投資信託は資金流入も残高減少続く（資金循環統計）

2016年10月26日
投資情報室
（審査確認番号H28-TB184）
金融市場NOW
投資信託は資金流入も残高減少続く（資金循環統計）
 金融資産残高は前年同月（2015年6月）末から約30兆円減少
 投資信託は約9兆7千億円の資金流入も残高は14兆円減少
 株式や投資信託が減少したのに対して現預金は約11兆円増加
日本銀行が9月26日に発表した資金循環統計によると2016年6月末の家計の金融資産残高は1,746兆円と前年
同月（2015年6月）末から約30兆円（1.7％）減少しました（図表1）。資産別では、株式等が約−28兆円
（ 172 兆円 → 144 兆円）、投資信託が約 − 14 兆円（ 100 兆円 → 86 兆円）と減少しました。
投資信託については、2015年7月∼2016年6月の期間には累計で約9兆7,000億円の資金流入となっており（図
表2）、残高の減少は主に円高進行や株価下落などの影響を受けたものと考えられます。一方で最も残高の多い
現預金については、約11兆円（1.7％）増加しており（図表1、3）、金融市場の不透明感から投資を控え現預
金として保有する動きが増したものと日銀はみています。
このように、直近の投資信託の残高や資金流入額は減少していますが、2012年後半頃からの資金流入傾向は
継続しています（図表4）。今後の市場動向次第では再び現預金などから「投資」資金として資金流入額が増加
し、残高が増加傾向に転じることも考えられます。
図表2：投信の残高・資金流出入の推移
図表1：日本の家計金融資産残高の推移
（兆円）
1800
（2015年第2四半期～2016年第2四半期、四半期）
現預金（右軸）
（兆円）
金融資産残高（左軸）
（兆円）
1000 2.5
（2015年6月～2016年6月、流出入は2015年7月から、月次）
資金流出入（左軸）
（兆円）
105
投信残高
2.0
100
1.5
95
1.0
90
0.5
85
0.0
80
950
1750
1700
900
1650
850
1600
15/6
15/9
15/12
16/3
16/6
800 ‐0.5
15/6
（年/月）
図表3：家計金融資産の構成比（2016年6月末）
240
株式等
8%
200
保険・年金
30%
15/10
15/12
16/2
16/4
75
16/6（年/月）
図表4：投信の残高・資金流出入と株価・為替の推移
投資信託その他
4%
5%
（兆円）
（2011年6月～2016年6月、流出入は2011年7月から、月次）
3
資金流出入(右軸）
220
現預金
53%
15/8
2.4
日経平均株価（左軸）
円/ドルレート（左軸）
1.8
投信残高（左軸）
180
1.2
160
0.6
140
0
120
‐0.6
100
‐1.2
80
‐1.8
11/6
12/6
13/6
14/6
15/6
16/6
※日経平均株価、円/ドルレート、投信残高は2011年6月＝100として指数化
出所：図表1、2、3は日本銀行のデータ、図表4は投資信託協会のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
（年/月）
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