通貨レポート Vol.6 ポイント① 2016年は対米ドルでは安定した推移

通貨レポート Vol.6
ポイント① 2016年は対米ドルでは安定した推移
2016年のインドルピーの対米ドル相場は、年初に下落し
たものの、その後は概ね横ばい圏での推移となりました。
2015年から2016年にかけて、他の新興国・資源国通貨
が大きく下落する中でも、インドルピーの下落幅は相対的に
小さくなりました。モディ政権下で構造改革が進められ、経
済環境が改善していることが評価されたことなどが背景にあ
ります。一方で、対円相場は下落基調となっています。イン
ドルピーが米ドルに対して底堅く推移したものの、米国の利
上げ時期や日本の金融政策の先行きを巡る不透明感が
高まったことなどから円に対して米ドル安が進んだこと(円高
米ドル安)が下落の主な要因と言えます。
ポイント② ファンダメンタルズは緩やかに改善
インドのファンダメンタルズの改善は緩やかに進んでいます。
経常収支は、ルピー安、原油や金といった資源価格の下落
などによる貿易赤字の縮小などから改善傾向にあります。ま
た、インフレ率(消費者物価指数)も安定しています。インド
準備銀行(中央銀行)は2013年9月にラジャン氏が総裁
に就任して以降、インフレ抑制を重視した金融政策運営を
実行し、資源価格の下落なども追い風となりインフレ率は
低下しました。足元ではインフレ目標レンジの上限である
6%を概ね下回って推移しています。一方で、4-6月期の
GDP(国内総生産)は前年同期比+7.1%と、前四半期
からやや減速しました。このような環境下、同中銀は10月4
日に政策金利を引き下げました。9月に退任したラジャン氏
の後任として、副総裁から昇格したパテル新総裁のもと、今
後もインフレに配慮しながら金融緩和姿勢が継続するとみ
られます。
ポイント③ 構造改革の進展に引き続き期待
足元でも、税制・金融政策面での改革が進展しています。
8月には長くインドで問題とされていた複雑な税制度が簡素
化されるGST(物品・サービス税)導入のための憲法改正法
案が上院で可決されました。また、金融政策面では、10月
の金融政策決定会合よりMPC(金融政策委員会)による
合議制が導入されました。これまで総裁一任で行なわれて
いた金融政策の決定が6人の委員による多数決で為され
ることとなり、意思決定の透明性向上が期待されます。
米国の金融政策など外部環境の変化に留意が必要です
が、構造改革が今後も進展すれば、市場の評価の高まり
や外貨準備高の増加などが、インドルピーを下支えするもの
と考えられます。
ご参考資料
2016年10月
図1:為替レートの推移
期間:2014年12月31日~2016年10月5日、日次
(円/インドルピー)
(インドルピー/米ドル)
2.0
60
ルピー高
1.8
62
ルピー安
1.6
64
1.4
66
1.2
68
対円レート(左軸)
対米ドルレート(右軸、逆目盛)
1.0
14/12
15/3
15/6
15/9
15/12
16/3
70
16/9
(年/月)
16/6
図2:政策金利とインフレ率、経常収支の推移
期間:2012年1月~2016年10月、月次
(%)
12
10
8
6
政策金利
インフレ率(前年同月比)
経常収支(対GDP比)
4
2
0
-2
-4
-6
12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7
・政策金利は月末値。ただし、2016年10月は10月4日の値。
・インフレ率は2016年8月まで。経常収支は四半期、2016年4-6月期まで。
(年/月)
図3:外貨準備高の推移
期間:2012年1月~2016年9月、月次
4,000
(億米ドル)
3,500
3,000
2,500
2,000
12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7
・各月の最終金曜日の値。ただし、2016年9月は9月23日の値。
(年/月)
(出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向
の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、
当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客
様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
1
【ご参考】各国の為替レート(対米ドル、対円) 期間:2013年12月31日~2016年10月5日、日次
南アフリカ
トルコ
(円/トルコリラ)
60
(トルコリラ/米ドル)
1.5
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
50
40
2.0
2.5
3.0
リラ安
20
13/12
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
3.5
(年/月)
メキシコ
(円/メキシコペソ)
9
(メキシコペソ/米ドル)
12
8
6
14
16
ペソ安
18
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
インド
20
(年/月)
(インドルピー/米ドル)
50
ルピー高
1.8
55
ルピー安
1.6
1.2
13/12
12
9
14
ランド高
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/6
14/12
15/6
16
ランド安
対円(左軸)
7
6
13/12
18
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/6
14/12
15/6
ブラジル
15/12
(円/ブラジルレアル)
50
45
2.5
3.0
レアル高
35
30
15/12
3.5
レアル安
25
13/12
4.0
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
(円/100インドネシアルピア)
1.1
(インドネシアルピア/米ドル)
11,000
ルピア高
1.0
60
0.9
65
0.8
70
(年/月)
(中国元/米ドル)
6.0
20
12,000
0.7
13/12
13,000
14,000
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/6
14/12
15/6
15/12
6.2
18
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
15/6
16/6
15,000
(年/月)
(米ドル/豪ドル)
1.0
豪ドル高
(円/豪ドル)
110
100
0.9
中国元安
14/12
4.5
(年/月)
ルピア安
中国元高
14/6
16/6
オーストラリア
(円/中国元)
22
