週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 8 月 1 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
8 月 2 日から 8 月 8 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):日本付近では、期間のはじめは高気圧が東西に割れる。沖縄・奄美~西日本は西側の高気圧圏内で概ね晴れ
るが、2つの高気圧の谷間に位置する北・東日本には下層の暖湿気や上層の寒気が流れ込みやすく、曇りや雨の所が多い。後半
の北・東日本は日本のはるか東~アリューシャンの南に中心を持つ太平洋高気圧に覆われて概ね晴れる一方、沖縄・奄美~西日
本はその西縁に位置するため下層の暖湿気が流れ込んで雲が広がりやすく、雨の降る所もある。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の日本付近は、東日本の南海上のスポット的な負偏差域を除いて概ね正偏差。モンゴル付
近と千島の東が顕著な正偏差&リッジで、後者に近い北日本は明瞭な正偏差。予報期間の日本付近も引き続き正偏差。このうち
北日本は明瞭な正偏差が続き、その西方の中国東北区~モンゴルに明瞭な正偏差域が帯状に広がる。
●4~5日:北・東日本では大気の不安定な状態が徐々に解消し、日本のはるか東~アリューシャンの南に中心を持つ太平洋高気圧
の圏内へ次第に入る見込みで、5日を中心に晴れる所が多い。一方、西日本は高気圧の西縁に位置して下層の暖湿気が流れ込む
ため、雲が広がりやすく雨の降る所もある。
●6~7日:日本のはるか東~アリューシャンの南に中心を持つ太平洋高気圧の勢力が強まり、北・東日本は広く覆われて概ね晴れ
る。西日本は引き続き高気圧の縁に位置して太平洋側を中心に下層の暖湿気が流れ込むため、雲が広がりやすく雨の降る所もあ
る。
●8日:日本の南~沖縄の南を北上する可能性のある熱帯じょう乱の動向など不確定な面があるが、日本のはるか東~アリューシャ
ンの南に中心を持つ太平洋高気圧の勢力が更に強まり、北・東日本に加えて西日本日本海側も広く覆われて晴れる所が多くなる。
一方、西日本太平洋側は引き続き下層暖湿気の影響で雲が広がりやすい見込み。
●沖縄・奄美:湿った空気の影響で曇りの日が多い。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:日本の南~沖縄の南に見られる熱帯じょう乱の7日の予測位置について、東経130度以西が
全体の2割弱、130~140度が4割弱、140度以東が約3割で、全体の2割弱のメンバーが明瞭に発達させている。
・ スプレッド:5日目が昨日資料と同値のほかは拡大した。特定高度線は、いずれも期間の後半に大きくバラつく。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、沖縄・奄美では4~7日に昨日資料より縮小した。西日本は6日に縮小し、北日本は4日にや
や拡大した。
・ 予想T850時系列:北日本は2℃程度の正偏差が続く。東・西日本と沖縄・奄美は、平年値近傍で推移する。
2.防災事項等
・ 期間のはじめは北・東日本では大気の状態が非常に不安定で、大雨や短時間強雨および落雷・突風等のおそれがある。
・ 西日本では猛暑日の続く所がある。ほかの地方も含め、熱中症などに注意。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 北・東日本は気圧の谷が継続し、T300≦-33℃の寒気を伴うトラフが通過する。また、東北太平洋側~関東・東海には、日本の
はるか東に中心を持つ太平洋高気圧縁辺の暖湿気が旺盛に流れ込む。これらにより、東北と東日本の各地方では雨の降る所が多
い。
・ 西日本は、日本海に中心を持つ高気圧の圏内で概ね晴れるが、午後は山沿いを中心に雨の降る所がある。
・ 沖縄・奄美は、大陸に上陸した台風第4号の東側の湿りが流入するため、雲が広がりやすい。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北日本と東日本は、期間のはじめは低気圧や湿った空気の影響で雲が広がりやすく雨の降る所が多い。その後は、太平洋高気圧に
覆われて概ね晴れる。
・ 西日本と沖縄・奄美は、期間のはじめは高気圧に覆われて概ね晴れる。その後は、湿った空気の影響で雲が広がりやすく雨の降る
所がある。
・ 最高気温・最低気温とも、全国的に平年並か平年より高いが、東日本と西日本では期間のはじめを中心に平年より低い所がある。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。