通貨レポート Vol.13 ポイント① 対米ドルでは概ねレンジ圏での推移 豪ドルの対米ドル相場は、2016年半ばから概ねレンジ 圏 で 推 移 し ま し た 。 11 月 以 降 は 、 米 大 統 領 選 挙 や FOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げ決定などを機 に大きく下落しましたが、年末には上昇に転じました。なお、 対円相場は、米ドル円の影響を受ける展開となり、秋以降 は円安米ドル高の影響などから、大きく上昇しました。 ポイント② 資源価格上昇が主な豪ドル高要因 豪ドルが堅調に推移している背景には、資源価格の反発 などがあります。オーストラリアの主要輸出品である鉄鉱石 や石炭などの資源価格の上昇により同国の交易条件は改 善しています。2016年12月の貿易収支は、資源輸出の 伸びに牽引され、+35億豪ドルと統計開始以来最大の貿 易黒字を計上しました。 豪州準備銀行(中央銀行、RBA)は、2017年2月の金 融政策決定会合で、政策金利を5会合連続で据え置く決 定をしました。2016年10-12月期のインフレ率(消費者物 価指数)が、引き続きインフレ目標レンジを下回る一方で、 住宅市場については、一部の地域で価格が急上昇するな ど過熱感もあることなどが背景にあります。他方、RBAは豪 ドル高が産業構造の移行を進める同国経済へ与える影響 を懸念する姿勢も見せました。市場では、政策金利は当面 据え置かれると見る向きが多いようです。 貿易黒字の拡大や追加利下げ期待の後退は豪ドル高 要因となる一方、RBAの通貨高に対する慎重な姿勢は豪 ドルの上値を抑える要因となると考えられます。 ご参考資料 2017年2月 図1:為替レートの推移 期間:2015年12月31日~2017年2月20日、日次 85 0.75 80 0.70 豪ドル高 75 0.65 対円レート(左軸) 豪ドル安 70 15/12 対米ドルレート(右軸) 16/3 16/6 16/9 16/12 0.60 (年/月) 図2:鉄鉱石価格と豪ドルの推移 期間:2014年12月31日~2017年2月20日、日次 100 (米ドル/豪ドル) (米ドル/トン) 0.85 鉄鉱石(中国向け、スポット) 豪ドル(右軸) 80 0.80 0.75 60 価格上昇、豪ドル高 40 0.70 価格下落、豪ドル安 20 14/12 15/6 15/12 16/6 16/12 0.65 (年/月) 図3:インフレ率と政策金利の推移 期間:2012年12月~2017年2月(見通しは2019年6月まで) ポイント③ 米国金融政策や資源価格動向に注目 4 今後の豪ドル相場を見る上では、米国の金融政策や資 源価格の動向などが注目されます。足元では、米大統領 選挙後に進んだ米長期金利の上昇や米ドル高に一服感 が見られますが、米国の利上げペースの加速が意識され米 ドル高が進む局面では、豪ドルへの下落圧力が強まる可能 性があります。一方で、中国や米国におけるインフラ投資へ の期待が継続し、資源価格が堅調に推移すれば、豪ドル の下支えになると考えられます。 3 対米ドルではレンジ圏での推移が予想されますが、対円 では、米国利上げによる日米金利差の拡大から円安米ド ル高が進む局面では、底堅く推移すると考えられます。 (米ドル/豪ドル) 0.80 (円/豪ドル) 90 (%) 政策金利 総合CPI (参考)トリム平均値 RBAのCPI見通し 2 1 網掛けは、豪州準備銀行のインフレ目標レンジ 0 12/12 13/12 14/12 15/12 16/12 17/12 18/12 (年/月) 政策金利は、月末値、2017年2月は2月20日時点。 インフレ率は四半期、2016年10-12月期まで実績値。2017年以降は、RBA見通 しの中央値。トリム平均値はCPI全項目を四半期の価格変動順に並べ、中央の 70%の値を加重平均して算出。 (出所)RBA、Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 1 【ご参考】各国の為替レート(対米ドル、対円) 期間:2013年12月31日~2017年2月20日、日次 南アフリカ トルコ (円/トルコリラ) 60 (トルコリラ/米ドル) 1.5 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 50 40 30 リラ高 20 2.0 10 2.5 9 3.0 8 3.5 リラ安 10 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 4.0 16/12 (年/月) 16/6 メキシコ (円/メキシコペソ) 9 (メキシコペソ/米ドル) 12 8 7 ペソ高 6 5 ペソ安 4 13/12 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 インド 14 ランド高 16 ランド安 対円(左軸) 18 対米ドル(右軸、逆目盛) 6 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 ブラジル (円/ブラジルレアル) 50 45 16 40 18 35 20 30 22 16/12 (年/月) (南アフリカランド/米ドル) 10 12 7 14 1.8 (ブラジルレアル/米ドル) 2.0 2.5 3.0 レアル高 3.5 レアル安 25 13/12 4.0 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 55 (円/100インドネシアルピア) 1.1 1.0 12,000 ルピア安 1.6 1.2 13/12 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 60 0.9 65 0.8 70 16/12 (年/月) 0.7 13/12 13,000 14,000 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 中国 15/6 15/12 16/6 (中国元/米ドル) 6.0 中国元高 20 6.2 中国元安 18 (米ドル/豪ドル) 1.0 豪ドル高 (円/豪ドル) 110 100 0.9 豪ドル安 6.4 90 16 12 13/12 15,000 16/12(年/月) オーストラリア (円/中国元) 22 14 4.5 16/12 (年/月) (インドネシアルピア/米ドル) 11,000 ルピア高 ルピー安 1.4 20 16/12 (年/月) 16/6 インドネシア (インドルピー/米ドル) 50 ルピー高 (円/インドルピー) 2.0 (円/南アフリカランド) 11 0.8 6.6 6.8 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 7.0 16/12(年/月) 80 70 13/12 0.7 対円(左軸) 対米ドル(右軸) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 0.6 16/12(年/月) 