平成28年度 小学校算数 全国学力学習状況調査結果概要 算数 A の概要

平成28年度 小学校算数 全国学力学習状況調査結果概要
算数 A の概要
学習指導要領が示す4領域「数と計算」
「量と測定」
「図形」
「数量関係」について、
「数
量や図形についての技能」
「数量や図形についての知識・理解」に関わる基礎的・基本的
な知識・技能が身に付いているかをみる問題が、選択式・短答式で出題されている。
今回の調査では、四街道市の小学校6年生は、全国平均と同程度の結果が見られた。
○「数と計算」は、全国平均と同程度であった。
○「量と測定」は、全国平均と同程度であった。
○「図形」は、全国平均と同程度であった。
○「数量関係」は、全国平均を上回った。
○「数量や図形についての知識・理解」は、全国平均と同程度であった。
○「数量や図形についての技能」は、全国平均と同程度であった。
設問別集計結果
[算数A:主として知識]
学習指導要領の領域
数
と
計
算
設問番号
1(1)
設問の概要
除数が1より小さいとき,商が被
□÷0.8の商の大きさについて,正しいも
除数より大きくなることを理解し
のを選ぶ
ている
小数の除法の結果を,乗法を用いて確かめる 除法における計算の確かめの方法
とき,当てはまる数値の組み合わせを書く
を理解している
2(1)
905-8を計算する
繰り下がりのある減法の計算をす
ることができる
3A
(2)ア
2(2)
4.65+0.3を計算する
末尾の位のそろっていない小数の
加法の計算をすることができる
4A
(5)イ
2(3)
18÷0.9を計算する
小数の除法の計算をすることがで
きる
(2/9)×3を計算する
3(2)
7.1,7,7.01の中で一番小さい数
と,一番大きい数を書く
4
5
○
○
短
答
式
記
述
式
正答率(%)
四
街
道
市
千
葉
県
(
公
立
)
比較
全
国
(
公
立
)
全
国
(
公
立
)
と
の
比
較
64.4
64.7
64.8
-0.4
68.5
-5.2
○
○
87.9
87.3
87.9
0.0
○
○
91.3
90.3
90.9
0.4
○
○
77.8
71.5
77.1
0.7
5A
(3)イ
○
○
73.3
76.9
77.7
-4.4
乗数が整数である場合の分数の乗
法の計算をし,約分することがで
きる
5A
(4)
ウカ
○
○
86.6
86.0
87.0
-0.4
不等号を理解している
2A
(1)イ
3A
(1)
○
○
97.9
96.2
96.7
1.2
数の大小関係を理解している
4A
(5)ア
○
○
75.5
73.7
74.1
1.4
○
○
70.8
70.3
72.0
-1.2
○
85.8
79.9
82.0
3.8
○
79.6
79.5
79.6
0.0
○
○
75.3
74.3
78.0
-2.7
5D
(3)
○
○
76.0
74.5
74.4
1.6
1D
(1)
○
○
81.7
80.9
80.2
1.5
5D
(3)
○
○
55.1
49.2
50.9
4.2
5B
(4)ア
5B
(1)ア
○
7
直方体において,示された面に垂直な面を選 直方体における面と面の位置関係
ぶ
を理解している
4C
(2)
アイ
9(2)
選
択
式
68.3
4枚の三角定規でつくることができる形を選 図形の構成要素に着目して,図形
ぶ
を構成することができる
9(1)
問題形式
数
量
や
図
形
に
つ
い
て
の
知
識
・
理
解
63.3
6
前に10人,後ろに19人並んでいることを
基に,列に並んでいる全体の人数を求める式
と答えを書く
定員と乗っている人数の割合を,百分率を用
いた図に表すとき,当てはまる数値の組み合
わせを書く
数
量
や
図
形
に
つ
い
て
の
技
能
○
8m 2に14人座っているシートについて,1 単位量当たりの大きさの求め方を
理解している
m 2当たりの人数を求める式を書く
三角形の底辺と高さの関係につい
三角形の底辺に対応する高さを選ぶ
て理解している
テープ全体の長さを基にしたときの赤い部分
の長さの割合が,一番大きいものを選ぶ
数
学
的
な
考
え
方
○
1C
(1)
2C
(1)イ
3C
(1)
アイ
4C
(1)イ
8
評価の観点
算
数
へ
の
関
心
・
意
欲
・
態
度
4A
(3)エ
5A
(3)
イウ
3A
(4)イ
4A
(3)エ
5A
(3)
