ブラジル中銀は4年ぶりの利下げを決定

情報提供資料
ブラジル中銀は4年ぶりの利下げを決定
2016年10月20日
 ブラジル中銀は、4年ぶりに利下げを決定。今後は、インフレ率低下などを見極めながら、
利下げの幅やペースを判断する見込み。
 ブラジルレアルは、中長期的にはブラジル政府の財政改革に対する取り組み姿勢や同国経
済の改善をにらみつつ、対米ドルで徐々に上値を試す展開となろう。
図表1
利下げの背景
10月19日(現地時間)、ブラジル中央銀行(以下、
中銀)は、通貨政策委員会(COPOM)において政策金
利(Selic)を0.25%引き下げ14.00%にすることを全
会一致で決定しました。利下げは2012年10月以来で4
年ぶりのことです(図表1)。
今回の利下げは、事前に予想されていました。中銀
は、前回8月の委員会で、それまであった「金融緩和の
余地はない」との文言を削除し、「金融緩和はインフ
2012年10月1日~2016年10月20日:日次
(インフレ率は2012年10月~2016年9月:月次)
(%)
16
14
12
10
8
レ目標達成に向け強い確信を示す要因次第」としまし
6
た。その判断材料として、①食料品価格、②金融政策
4
や経済の余剰(slack)に敏感な物価、③財政改革など
2
の動向を注視する姿勢を強調していました。
10月に入って、それらの動向に進展が見られ、利下
化傾向にあり、飲食料品価格は8月の同+13.92%から9
インフレ目標レンジ2.50%~6.50%
0
12/10
13/10
14/10
ブラジル政策金利
げ環境が整いつつありました。具体的には、9月のイン
フレ率(消費者物価上昇率)は、前年比+8.48%へ鈍
政策金利とインフレ率の推移
15/10
16/10
(年/月)
インフレ率(前年同月比)
出所:ブラジル中央銀行、ブルームバーグのデータを基にアセットマネジメント
Oneが作成
図表2
月には同+13.31%へ低下しました。また、10月14日
には、ブラジル国有石油会社ペトロブラスが燃料価格
の引下げ方針を示したことも、将来のインフレ沈静化
(円)
ブラジルレアルの推移
2012年10月1日~2016年10月19日:日次
(レアル)
1.0
に寄与する判断材料の一つとなりました。さらに、10
55
月10日には、公的支出の伸びをインフレ率以下に抑え
50
るための憲法改正案が議会下院の第一回採決で可決し、
45
2.0
40
2.5
35
3.0
30
3.5
財政健全化に向けた動きがみられました。
今後の金融政策
中銀は、今後インフレ率が順調に低下するかどうか
を見極めながら、利下げの幅やペースを判断していく
とみられます。その際、中銀が注目している点として
は、①金融緩和や経済の 余剰が物価に与える影響 、
②一般的に国民に不人気な財政改革に対する現政権の
推進力などが挙げられます。
レアル高
レアル安
25
20
12/10
13/10
レアル/円(左軸)
1.5
4.0
14/10
15/10
4.5
16/10
(年/月)
米ドル/レアル(右軸:逆目盛り)
出所:ブルームバーグのデータを基にアセットマネジメントOneが作成
※上記グラフは、将来の経済、市況、その他の投資環境にかか
る動向などを示唆、保証するものではありません。
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
商 号 等 / アセットマネジメントOne株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
加入協会/ 一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
1
今後のレアル相場見通し
今回の利下げは大方予想されていたことから、ブラジルレアル(対米ドル、以下レアル)相場に与える影響は
限定的とみられます。
レアルは、10月上旬には1米ドル=3.2レアル台で推移していましたが、その後財政健全化に向けた動きがみ
られたことが好感され上昇し、足元では3.1レアル台となっています(図表2)。
足元のレアル相場は強含みで推移していますが、中銀がリバース通貨スワップ取引を通じた実質的なレアル売
り・ドル買いを継続していることもあり、目先はレンジ内での推移を見込みます。また米国の追加利上げが視野
に入るなかで、実際に利上げが実施された場合の影響など不透明感がくすぶる点には留意が必要と考えます。し
かしながら、中長期的には以下の①、②の要因を見極めつつ、徐々に上値を伸ばす展開となるとみています。
①財政改革に対する取り組み姿勢
財政改革姿勢が今後も堅持されるかどうかを見極めるうえでは、政権基盤が注目されます。10月2日に実施さ
れた地方選挙においては、連立与党が支持を拡大しました。今回の選挙結果は、財政健全化を進める現政権運営
にとってはプラスに働くとみられ、レアルの上昇要因になると考えます。
②ブラジル経済
ブラジル経済は、依然失業率が高水準にあるなど懸念材料は残るものの、企業景況感など一部経済指標には改
善の動きがみられ、景気の底打ち期待が高まっています。今後財政健全化の動きが継続し、インフレ率が中銀の
想定通りに低下基調で推移すれば、利下げによる景気の下支え効果などが期待される点もレアルの上昇要因にな
ると考えます。
(2016年10月20日
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
12時執筆)
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