通貨レポート Vol.9 ポイント① メキシコペソは大幅下落 現地時間11月8日に行なわれた米国大統領選挙では、 事前の予想を覆す形で共和党のドナルド・トランプ氏が勝 利しました。為替市場では、開票が進みトランプ氏が大統 領選に勝利するとの見方が強まるにつれ、リスク回避姿勢 が強まり、主要な高金利・新興国通貨は下落基調となりま した。中でも、メキシコペソの下落幅は大きく、対米ドルで一 時10%を超える水準まで急落し、史上最安値を更新しま した。その後、やや落ち着きを取り戻し、9日のニューヨーク 時間17時頃には前日比で7.7%の下落となりました。 ポイント② 下落の要因はトランプ氏の政策 メキシコペソの急落の要因としては、トランプ氏が選挙期 間中に言及していた強硬な対メキシコ政策にあります。トラ ンプ氏は、メキシコ系移民による本国への多額の労働者送 金を問題視し、不法移民の取り締まり強化や北米自由貿 易協定(NAFTA)の見直しを公言しています。メキシコの 米国向け輸出の割合は大きく、また移民からの送金は同 国の堅調な個人消費を支える一因となっており、トランプ大 統領の誕生で、メキシコ経済にとって不利益となる政策が 実現されるとの懸念が膨らみました。 ポイント③ 米国の今後の政策運営に注目 外国為替市場でのペソ急落を受けて、メキシコの財務公 債相とメキシコ中央銀行総裁は緊急会見を行ない、国民 や市場関係者に冷静さを保つように呼びかけました。同中 銀は17日に定例の金融政策決定会合を開催する予定で す。市場では、さらなるペソの下落防止のため利上げが実 施されるとの見方もあります。 メキシコペソの動向を見る上では、トランプ次期大統領の 今後の政策運営の方向性が重要になると考えられます。 選挙期間中にトランプ氏が掲げてきた極端な政策は、共和 党内での協力体制が整っていないとの見方などから、一部 では実行性を疑問視する声もあり、今後の政策実行性に 注目が集まるとみられます。 米国の次期政権の政策を巡る不透明感から投資家心 理の悪化や実体経済への悪影響が高まる可能性があるこ とには注意が必要です。一方で、メキシコは他の新興国と 比較して相対的に良好なファンダメンタルズを有し、メキシコ ペソは過去比較で割安な水準にあることから、金融市場が 落ち着きを取り戻せば、市場で見直される局面もあると考 えられます。 ご参考資料 2016年11月 図1:為替レートの推移 期間:2015年12月31日~2016年11月9日、日次 (円/メキシコペソ) 8.0 (メキシコペソ/米ドル) 16 対円レート(左軸) 対米ドルレート(右軸、逆目盛) 7.5 17 7.0 18 6.5 19 6.0 20 5.5 21 5.0 22 12/31 1/31 2/29 3/31 4/30 5/31 6/30 7/31 8/31 9/30 10/31 (月/日) 図2:各通貨の騰落率(対米ドル) 期間:2016年11月8日~2016年11月9日 メキシコペソ 南アフリカランド 豪ドル トルコリラ ブラジルレアル インドネシアルピア インドルピー -8% -6% -4% -2% 0% 図3:政策金利とインフレ率、経常収支の推移 期間:2013年12月31日~2016年11月9日、日次 6 (%) 4 政策金利 経常収支(対GDP比) インフレ率(前年同月比) 2 0 -2 -4 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 (年/月) ・インフレ率は月次、2016年10月まで。経常収支は四半期、2016年4-6月期まで。 (出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 1 【ご参考】各国の為替レート(対米ドル、対円) 期間:2013年12月31日~2016年11月9日、日次 南アフリカ トルコ (円/トルコリラ) 60 (トルコリラ/米ドル) 1.5 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 50 40 2.0 2.5 3.0 リラ安 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 3.5 (年/月) メキシコ (円/メキシコペソ) 9 (メキシコペソ/米ドル) 12 8 7 6 14 16 ペソ安 18 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 インド 20 (年/月) (インドルピー/米ドル) 50 ルピー高 1.8 55 ルピー安 1.6 1.2 13/12 12 9 14 ランド高 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 16 ランド安 対円(左軸) 7 6 13/12 18 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 ブラジル 16/6 (円/ブラジルレアル) 50 (ブラジルレアル/米ドル) 2.0 45 2.5 3.0 レアル高 35 30 3.5 レアル安 25 13/12 4.0 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/12 15/6 15/12 16/6 (円/100インドネシアルピア) 1.1 16/6 12,000 ルピア安 60 0.9 65 0.8 70 (年/月) 0.7 13/12 13,000 14,000 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 15,000 (年/月) オーストラリア (円/中国元) 22 (中国元/米ドル) 6.0 中国元高 20 6.2 中国元安 18 (米ドル/豪ドル) 1.0 豪ドル高 (円/豪ドル) 110 100 0.9 豪ドル安 6.4 0.8 90 16 12 13/12 4.5 (年/月) (インドネシアルピア/米ドル) 11,000 ルピア高 1.0 中国 14 20 (年/月) インドネシア (円/インドルピー) 2.0 1.4 10 40 ペソ高 5 13/12 (南アフリカランド/米ドル) 10 8 リラ高 30 20 13/12 (円/南アフリカランド) 11 6.6 6.8 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 16/6 7.0 (年/月) 80 70 13/12 0.7 対円(左軸) 対米ドル(右軸) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 0.6 (年/月) 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 2 【ご参考】各通貨の実質実効為替レートとキャリーリターン(対米ドル)* 期間:1999年12月31日~2016年11月9日、日次 