通貨レポート Vol.10 ポイント① 新興国・高金利通貨は大幅下落 米国大統領選挙が、事前の予想を覆す形で共和党のド ナルド・トランプ氏が勝利する結果となって以降、新興国・ 高金利通貨は対米ドルで大幅に下落しています。その要 因として、トランプ氏の掲げる大型減税や拡張的な財政政 策などが米国の経済成長や物価上昇を加速させるとの期 待が高まったことで、米長期金利が大幅に上昇したことが挙 げられます。米大統領選前は1.8%前後で推移していた米 国10年国債利回りは11月18日に一時2.36%を付けま した。また、足元では米国の12月の利上げ観測も高まって おり、新興国・高金利通貨への下落圧力が強まっています。 ポイント② ブラジルレアルは急落後、やや戻す 2016年のブラジルレアルの対米ドル相場は、政権交代へ の期待や原油や鉄鉱石などの資源価格の反発などから、 上昇基調で推移しました。米大統領選直後は、年初来の 上昇率が他通貨に比べて大きかったことから利益確定売り 圧力により急落しましたが、足元では、中央銀行による為 替介入などもあり、他通貨並みの下落にとどまっています。 ご参考資料 2016年11月 図1:為替レートの推移 期間:2015年12月31日~2016年11月21日、日次 (円/ブラジルレアル) 40 35 国内政治では、引き続き財政改革の進展が注目されま す。10月には、議会下院において財政支出に上限を設け る法案が可決され、審議は上院に移されています。無事可 決されれば、テメル大統領が打ち出す財政緊縮策の追い 風になるとみられています。 市場の「期待」でこれまで上昇してきたレアルですが、今後 はテメル政権による財政健全化や構造改革に向けた政策 の実行性が重要となります。当面は、米国の金融政策や 米次期政権の政策の方向性、新興国資産を取り巻く不 安定な市場環境に注意が必要ですが、市場が落ち着きを 取り戻し、実体景気に底打ち感がみられれば、相対的に高 い金利を得られるレアルが注目されることが期待できます。 3.0 ブラジルレアル高 ブラジルレアル安 3.5 30 4.0 対円レート(左軸) 対米ドルレート(右軸) 25 15/12 16/2 16/4 16/6 4.5 16/10 (年/月) 16/8 図2:各通貨のキャリーリターン(対米ドル)* ブラジルレアル メキシコペソ 南アフリカランド トルコリラ ポイント③ 国内外の政治動向に注目 ブラジル中央銀行は10月に、インフレ鈍化と財政改革の 進展を背景に、4年ぶりとなる利下げを決定しました。10月 のインフレ率は前年同月比7.87%と引き続き低下傾向で す。なお利下げ余地があり、経済成長の支援に舵を切るこ とが期待されます。一方、同中銀は米大統領選後のレアル の大幅下落を受けて、11月11日から米ドル売りレアル買 い介入を実施しました。同中銀による通貨安抑制の姿勢 は、レアルを一定程度下支えすると考えられます。 (ブラジルレアル/米ドル、逆目盛) 豪ドル インドネシアルピア 米大統領選前 インドルピー 米大統領選後 -20% -10% 0% 10% 20% 30% 40% 米大統領選前:2015年12月31日~2016年11月8日 米大統領選後:2016年11月8日~2016年11月21日 *各通貨の対米ドルのリターンに米ドルとの金利差を加算したリターン。 図3:政策金利とインフレ率、経常収支の推移 (%) 15 期間:2013年12月31日~2016年11月21日、日次 10 5 政策金利 0 -5 13/12 インフレ率(前年同月比) 経常収支(対GDP比) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 (年/月) ・インフレ率は月次、2016年10月まで。経常収支は月次、2016年9月まで、 過去12ヵ月累計。 (出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 1 【ご参考】各国の為替レート(対米ドル、対円) 期間:2013年12月31日~2016年11月21日、日次 南アフリカ トルコ (円/トルコリラ) 60 (トルコリラ/米ドル) 1.5 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 50 40 2.0 2.5 3.0 リラ安 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 3.5 (年/月) メキシコ (円/メキシコペソ) 9 (メキシコペソ/米ドル) 12 8 7 ペソ高 6 5 ペソ安 4 13/12 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 インド 12 9 14 ランド高 40 18 35 20 30 55 1.6 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/12 15/6 14/6 14/12 15/6 ブラジル 15/12 16/6 (円/ブラジルレアル) 50 16 ルピー安 14/6 18 対米ドル(右軸、逆目盛) 6 13/12 45 22 (年/月) 16 ランド安 対円(左軸) 7 14 (インドルピー/米ドル) 50 ルピー高 1.8 1.2 13/12 10 (ブラジルレアル/米ドル) 2.0 2.5 3.0 レアル高 3.5 レアル安 4.0 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 25 13/12 14/6 14/12 15/12 15/6 15/12 16/6 (円/100インドネシアルピア) 1.1 16/6 12,000 ルピア安 60 0.9 65 0.8 70 (年/月) 0.7 13/12 13,000 14,000 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 15,000 (年/月) オーストラリア (円/中国元) 22 (中国元/米ドル) 6.0 中国元高 20 6.2 中国元安 