光電子顕微鏡 Photo Electron Emission Microscopy (PEEM) ●二次電子検出による試料表面の高分解能イメージング ●XPS, XANES の併用により、極微小部分の同時分析が可能 ●有機薄膜材料および磁気イメージングへの応用 測定原理 紫外線や X 線を試料に照射し、光電効果により 放出された光電子を電場によって加速する。電場レンズや 磁場レンズを用いて倍率を調整して、光電子をスクリーン で検出することにより、試料表面の電子状態の分析を行 う。 得られる情報 試料表面の電子顕微鏡像(二次電子像)を得 ることが出来る。また、入射光のエネルギーを変えながら 光電子の強度を測定することにより、極微小部分の XPS, XANES 測定を行なうことができる。 図 1. PEEM 測定装置(SAGA-LS, BL10)*1 特徴 数十 [nm]の高い位置分解能で、イメージングと光電 子分光を同時に行うことができる。また入射光のエネルギー をさせることにより、元素選択な分析が可能である。 応用例 時間分解 MCD-PEEM による磁気渦構造のダイナミ クス測定:円偏光軟 X 線を用いた磁気円二色性同時測定によ り、磁気材料のスピンダイナミクスを可視化(Spring-8) http://pfwww.kek.jp/pf-sec/PF-kenkyukai/materials2/fukumoto.pdf 図 2. PEEM 測定の模式図*2 図 3. 光記録ディスク表面の PEEM 像*3 図 4. FeNi ウィドマンステッテン構造界面における 組成マッピングと XAFS スペクトルの同時分析*4 東北放射光施設における展開 軟 X 線・真空紫外ビームラインにおける紫外光電子分光との 組み合わせによる有機薄膜材料の分析、円偏光を併用した磁気イメージングへの応用などが期 待できる。 既存ビームラインとの基本スペック比較 PEEM SPring-8 SLiT-J KEK (PF ring) BL-02 BL-04 BL17SU/Ac BL25SU/A BL-28B 光源 アンジュレータ アンジュレータ アンジュレータ アンジュレータ アンジュレータ エネルギー範囲[keV] 0.1~3 0.1~3 0.3~1.8 0.12~2.0 0.03~0.3 エネルギー分解能 ΔE/E ~10-4 ~10-4 ~10-4 ~10-4 ~10-4 ビームサイズ [μm] ~1 <0.1 100×100 0.1~数100 - 光子数(集光位置) [photons/sec] ~1013 ~1010 ~1011 ~1011 1010~1012 *1 : http://www.saga-ls.jp/?page=323 *2 : http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_51/ *3 : http://shin.issp.u-tokyo.ac.jp/theme_peem.html *4 : https://user.spring8.or.jp/sp8info/?p=3135
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