14
13/12
20
(年/月)
(ブラジルレアル/米ドル)
2.0
中国
16
16/6
インドネシア
(円/インドルピー)
2.0
1.4
10
40
ペソ高
5
13/12
(南アフリカランド/米ドル)
10
8
リラ高
30
7
(円/南アフリカランド)
11
15/12
(出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成
16/6
豪ドル安
6.4
90
6.6
80
6.8
(年/月)
70
13/12
0.8
0.7
対円(左軸)
対米ドル(右軸)
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
0.6
(年/月)
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向
の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、
当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客
様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
2
【ご参考】各通貨の実質実効為替レートとキャリーリターン(対米ドル)*
期間:1999年12月31日~2016年10月5日、日次
トルコリラ
120
(2010年=100)
(1999年1月1日=100)
リラ高
100
リラ安
80
60
実質実効為替レート(左軸)
40
99/12
800
(2010年=100)
120
ランド高
600
100
400
80
200
60
キャリーリターン(対米ドル)(右軸)
03/12
07/12
0
15/12(年/月)
11/12
南アフリカランド
(1999年1月1日=100)
300
ランド安
200
40
99/12
キャリーリターン(対米ドル)(右軸)
03/12
07/12
(2010年=100)
120
レアル高
120
300
100
100
200
80
100
60
(1999年1月1日=100)
ペソ高
実質実効為替レート(左軸)
60
99/12
キャリーリターン(対米ドル)(右軸)
ペソ安
03/12
07/12
11/12
0
15/12(年/月)
100
80
実質実効為替レート(左軸)
40
99/12
400
120
300
100
200
80
100
60
キャリーリターン(対米ドル)(右軸)
03/12
07/12
11/12
(1999年1月1日=100)
300
200
100
実質実効為替レート(左軸)
キャリーリターン(対米ドル)(右軸)
03/12
07/12
0
15/12 (年/月)
(2010年=100)
11/12
0
15/12(年/月)
(1999年1月1日=100)
ルピア高
200
100
実質実効為替レート(左軸)
40
99/12
キャリーリターン(対米ドル)(右軸)
03/12
07/12
11/12
0
15/12 (年/月)
オーストラリアドル
中国元
(2010年=100)
120
豪ドル高
120
100
中国元安
(1999年1月1日=100)
200
60
80
07/12
11/12
15/12(年/月)
100
実質実効為替レート(左軸)
実質実効為替レート
40
99/12
400
300
豪ドル安
80
100
03/12
400
300
ルピア安
(2010年=100)
140
中国元高
60
99/12
400
インドネシアルピア
(1999年1月1日=100)
ルピー安
60
0
15/12(年/月)
レアル安
40
99/12
インドルピー
(2010年=100)
120
ルピー高
11/12
ブラジルレアル
400
80
100
実質実効為替レート(左軸)
メキシコペソ
(2010年=100)
140
400
キャリーリターン(対米ドル)(右軸)
03/12
07/12
11/12
0
15/12(年/月)
*各通貨の対米ドルのリターンに米ドルとの金利差を加算したリターン。ただし、中国元はブルームバーグデータが算出されていないため掲載していません。
(出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向
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3
【野村アセットマネジメントからのお知らせ】
■投資信託に係るリスクについて
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投資元本が保証されていないため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により投資一単位当たりの価格が変動します。
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資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リス
クの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては投資信託説明書(交付目
論見書)や契約締結前交付書面をよくご覧下さい。
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2016年10月現在
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《上限4.32%(税込み)》
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会社が販売に係る費用として受け取ります。手数料率等については、投資信
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運用管理費用(信託報酬)
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信託財産留保額
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信託財産内で発生するコストをその投資家自身が負担する趣旨で設けられて
います。
その他の費用
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「ファンドに関する租税」、「監査費用」、「外国での資産の保管等に要する諸費
用」等、保有する期間等に応じてご負担いただく費用があります。運用状況等
により変動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。
上記の費用の合計額については、投資家の皆様がファンドを保有される期間等に応じて異なります
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