通貨レポート Vol.11 ポイント① 各通貨のリターンに大きな差 2016年の新興国通貨の対米ドル相場は、年初来でみ るとリターンに大きく差がつきました。 資源価格の反発などから、ブラジルレアルや南アフリカラン ドは大幅に上昇しました。一方、米国大統領選挙において トランプ氏が言及した強硬な対メキシコ政策への懸念から、 メキシコペソは年間を通して下落基調となりました。クーデ ター未遂事件以降高まる政治リスクや、原油高や米金利 上昇による経常収支の悪化が懸念されたトルコリラも大きく 下落しました。なお、国内で進む構造改革への期待やイン フレに落ち着きがみられることなどから、インドルピーやインド ネシアルピアなどは比較的小さな振れ幅となりました。 ポイント② トランプ氏勝利の影響 米大統領選挙で、トランプ氏が予想外に勝利する結果と なって以降、新興国通貨は対米ドルで総じて下落基調と なりました。トランプ氏勝利の新興国市場への影響は、大き く2つの経路が考えられます。1点目は、保護主義の動きが 貿易面から実体経済に与える影響です。この点において最 も影響を受けている通貨はメキシコペソです。2点目は、財 政拡大やインフレ加速への期待による米長期金利の上昇 や、米国の金融政策への先行き不透明感から、新興国資 産から資金が流出する懸念です。この点では、経常赤字や 対外債務などの面での脆弱性が着目されて多くの新興国 通貨が売られる要因となり、中でも特に脆弱性が懸念され るトルコリラの下落が目立ちます。 一方、米大統領選挙後は、大幅な円安米ドル高が進ん だことから、対円相場は概ね底堅く推移しました。 南アフリカランド メキシコペソ トルコリラ インドルピー インドネシアルピア 豪ドル 年初来 (ご参考)円 米大統領選後 (ご参考)ユーロ -30% -20% -10% 0% 10% 20% 30% 図2:各通貨の騰落率(対円) ブラジルレアル 南アフリカランド メキシコペソ トルコリラ インドルピー インドネシアルピア 年初来 米大統領選後 豪ドル -30% -20% -10% 0% 10% 20% 30% 年初来:2015年12月31日~2016年12月30日 米大統領選後:2016年11月8日~2016年12月30日 (出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成 図3:主要国の脆弱性の比較 2016年 6 4 トルコ ロシア 南アフリカ 2 インド デフレリスク高い メキシコ 0 インドネシア 米国 オーストラリア -2 -4 インフレリスク高い ブラジル -6 -4 -2 資本流出耐性強い 新興国の景気は、各国で景況感に差はあるものの全般 的に回復局面にあります。新興国資産を取り巻く不安定な 金融環境には注意が必要ですが、市場が落ち着きを取り 戻せば、過去比較で割安な水準にあり、ファンダメンタルズ の改善が期待できる国の通貨については見直される余地が あると考えられます。 ブラジルレアル 資本流出耐性弱い トランプ次期米大統領の主要な政策がどの分野でどの程 度の規模で具体化されるかなど方向性は不透明です。また、 12月のFOMCにおいて2017年の利上げペースの加速が 示唆されたことから、今後の米国の金融政策の行方にも注 目が集まりそうです。 図1:各通貨の騰落率(対米ドル) インフレ率の目標からの乖離(前年 比、% ) ポイント③ 各国のファンダメンタルズに注目 ご参考資料 2017年1月 0 中国 2 経常収支(対名目GDP比、%) ユーロ圏 日本 4 6 8 (注)中国は目標物価上昇率が非公表のため、2006年から10年間の平均値で代用。 (出所)各国中央銀行、 IMF「World Economic Outlook Database, October 2016」データを基に野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 1 【ご参考】各国の為替レート(対米ドル、対円) 期間:2013年12月31日~2016年12月30日、日次 南アフリカ トルコ (円/トルコリラ) 60 (トルコリラ/米ドル) 1.5 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 50 40 30 リラ高 20 2.0 10 2.5 9 3.0 8 3.5 リラ安 10 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 4.0 (年/月) メキシコ (円/メキシコペソ) 9 (メキシコペソ/米ドル) 12 8 7 ペソ高 6 5 ペソ安 4 13/12 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 インド (円/南アフリカランド) 11 12 14 ランド高 16 ランド安 対円(左軸) 7 18 対米ドル(右軸、逆目盛) 6 13/12 14/6 14/12 15/6 ブラジル 15/12 (円/ブラジルレアル) 50 14 45 16 40 18 35 20 30 22 (年/月) (南アフリカランド/米ドル) 10 (インドルピー/米ドル) 50 ルピー高 1.8 (ブラジルレアル/米ドル) 2.0 2.5 3.0 レアル高 3.5 レアル安 4.0 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 25 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 55 (円/100インドネシアルピア) 1.1 1.6 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 16/6 1.0 12,000 ルピア安 15/12 16/6 60 0.9 65 0.8 70 (年/月) 0.7 13/12 13,000 14,000 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 中国 15/6 15/12 16/6 (中国元/米ドル) 6.0 中国元高 20 6.2 中国元安 18 (米ドル/豪ドル) 1.0 豪ドル高 (円/豪ドル) 110 100 0.9 豪ドル安 6.4 90 16 12 13/12 15,000 (年/月) オーストラリア (円/中国元) 22 14 4.5 (年/月) (インドネシアルピア/米ドル) 11,000 ルピア高 ルピー安 1.2 13/12 20 (年/月) インドネシア (円/インドルピー) 2.0 1.4 16/6 0.8 6.6 6.8 対円(左軸) 対米ドル(右軸、逆目盛) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 7.0 (年/月) 80 70 13/12 0.7 対円(左軸) 対米ドル(右軸) 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 0.6 (年/月) 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 2 【ご参考】各通貨の実質実効為替レートとキャリーリターン(対米ドル)* 