トルコリラ 120 (2010年=100) (1999年1月1日=100) リラ高 100 リラ安 80 60 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 800 (2010年=100) 120 ランド高 600 100 400 80 200 60 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 0 15/12 (年/月) 11/12 南アフリカランド (1999年1月1日=100) 300 ランド安 200 40 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 (2010年=100) 120 レアル高 120 300 100 100 200 80 100 60 (1999年1月1日=100) ペソ高 実質実効為替レート(左軸) 60 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) ペソ安 03/12 07/12 11/12 0 15/12(年/月) 100 80 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 400 120 300 100 200 80 100 60 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 300 200 100 実質実効為替レート(左軸) キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 0 15/12 (年/月) (2010年=100) 0 15/12(年/月) 11/12 (1999年1月1日=100) ルピア高 200 100 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) オーストラリアドル 中国元 (2010年=100) 120 豪ドル高 120 100 中国元安 (1999年1月1日=100) 200 60 80 07/12 11/12 15/12(年/月) 100 実質実効為替レート(左軸) 実質実効為替レート 40 99/12 400 300 豪ドル安 80 100 03/12 400 300 ルピア安 (2010年=100) 140 中国元高 60 99/12 400 インドネシアルピア (1999年1月1日=100) ルピー安 60 (1999年1月1日=100) レアル安 40 99/12 インドルピー (2010年=100) 120 ルピー高 0 15/12 (年/月) 11/12 ブラジルレアル 400 80 100 実質実効為替レート(左軸) メキシコペソ (2010年=100) 140 400 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12(年/月) *各通貨の対米ドルのリターンに米ドルとの金利差を加算したリターン。ただし、中国元はブルームバーグデータが算出されていないため掲載していません。 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 3 【野村アセットマネジメントからのお知らせ】 ■投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし 投資元本が保証されていないため、当該資産の市場における取引価格の変動や 為替の変動等により投資一単位当たりの価格が変動します。 したがって投資家の皆様のご投資された金額を下回り損失が生じることがあります。 なお、投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投 資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リス クの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては投資信託説明書(交付目 論見書)や契約締結前交付書面をよくご覧下さい。 ■投資信託に係る費用について 2016年11月現在 ご購入時手数料 《上限4.32%(税込み)》 投資家が投資信託のご購入のお申込みをする際に負担する費用です。販売 会社が販売に係る費用として受け取ります。手数料率等については、投資信 託の販売会社に確認する必要があります。 投資信託によっては、換金時(および償還時)に「ご換金時手数料」等がかか る場合もあります。 運用管理費用(信託報酬) 《上限2.1816%(税込み)》 投資家がその投資信託を保有する期間に応じてかかる費用です。委託会社 は運用に対する報酬として、受託会社は信託財産の保管・管理の費用として、 販売会社は収益分配金や償還金の取扱事務費用や運用報告書の発送費用 等として、それぞれ按分して受け取ります。 *一部のファンドについては、運用実績に応じて報酬が別途かかる場合があ ります。 *ファンド・オブ・ファンズの場合は、一部を除き、ファンドが投資対象とする投 資信託証券の信託報酬等が別途かかります。 信託財産留保額 《上限0.5%》 投資家が投資信託をご換金する際等に負担します。投資家の換金等によって 信託財産内で発生するコストをその投資家自身が負担する趣旨で設けられて います。 その他の費用 上記の他に、「組入有価証券等の売買の際に発生する売買委託手数料」、 「ファンドに関する租税」、「監査費用」、「外国での資産の保管等に要する諸費 用」等、保有する期間等に応じてご負担いただく費用があります。運用状況等 により変動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。 上記の費用の合計額については、投資家の皆様がファンドを保有される期間等に応じて異なります ので、表示することができません。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、野村ア セットマネジメントが運用するすべての公募投資信託のうち、投資家の皆様にご負担いただく、それぞれの費用における最高の料 率を記載しております。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前 によく投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面をご覧下さい。 投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、 ご自身でご判断下さい。 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 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