イウ
1(3)
二つの数の大小関係を表す不等号を書く
数
量
関
係
5A
(3)
アイ
2.1÷0.7を,除数が整数になるように 除数と被除数に同じ数をかけても
工夫して計算するとき,ふさわしい数値の組 商は変わらないことを理解してい
み合わせを書く
る
3(1)
図
形
出題の趣旨
1(2)
2(4)
量
と
測
定
全体の大きさに対する部分の大き
さを表す割合の意味について理解
している
示された場面を適切に読み取り,
全体の人数を求める式に表すこと
ができる
1を超える割合を百分率で表す場
面において,基準量と比較量の関
係を理解している
1A
(1)イ
1A
(2)ア
○
3 全
%国
以正
上答
…率
◎と
の
3 比
%較
以
下
…
△
3 全
P国
以正
上答
…率
◎を
1
3 0
P0
以 P
下と
…し
△た
場
合
の
比
較
△
△
△
△
◎
◎
△
◎
◎
○数と計算
・四則計算や数の大小については、整数では概ね良好な状況である。しかし、小数や分
数の計算には課題がある。特に、小数の除法の計算に課題が見られ、
「除数と被除数に
同じ数をかけても商は変わらない」ことが理解できていない。
・不等号の意味を理解しているか、数の大小関係を理解しているかどうかをみる設問で
は、全国平均と同程度であり、概ね良好な状況にある。
○量と測定
・三角形の底辺に対する高さを選ぶ設問では、全国平均を大きく上回り大変良好な状況
である。三角形の底辺と高さの関係について理解できている。
○図形
・図形の構成要素に着目して、図形を構成することができるかをみる設問では、全国平
均と同程度であり、概ね良好な状況である。
・直方体において、示された面に垂直な面を選び、直方体における面と面の位置関係を
理解しているかをみる設問では、全国平均を下回り、図形についての基本的な知識・
理解に課題がある。
○数量関係
・定員と乗っている人数の割合を、百分率を用いた図に表すとき、当てはまる数値の組
み合わせを書く設問では、全国平均を大きく上回り、大変良好な状況である。
・示された場面を適切に読み取り、全体の人数を求める式に表すことについては、全国
平均と同程度であり、概ね良好な状況である。
算数 B の概要
学習指導要領が示す4領域「数と計算」
「量と測定」
「図形」
「数量関係」について、
「数
学的な考え方」「数量や図形についての技能」「数量や図形についての知識・理解」に関
わる基礎的・基本的な知識・技能を活用することができるかどうかをみる問題が、選択
式・短答式・記述式で出題されている。
今回の調査では、四街道市の小学校6年生は、全国平均と同程度の結果が見られた。
○全国平均が 47.2%であり、昨年同様難しい問題が出題されていた。
○「量と測定」
「図形」は、全国平均を下回った。
○「数と計算」
「数量関係」は、全国平均と同程度であった。
○「数量や図形についての知識・理解」は、全国平均と同程度であった。
○「数量や図形に数学的な考え方」は、全国平均と同程度であった。
○求め方や判断の理由を説明する記述式による回答の問題の正答率が低かった。
設問別集計結果
[算数B:主として活用]
学習指導要領の領域
設問番号
設問の概要
出題の趣旨
1辺が9cmの正方形の縦と横の長さを変え
たときの面積を求める式と答えとして,ふさ
わしい数値の組み合わせを書く
正方形の縦の長さを2cm短くし,横の長さ
を2cm長くすると面積が4cm 2小さくなる
ことの説明を書く
ハードルとハードルの間が5mのコースの,
スタート地点から4台目のハードルを,巻き
尺の何mのところに置けばよいか書く
40mハードル走の目標のタイムを求める式
に8.1と4を当てはめて,まなみさんの目
標のタイムを求める式と答えを書く
示された条件を基にほかの正方形
について検討し,同じきまりが成
り立つかを調べることができる
示された説明を解釈し,用いられ
ている考えを別の場面に適用し
て,その説明を記述できる
ハードルの数とインターバルの数
の関係を式に表し,4台目のハー
ドルの位置を求めることができる
示された式に数値を当てはめて,
目標のタイムを求めることができ
る
2(3)
目標のタイムを求める式の中の0.4や
0.3が表す意味を書く
示された式の中の数値の意味を解
釈し,それを記述できる
3(1)
三つの式について,それぞれの式が何を計算 乗法や除法の式の意味を解釈する
しているかの説明文を選ぶ
