浜松市教育研究会 算数科研究部 第140号 平成27年2月13日 『新しい時代に必要となる資質・能力』 算数科研究部顧問 浜松市立東小学校長 宮﨑 正 今年度も、 「全国学力・学習状況調査」 、静教研の「小学校算数定着度調査」そして、本市の新学力調査の3種 類の学力調査が終了しました。 調査の目的に違いはあるもののすべての調査で、子どもの学力を把握し、今後の指導に生かしたり、授業改善 を図ったりすることを目的としています。とかく、教員側からの視点で学力調査を捉えがちですが、子どもの側 からの視点を大切に扱うことも大きな意味があると感じています。 さて、昨年 11 月の文部科学省の「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」の諮問の中で、 アクティブ・ラーニングの充実が提案され、また、算数数学について市教委からは、目的の明確化と評価の一貫 性について取り上げられました。時代は変わっていきますが、常に「何を教えるのか」 「どのように学ぶのか」 「ど のような力が身に付いたのか」ということを意識しながら取り組んでいきたいものです。 この一年間、部長さんをはじめ、部員の皆さんの御尽力により、充実した活動ができましたことを心より感謝 申し上げます。 『分かると分からないは紙一重』 浜松市立萩丘小学校 鈴木 慎也 私は、算数の授業開きで必ず伝えている事があります。それは、「分かると分からないは紙一重」という言 葉です。まったく分からないと思っていても、見方を変えたりヒントをもらったりすることで、急に分かるよ うになることがあります。だから、「分からなくても一生懸命考えて答えをさぐったり、質問をしてヒントを もらったりしてみよう。ふとした瞬間に分かるようになるときがある。分かってしまうと、案外、なんだそん なことかとなることが多い。」ということを伝えます。そして、クイズを出します。一見難しそうなクイズで 始めは全く分かりませんが、じっくり考えたり、見方を変えたりすると答えがぱっとひらめきます。この体験 を通して、子どもたちは「紙一重」を体感し、分からなくてもあきらめずに考えたり、質問したりしていこう という気持ちにつなげることができると考えています。 クイズの例① クイズの例② 次の9つの点を正方形2つを 直線を2本引いて、 使って、それぞれの部屋に 三角形を7つ作ろう。 分けてみよう。 【ヒント】 【ヒント】 大きさのちがう2つの正方形。 6つができれば、それをあと一工夫。 【解答】 【解答】 『計算力実態調査の目的と活用について』 計算力実態調査委員長 浜松市立伊佐見小学校 服部 優 今年度も、計算力実態調査に御協力いただき、ありがとうございます。 計算力実態調査は毎年4月に実施され、 「数と計算」領域から出題されています。それは、 「数と計算」領域が、 他の領域を学ぶためのベースになること、4月の早い段階で児童の実態を把握し、すぐに授業や家庭学習等で生 かしてもらうためです。ここ数年、全国学力調査のように求められている学力観が変わってきています。しかし、 これらの課題を解決するためには、正確な計算力や豊かな数量感覚などの「数と計算」領域が身についていなけ ればいけません。ぜひ計算力実態調査を、児童の計算力の定着を見取る有効な資料として、4月だけでなく年度 途中に再度取り組ませたり、年度末に次の学年の問題を復習として取り組ませたりするなど、繰り返し活用して いただきたいと思います。 最後になりましたが、問題の作成に御尽力いただいた先生方、本当にありがとうございました。 『今、求められる授業力』 研究推進委員長 浜松市立雄踏小学校 鈴木 祐子 第2回の1日研修会では、午前中に4人の先生方が、実践発表をしてくださいました。どの発表からも、子ど もたちが意欲的に取り組めるような手立てが示され、2学期から取り入れてみたい内容が数多くありました。午 後からの学年別研修や講演会でも、日々の実践につながる話題が豊富にあり、特に講演会で話題となった「21 世紀型スキル」では、今後の算数科の指針となるお話を伺うことができました。 第3回研修会では、静岡大学教育学部附属浜松小学校で小中合わせて4つの授業を公開しました。それぞれの 授業者が教材にこだわり、課題を工夫していて、子どもたちは思考する楽しさを味わい、自分の考えを友達に必 死に伝える姿が見られました。 どの研修会でも、今、求められている子どもたちに付けたい力を意識した内容で、明日からの算数授業に生か すことができるものでした。一年間、ありがとうございました。 『本年度の編集を終えて』 部報編集委員長 浜松市立上島小学校 算数科研究部報「数」は、本年度4回発行されました。 「数」では、顧問の校長 先生のお話、研修会のお知らせ、実践発表、算数に関するトピックなどを掲載し てきました。 部報編集の活動を通して、様々な先生方の取り組みや考え方に触れることがで き、とても勉強になりました。 最後になりましたが、原稿をお寄せいただいた先生方、編集の際に貴重な御意 見・御指導をしてくださった先生方に感謝を申し上げます。 中西 啓介
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