5 640m付近のトラフに対応して、前線上の東シナ海で低気圧が発生する。 ・ 高気圧に覆われる北日本から西日本では、はじめ晴れる所が多いが、高気圧の後面となる後半は雲が多く、午後には西日本で雨 の降り出す所がある。また、500hPa・5400m付近のトラフが接近する北日本では、後半ほど雪が降りやすい。前線に近い南西諸島 では終日雲が多く、雨の降る所がある。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北~西日本では、期間の前半は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、低気圧や前線の影響で雨または雪の降る日がある。期間 の後半は冬型の気圧配置となり、日本海側では曇りや雪または雨の降る所が多く、太平洋側では概ね晴れる。 ・ 沖縄・奄美は、期間の端円と終わりは湿った空気や前線の影響で雲が広がりやすく雨の降る日があるが、期間の中頃は高気圧に 覆われて概ね晴れる。 ・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本では期間のはじめと終わりは平年並か平年より低く、期間の中頃は平年並か平年より高 い所が多い。沖縄・奄美は、平年並か平年より高い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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