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 2 【ご参考】各通貨の実質実効為替レートとキャリーリターン(対米ドル)* 期間:1999年12月31日~2017年2月20日、日次 トルコリラ 120 (2010年=100) (1999年1月1日=100) リラ高 100 リラ安 80 60 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 800 (2010年=100) 120 ランド高 600 100 400 80 200 60 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) 南アフリカランド (1999年1月1日=100) 300 ランド安 200 40 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 (2010年=100) 120 レアル高 120 300 100 100 200 80 100 60 (1999年1月1日=100) ペソ高 実質実効為替レート(左軸) 60 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) ペソ安 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) 100 80 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 400 120 300 100 200 80 100 60 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 (1999年1月1日=100) 300 200 100 実質実効為替レート(左軸) キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 0 15/12 (年/月) (2010年=100) 11/12 0 15/12 (年/月) (1999年1月1日=100) ルピア高 200 100 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) オーストラリアドル 中国元 (2010年=100) 120 豪ドル高 120 100 中国元安 (1999年1月1日=100) 200 60 80 07/12 11/12 15/12 (年/月) 100 実質実効為替レート(左軸) 実質実効為替レート 40 99/12 400 300 豪ドル安 80 100 03/12 400 300 ルピア安 (2010年=100) 140 中国元高 60 99/12 400 インドネシアルピア (1999年1月1日=100) ルピー安 60 0 15/12 (年/月) レアル安 40 99/12 インドルピー (2010年=100) 120 ルピー高 11/12 ブラジルレアル 400 80 100 実質実効為替レート(左軸) メキシコペソ (2010年=100) 140 400 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) *各通貨の対米ドルのリターンに米ドルとの金利差を加算したリターン。ただし、中国元はブルームバーグデータが算出されていないため掲載していません。 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 3 【野村アセットマネジメントからのお知らせ】 ■投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし 投資元本が保証されていないため、当該資産の市場における取引価格の変動や 為替の変動等により投資一単位当たりの価格が変動します。 したがって投資家の皆様のご投資された金額を下回り損失が生じることがあります。 なお、投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投 資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リス クの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては投資信託説明書(交付目 論見書)や契約締結前交付書面をよくご覧下さい。 ■投資信託に係る費用について 2017年2月現在 ご購入時手数料 《上限4.32%(税込み)》 投資家が投資信託のご購入のお申込みをする際に負担する費用です。販売 会社が販売に係る費用として受け取ります。手数料率等については、投資信 託の販売会社に確認する必要があります。 投資信託によっては、換金時(および償還時)に「ご換金時手数料」等がかか る場合もあります。 運用管理費用(信託報酬) 《上限2.1816%(税込み)》 投資家がその投資信託を保有する期間に応じてかかる費用です。委託会社 は運用に対する報酬として、受託会社は信託財産の保管・管理の費用として、 販売会社は収益分配金や償還金の取扱事務費用や運用報告書の発送費用 等として、それぞれ按分して受け取ります。 *一部のファンドについては、運用実績に応じて報酬が別途かかる場合があ ります。 *ファンド・オブ・ファンズの場合は、一部を除き、ファンドが投資対象とする投 資信託証券の信託報酬等が別途かかります。 信託財産留保額 《上限0.5%》 投資家が投資信託をご換金する際等に負担します。投資家の換金等によって 信託財産内で発生するコストをその投資家自身が負担する趣旨で設けられて います。 その他の費用 上記の他に、「組入有価証券等の売買の際に発生する売買委託手数料」、 「ファンドに関する租税」、「監査費用」、「外国での資産の保管等に要する諸費 用」等、保有する期間等に応じてご負担いただく費用があります。運用状況等 により変動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。 上記の費用の合計額については、投資家の皆様がファンドを保有される期間等に応じて異なります ので、表示することができません。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、野村ア セットマネジメントが運用するすべての公募投資信託のうち、投資家の皆様にご負担いただく、それぞれの費用における最高の料 率を記載しております。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前 によく投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面をご覧下さい。 投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、 ご自身でご判断下さい。 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 4
© Copyright 2024 ExpyDoc