18 (米ドル/豪ドル) 1.0 豪ドル高 (円/豪ドル) 110 100 0.9 豪ドル安 6.4 0.8 90 16 12 13/12 4.5 (年/月) (インドネシアルピア/米ドル) 11,000 ルピア高 1.0 中国 14 20 (年/月) インドネシア (円/インドルピー) 2.0 1.4 (南アフリカランド/米ドル) 10 8 リラ高 30 20 13/12 (円/南アフリカランド) 11 6.6 6.8 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 16/6 7.0 (年/月) 80 70 13/12 0.7 対円(左軸) 対米ドル(右軸) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 0.6 (年/月) 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 2 【ご参考】各通貨の実質実効為替レートとキャリーリターン(対米ドル)* 期間:1999年12月31日~2016年11月21日、日次 トルコリラ 120 (2010年=100) (1999年1月1日=100) リラ高 100 リラ安 80 60 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 800 (2010年=100) 120 ランド高 600 100 400 80 200 60 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 0 15/12 (年/月) 11/12 南アフリカランド (1999年1月1日=100) 300 ランド安 200 40 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 (2010年=100) 120 レアル高 120 300 100 100 200 80 100 60 (1999年1月1日=100) ペソ高 実質実効為替レート(左軸) 60 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) ペソ安 03/12 07/12 11/12 0 15/12(年/月) 100 80 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 400 120 300 100 200 80 100 60 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 (1999年1月1日=100) 300 200 100 実質実効為替レート(左軸) キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 0 15/12 (年/月) (2010年=100) 0 15/12 (年/月) 11/12 (1999年1月1日=100) ルピア高 200 100 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) オーストラリアドル 中国元 (2010年=100) 120 豪ドル高 120 100 中国元安 (1999年1月1日=100) 200 60 80 07/12 11/12 15/12(年/月) 100 実質実効為替レート(左軸) 実質実効為替レート 40 99/12 400 300 豪ドル安 80 100 03/12 400 300 ルピア安 (2010年=100) 140 中国元高 60 99/12 400 インドネシアルピア (1999年1月1日=100) ルピー安 60 0 15/12 (年/月) レアル安 40 99/12 インドルピー (2010年=100) 120 ルピー高 11/12 ブラジルレアル 400 80 100 実質実効為替レート(左軸) メキシコペソ (2010年=100) 140 400 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) *各通貨の対米ドルのリターンに米ドルとの金利差を加算したリターン。ただし、中国元はブルームバーグデータが算出されていないため掲載していません。 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 3 【野村アセットマネジメントからのお知らせ】 ■投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし 投資元本が保証されていないため、当該資産の市場における取引価格の変動や 為替の変動等により投資一単位当たりの価格が変動します。 したがって投資家の皆様のご投資された金額を下回り損失が生じることがあります。 なお、投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投 資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リス クの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては投資信託説明書(交付目 論見書)や契約締結前交付書面をよくご覧下さい。 ■投資信託に係る費用について 2016年11月現在 ご購入時手数料 《上限4.32%(税込み)》 投資家が投資信託のご購入のお申込みをする際に負担する費用です。販売 会社が販売に係る費用として受け取ります。手数料率等については、投資信 託の販売会社に確認する必要があります。 投資信託によっては、換金時(および償還時)に「ご換金時手数料」等がかか る場合もあります。 運用管理費用(信託報酬) 《上限2.1816%(税込み)》 投資家がその投資信託を保有する期間に応じてかかる費用です。委託会社 は運用に対する報酬として、受託会社は信託財産の保管・管理の費用として、 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