ことができる
1(1)
1(2)
2(1)
2(2)
3(2)
3(3)
4(1)
4(2)
4(3)
縦39cm,横54cmの長方形の厚紙か
ら,1辺9cmの正方形を24個切り取るこ
とができるわけを書く
1辺が9cmの正方形に内接する円をかくた
めに,コンパスの鉛筆の先を合わせる位置を
選ぶ
学校ごとの1人当たりの本の貸出冊数を求め
るために,学校ごとの貸出冊数の合計のほか
に調べる必要のある事柄を選ぶ
縦にかくことができる正方形の数
を求め,24個の正方形をかくこ
とができる理由を記述できる
数
と
計
算
量
と
測
定
3A
(3)
アイ
4B
(1)イ
5(2)
示された四角形を並べてできる図形を選ぶ
図形を構成する角の大きさを基
に,四角形を並べてできる形を判
断することができる
評価の観点
算
数
へ
の
関
心
・
意
欲
・
態
度
数
学
的
な
考
え
方
問題形式
数
量
や
図
形
に
つ
い
て
の
知
識
・
理
解
選
択
式
○
○
4B
(2)
アイ
千
葉
県
(
公
立
)
比較
全
国
(
公
立
)
全
国
(
公
立
)
と
の
比
較
93.7
92.0
92.6
1.1
41.8
43.4
45.2
-3.4
○
○
55.3
56.4
56.2
-0.9
○
○
49.6
50.0
50.5
-0.9
14.9
16.6
15.6
-0.7
62.2
62.4
62.6
-0.4
38.8
37.5
38.4
0.4
○
77.6
76.0
76.5
1.1
○
○
○
3C
(1)ア
5C
(1)
アウ
3C
(1)イ
5C
(1)
アウ
正答率(%)
四
街
道
市
4D
(2)ア
○
5B
(4)ア
記
述
式
○
○
4B
(2)
アイ
短
答
式
3D
(2)ア
4D
(2)ア
3C
(1)ウ
5C
(1)ア
3A
(4)ア
数
量
や
図
形
に
つ
い
て
の
技
能
○
3A
(5)イ
5A
(3)ア
3A
(5)イ
5A
(3)ア
2A
(3)ア
3A
(4)ア
4A
(5)ウ
2A
(3)ア
3A
(4)ア
単位量当たりの大きさを求めるた
めに,ほかに必要な情報を判断
し,特定することができる
示された事柄について,二つの表
示された二つの表だけでは判断できないもの
を基に読み取ることができない事
を選ぶ
柄を特定することができる
A小学校とB小学校の図書委員が表したグラ グラフから貸出冊数を読み取り,
フを見比べて読みとった事柄として正しくな それを根拠に,示された事柄が正
い事柄について,正しくないわけを書く
しくない理由を記述できる
5(1)
数
量
関
係
4B
(1)
アイ
正方形に内接する円の半径につい
て理解している
示された形をつくることができることを説明 示された除法の式を並べてできた
する式の意味を,数や演算の表す内容に着目 形と関連付け,角の大きさを基
して書く
に,式の意味の説明を記述できる
図
形
○
○
3 全
%国
以正
上答
…率
◎と
の
3 比
%較
以
下
…
△
3 全
P国
以正
上答
…率
◎を
1
3 0
P0
以 P
下と
…し
△た
場
合
の
比
較
△
△
△
3D
(3)
○
○
56.4
50.2
48.3
8.1
3D
(3)
○
○
69.0
71.6
70.7
-1.7
4D
(4)イ
○
○
24.9
24.1
24.9
0.0
3D
(1)
○
○
7.4
6.8
6.9
0.5
◎
26.9
24.8
25.4
1.5
◎
○
○
◎
◎
○数と計算
・1辺が9cm の正方形の縦と横の長さを変えたときの面積を求める式と答えとして、
ふさわしい数値の組み合わせを書く設問では、93.7%の正答率であり良好な状況であ
る。
・目標のタイムを求める式の中の 0.4 や 0.3 が表す意味を書く設問では、示された式の
中の数値の意味を解釈し、それを記述することができていない。
○量と測定
・正方形の縦の長さを2cm 短くし、横の長さを長くすると面積が4c ㎡小さくなること
の説明を書く設問では、正答率が低い上に全国平均を大きく下回り、大きな課題があ
る。
・学校ごとの1人あたりの本の貸出冊数を求めるために、学校ごとの貸出冊数の合計の
ほかに調べる必要のある事柄を選ぶ設問では、全国平均を大きく上回り大変良好な状
況である。
○図形
・1辺が9cm の正方形に内接する円をかくために、コンパスの鉛筆の先を合わせる位
