グローバル・マクロ・ トピックス 2016/ 10/31 投資情報部 シニアエコノミスト 宮川 憲央 7-9月期の米国経済は高成長も、一時的な要因が影響 ~米国・GDP(2016年7-9月期、速報値) 7-9月期の実質GDP(速報値)は前期比年率+2.9%となり、市場予想を上回る結果となった。 米国経済は4-6月期にかけての低成長から持ち直したものの、7-9月期の高成長に寄与した 輸出や在庫投資については持続性に疑問が残る。今後も米国経済の成長は続いていくもの の、そのペースは2%程度の緩やかなものにとどまると考えている。 今回のGDPに関しては、年前半の低成長からの持ち直しが確認できたことで、米連邦準備理 事会(FRB)による年内の利上げを後押しする内容といえる。今後発表される雇用統計が引き 続き労働市場の改善を示し、金融市場の不安定化が生じなければ、12月の米連邦公開市場 委員会(FOMC)で利上げを決定するという見方を維持する。 基調としては緩やか なペースでの成長が 続く見通し 7-9月期の実質GDP(速報値)は前期比年率+2.9%となり、市場予想(ブルーム バーグの集計では同+2.6%)を上回る結果となった。 需要項目別の主な内訳をみると、個人消費は前期比年率+2.1%となり、4-6月期の 同+4.3%から増加ペースは低下したものの、底堅い推移が続いた。また、在庫投資 や純輸出のGDPに対する寄与度はそれぞれ同+0.6%、同+0.8%となり、GDPを押し上 げる方向に働いた。また、設備投資が同+1.2%となる一方、住宅投資は同▲6.2%と なった。なお、GDPから在庫投資を除いた最終需要は同+2.3%、さらに純輸出を除 いた国内最終需要は同+1.4%となった。 米国経済は2015年10-12月期から2016年4-6月期まで潜在成長率(2%弱)を下回 る低成長が続いていたものの、7-9月期は成長ペースが加速した。最終需要の底堅 い推移が続くなかで、在庫調整が進展したことが背景にある。ただ、7-9月期の成長 率を押し上げた輸出については、飲食料品(大豆等)の大幅な増加に支えられた面 がある。このため、輸出の大幅な増加は一時的なものにとどまる可能性が高い。在 庫投資による押し上げが持続的なものでないこともあわせて考えると、7-9月期のよ うな高成長が続くとまでは期待しづらいといえよう。 今後の米国経済については、海外経済の低成長が重しとはなるものの、①ドル高 や原油安の影響が一巡してくるなかで、企業利益や設備投資が持ち直していくとみ この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 2016/10/31 グローバル・マクロ・トピックス られる、②雇用や賃金の増加が個人消費の増加につながり、それがさらなる労働市 場の改善につながるという好循環が維持されている、等から2%程度の緩やかなペー スでの成長が続いていくとみている。 なお、今回のGDPに関しては前述のように一時的な要因が影響した面はあるもの の、年前半の低成長からの持ち直しが確認できたことで、米連邦準備理事会(FRB) による年内の利上げを後押しする内容といえる。今後発表される雇用統計が引き続 き労働市場の改善を示し、金融市場の不安定化が生じなければ、12月の米連邦公 開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するという見方を維持する。一方、基調とし ての米国経済の成長ペースは緩やかであり、景気の過熱を懸念するような状況で はないため、その後の利上げについては慎重なペースで進めていく可能性が高い と考えている。 (%) 米実質GDP成長率の推移(前期比年率) (四半期:2012/3~2016/9) 6 5 4 3 2 1 0 ▲1 ▲2 ▲3 個人消費 設備投資 住宅投資 在庫投資 純輸出 政府支出 ▲4 12 13 14 15 16 (年) 出所:米商務省のデータよりみずほ証券作成 実質GDP成長率の推移(前期比年率) 実質GDP 個人消費 耐久財 非耐久財 サービス 設備投資 構築物 機器 知的財産 住宅投資 在庫投資(注) 純輸出(注) 輸出 輸入 政府支出 連邦政府・国防 連邦政府・非国防 州・地方政府 2015年 7-9月 10-12月 2.0 0.9 2.7 2.3 6.2 4.0 3.2 1.2 2.0 2.3 3.9 ▲ 3.3 ▲ 4.3 ▲ 15.2 9.1 ▲ 2.6 2.1 4.6 12.6 11.5 ▲ 0.6 ▲ 0.4 ▲ 0.5 ▲ 0.5 ▲ 2.8 ▲ 2.7 1.1 0.7 1.9 1.0 ▲ 1.2 4.4 4.2 2.8 2.5 ▲ 0.6 1-3月 0.8 1.6 ▲ 0.6 2.1 1.9 ▲ 3.4 0.1 ▲ 9.5 3.7 7.8 ▲ 0.4 0.0 ▲ 0.7 ▲ 0.6 1.6 ▲ 3.2 0.9 3.5 (%) 2016年 4-6月 1.4 4.3 9.8 5.7 3.0 1.0 ▲ 2.1 ▲ 2.9 9.0 ▲ 7.7 ▲ 1.2 0.2 1.8 0.2 ▲ 1.7 ▲ 3.2 3.8 ▲ 2.5 7-9月 2.9 2.1 9.5 ▲ 1.4 2.1 1.2 5.4 ▲ 2.7 4.0 ▲ 6.2 0.6 0.8 10.0 2.3 0.5 2.1 3.0 ▲ 0.7 (注)在庫投資、純輸出は寄与度 出所:米商務省のデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/10/31 金融商品取引法に係る重要事項 グローバル・マクロ・トピックス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-161031-09 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33
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