X 線コンピュータトモグラフィ - SLiT-J

X 線コンピュータトモグラフィ
X-ray Computed Tomography (XCT)
●透過 X 線から求められる吸収係数から、試料の内部構造をイメージング
●非破壊検査であり、試料の特別な前処理が不要
●大強度・高エネルギーX 線による金属等の高密度試料への適用
測定原理 物質中の測定断面水平方向に X 線を照
射し、透過 X 線の強度分布を測定する。測定断面
を格子状に分割し、各格子の X 線吸収係数が測定
値と等しくなる条件を満たす連立方程式を立て、
コンピュータ処理でこれを解くことにより物質内
部の断面形状を画像化する。
得られる情報 物質中の密度および、元素の違い
から生じる X 線吸収係数の変化を反映した二次
元の断面像を得ることができる。連続的なスキ
ャンによって三次元の内部構造イメージを得る
図 1 X 線 CT 測定装置(SPring-8, BL47XU)*1
ことができる。
特徴 非破壊検査であり、試料の特別な処理を必要としない。使用する X 線のエネルギーによ
って、無機物(金属、岩石等)から生体試料まで適応可能である。
応用例 X 線 CT 像による コンクリート微細構造の観察 (SPring-8) :コンクリート内部の空
孔分布を三次元的に直接観察し、コンクリート劣化の評価・予測を高精度化
http://support.spring8.or.jp/Doc_speaking/PDF_091030/hitomi.pdf
図 3 マウスの胸部 X 線 CT 画像*2
図 2 Au-Ag ナノ中空粒子の X 線 CT 画像*3
東北放射光施設における展開 東北放射光における X 線の波長領域から、有機・生体試料等の
比較的低密度の試料に対して、短時間でマイクロ~ナノスケールの高分解能 CT 測定が実施でき
ることが期待できる。
既存ビームラインとの基本スペック比較
XCT
光源
SPring-8
SLiT-J
KEK (PF ring)
BL-01
BL-03
BL20XU
BL47XU
BL-14C
アンジュレータ
アンジュレータ
アンジュレータ
アンジュレータ
ウィグラー
エネルギー範囲[keV]
3~30
3~30
37~113
5.2~37.7
7~66
エネルギー分解能 ΔE/E
~10-4
~10-4
-
~2×10-4
~2×10-3
ビームサイズ [μm]
~1
<0.1
700×1400
-
-
光子数(集光位置) [photons/sec]
~1012
~1010
~1011
~2×1013
~108
*1 : http://www.spring8.or.jp/wkg/BL47XU/instrument/lang/INS-0000000557/view
*2 : http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_45/
*3 : http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2010/100420/