置を選ぶ設問では、全国平均と同程度であり、概ね良好な状況である。
・示された形をつくることができることを説明する式の意味を、数や演算の表す内容に
着目して書く設問、示された四角形を並べてできる図形を選ぶ設問では、全国平均を
大きく上回るが、正答率がそれぞれ 7.4%、26.9%と低い。
○数量関係
・A 小学校と B 小学校の図書委員が表したグラフを見比べて読み取った事柄として正し
くない事柄について、正しくないわけを書く設問では、全国平均と同程度であるが、
正答率が 24.9%と低い。
・単位量当たりの大きさを用いて、目的に応じた買い物の仕方を選択し、代金を求める
設問は、全国平均を上回り良好な状況である。
・基準量、比較量、割合の関係を基に、示された求め方の誤りを指摘し、正しい求め方
を説明する設問は、正答率が低い上に全国平均を大きく下回り、大きな課題がある。
小学校算数
指導改善のポイント
◎数と計算
○計算の結果の見積りや確かめの習慣化
・数量や図形についてのおよその大きさや形を捉えることによって、解決の見通しをも
つことができ、大きな誤りを防ぐことができる。基礎的・基本的な計算技能の確実な
定着を図るために、計算の結果の見積りや確かめの習慣を身に付けることができるよ
うに指導する。
・小数の除法の計算においては、除法の性質の理解の上に立って、整数の除法の計算と
同じように行うことができるようにする。
○日常生活の事象を数理的に捉え、場面を適切な式に表したり、式の意味を具体的な事
象と関連付けたりすることで問題を解決する学習の充実
・問題の解決のために、適切な数値をあてはめて、式を活用できるようにすることや、
場面を的確に読み取るために簡単な場合で考えたり、必要に応じて場面を簡単な図な
どに表して捉え直したりすることが考えられる。
・示された式について、式の意味や数値の意味を解釈し、合理的に判断し説明すること
ができるようにする。立式するだけでなく、友達が考えた式や示された式について、
その式の数値はどこから導き出されたものであるのか、その数値に対してどのような
演算を行っているのかを考える場面を適宜設ける。
◎量と測定
○算数の問題場面で見いだした考えを活用して、条件を変更した場合について発展的に
考察する学習の充実
・見つけたきまりがいつでも成り立つか検討したり、発展的に考察したりできるように
する。条件を変更できる場面を設定し、変わるものと変わらないものを判断しながら、
ある条件の下で見つけたきまりがいつでも成り立つか確かめる活動を充実させる。
・考えを事象と関連づけて説明することができるようにする。自分の考えを様々な表現
を用いて説明する機会を設けることが大切である。その際、過不足なく説明できてい
るかどうかを確かめ合いながら説明の内容を言葉、図、式、さらには操作などと適切
に関連付けていく活動を充実させる。
◎図形
○算数の問題場面で見いだしたことを、図形の構成要素に着目して、論理的に考察する
学習の充実
・立方体や直方体の学習では、向かい合う面が平行になることや隣り合う面が垂直にな
ることを具体物の観察や操作を通して理解できるようにする。
・図形の特徴を基に、式の意味を解釈することができるようにする。図や式を用いて問
題を解決し、児童が互いに図や式の意味を解釈し説明し合う活動を設けることが考え
られる。
・図形の構成を通して、図形の理解を深めることができるようにする。図形を構成する
活動の中で、なぜ図形が構成できるのかを図形の特徴や角についての知識などを基に
考える場を設ける。
◎数量関係
○日常生活の問題の解決に向けて、必要な情報を収集し、目的に応じて表やグラフを用
いて表したり、適切な判断をしたりする学習の充実
・問題解決のために、示された資料から必要な情報を判断することができるようにする。
解決したい問題を明確にして、資料を集め、集めた資料を分類整理し表に表したり、
表を読み取ったりする活動を充実させる。
・図と式を関連付けて、単位量当たりの大きさの求め方を理解できるようにする。混み
具合について調べる際、単位量当たりの人数が捉えやすくなるように工夫して図に表
し、その図と式とを関連づけて混み具合を求める式を理解できるようにする。
・算数の内容や考えを活用して事象を解釈したり、根拠を明らかにして筋道を立てて考
え、その考えを言葉や数、式、表、グラフなどを適切に用いて数学的に表現したりす
る活動を充実させる。