期間:1999年12月31日~2016年12月30日、日次 トルコリラ 120 (2010年=100) (1999年1月1日=100) リラ高 100 リラ安 80 60 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 800 (2010年=100) 120 ランド高 600 100 400 80 200 60 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) 南アフリカランド (1999年1月1日=100) 300 ランド安 200 40 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 (2010年=100) 120 レアル高 120 300 100 100 200 80 100 60 (1999年1月1日=100) ペソ高 実質実効為替レート(左軸) 60 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) ペソ安 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) 100 80 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 400 120 300 100 200 80 100 60 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 (1999年1月1日=100) 300 200 100 実質実効為替レート(左軸) キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 0 15/12 (年/月) (2010年=100) 11/12 0 15/12 (年/月) (1999年1月1日=100) ルピア高 200 100 実質実効為替レート(左軸) 40 99/12 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) オーストラリアドル 中国元 (2010年=100) 120 豪ドル高 120 100 中国元安 (1999年1月1日=100) 200 60 80 07/12 11/12 15/12 (年/月) 100 実質実効為替レート(左軸) 実質実効為替レート 40 99/12 400 300 豪ドル安 80 100 03/12 400 300 ルピア安 (2010年=100) 140 中国元高 60 99/12 400 インドネシアルピア (1999年1月1日=100) ルピー安 60 0 15/12 (年/月) レアル安 40 99/12 インドルピー (2010年=100) 120 ルピー高 11/12 ブラジルレアル 400 80 100 実質実効為替レート(左軸) メキシコペソ (2010年=100) 140 400 キャリーリターン(対米ドル)(右軸) 03/12 07/12 11/12 0 15/12 (年/月) *各通貨の対米ドルのリターンに米ドルとの金利差を加算したリターン。ただし、中国元はブルームバーグデータが算出されていないため掲載していません。 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。 3 【野村アセットマネジメントからのお知らせ】 ■投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし 投資元本が保証されていないため、当該資産の市場における取引価格の変動や 為替の変動等により投資一単位当たりの価格が変動します。 したがって投資家の皆様のご投資された金額を下回り損失が生じることがあります。 なお、投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投 資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リス クの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては投資信託説明書(交付目 論見書)や契約締結前交付書面をよくご覧下さい。 ■投資信託に係る費用について 2017年1月現在 ご購入時手数料 《上限4.32%(税込み)》 投資家が投資信託のご購入のお申込みをする際に負担する費用です。販売 会社が販売に係る費用として受け取ります。手数料率等については、投資信 託の販売会社に確認する必要があります。 投資信託によっては、換金時(および償還時)に「ご換金時手数料」等がかか る場合もあります。 運用管理費用(信託報酬) 《上限2.1816%(税込み)》 投資家がその投資信託を保有する期間に応じてかかる費用です。委託会社 は運用に対する報酬として、受託会社は信託財産の保管・管理の費用として、 販売会社は収益分配金や償還金の取扱事務費用や運用報告書の発送費用 等として、それぞれ按分して受け取ります。 *一部のファンドについては、運用実績に応じて報酬が別途かかる場合があ ります。 *ファンド・オブ・ファンズの場合は、一部を除き、ファンドが投資対象とする投 資信託証券の信託報酬等が別途かかります。 信託財産留保額 《上限0.5%》 投資家が投資信託をご換金する際等に負担します。投資家の換金等によって 信託財産内で発生するコストをその投資家自身が負担する趣旨で設けられて います。 その他の費用 上記の他に、「組入有価証券等の売買の際に発生する売買委託手数料」、 「ファンドに関する租税」、「監査費用」、「外国での資産の保管等に要する諸費 用」等、保有する期間等に応じてご負担いただく費用があります。運用状況等 により変動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。 上記の費用の合計額については、投資家の皆様がファンドを保有される期間等に応じて異なります ので、表示することができません。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、野村ア セットマネジメントが運用するすべての公募投資信託のうち、投資家の皆様にご負担いただく、それぞれの費用における最高の料 率を記載しております。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前 によく投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面をご覧下さい。 投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、 ご自身でご判断下さい。 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向 の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、 当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客 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